15.財政・税制

2012年11月16日 (金)

「財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律案」に対する賛成討論

(平成24年11月15日 衆議院本会議)

自由民主党の齋藤健です。
私は、自由民主党・無所属の会を代表して、賛成の立場で討論を行います。
本法案は、平成24年度予算の財源のうち全体の4割、38.3兆円の赤字国債発行を法的に担保し、予算執行を財源の面で裏づけるものです。
我が党は、平成24年度予算に反対いたしました。本来であれば、予算と一体のものである「公債発行特例法案」には賛成できないことは言うまでもありません。しかし、今回、我が党が賛成するに至りましたのは、我が党がかねてから主張してきた平成24年度予算の膨張した歳出を見直し減額補正を行うこと、及び予算案と「公債発行特例法案」の一体処理の必要性を与党・民主党が認めて、本法案を修正することで合意したからであります。
昨年8月にも自公民の3党合意により平成23年度の「公債発行特例法案」の成立の道筋をつけましたが、その際も民主党は今回と同じように歳出見直しの約束をしましたが、高校無償化の政策効果の検証を怠るなど、平成24年度予算においても約束は守られず、水ぶくれ予算となりました。挙句の果ては、我々との真摯な政策協議を避け続け、「公債発行特例法案」成立の遅延を招きました。どうして民主党の皆さんは、こうも約束を守れないのでしょうか?
ところで、国の「歳出」である予算案と、「歳入」を確保するための本法案は同じタイミングで成立させるのが、いままでの慣例でありました。
そのため、自公政権では当初予算案と「公債発行特例法案」を、同時に成立させるように最大限の努力をして参りました。
ところが、民主党政権においては、そのような真摯で責任感ある態度が全く見られません。昨年に続き今年度も、憲法上規定された衆議院の優越規定を使って予算のみを通す一方で、政府・民主党は、「公債発行特例法案」は野党が反対しているから通りませんというばかりで、与野党が一致して賛成できるような「知恵」を示した上で、成立を図ろうとする働きかけや努力をしてきませんでした。
政府・民主党は、本年3月末の時点で、「公債発行特例法案」を参議院に送ったら、否決される可能性があるから、予算案と分離して処理するという判断をしたと聞いています。それなのに、この夏の通常国会の会期末に、成立まで何の展望もないまま、この法案を強引に参議院に送付した挙句、廃案にしてしまったのはなぜでしょうか?意味がわかりません。
野田総理は、衆参両院で与野党の賛同を得られるような環境整備に努めていきたいと3月時点で述べておられました。それから既に8ヶ月が経過いたしました。今回自民、公明、民主3党政調会長会談において、ようやく本法案を修正することで合意しました。しかし、余りにも遅すぎませんか。政府・民主党は、なぜ、予算の執行を抑制して地方自治体等に迷惑をかける前に、今回のような案を我々に提示しなかったのでしょうか。政権を担う者の責任感と能力があまりにもなさすぎる。
政権与党として恥ずべき醜態だと私は思います。
ところで、今、議場に席を占めている民主党議員の皆さんは、「無駄をなくせば、16.8兆円が捻出できる。」そうすれば、消費税を上げずとも、月額2万6000円の子ども手当ての支給、高速道路無料化、農業者戸別所得補償、高校無償化の「バラマキ4K政策」の実施は可能だと言って当選してきたのではありませんか。違いますか。その責任をどう感じていますか?
結果は、本年度においてはその4分の1以下の約3.9兆円しか捻出できていません。
結局、民主党が政権を取ってから編成した予算は、3年連続で「税収より借金が多い」という無残な姿となりました。
これに対し、我が党は、現実を直視した上で、政権与党時代から、消費税率の引上げはやむをえないと訴えてきました。
これに反対し続けた当時の野党・民主党は、政権交代後も菅前総理が財務大臣時代の予算委員会で、(消費税率の引き上げについては)「逆立ちしても鼻血も出ないというほど完全に無駄をなくしたと言えるところまで」検討しないと言っていました。
ところが、突然方針転換をされ、先の総選挙でマニフェストについて「書いてあることは命がけで実行する、書いてないことはやらないんです、それがルールです」とまで断言した野田総理が、「書いてない」消費税率引上げを「命がけで実行する」ことになったのです。
これは、明らかに、国民に対する裏切りではありませんか。あの夏の日の演説はいったい何だったのでしょうか?
それでも我が党は、一体改革関連法案は、国家国民のために苦しくとも通すべきと判断し、加えて、野田総理自身がマニフェストで国民を裏切ったことを重く考え、「法案が成立した暁には、近いうちに国民に信を問う」と約束したため、自公民3党合意がなされ、この歴史的な法案は成立しました。暁どころか、3ヶ月余りが経過いたしました。総理は明日、この約束を人として実行しなければなりません。
近いうちに返すからという言葉を信じてお金を貸したのに、いつまでたっても返してくれない、そういう状況になったら誰でも、いったいいつ返してくれるのか、そう聞くのは当たり前ではないでしょうか。そして、いつ返すのかはっきりしてくれと申し上げたら、今度は、これをやったら返してやると、新しい条件をつけてくる。これが正直者のやることでしょうか?学校の先生がどう言ったか知りませんが、一つだけ確かなことは、そういう方に、二度とお金を貸す人はいない。
 それでもなお、我が党は、総理が突然追加的に出された新条件に誠実に対応することといたしましたが、信頼関係は崩壊しております。野党の協力を得なければ物事が進まない、ねじれ国会の下では、このことは致命的であります。
 もはや、野田政権には、明日衆議院を解散する以外に、我が国の国政を前進させる道はなくなりました。
民主党政権のこの3年2ヶ月の間、日本の外交は、どうなりましたか。
日米関係はどうなりましたか。インド洋での給油・給水活動から撤退し、普天間で迷走し、アメリカ大統領にトラスト・ミーと悪ふざけし、元首相がイランを訪問する。
日中関係はどうなりましたか。
日韓関係はどうなりましたか。いずれも戦後最悪ではないですか。
日露関係はどうなりましたか。日本の領土はどうなっていますか。
経済はどうなりましたか。アンチビジネス対策のオンパレードで企業がなだれをうって海外に出ていってしまっていませんか。
震災復興は進んでいますか。増税までして確保した復興予算はちゃんと使われていますか。自分で作った予算を自分で仕分けするなんていう茶番を税金を使ってまで、まさかやらないでしょうね。
不適任な大臣は一体何人出ましたか。
あきれ果てて離党した仲間は、一体何人いますか。これも自民党政権の負の遺産ですか。
マニフェストはどうなりましたか。ガソリンは下がりましたか。年金通帳は配られましたか。高速道路は無料になりましたか。これも自民党政権の負の遺産ですか。
今、マニフェストを準備されているそうですが、そんなものを受け取る有権者はおりません。
もはや、これ以上、言葉のやり取りは必要ない。あとは剣を交えるのみ。終わります。

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2009年6月10日 (水)

「骨太の方針」素案について議論

 9日朝飛行機で上京。午後は衆院本会議にて臓器移植法改正4案に関する中間報告。田村憲久・衆院厚生労働委員長が審議内容等について詳細に報告し、各案提案者が発言を行った。さすがに普段よりも厳粛な雰囲気が本会議場に漂う。来週にも採決される見通しか。終了後、与党道州制特区法PT、異状死議連関係の説明、衆院法制局と死因究明制度の基本法制定に向けた勉強会。

 夜宿舎に帰宅し、作文しなきゃ…とか夕食どうしよう…とか風呂入らなきゃ…とか思いつつ、シャツとズボンのままベッドに倒れこみそのまま眠ってしまった模様。気がついたら午前2時すぎ。着替えだけして朝までもう一度寝た。

 10日は朝から衆院経済産業委員会。午後は党政調全体会議、再び経済産業委員会、与党道州制特区推進法PT、異状死議連関係の申し入れ。

 党政調全体会議とは、来年度予算編成の方針となる「基本方針2009」を議論する場。党所属全議員が参加できる重要な会議である。発言権を確保するため20分前に会場に行って保利政調会長、園田政調会長代理の目の前の席に着席。首尾よく指名していただき発言した内容は以下。

1.「『基本方針2006』等を踏まえ、歳出改革を継続しつつ現下の経済状況への必要な対応等を行う。」となっている部分について、『基本方針2006』には社会保障費用自然増分の2200億円削減が書いてあるので「~を踏まえ」の部分を削除すべき。

2.労働基準監督署が病院に対して医師の勤務状況の是正を命じる例が多発していることを考えれば、医師不足は偏在是正だけでは到底解消しない。医師養成数の拡充についても記載すべき。

3.異状死議連の提言を受け、「犯罪の見逃し防止等のため死因究明を着実に推進する」として死因究明の推進が書かれたのは感謝するが、犯罪の見逃し防止に加えて「公衆衛生の向上」も追加すべき。そうでないと警察だけの問題になってしまう。

4.「幼児教育・保育の総合化を推進する」と書いてあるが意味が不明。保育の児童福祉という根幹は守るのか。一元化とどう違うのか。説明できる言葉に直すべき。

 その他多数の発言が各議員から相次いだ。今回の議論を踏まえ修文ののち、来週再び開かれる予定。さてそれまでにどう変わっているか。

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2009年6月 5日 (金)

財政制度審議会の建議

昨日は衆院本会議など。今日は午前中衆院国土交通委員会に差し替え出席後、衆院経済産業委員会。新エネルギー利用促進に関する法改正について。会期延長により意外に色んな法案の審議が進む。臓器移植法改正案の審議も厚労委で行われているはずだ。夕方新幹線で帰倉。

3日に建議された財政制度等審議会の資料を読む。診療報酬値下げなどが話題になっていたが問題はそれだけではない。さりげなく「『基本方針2006』の考え方を踏まえた歳出改革」とか書いてある。この意味するところは明確で、社会保障費増加分の2200億円削減を続けるということ。見事な霞ヶ関文学。

財制審はそもそもそういう役目のものなのだが、あまりにも現状を見ない提言。来週から今年度の「骨太の方針」の議論が始まるが、仲間の議員と協力してなんとか撤回させねばならない。

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2009年1月28日 (水)

消費税上げについて

今日は麻生太郎総理の施政方針演説はじめ、政府四演説が衆院本会議で行われた。総理らしい色のにじむ、でもあまりケレン味の無い素直な演説だった。

おそらく消費税率上げの話が明日の新聞等で取り上げられるであろうし、代表質問でも出てくる話だろう。また中期プログラムや所得税法の附則に書くかどうかということで自民党内でも激しい議論があったのも既に報道の通りだ。そして以後も議論は続くし、続けなければならない。

ただ、政府は単に消費税を上げたいだけのか、というと話はそこまで単純ではない。その他の税についてもさまざまな見直しを同時に行うことになっているし、景気回復等の前提条件もきちんと書いてある。それを踏まえた議論をしてほしいと切に願う。

参考に、すったもんだの党内議論の末まとめられ、先日国会に提出された「所得税法等の一部を改正する法律案」の附則第百四条をタイプしてWebページとしてアップした。これを読めば、政府と自民党がどういう方向に税制を動かそうとしているかざっくりわかるはずだ。また、石破茂農水相の考えも本人のブログに記されている。橋本もほとんど同意見。あわせてぜひ参考にしていただきたい。

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2009年1月27日 (火)

二次補正予算成立

結局、13時から両院協議会開会、今日は衆院自民党の衛藤征士郎議員が議長だったこともありスムーズに進行。17時40分から衆院本会議で河野洋平議長が衆院の議決が国会の議決となった由宣告し、補正予算成立。

これで生活対策がうてることになる。ただし参院で放置されている関連法案もいずれ再議決がいるが…。

明日からは来年度本予算の審議だ。頑張ろう。

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2009年1月20日 (火)

東京でのある一日

昨晩の夜中、誘惑に負けてつい「九州じゃんがら」のぼんしゃんらーめん全部入り+カピタンにんにく+ライスを食べに行ってしまった。朝起きたらやたら胃が重い。げっぷがにんにく臭い。宿舎の近所においしいラーメン屋があるのも考えものである。食欲に弱い自分が最も考えものなのだが。

院内にて9時40分の党国会対策委員会から日程スタート。村田委員長代理から参院の状況を伺う。23日の採決がどうなるかが一つの焦点であるが、おそらく思うようにはなるまい。法案説明は中座。

10時からストップ結核パートナーシップ推進議員連盟。橋本は事務局次長。海外の結核対策への日本の支援のあり方と、国内の結核対策の両方が議題。例の日比谷公園年越し派遣村にて結核患者が一人見つかり病院搬送された由。この方は入村時に発見されたので大事には至らずに済んだが、現下状況での非正規雇用の方々の感染症対策は急務だ。また、結核患者を受け入れると診療報酬上病院は不採算との報告もあった。それらの点について二次補正予算に向けて官邸に要望を行うこととなり、私が文案を作成することになった。

11時20分から内閣府亀水参事官と午後の道州制推進委員会について打ち合わせ。40分から総務省電気通信事業部武内部長らからIPv6関係の事業についてレク。地デジほど目立たないが、いずれ起こるIPv4アドレスプールの枯渇に備えた地道な活動が必要だ。

党本部へ徒歩で向かい、12時から社会保障制度調査会医療委員会。地域医療の確保に向け、日本医師会、日本歯科医師会、日本看護協会、日本薬剤師会、日本女医会からヒアリング。それぞれに重要な話なのだが、医師不足の医師会と過剰感のある歯科医師会が並んでも、ちょっとまとまりがない。私からは、病院休診等医療崩壊のの個別具体的な事例では大学医学部との関係等が問題になっている点を指摘し意見を伺う。あわせて実は病理医が最も不足しており、医療安全調査委員会の議論で今後論点となり得ることも指摘しておいた。

13時から、道州制推進本部道州制推進委員会の役員会。橋本は事務局次長で司会。北海道庁から、北海道道州制特区法に基づく第三次提案の説明を受ける。今回は本質的な提案が多い。国直轄事業の維持費の地元負担の廃止とか、政令市・特例市・中核市等の指定用件を条例で定められるようにする等。入れ替えで国土交通省、総務省、厚生労働省の意見も聞く。役所の理屈ばかりでなく、できるだけ北海道の要望に沿うように検討を求める。そのための特区なのだから。

14時から政調全体会議。少し遅れて参加すると、もう席が一杯。後ろの方の柱の陰しか空いていないのでそこに座る。税法の付則に将来の消費税増税について2011年という数字を書くべきかどうかが争点。一年生議員から中川秀直議員ら大御所までが手を上げて続々発言。(1)高齢社会における社会保障維持のためいずれ増税は不可欠、(2)しかし行革や天下り防止等も含め国民の理解は全く得られていない、(3)景気への影響も懸念多し(ただし好況になれば「景気の腰を折るな」という議論が必ず出るのだが)、(4)埋蔵金やらどこかから財源が湧いて出るという寝言を信じる議員は皆無、といったあたりがコンセンサス。あとは麻生総理を選んだ責任論や政党としての矜持、しかし民意は全く不評という現状との間で喧々諤々の議論。意見は収束に向かいつつあるように思える。あとは案文を見て議論をすべきであろう。こういう自由な議論ができるのが自民党の強みだし、そういう点をもっと多くの人に知ってほしいと思うのだが。2時間近く議論が続くが中座。

090120

(写真:白熱する政調全体会議)

帰り道、参議院の議員会館に立ち寄り、民主党の鈴木寛議員にご挨拶。超党派の医療議連の事務局をされており、かつ橋本の大学の先生筋にもあたる。倉敷市の伊東市長とも懇意とか。自分の会館事務所に戻って、総務省移動通信課の竹内課長から3.9世代携帯電話の免許や電波割り当てについてレク、続いて経済産業省産業技術政策課の小林課長から産業活力活性化法改正案についてレク。ここまでで17時。

今後の日程の確認などをして東京駅に向かい、18時過ぎの「のぞみ」で帰倉。家に着くのは22時過ぎだ。八重洲口地下の大丸にて、ちょっと奮発しておいしいお弁当を買って車内で食べるのがわずかな楽しみ。こういう日々を東京では送ってます。

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2009年1月 6日 (火)

財政演説に対する代表質問

 昨日は財政演説後、竹下亘議員らと会食、情報交換。その後最終の新幹線で帰倉。今朝は7時から水島・開新橋で街宣。企業に年始のご挨拶に伺ったのち飛行機で上京。眠い。

 午後1時から衆院本会議。財政演説に対する各党代表質問。野党の代表質問はワンパターンで新味なし。金融・景気の悪化を「麻生内閣による人災」と決めつけ、定額給付金を無意味と切り捨て、必ず日々谷公園の派遣村の話を取り上げる。景気や雇用に迅速な対策を求めつつ、一刻も早い退陣または解散をも求めるのは、無理な注文というもの。社民党の辻元清美議員が農業について取り上げたのがやや提案的だったくらいか。一方与党側の質問は丁寧かつ真摯ではあったものの、あまりインパクトもなかった。

 定額給付金を止め、地方自治体に配ったらどうかという提案が民主党・鳩山由紀夫幹事長からあった。自治体が自由に使えるお金が増える、との理由による。では何故、国民各自が自由に使えるお金が増えることが批判されなければならないのか。また国民は貯蓄に回してしまい効果がないという給付金への批判があるが、自治体が借金の返済に回さないという保障はあるのか。結局、反対のための反対という感は拭えず。

 永田元議員の件から数日しか経ってないにも関わらず、「愛のある政治が必要」と臆面なく発言された鳩山氏の感覚には、ちょっと僕には絶望的についていけないものを感じた。政党が違うからどうでもいいんだけど。

 補正予算関連法案の財務金融・総務・国土交通各委員会への付託に野党は反対し、議院運営委員会で採決によって付託したとか。議論そのものすら否定するのであれば、何のための国会か。とはいえこうなったら全て強行採決になるのだろう。釈然としない思いを持ちつつ、夕方の新幹線で帰倉。

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