07.経済・景気・雇用

2012年2月 8日 (水)

水島のトンネル事故について

 水島コンビナート内のJX日鉱日石エネルギー水島製油所にて海底トンネル工事中に出水し、5名の方が行方不明となるいたましい事故が昨日発生した。まずは行方不明の方々の捜索と事故原因の調査・再発防止を急がなければならない。とはいえ海底での出来事であり、難航している模様だ。

 工事のコストを切り詰めるため安全面が手薄になっていたのではないかといった話も耳にする。いずれ調査の結果などが公表され責任が問われることになるであろう。ただ同時に、なぜそこまでコストを切り詰めなければならなかったか、その背景も同時に考えなければなるまい。先日「水島の悲鳴」というエントリで記したとおり、日本を代表する大企業といえども極めて厳しい環境下での事業運営を強いられる状況が現在ある。そのしわ寄せが早速このような形で現場に現れたような気がして、いささか暗澹とした気持ちにならざるを得ない。

 今日は玉島をあいさつ回りしていて、ある方から「自民党もいまのままじゃダメじゃ!」というお叱りをいただいた。消費税とか議員定数削減も大事なテーマだし、民主党政権の正当性の無さは指摘し続けなければならないが、一方で「日本が将来どうやって稼ぐか」を国会で語るのも、自民党の大事な仕事だと思う。

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2012年1月19日 (木)

水島の悲鳴

 今週はじめから、水島コンビナート企業の方々にご挨拶に伺っている。水島は、鉄鋼・自動車・石油・化学・造船・食品そして火力発電所と、国内外を相手にさまざまなビジネスをしている企業の集積があり、ここを回るだけで日本のみならず世界の情勢まで伺うことができる。

 が、今年ほど暗い顔の多い年はなかった気がする。「リーマンショックの時よりも悪い」という声まで聞こえる。原因は長期化して先の見えない円高であり、ユーロ圏の経済不安、そしてイラン情勢による石油調達への不安などなど、だ。リーマンショックの時はまあ我慢すればなんとかなるだろうという感じもあったが、今回はもうどうにもならないかも、とも言われた。ある社長さんいわく「これまで円高になってもなんとか歯を食いしばってコスト削って我慢したから、今度もなんとかなるじゃろと政治家の皆さんはタカをくくってるんじゃないか。消費税消費税と言っても、稼げなくなって給料が払えなくなったらそれどころじゃないんじゃけどな」と。

 あるいは、「水島港がバルク戦略港湾に指定されたと民主党の皆さんは喧伝するが、来年度予算にはまったく予算が計上されていない。やっぱり看板倒れじゃないか」と。看板倒れはマニフェスト以来民主党のお家芸と化しているが、ここでもやはりそうかと慨嘆せざるをえない。中国電力管内は比較的マシだが、やはり今年夏の電力供給についても不安はぬぐえない。もちろん中電も結局火力発電で支えているのだから、コストやCO2問題だってどうなるのだかさっぱりわからない。

 そして当然、大企業だけでの話ではない。水島の不振は、地場の協力企業からたとえば勤めの方が住むアパートの大家さんまで、そしてもちろん雇用そのものにも波及するのである。先が思いやられる。

 消費税増税しか目に入っていない今の政権に、果たしてどれだけこの危機的な声が聞こえているのだろうか。

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2009年6月29日 (月)

技の鉄人競技大会

 28日、三菱自工水島製作所で行われた「第8回 水島技の鉄人競技大会」にお伺いした。普段、自動車の組み立てにあたっておられる皆さんが、それぞれの技を競技の形で競うものだ。ロボットティーチング、溶接、塗装、ヤスリ掛け、パテによる成形から、ボルト締め付け、電気配線、測定、部品や完成車の点検、砥石のバランスとり、、、etc.etc.

 いかに機械化された自動車製作工場とはいえ、実に基本的な手作業が基礎にあり、かつそれが極めて精密に行われていることを実感。まさに「ものづくり」である。ボルト締め競技の模範演技を見れば、右手でボルトを締めながら左手で正しいボルトを指の触覚で探していて、決して間違うことがない。すごい!の一語。

 街に日常的にあふれている一台の車も、これだけの努力と技の積み上げでできてるんだなぁ!と感動した時間だった。車は大事に乗りましょう。そしてこの「ものづくり」こそ、日本の産業の基礎である。補正予算等でさまざまな施策はとられているが、なお一層しっかり守らなければならない。

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(写真:大原謙一郎・倉敷商工会議所会頭と一緒に見学、説明を受けた)

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(写真:フォークリフト運転操作競技。水をこぼしたりパイロンに当たると減点)

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(写真:組み立て競技の様子。テキパキとした挙動が日頃の仕事ぶりを伺わせる)

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2009年5月14日 (木)

給付金を『夕張希望の杜』へ寄付

 倉敷市でも定額給付金の申込書受付が始まり、わが家でも早速申込を行ったようだ。まだその分は自分には来ていないが、先にかねて考えていた使い途を実行に移すことにした。

 それは、財政再建中の北海道夕張市で頑張っている医療法人財団「夕張希望の杜」への寄付である。いろいろご縁があった上に、医療現場危機突破議連にて村上智彦理事長の講演を伺いその熱意に感動し、また夕張希望の杜メールマガジンも毎週拝見している。日本の医療を現場で歯を喰いしばって支える方々を少しでも応援したいという想い、かつ公職選挙法上選挙区内での寄付は不可ということも考慮し、そのようにした。なお家族の分は家族と相談して地元岡山県倉敷市・早島町で消費するつもり。

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(写真:振込したATMの利用明細デス。証拠として。)

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2009年4月29日 (水)

補正予算審議入り

 27日(月)、県連の会合の後岡山空港から空路上京。羽田空港からは一緒になった萩原誠司議員の車に便乗させてもらい、国会へ。ありがとうございました。13時から衆院本会議にて、与謝野大臣による財政演説。翌28日(火)13時から衆院本会議にて各党からの代表質問。答弁と合わせて所要二時間半。

 今回の補正予算は経済危機へのさらなる対策として組まれたものであり、一般会計では約14兆7000億円が計上されます。環境にやさしい車への買い替え支援や住宅の太陽光発電パネル設置補助等の需要刺激策が含まれる。現下の状況を鑑みれば速やかに成立させるべきである。何故か野党各党が反対なので国会はどう動くかよくわからないが。

 代表質問では、鳩山由紀夫民主党幹事長が相変わらず検察批判を行った。よほどヤマシイのか。政府案の財政面についてバラマキという懸念を示すが、同時に高速道路無料化等の民主党提案の経済対策を語り、「よっぽどそっちの方がバラマキじゃないか!」というヤジが飛ぶ。家計に対する支援がないと批判するが、ならばなぜ定額給付金に反対したのか。そもそもこれまで「麻生内閣の認識が甘い」と言っていたのは自分たちだ。にもかかわらず対策を打ったら批判する。支離滅裂である。

 終了後、「のぞみ」で倉敷へ。事務所にて若い世代の支援者の方々の会合に顔を出す。仕事帰りに集まってもらい、本当に感謝。選挙での勝利に向けて誓いを新たにする。

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自民党岡山県連緊急雇用労働対策本部

 27日(月)は、水島・開新橋での早朝街宣からスタート。自民党岡山県連青年局長の佐藤真治県議も参加してくださる。普段は一人なので心強い限り。その後岡山に移動して、自民党岡山県連緊急雇用労働対策本部の会合。商工会議所から連合までの団体、国や県の機関の方々を一堂に会していただき、岡山県下の現在の経済情勢や対策等についてヒアリング。

 報告では、なお受注等経済の動きも求人倍率等も悪化しつつあるものの、悪化のペースは落ち着いてきたとのこと。とはいえまだ下げ止まったわけではなく、一層の対策が必要であるとの由。雇用促進住宅への緊急入居決定数は、愛知県に続いて二位となっている。それだけ岡山は今回の景気減退が響いているということだ。

 私からは、1.雇用促進住宅の入居期限が6か月であり、近々に期限を迎える方も出てくるがその対策をどうするか?2.前々から決まっていたことだがタイミング悪く玉島のハローワークが3月末で廃止となったが、どのようにフォローするか、の二点を要望を兼ねて質問。1.については「厚労省本省の方針次第」ということで国会議員側の宿題。2.については、倉敷市と相談しつつ近日中に措置することを考えている由。いずれ倉敷市から発表があるとのこと。対策本部として議決を行うことを決めて閉会した。

 いずれにしても、なお一層の対策が必要であり、同日に提出された補正予算は早期に実現すべきだ。その様子は次のエントリにて。

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2009年4月 9日 (木)

環境対応車の普及促進

 午前中、衆院総務委員会。地上デジタル放送推進のために、生活保護世帯等にデジタル対応チューナーを配布する。そのため等の電波法および放送法改正について。20分間時間をもらって質疑を行う。消防団機庫のNHK受信料問題を取り上げたところ、予定外にも関わらず鳩山総務大臣は前向きに取り組む由答弁してくださった。

 午後衆院本会議、道州制推進本部会合(北海道観光推進法について)、法曹養成および法曹人口を考える会勉強会(司法書士、税理士、弁理士さんの団体からヒアリング)、異状死死因究明議連コアメンバー会議(民主党案および各省庁からのヒアリング)、と続く。夜は会社時代の友人と情報交換、帰りにマスコミの方とばったり会ってさらに情報交換。

 さて昨日エントリのギンガマンさんのコメントで中古車切り替えや新車購入補助の話が出ていました。これは新たな経済対策の一環として検討されているものであり、今後補正予算が通ることで実現します。現在の与党案では登録日ベースで4月10日まで遡及適用となっています。ですから明日にでも販売店さんに連絡して、登録をちょっと待ってもらうように依頼してみてください。まだ間に合うかも知れません。

 なお景気対策施策としては、もちろんちょっと安く車を購入していただくという意味もありますが、自動車メーカー及び関係会社に対する需要喚起策という面もあることはご理解いただけると幸いです。そして、自動車ほど様々な技術や部品の組み合わせがあるものはなく、ということは幅広い波及効果も期待されるということです。もちろんメーカーと政府にとっては、定価で買っていただくことも当然景気へのプラス影響という意味ではうれしいことに違いありません。

 対策の具体的な内容ですが、車齢13年超(ということは相当古い車)を廃車して2010年度燃費基準達成車(新車の9割が街頭)に買い替える場合は、普通乗用車で25万円、軽自動車で12.5万円の補助が出ます。また、廃車を伴わなくても、環境性能の良い新車(排気ガス性能4つ☆かつ2010年度基準+15%以上、、三菱自工の車で言うとコルトや新しいアウトランダーは当てはまる模様)を買った場合は普通車10万円、軽自動車5万円の補助が出ます。今年度限りまたは合計270万台分の予算が無くなり次第終了。今年度税制改正による自動車重量税・取得税の減免措置による効果と合わせ、100万代規模の需要減を補う台数効果、12万人の雇用波及効果が予測されるとの由です。

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2009年4月 1日 (水)

マル経融資制度、拡充!

 今日の衆院経済産業委員会の橋本の質疑により、二階経済産業大臣から小規模事業者経営改善資金融資制度、通称「マル経融資制度」を今後さらに拡充する政府の方針が明らかにされた。

 この制度は、小規模の事業所(従業員20人以下、商業・サービス業は5人以下)の法人・個人事業主を対象とするもので、これまでは融資限度額が1000万円、無担保、無保証人、低利率(2.0%)で、融資期間が運転資金が5年以内(元本据え置き期間6か月)、設備資金が7年以内というもの。たとえば倉敷商工会議所ではさらに独自に0.5%の利子補給を行い、小規模事業所の資金繰り支援の中核としている。私からは、この制度に関して商工会議所の取り組みを紹介しながら重要性を指摘し、拡充を要望した。

 二階俊博経産相の答弁によると、昨日ロンドン出発前に麻生太郎総理と二階経産相の会談で拡充を提案したところ、総理が「それでいこう!」と決断された由。具体的には、融資限度額を1,500万円に、融資期間を運転資金を7年(元本据え置き期間1年)、設備資金10年(元本据え置き期間2年)となる。既に財務省とも調整が済んでおり、迅速に実現したいとのことである。

 なお、今回の質疑では、産活法改正に関する質疑とともに、現下の経済情勢をふまえ上記以外にも、

・緊急保証制度の対象業種、および無担保保証上限額の拡大
・診療所や中小病院等の医療機関を緊急保証制度の対象に含めること
・中小企業の遊休生産設備の買い上げ・リースバック制度の検討
・繊維業など、以前から厳しい業界への配慮
・(総社市が実施したような)自動車購入に対する補助実現
・自治体の取組への財政支援の拡充
・資源生産性向上のためのコンビナートの活用
・倉敷市議会の「ジーンズ議会」を例に出し、景気を良くする委員会運営

 などの要望および議論を行った。

 引き続き、日本と地域の景気を良くするために、衆院経済産業委員として皆さんのご意見をいただきながら努力する。

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2009年3月27日 (金)

平成21年度予算成立

 今日は午前中、衆院経済産業委員会。三名の有識者の方にお越しいただき、参考人質疑。中でも草野豊己氏の今回の世界同時不況に対するコメントが勉強になった。曰く、

○アメリカの金融不安はまだ底が見えない。何よりも米財務省すら「これから実態を把握する」と言っているのが恐ろしい。常識外のことも起こりうる(ブラックスワン)覚悟を持つべき。
○少なくとも過去数年のアメリカの住宅や自動車の需要は金融バブルによるもの。この状態への回復を期待してはならない。
○日本は、貿易依存がアダとなり世界の分業体制からも離れているため、影響をモロに蒙ることになった。日本の株価等を支えていた外資も引き上げている。その中で我慢できるセーフティーネットが必要。

 状況は楽観を許さぬもの。引き続き緊迫感を持って対策に当たらなければならない。来週同委員会で質疑の時間をいただいたので、しっかり政府の姿勢を質したい。

 午後、衆院本会議。その前に参院で予算案および関連法案が否決されているため、両院協議会が開かれるも成案を得ず。予算案は衆院の優越既定により自動的に成立、関連法案も再議決して成立。これで切れ目なく予算執行できる。昨年の今頃は暫定税率の期限切れでシンドイ思いをしていたが、よほど今年の方がスムーズだ。もちろん背景には深刻な不況があることを忘れてはならない。

 今日の衆院本会議では民主党席の元気のなさが目立った。演説に対するヤジや声援が少ない。直前の代議士会で小沢代表が釈明演説をしている筈だが、納得がいかないのか。また代議士会に出席せず、一人だけ早々に本会議場の議席に着いていた枝野幸男議員の姿も目を引いた。思うところがあるのだろう。

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2009年1月24日 (土)

景況感3

妻が、ある新年会で聞いてきた話。

お餅屋さんは大晦日までが忙しい。例年は高校生のバイトを雇ってなだめすかして働いてもらっていたが、今年は水島企業の正社員が「安くてもいいから働かせて下さい」といって夫婦でやってきた。大晦日までよほど高校生よりもシャンと働いて、高くもない給料を受け取って「これで年が越せます。また何かあれば声をかけて」と言って帰っていった。そのお餅屋さん曰く「三十何年か続けているがこんなことは初めて」と。

今日の朝刊で、三菱自工水島製作所のラインを二月は「四日」だけ稼動させると出ていた。本来は「二十一日」のところを、である。仕事量は1/5、当然ながら協力工場の受注もそれ以下になり、殆ど災害に近い惨状が予想される。お餅屋さんは正月が明けるともう求人はない。そのご夫婦はどうしているのだろう?

こんな時に参院予算委員会は総理の漢字力テストをやってるのだ。何をかいわんや、である。

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