23.雑感

2016年5月 4日 (水)

自民党性的指向・性自認に関する特命委員会「議論のとりまとめ」等について

 先日4月27日、自民党政務調査会性的指向・性自認に関する特命委員会として、「性的指向・性自認の多様なあり方を受容する社会を目指すためのわが党の基本的な考え方」等を決定し、公表しました。なお「議論のとりまとめ」の末尾に記されている法案ですが、現在条文化の作業中であり、連休が明けて改めて党内手続きを経、公表されることとなる見通しです。ただし内容としては、国として性的指向・性自認の理解増進を目指すべきことを目的とした理念法に近いものになります。

 このことについて、さっそくネット等で様々なリアクションを頂いています。いかなる内容のご意見であれ、まずはご注目を頂きお目通しくださったことに深く感謝申し上げます。その上で、特命委員会事務局長として本件に深く関わった者の個人的な見解として、いくつか補足したいと思います。

◆え、あの自民党が?本気?信じられない!!という件

 自民党には、2012年の解散総選挙にあたりレインボープライド愛媛が行った政策アンケートにて、「人権問題として同性愛者や性同一性障害者らの性的少数者について取り組んでいくことをどう思われますか?」という設問に、堂々と「人権問題として取り組まなくてよい」という回答を寄せていたという事実があります。また、国会、地方議会を問わず、問題発言として非難されるような発言が注目されてしまう自民党議員もしばしば見られます。日本における政党の中では、性的指向・性自認の多様性とそれにまつわる諸課題について、自民党は正直関心が薄く、消極的な取り組み方しかしてこなかった政党であったと思います。そのことを否定するつもりは全くありません。

 党内では2013年4月から、馳浩座長、牧島かれん事務局長、ふくだ峰之代議士、橋本といった面々で勉強会や当事者の方々と交流会を行う動きがありました。この時にいろんな方々のお話を伺えたことは個人的にはとても勉強になりましたが、自民党内では非公式の有志の勉強会という位置づけに留まっていました。

 しかし、今年に入ってから稲田朋美政調会長からこの特命委員会を作り検討するようご指示がありました。自民党の政策責任者が指示を出したことはとても重く、ただちに古屋圭司代議士が委員長に任命され、組織として対応することになりました。そして約3か月の突貫工事ではありますが、稲田政調会長にも折々にご出席を頂きながら、古屋委員長のリーダーシップのもとメンバーの方々に熱心なご議論を賜り、今回のとりまとめ等ができたわけです。今回の成果物は今後の自民党の正式な政策方針となるものであり、これに従って今後具体化の作業に取り掛かることとなります。

 単に恰好をつけただけのアリバイ作りでは?と疑う向きもあるようですが、今後これらに記した通りに自民党や政府が動いていないようであれば、それこそ非難の対象となることは当然のことです。また、政府への要望(案)については、各省庁と事前に調整の上作成しています。手続き上、政府への申し入れの実行は連休明けになりますが、概ね実現可能であることは確認済みです。私たちとしても、申し入れ後のフォローアップまで行うことは当然に必要なことだと思っていますし、政府が動いていなければさらにネジを巻くこととなります。

 なお今回の議論にあたり、特命委員会でのヒアリングや議論に加え、LGBT法連合会が公表している「性的指向および性自認を理由とするわたしたちが社会で直面する困難のリスト(第2版)」を相当参考にさせて頂きました。この場で記し、深く感謝申し上げます。誠にありがとうございました。

 また、さはさりながら、特命委員会にてとりまとめたばかりで、国会議員・地方議会議員をはじめとする自民党全体への周知はまだこれからです。古屋委員長から「わかりやすいQ&Aを作成しよう」と言われており、今後取り組まなければなりません。国政・地方政治を問わず、自民党内にこの問題に対する深い理解が広まれば、相当物事が動きやすくなるのではないかと思います。


◆カムアウトする必要のない社会ってどういう意味?の件

 ここは、補足の必要な点ではないかと思います。実は自民党における検討の際に最も意識にあったのは、自分の性的指向や性自認について「他の人と違うかもしれない」と自覚しながら、「こんなことを口にしたら周囲から非難されるかもしれない」と深く葛藤している方や、また実際に口にして、あるいは意図せず暴露されてしまい非難されたり、いじめの対象になってしまったりする方たちのことでした。「私は同性愛者です!」と既にオープンにして活動している方は、もちろん深い葛藤はあったと思いますが、たくさんあるハードルの一つは乗り越えているとは言えるでしょう。実は「人知れず一人で悩んでいる方」こそが、最も深刻な状態にあるのではないか、という共通認識がありました。

 現状を振り返ってみると、この委員会の最初の役員会にて、セクシャルマイノリティの方が7%程度存在するという調査結果を知って「え、そんなにいるの?ホント??」ととても驚く議員がいた程度に、存在は知っているけど「自分の身の回りのことと思っていない、すなわち自分の身の回りにいないものと思いこんでいる」方が少なからずおられるのが現状です(統計的に言えば、例えば衆議院議員定数475人中、仮に5%として20人以上いておかしくないのですが…)。そしてそのことが、不当な差別や心無いいじめの大きな原因なのではないでしょうか。人にとって、自分の存在が周囲や社会から無視されていると感じることほど辛いことは、ありません。時として自殺にまで繋がってしまう理由はその点にあるものと思います。

 だとすれば本質的な解決策は、性的指向や性自認の多様なあり方についての社会的な認知を後押しすることであり、形式的に差別やいじめを禁止することではない筈です。例えば最低「自分の身の回りで、約20~30人に1人くらいは、性的指向や性自認が典型的ではない人が当たり前に必ず存在する」という一事だけでも周知徹底が図られれば、もう少し平たく言えば例えば「自分の身の回りにもゲイの人やレズビアンの人や性同一性に悩んでいる人も普通にいるよね」という社会的認識が広がれば、そうなれば当事者の方も自分の存在を悪のように悩み、またそのことを思い切って口にするかどうか深刻に悩む必要がなくなるのではないかと考えます。それが目指す「カムアウトする必要のない社会」だと僕は理解しています。もちろん容易な目標だとは思いませんが、理想は高く掲げていたいものです。例え大風呂敷と言われようとも。

 なお、その実現にあたり、もちろんカムアウトする人(というか自分の性的指向や性自認について周囲に語る人)がおられることは大事なことです。このことは、4月27日にBSフジ「プライムニュース」に出演した時にも発言しました。僕が言いたいことは、カムアウトと気張る必要なく、必要な時に口にでき、それが受容される社会であることが望ましいことということです。また少なくとも「理解増進」という目標の実現には、カムアウトした当事者の方々のご協力が絶対に必要です。カムアウトする人を減らしたいのではないかという見方もあるようですが、目標と整合しませんし、そもそもそのようなことは全く考えていません。

 ちなみに、僕がこの問題に触れるきっかけになったのは、あるコミュニティにおいて参加者の方がご自分の性的指向についてカムアウトする場にいた(メーリングリストだったのでメールを読んだのですが)ことです。その際のご本人が記された心境や周囲の方の暖かい受け止め方など、とても印象に残っています。外見上普通に見える人が、実は他の人には理解してもらい難い、存在も認めてもらえない、隠さなければならない(と思いこんでしまう)ような悩みを抱えているというのは、それは辛いことだろうと察しますし、思い切って口にするハードルの高さというのは時として絶望的にも思えるものです。飛んでみたら意外に簡単にクリアできる場合もあるのでしょうが、リアクションによっては本当に絶望の淵に叩き込まれる場合もある。ただその際の問題は、結果として絶望の淵に叩き込んでしまった相手の人も、単に必要な知識がない、誤解に基づく態度でしかなかったのかもしれないことです。それは純粋な悲劇としか言いようがありません。やっぱり社会全体のハードルを下げることが、まず大事だと確信しています。

◆差別禁止に後ろ向きではないか?の件

 実際にさまざまな現場で、いじめや差別のようなことがあるのは現実だと認識しています。採用や解雇における不当な取り扱いや、教育現場でのいじめや職場のハラスメント対策は、既存の枠組みを活用することで相応の効果が期待できるものと思います。これらのことは「政府への要望(案)」に盛り込んでいます。従って「差別禁止に後ろ向き」という批判は必ずしも当たりません。

 また当然ながら、前述のように性的指向や性自認に関して認識を広げる努力を重ねた上で、なお意識的、ないし悪意により差別されたりいじめられたりする例が多数存在するようであれば、改めて方策を講じる必要があるかもしれません。

 ただ現時点では、そもそも認識不足が問題なのですし、かつそれが故に何が「差別にあたる」のかも一般に共通認識ができているとは認め難いのではないでしょうか。性的指向や性自認に関する認識がまだ一般的に十分でない状況下で、差別禁止の名目で新たな規制や体制・制度を設けることは、運用によってどのような状況が生じるのか予測がつきにくく、場合によっては結果として事業者や一般の方の生活や言動に対する不当な行政介入の口実を作ることに繋がる可能性まで考えられます。特命委員会ではそこまで議論した上で、まずは理解増進を目指そうという方針となっています。

◆同性婚およびパートナーシップ制度等に関する件

 まず同性婚についてですが、憲法24条は「婚姻は、両性の合意に基づいて成立し」と書いてあります。両性というのは単一の性ではなく、すなわち男性と女性と解するのが自然だと思います。もちろん、異なる解釈(例えば、親その他の介入を排除して本人たちのみの合意で決めるべきことを規定した条文であり「両者」と解すべき、といった解釈)をとられる方がいることは承知していますが、しかし両性と書いてあるものは両性と解するのが順当でしょう。また、書いていないが禁じられてもいないというご意見もあるようですが、それを言い出せば何でもありの憲法になってしまいます。憲法の他の条文の解釈とも整合的に議論をすべきことでしょう。

 また民法的にも(これはこれで議論がありますが)再婚禁止期間の規定があること等に見られるように、現時点では婚姻と「両者間で子をなすこと」はセットで考えられていることも、あわせて念頭に置かなければならないでしょう。恐らくはこのことを理由に、夫婦関係にはさまざまな義務と権利が認められてきたという歴史的経緯は踏まえておく必要はあると思います。そういう目で見ると、仮に同性婚を検討する場合、男性同士の組み合わせの場合にはその間に実子ができる可能性はありませんが、女性同士の組み合わせの場合、最近は人工授精等の手段により実子が生まれ得ることも頭におかなければなりません。男性同士の場合と女性同士の場合を、一概に同性婚として同列に扱ってよいのか、議論が必要かもしれません。

 同性婚ではないパートナーシップ制度については、それが婚姻に類するものという前提なのであれば、憲法上の抜け穴を作るような話とも解されることであり、本来は憲法改正を求めるのが筋であろうと思います。ただし、婚姻と養子以外に、血縁関係のない人を家族にする新しい制度をつくるべしという趣旨であれば、同性愛当事者の方々のみならずその他の方々のご意向も踏まえ検討の余地はあるかもしれません。そうしたさまざまな議論があり収束の道筋も見えない中ですから、まずはパートナーシップ制度についても国民的な理解と議論が前提であろうと整理をしたところです。

 なお一部メディア等の報道を見ていると「LGBT問題=同性婚」というように感じてしまう時があります。しかし同性婚ないしパートナーシップ制度は、直接的には周囲に対してカムアウトしている人にしか恩恵がありません。同性婚を認めれば当事者の方々の要望が満たされるのかといえば、全くそんなことはないでしょう。ですから自民党内の議論では、むしろ周囲に言えずに苦しんでいる人や、言わないで自分の生活を過ごしている人にも光を当てるべきではないかという議論が行われ、そのためまずは現行制度内でできることを、しかし網羅的に推進しようというアプローチをしているのは先述の通りです。

 また民間同士の契約に基づく関係、すなわち雇用関係等は、法令に違反しない限り自由であるべきです。企業の中で、同性カップルを婚姻関係と同様に扱う事例がありますが、これは企業の裁量の範囲内でしょうし、特命委員会の問題意識からすれば歓迎すべきことだと考えます。「政府への要望(案)」でも、政府においてそうした事例の収集や情報提供を行うべきことを記しています。

 あと、一部に「同性婚を認めると少子化が進む」という言説が見られますが、橋本個人としてはこれは客観的根拠がなく不適切な議論だと考えています。そもそも同性婚を認めていない現状でも少子化に歯止めがかかっていないために地方創生とか一億総活躍とか取り組んでいるわけですから、まあそれとこれは関係ないでしょ、と思います。ここは党内で議論してQ&A等で整理したいと考えています。


◆その他

 歴史的経緯で挙げている例が不適切とか、その他にも論点はあろうと思います(これは不勉強ということもあるとは思いますが、あまりあからさまに性行為等の在り方について公式的文書で触れることは控えたかったのです…。そりゃまあ男色とか衆道とか寵童とかいう言葉もありますし、いわゆる腐女子ややおい文化にまで筆を伸ばせばさらに現実に迫る例示になったかも知れませんが、自民党としてはそこまで議論できていませんので…)。

 他にも苦労したのが言葉づかい。当事者の方々について、メディア的には「LGBT」や「性的マイノリティ」という言葉が一般的です。ただLGBTは限定列挙的表現であり、含まれない人がいるという指摘がついて回ります。実際WikipediaのLGBTの項では最長LGBTTQQAIAAPという略語まで紹介されています。また「マイノリティ」「少数者」は、実数としては事実なのかもしれませんが、どうしても優劣に受け取られかねない、あるいは対立的に受け取られかねないきらいがあり、個人的には使いたくない言葉でした。その末に「性的指向・性自認に関する当事者」といった若干こなれていない言葉を使う結果となりました。また、特定の性的指向・性自認を「正しい」とするような表現を避けるべく、「性的指向・性自認の多様性/多様なあり方」という表現をフル活用しています。さらにある団体からは、性的指向の問題と性自認の問題は別だから並べないでほしいというご要望も伺ったりしまして、なかなか難しいなあと未だに頭をひねっています。これも自民党としての現時点での提案だとお考えいただければ幸いです。なお「議論のとりまとめ」にて「性的指向・性自認の多様性の意味するもの」としていくつかの認識を整理させて頂いたことを始め、議論の足掛かりを自民党内に作れたことは実は最大の進歩だと思っています。

 いずれにしても、限られた期間ではありますが、多くの議員の熱心なご議論やアドバイス、ご理解・ご協力を頂いて成果を発表するに至りました。お力を頂いた特命委員会役員はじめ議員各位、またご協力いただいた団体・個人・企業の方々に深く感謝申し上げます。各省庁や衆議院法制局、自民党政調事務局の担当各位も慣れないテーマの仕事でもしっかり頑張ってくれました。個人的にも「あの」自民党の中でここまでの議論ができたことは、ささやかに感慨深いものがあります。ただ、まだ絵に描いた餅にすぎませんから、実現に向けて引き続き前進させなければなりません。

 今後についてですが、この問題は与野党対立的になるテーマにはしたくないと個人的には思っています。まずは連休前に、連立与党である公明党さんにはご説明に伺いましたが、他党や超党派議連にも必要があれば、あるいは機会を頂ければご説明に参上したいと考えています。引き続きご指導・ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

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2014年12月15日 (月)

今回の選挙の結果について

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 このたびの選挙では、寒い中の突然の解散という状況にも関わらず、多くの皆さまのお支えを頂き、三度目の衆議院の議席をお預かりすることができました。誠にありがとうございました。

 今回の選挙では、主に「アベノミクスをはじめとする安倍政権の政策の継続をお許しいただきたい」とお話ししました。開始してまだ二年間ですから道半ばであり、実感がないとか格差が広がったといった批判も、当たっている面もあると考えます。しかし、ここで路線を改めるのではなく、景気対策など必要な手当てを行いながら、成果がでるまでやり抜く力をお与えいただきたいとお訴えをしました。また地方創生や切れ目のない安全保障法制の整備、社会保障制度改革なども道半ばです。これらの継続をお訴えし、一定のご理解をいただいたものと考えています。再び岡山県第四選挙区からの当選者として国会に送っていただいたからには、申し上げたことの実現に全力を尽くす所存です。

 また、全国では自民党・公明党の与党で前回と同数で全体の2/3を上回る議席をお預かりし、安倍政権についてもご信認をいただいたものと考えます。ただ、つぶさに状況を眺めると、沖縄で小選挙区四議席を失った結果、純粋比例で九州ブロックに立候補されていた経験豊かな前職の先生方を落選させてしまったことなど、前回の勢いとは微妙に空気が変わっているところもあります。私自身も二年間の活動の結果として、ほぼ同一の票数(厳密にいうと34票の増)に留まっています。政策の効果が実感されていればそうはならないものと思われます。また投票率そのものも低い値に留まりました。こうした点は、謙虚に受け止めなければならないと思います。

 一方で、「巨大与党が憲法9条を変えてしまう!戦争をする国になってしまう!」等の主張も他の方からあったようですが、憲法の改正には衆議院で与党が2/3を確保していても、参議院は1/2をやや超えた議席しかないため発議もできない状況は続きますし、仮に発議できたとして、さらに国民投票で過半数の賛成が必要なわけで、衆議院でいくら議席を得ていても、国民の理解がない憲法改正はそもそも不可能です。そのような、誤った、かついたずらに不安感を煽る机上の空論に惑わされる方も、一定程度に留まったということも可能でしょう。野党再編という議論もあるようですが、比例区でそれぞれの政党に投票した有権者にどう説明するのでしょうか。その説明は筋の通ったものなのでしょうか。今後の展開に注目しています。

 また選挙戦を戦っていて感じたのは「自民300議席の勢い!」といった報道の怖さでした。握手を求めると、「もう大丈夫じゃ!」とお励まし頂くことが何回もありました。もちろんお励ましですからありがたいことですが、一方で「いや、あなたの一票が大事なんです!」と言っても聞いてもらえない空気がありました。途中から、自分の相手は対立候補ではなく、この「大丈夫!」という空気だと感じました。投票率の低さについては様々な要因が絡み合っているとは思いますが、選挙期間中の圧勝予測報道が、有権者を白けさせ、出足を鈍らせた面もあると思います。

 今回は、衆議院選挙でインターネット選挙運動が解禁となった初の選挙となりました。急の解散だったのでかなり慌てていろいろなコンテンツを準備しましたが、例えば選挙運動のustream生中継ではのべ2,479の合計視聴者数(2014.12.15晩現在)でした。例えば倉敷市民会館の大ホールギュウギュウ詰めの人が多かれ少なかれ接してくれたと思えば、それなりの効果はあったのかと思います。Facebookでの日々のやり取りやコメントにも励まされましたし、初日にネックウオーマーを着けていて(寒がりなんです…)、「必死さが感じられない」といったご指摘を頂いて、翌日以後外したようなこともありました。多面的かつリアルタイムに近い形で選挙期間中の候補者を見て頂く機会ができたと思いますし、またさまざまな視点からの反応を知ることができました。もちろんまだ研究の余地はありますが、さまざまなトライが楽しかったです。睡眠時間は削りましたが…。

 いずれにしても、寒い中での選挙ですが、多くの皆さまのおかげさまで充実した選挙戦を戦うことができました。そしてとても貴重な結果を賜りました。ご関係を頂いた皆さまに、心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。もちろん反省点や改善すべき点多々もあります。また選挙は多くの地元の方々のご意見を伺ういい機会であり、とても勉強になりました。議員としてはこれからが仕事です。お与えいただいた期待にお応えできるよう、今後とも努力精進します。


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2014年11月18日 (火)

安倍総理の会見を見て

 厚労大臣政務官室にて、安倍総理の会見のテレビ中継を見ました。ちょうど2年前「まずはデフレ脱却を!」「日本の強い経済を取り戻す!」と訴え続けて選挙を戦ったことを改めて思い出しました。総理の決意にあふれた言葉を聞くにつけ、今回の消費税10%延期の決断も、その延長線上にあるのだと強く感銘を受けました。
 また同時に何度も「国民の皆さまのご理解とご協力をいただいて」とお話しになりました。僕も記者さんから「自民党も多数の議席があるのになぜ選挙する必要があるのか」と聞かれましたので、「多数の議席があれば何をやってもよいと総理は思っていないということでしょう。2年前の多数で任期途中であっても、三党合意の変更という当時のマニフェストの変更を行う以上、改めてきちんと国民の皆さまの現時点でのご意志を伺うべく、民主主義としての手続を踏むべきとお考えになったのだと思います」とお答えしました。
 いずれにしても、21日に衆議院議員のバッジを外し、一人の候補予定者となることが確定しました(一応、大臣政務官ではありますが)。国民の皆さまには、年末の慌しい中にお手間をおかけすることとなりますが、この二年間のご支援への感謝を胸に、謙虚に、かつ全力で戦いに臨む覚悟です。

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2014年9月 4日 (木)

厚生労働大臣政務官就任にあたり

 今朝ほど塩崎恭久厚生労働大臣よりご連絡をいただき、厚生労働大臣政務官の内示をいただきました。正式には本日15時の臨時閣議で決定される見通しです。

 厚生労働省は、医療・福祉・介護・労働・雇用・援護といった身近な問題を所管し、多岐にわたる社会保障制度改革や子ども子育て支援新制度、雇用の安定など長期的視野に立った制度改正から、デング熱など感染症対策や危険ドラッグ対策といった日々新たに起こる事象への対応、そして先の通常国会でミスを連発した反省に立った省内業務の適正化まで、数多くの課題を抱えています。これまでも自民党にて、厚生労働部会副部会長、難病対策PT事務局長等として政策形成に携わってきました。厚労省に対して批判的な発言をしたことも少なからずありましたが、今後は塩崎大臣の下、行政の一員として汗をかくこととなります。

 とはいえ、大臣政務官とは英語で「parliamentary vice-minister」、意訳すると「議会からの大臣補佐」といった感じの立場ですから、まず国民の皆さまから選んでいただいた衆議院議員の身分として行政に入るということを大事にして、公務に励みたいと思っています。もちろん、政治主導などと上から目線を押しつける気もありません。さまざまな立場から議論を重ね、できるだけ多くの方々が納得できる結論を出し、一致して実現するというスタンスで臨みたいと思っています。

 厚生行政には、祖父・橋本龍伍、父・橋本龍太郎ともに深く関わっていたことを考えると、なお身の引き締まる思いがします。国会に送っていただいた地元倉敷・早島の皆さまへの感謝を胸に刻み、励んで参りますので、引き続きご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。

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2014年6月20日 (金)

第186回通常国会を振り返って

 さきほど衆議院本会議が終了し、事実上通常国会が閉会となりました。「好循環実現国会」として第2次安倍政権の2度目の通常国会であり、本予算の早期成立や消費税の増税、様々な重要法案の成立、そして安全保障法制度の見直し議論といった多くの成果を上げた国会だったと思いますし、最終日の石原環境大臣に対する不信任決議案の提出は残念でしたが、まさにその前日まで空転したり政局になることもなく、その分与野党ともに着実に審議を行い、150日の期間内で多数の法案を成立させることができた極めて充実した国会であったと思います。

 また私個人として振り返ってみても、やはり充実したものだったと思います。昨年秋から党総務部会長代理、衆議院総務委員会理事また党情報通信戦略調査会事務局長を拝命しています。この関係では地方自治法改正案、電波法改正案、行政不服審査法改正案また議員立法の行政書士法改正案等の法案審査を行い、成立させることができました。特に地方自治法改正案では、初当選以来9年目にして、また落選も経験した中で、はじめて本会議場の演壇に登壇し、党を代表して総理に質疑する機会を得たことは、個人的にも感慨深いものでした。折角の機会ですから言いたいことは言えたと思います。現場でも、高木陽介委員長、山口泰明与党筆頭理事、原口一博野党筆頭理事をはじめ各党の理事の方々との緊張感を持ちつつも協力的かつ前向きな協議の中で、充実した審議が進められたと思います。とりわけ今年はNHK関係の審議にはいささか気を遣いました。いろいろありましたので。

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 もう一つの所属委員会である衆院法務委員会でも、円滑な審議により今国会政府提出法案を全て議了できたことに加え、継続審議となっていた児童ポルノ規制法改正案について修正の上成立させることができました。実務者協議にあたられた各党理事に敬意と感謝を申し上げます。国会対策委員会副委員長としてこの委員会を担当しましたが、円満に経過してほっとしています。またもう一つの担当委員会、海賊・テロ対策特別委員会も円満に終始し、最後にイスラム過激派組織「ボコ・ハラム」による拉致事件等に関する件として全会一致で非難決議を行いました。

 また一期生の頃から携わり、昨年から党難病対策PT事務局長として法案作成に関わっていた難病医療法案等についても今国会でほぼ全会一致で成立。これも衆院厚生労働委員会に出向き、自民党からの唯一の質疑者となる機会を得ました。また公明党との共同提案者として名を連ねていたアレルギー対策基本法案も今回成立させることができました。

 一方党内でも様々な活動をしています。まず道州制推進本部事務局次長として道州制推進基本法案の議論に取り組みました。今国会では残念ながら党内意見の集約に至らず、これは次期臨時国会での再チャレンジとなります。人口減少社会を見据えつつ引き続き丁寧に説明、議論を行う必要があるでしょう。また先に挙げた児童ポルノ規制法改正のみならず、リベンジポルノ対策や3Dプリンター銃対策など、特にネット上の違法有害情報による被害対策にはあれこれ頭を悩ませました。リベンジポルノ対策では最後にひと知恵絞ったので、それで今後の法制化に弾みがつき、不当な被害に苦しむ方々が減らせるよう願っています。またサイバーセキュリティ対策基本法案の提出もサポートしましたが、これも残念ながら今国会での成立は困難な模様です。

 また医療事故調査の関係では、党内において再発防止につながる制度となるべく論陣を張りました。法律は今国会で成立しましたが、今度の厚労省のガイドライン作成を注視しなければなりません。また議連の幹事長を務めている歯科技工士法の改正も同時に実現しました。子育て支援に関しては、子ども・子育て支援新システムの公定価格の議論が白熱しています。子どもたちの健全な発育に繋がるようにしなければなりません。その他、法曹養成制度、宇宙政策、結核対策、肝炎対策、認知症サポーター、ケアラー支援、LGBT勉強会などなど、議連等の活動で様々なテーマに関わりました。党国家戦略本部の「2030年の日本」プロジェクトでは様々な刺激を受けました。また昨年冬の、総理靖国参拝と重なりとても寒かった北京訪問から半年を経ずして、再び日中議連の一員として民主党辻元清美衆院議員、公明党伊佐進一衆議院議員とともに北京の地を踏むことができたのは、外交的にも有意義だったと思います。

 そして今国会で最も心血を注いだのは死因究明制度でした。前半は死因究明基本計画検討会の最終報告書のとりまとめにあたり提言を行い、これが纏まった春以降は議員立法「死因究明推進基本法案」の起案から党内手続きから各党協議から国会提出まで、目が回るような忙しさでした。保岡興治議連会長にご指導を頂きながら、津島淳事務局次長にサポートしてもらいつつ、ゼロからスタートした割によく頑張ったと正直自分でも思います。国会最終盤となり他法案との兼ね合い等から残念ながら委員長提案とすることができず成立させることができませんでしたが、衆議院内閣委員会にて審議入りしたまま継続審議となりましたので、次期臨時国会での早期成立を目指します。最近、子どもの行方不明や虐待死のニュースも多く、そうした事件を防ぐ対策にも繋げられるように展開させられればと思っています。このようなことで、東京では目の回るような充実した日々を過ごすことができました。地元の皆さまの暖かいお励ましと、先輩や同僚の議員各位、のみならずサポート頂いた官僚や衆院法制局、党職員、そして事務所スタッフのご理解とアシストに支えられて頑張ることができました。

 国会開会中は、だいたい月曜から毎日国会対策委員会の正副委員長打ち合わせがあるために結局平日はほとんど東京に張り付きとなりました。そのためになかなか倉敷・早島に戻ることができず、地元の皆さまには正直申し訳ない思いがあります。その中でも「橋本がく 前進の集い2014」には多数の皆さまにご参集いただき、貴重なご支援を賜りました。また各地域でのミニ集会でも、暖かく、また時には厳しくご意見・ご指導を頂き、街頭に立ってもご声援を頂き、感謝の思いで一杯です。

 初登壇の対総理質疑の際、「最後に、議場におられる議員諸兄姉に一言申し上げます。掲げる政策や立場は異なりますが、すべての皆さんに愛する地元や故郷(ふるさと)があるはずです。冒頭申し上げた通り、今後の日本は、人口の激減というこれまでの政策の前提や常識が通じない世界に突入します。
地方制度を考えるにあたっても、現在の形に囚われてはなりません。過去の流れにも囚われてはなりません。未来に暮らす子どもたちや孫たちに、よりよい故郷(ふるさと)とよりよい日本を残せるよう、来るべき将来を真摯に見通し、前向きかつ柔軟、そして大胆なご議論を賜りたい。」
と呼びかけました。これは、自分がかくありたいと願っていることを述べたことです。通常国会は閉会しますが、これからも故郷への感謝を胸に努力を続けますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。

橋本 岳 拝

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2014年6月 9日 (月)

児童ポルノ法に関する発言を巡るいろいろなこと

 さる6月4日、衆議院法務委員会にて「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律案」(いわゆる「児童ポルノ法」の改正案)の委員長提案の動議に関して発言を行いました。その内容はBLOGOSにおいて主要部を掲載して頂いています。これに関していささかの反響を頂き恐縮しています。いくつか思うところを補足したいと思います。たかだか20分の質疑を行うだけでも、言葉として口にはしなくてもこのくらいのことは考慮しているということを感じていただければうれしいです。

 まず、児童に対する虐待は多くの場合刑法上の傷害罪や強制わいせつ罪、強姦罪などにあたります。さらに児童虐待防止法があり、保護者による暴行、わいせつ行為、育児放棄、暴言、絶食、配偶者間暴力等心理的外傷を与える暴力まで、禁止されています(ただし児童虐待防止法は虐待に対する行政の対応を定めたものであり、虐待そのものに対する刑罰はありません)。一義的にはこれらの法律によって規制され防止されるべきものです。

 その上で「児童ポルノ法」が存在する意味は、その商品的価値により児童虐待が誘発されることを防ぐためだと僕は思います。だから「買春の実行、周旋、勧誘」および「ポルノの所持、提供、製造」が罰則つきで禁止されているのであり、虐待そのものではなくその誘因となる周囲に対して罰則つきの規制対象を拡大することが本法のポイントなのです(もちろん、児童買春の実行や児童ポルノの製造は、同時に刑法犯となる場合も多いと思います)。「児童ポルノ法では虐待は防げない」みたいな議論を見かけますが、刑法等と組み合わせて考えて頂くべきことですし、「暴力的虐待」の画像等は「性的虐待」の画像と比較してネット等での流通量がそもそも少なく、画像の所持や製造等を規制しても虐待を減らす効果が期待できません。当然ながら明らかな刑法犯として取り締りの対象となる行為の動かぬ証拠となる画像を流通させる人もあまりいません。そのために本法の対象となっていないものと思います。

 その上で「マンガ、アニメ、CG等の児童ポルノに類するもの(以下マンガ等)」をどう扱うかで大きな議論があります。まず一点確認したいのは、昨年提出され今回の改正案に際して撤回された改正案(自公維案)もマンガ等を規制するものではなかった、という点です。質疑の際に読み上げた通り「政府はマンガ等と児童虐待の関係性を調査する」という検討規定に過ぎませんでした。ですから「不当に表現の自由を規制するものだ!表現者を萎縮させるものだ!」という真正面からの主張に対しては「いやいや、何の規制もしていません。関係があるかないかわからないためただ調査するだけですから、ご指摘は全く当たりません」という肩透かし的反論が成り立ちます。正直、論壇からの反論は過剰に大袈裟に過ぎ、かえって効果の薄い議論が多いと思っていました。マンガ等に関する法改正に反対された方々も自分の胸に手を当てて考えて頂きたいと思います。考えの違う人に対する反論は、自分の言いたいことを大声で言えばよいというものではなく、相手の心に届くものでなければなりません。さもなくばただの味方向けのパフォーマンスに見えます。

 ですから僕は、調査することの妥当性について議論をすることにし、対照との比較調査の困難さや因果関係と相関関係の鑑別の困難さ、そして「政府が調査する」こと自体のインパクトを問題にすることにしました。一応学生時代から社会調査法の授業を受け、多少の実施経験もある身としては、発言したような問題はすぐ頭に浮かびました。また世論誘導のための調査や実施そのもののインパクトを狙った邪道な調査の存在は常々苦々しく思っており、日本国憲法に次ぐ高い地位を持つ社会規範である法律でそんな邪道なものを規定するなんてもっての外!という思いもありました。個人的にはこの思いがこの項目に反対した最大の理由かもしれません(こんな感覚は調査屋経験のある立法屋なんていう珍しい人しか共感されないだろうなあ…)。

 なお「検証されていない仮説に基づく立法・仮説はすべきでない」といささか大見得を切りましたが、本当はこれは「原則として」という言葉があるべきです。「検証されない」ことを理由に規制が遅れ、その結果として被害が拡大してしまった、後で原因が判明して公害や薬害と呼ばれるに至った事象を、私たちは過去にたくさん経験しています。伝染病の拡大など一刻を争う事態もあり得ますから、場合によっては検証されなくても迅速な規制が功を奏することもあるでしょう。一方で、法律等による規制は何の根拠もない恣意的なものであってはならないのも当然なことであり、どちらが優先されるかは因果関係の推論の確かさや被害拡大の急激さや深刻さ等を勘案してケースバイケースで検討されるべきことだと思います。その上で私は今回の場合は、マンガ等の規制と児童虐待との因果関係はいまいち明らかではないため、原則によるべきという立場に立ったわけです。

 逆に言えば「マンガ等と児童虐待は無関係である」という立証も誰も行っていませんので、土屋正忠議員の主張にまったく理がないとは言い切れません。実のところ衆議院総務委員会では土屋議員と僕は隣の席で、いつもお喋りしてる当選同期の仲良しです。歳は親子くらい違いますし、特に地方自治の経験は国会議員随一ですからいろいろ教えて頂いています。その上で、それぞれの意見を堂々主張できる個性の強さと、皆の意見を聞いた上で最終的に決まったことには従う謙虚さを併せ持つ人が多いことが、自民党という政党の良いところだと個人的には思っています。ああいう主張を堂々述べた上で改正には賛成したのですから、僕は土屋正忠議員は立派な方だと思います。ただし個人的には正直、「海外からこのような指摘を受けたから」「専門家からこのような提言があったから」という理由での立法は僕は嫌いです。参考意見としてはあり得ますが、我が国の国民を縛る法律なのですから、主にはやはり国内の事象による立法事実に基づき、国会にてその中身が検証され、立法されるべきだと思います。

 なお児童ポルノに類するマンガ等について、発言中にも触れていますが、今回の法改正で検討項目を外したからといって、放置することを勧めるつもりは毛頭ありません。法律に書くべきではないとは申しましたが、マンガ等と児童虐待の実行にどのような関係があるのかないのか、誰か研究者が社会科学的に妥当な方法で調査研究を行うことは支持しますし、結論は参考にすべきです。また公序良俗の維持といった別の観点で、販売規制等を行うことは考えられるかもしれませんし、表現についても、表現者自身が社会に与える影響を考慮してほしいなと思うこともあります。

 最大の問題はインターネットです。書籍等であれば成人コーナーを設ける等適切に入手方法を制限することができますが、ネットにそのようなハードルを設けることは困難です。自民党内の議論でも、児童ポルノに限らずリベンジポルノ問題や3Dプリンターでの拳銃作成など、最近はネットでの違法ないし有害情報の流通をどうにかできないかという指摘が必ずあり、大体僕は弁護側に回りますが、集中砲火を浴び続けるのはなかなかシンドイものがあります。ここは、本当に、利用者一人一人の自覚を強く促します。さもなくば不本意な規制を考えざるを得なくなりかねません。例えばインターネットを使うのに免許証が必要な社会というものを僕はあまり想像したくありませんが、人身事故被害があまりにも多ければ、いつかそんな話にならないとも限りませんよ。このままでは。

 そんなここんなを踏まえ、今回の質疑となりました。なお今回の改正法の衆院通過(および昨年に提出された自公維案の撤回)にあたっては、多くの方がの理解とご協力がありました。特に最大の功労者は、意欲を持って実務者協議を重ね合意形成し各党の党内を取りまとめた衆議院法務委員会の理事(オブザーバー含む)各位だと思います。すなわち吉野正芳、土屋正忠、ふくだ峰之、盛山正仁、大塚拓(以上自民党)、遠山清彦(公明党)、階猛(民主党)、西田譲(日本維新の会)、椎名毅(結の党)の各衆議院議員です。まだ参議院での審議が残りますが、仮に成立した場合、最大の賛辞は上記各氏に捧げられるべきだと思います。ぜひ賞賛してあげてください。これはとても大事なことですよ!

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2014年1月 6日 (月)

2014年新春にあたり

 新しい年を迎え、皆さまにおかれましては、いかがお過ごしでしょうか。橋本がくは、家族ともども倉敷にて平穏無事に2014年を迎えることができました。日頃よりお支え頂く皆さまに、深く感謝申し上げます。

 さて昨年は安倍政権が本格的に活動を開始し、アベノミクス三本の矢や東京オリンピック招致決定などにより世の中にいささかの光明を見せることができたと感じています。二年目にして正念場を迎える今年も、ぐずぐずと政局に明け暮れることなく、必要な議論は徹底して行いながらも「決める政治」をさらに前進させなければなりません。特に今年は医療や介護、年金といった社会保障制度の持続と充実のために、四月に消費税率を引き上げさせて頂くこととなっています。このことによる景気の腰折れを最小限にとどめるための対策が急務です。1月24日に開会が予定されている通常国会では、まずは経済対策を含む補正予算を早期に成立させ、続いて年度内には来年度予算を成立させることが必要です。

 橋本がくは、昨年に引き続き自民党総務部会長代理、厚生労働部会および経済産業部会副部会長として関連する政策のとりまとめにあたり、また国会対策委員会副委員長として国会運営の裏方役をすることとなります。また衆議院総務委員会理事や海賊・テロ特別委員会の理事などとして、それぞれの委員会の運営にもあたります。
 与えられた職責を全うし、また倉敷・早島の皆さまのご期待に応える結果を出すべく、この通常国会でも努力して参る所存です。引き続きましてのご指導・ご鞭撻をお願い申し上げます。
 寒さ厳しい折から、くれぐれもご自愛くださいませ。
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2013年12月16日 (月)

当選から一年、感謝の思いは変わらずに。

 この12月16日で、二回目の衆院選当選から一年が経過します。バタバタ一生懸命走り続けているうちに、あっという間に…という感覚です。改めて、浪人生にも関わらずお支え頂き当選の栄誉をお与えくださった皆さまに深く感謝を申し上げます。

 二期生となりますと、同じ国会や自民党本部でも一期生の時とはまた少し違う景色が見えるようになりました。特に一期生の際は、勉強してセットされた会議に出席し、意見を言うのが仕事のような感じでやや受け身的でしたが、二期生となり、衆議院の委員会理事や自民党政調や議連の事務局長といったのお役を多く預かったことで、政策立案プロセスの流れの中で会議の日程やスケジュールのセットから関わる機会を得、限られた分野ではありますが、いくつかの分野では先輩方のご指導を頂きつつ私自身の意志で主導的にプロセスを動かす立場の経験も頂きました。

 当選から参議院選挙までの前半の半年間では、やはりインターネット選挙運動解禁のための公職選挙法改正に関し、平井たくや座長のもと自民党PTの事務局長を拝命し、党内手続きや野党を含めた各党協議会、そして衆参両院で法案提出者として答弁の機会を頂いたことが特筆されます。党内で根回しのご説明に歩いたことや、マスコミの方々との対応など、表に出ない仕事もさせて頂き、一つの法案を成立させるために必要な手順に一通り中心的に関与させていただけたことは、非常に勉強になりました。また同時に自民党ネットメディア局次長として、参院選における自民党のネット戦略にも参画させていただくことで、多面的に選挙に関わることができたのも、当選二回の若輩者としては貴重な体験でした。大きなトラブルや混乱もなく参院選が終了し、また自民党としても「あべぴょん」やソーシャルリスニングの活動に注目を集め、結果として参院選での勝利の一部に貢献できたかもしれないことは、誠に喜ばしいことでした。

 また参院選後の臨時国会では、衛藤晟一座長のもと自民党難病対策プロジェクトチームの事務局長として、厚労省や患者団体からのヒアリングを重ね、自民党としての決議を取りまとめて大臣に提出するまで中心的に取り仕切りました。与党ですから、患者団体の皆さまからのご要望などをしっかりと受け止めつつ、厚労省と緊密に連絡を取りあい、実現可能なラインをぎりぎりまで探る必要がありました。緊張関係になった瞬間もありましたが、厚労省も頑張って下さり、最終的には患者やご家族の方々に、満点は頂けないにしても、まあとりあえず及第点が頂ける結果に近づけたのではないかと思います。来年度通常国会に法案が提出されますが、できれば与党はもちろん野党各会派の皆さまのご協力もいただき、早期の成立を期待したいところです。一期生の頃から難病対策は関わって来たので、二期生となって歴史的な法制化作業に携われたことは非常にうれしかったことです。

 もう一点、時間と情熱を割いたのは、インターネットでの一般用医薬品販売に関する議論です。1月に最高裁にて規定無効の判決が出て以来、安全と利便性のバランスをとったルールの制定を目指し、インターネットでの一般用医薬品販売を考える議員連盟の事務局長として、尾辻秀久会長のご指導を仰ぎつつ、提言や法案(お蔵入りになりましたが)の作成を行いました。動き方としては厚労省の検討会の様子を見ながら、サポートや牽制を行うような活動でしたので、自分たちが主体的に成果を上げたわけではありませんが、結果として先の臨時国会で薬事法等改正案が政府から提出され成立しましたので、目標は達成です。6月の「日本再興戦略」の党内議論で、この件に関していささか感情的な発言をして新聞に掲載されるオマケも付きました。

 それ以外にも、情報通信戦略調査会(川崎次郎会長)の取り回しや韓国電子政府視察、党総務部会長代理として部会(西銘恒三郎部会長)の仕切りや税制調査会への対応サポート、衆院総務委員会理事としての質疑者選定や委員確保などの裏方作業、法曹養成制度やロケット開発等の議連の事務局等に汗をかきました。与党のためあまり機会は多くないですが、特定秘密保護法についてや、倉敷駅周辺の連続立体交差事業等についてなど、委員会質疑にもポイントポイントで立ちました。また臨時国会からは、党国会対策委員会(佐藤勉委員長)にて副委員長を仰せつかり、国会の裏方として動かせていただいたことも、とても勉強になりました。

さまざまな活動を通じ、与野党を通じ多くの議員の先生方の知遇を得、またご指導を頂きました。また役所の方々(特に総務省、厚生労働省、法務省あたりが多かったですが)や、自民党や衆議院の職員として、それぞれの場面でサポートいただいた皆様とのチームワークにも恵まれて、様々な結果につなげることができたと感じています。いろんな団体・企業の方々ともおつきあいを広げさせていただき、勉強をさせていただきました。ありがたいことです。

 総じて言うと、非常に充実した衆議院議員二期生の一年を過ごさせて頂きました。これもすべて、一度は落選したものの、再び国会に送ってチャンスを頂いた地元の倉敷・早島の皆様を始め、さまざまな形でご支援を頂いた多くの皆さまのおかげです。重ねて、深く深く感謝を申し上げる次第です。本当にありがとうございました。

 ただ、心残りもないわけではありません。あまりの多忙のため、お役を頂きながらあまり主体的にコミットできなかった課題もいくつかあったのは残念で申し訳なかったこととも思っています。特に死因究明制度については、高市早苗政調会長じきじきに自民党PTの座長にご指名を頂きましたが、いまだ具体的な結果に結つびけられていないのは誠に申し訳ないことです。難病PTの方が肩の荷が下りたので、急ピッチで本腰を入れて取り組みたいと思います。また、地元での活動も、街頭演説や集会等も可能な限り行いましたが、もうひと工夫ふた工夫したいところです。

 この一年、倉敷産のデニムスーツをずーっと地元でも東京でも着続けました。常に地元のあることをを肌身離さず忘れずに、という気持ちで自然と続けたことです。2年目も同様の想いで、皆さまのご期待に応えられるよう、さらにアグレッシブに!様々なことに挑戦を続けて参る所存です。引き続きましてのご指導・ご鞭撻を深くお願い申し上げます。

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2013年8月11日 (日)

久しぶりに、落ち着いた残暑

 暦上は立秋を過ぎていますが、残暑が猛烈に厳しい中、いかがお過ごしでしょうか。しばしば「忙しいでしょう」と声をおかけいただきますが、参院選後の臨時国会も終わり、お盆明けまで東京では特段の動きはなく、橋本がくも地元でのあいさつ回りや街頭演説、そして夜は各地の夏祭りや盆踊りに精を出しています。

 先輩議員の方に聞いてみると「こんなにゆっくりするのは久しぶり」とのこと。確かに、これまで8月~9月は政局的にそわそわすることがほぼ毎年あったのです。簡単に振り返ってみると、

2005年8月 郵政選挙
2006年9月 自民党総裁選、第一次安倍内閣発足
2007年9月 7月の参院選敗北を受け安倍総理辞任、自民党総裁選、福田内閣発足
2008年9月 福田総理辞任、自民党総裁選、麻生内閣発足
2009年8月 政権交代選挙、9月鳩山内閣発足
2010年9月 民主党代表選(菅内閣)
2011年8月 菅総理辞任、9月野田内閣発足
2012年9月 民主党代表選、「近いうちに解散」発言でそわそわ

 とまあ、こんな感じで8月~9月は毎年!政局の季節だったわけです。

 今年は先の衆議院選挙、参議院選挙により、安倍内閣にねじれの解消という結果をお与えいただきました。これは経済・景気をどうにかしてほしいというお声とともに、政治の安定を望む多くの方のお気持ちもあったのだろうと思います。そしてこの先安倍政権は、消費税増税やTPPなどをはじめ多くの政策的課題に対峙していかなければなりません。そのためにも、政局的な動きをしなくてよい残暑が迎えられるというのは、本当にありがたいことです。内閣も国会議員も人間である以上いい仕事をするためには休養も必要ですし、準備も必要です。とても久しぶりに総理が変わる心配のない秋で、国中もある意味でひと安心といえるのではないでしょうか。

 安倍総理も約10日の休みを取ったとの報道があり、「近年にはない」といった表現がつきますが、毎年夏休みが政局模様だった近年が異常でした。政治の安定をご選択いただいた多くの皆様に感謝の気持ちを持ちながら、次の政策課題に充実して取り組めるようこの期間を有意義に使わせていただきたいと思っています。9月上旬には海外出張の予定もあります。しっかり勉強してきます。

 暑さには十分ご注意いただき、よい夏休みをお過ごしください!


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2013年7月23日 (火)

ネット選挙運動の真の効果とは?

 参議院選挙、岡山選挙区石井まさひろ候補をはじめ、与党の多数の候補者を当選させていただき、安倍政権に対して安定的な政権運営を可能にする多数の議席をお与えいただきました。ご支援いただいた皆さまに、深く感謝申し上げます。その後のあいさつ回りなどでお話を伺う中で、衆院選時同様の期待感を感じます。一方でまだ「期待感」であり「実感」は必ずしも伴っていないとおっしゃるかたも少なからずおられます。安定した政権で、じっくり腰を据えて日本の経済や社会保障を立て直してほしいという多くの方のメッセージが今回の結果に込められているものと思います。これからが本当に仕事。がんばります。

 さて、この参院選からネット選挙運動が解禁となりました。これについて、現時点で提案者の一人である橋本の感想を以下に記します。

■そもそも法改正の趣旨は「情報の充実」と「有権者の政治参加」

 マスコミ報道を見ると「低調」「盛り上がりを欠く」といった評価が主流のようです。ただ、法案提案者の一人として、同時に政党人として候補者をサポートした立場としては、異論を挟みたくなります。

論争低調、双方向生かせず=ネット選挙「益なし」指摘も【13参院選】時事通信 7月20日(土)14時40分配信
2013参院選 ネット選挙区ウオッチ 一方的発信 盛り上がり欠く産経新聞 7月21日(日)7時55分配信

 また、ネットが投票行動の参考にあまりされなかったという指摘もあります。

ネット選挙、有権者冷ややか 「参考にした」わずか1割msn産経ニュース 2013.7.22 10:57

 これらの評価が間違っているとも思いませんが、ある種の価値観に支配されている気もします。まず法改正時の趣旨説明では以下のような目的が挙げられています。

 本法律案は、近年におけるインターネット等の普及に鑑み、選挙運動期間における候補者に関する情報の充実、有権者の政治参加の促進等を図るため、インターネット等を利用する方法による選挙運動を解禁しようとするものであります。

 現行の公職選挙法では、インターネット等を利用する方法による選挙運動は禁止されているため、選挙運動期間中、候補者、政党等はみずからのウエブサイト、ブログ、ツイッター等の更新を控えなければならず、また、電子メールによる選挙運動もできないといった不都合が生じております。これを解消して、政見や個人演説会の内容、演説会や活動の様子を撮影した動画など、選挙に関し必要な情報を随時ウエブサイトや電子メール等で提供できるようにし、有権者のより適正な判断及び投票行動に資することが必要であります。

 あわせて、候補者、政党等以外の者、すなわち第三者のウエブサイト等による選挙運動も解禁することで、選挙運動期間中、第三者がウエブサイト等で候補者や政党等を支持したり応援したりすることができない不都合を解消し、選挙に対してより積極的に参加することを可能にすることが必要であります。

 ということで、法改正の目的は「選挙運動期間における候補者に関する情報の充実」と「有権者の政治参加の促進」です。そういう意味では、内容はともかく各候補者が競っていろんな情報をブログやSNSにアップしてネット上の候補者に関する情報が充実したことは、評価されるべきだと思います。同時に、SNS等で一般有権者の方が選挙に関する情報発信も積極的に行われました。これも評価されるべきでしょう。

 ただ、取り組み内容については当然初回で試行錯誤だったので、有効な戦術・無効な戦術・むしろ逆効果になったもの、いろいろあるでしょう。それはもう少し時間をかけて検証すべきことと思います。

 有権者が「あまり参考にしなかった」ことは、候補者側により戦術の練り直しが必要ということも言えます。同時に、何を根拠に投票先を判断するかはそもそも有権者の自由であり、またそれこそデジタルデバイドの問題も絡みます。言い方を変えれば、ネットでの選挙運動という初めての試みに対して「なんと1割も参考にした人がいた」という評価の仕方もありうるかもしれません。できれば他のメディア(テレビ・新聞等のマスコミ、口頭や電話による口コミ、ビラや街頭演説など既存選挙活動、など)と比較してみたいところであり、一概に「だからダメ」と決めつけるのも如何なものかと思います。

 あまり「参考にされなかった」という評価が先行すると「じゃ、ネットはムダだからやめよう」という話にもなりかねません。今回の参院選では、すべての立候補者は、未知のルールによる選挙に初めて挑むチャレンジャーでした。9割以上の候補者が期間中にツイッターやフェイスブックを使っていたと言われています。その努力はまずきちんと評価していただきたいと思います。

■「選挙期間中の政策論争がない」はナンセンス?

 上にあげた記事は、「政策で投票先を選ぶべき」という理念が前提にあります。そもそも「政策で投票先を選ぶ」ことを実現するために衆議院選挙において小選挙区比例代表制の導入がされ、政策を掲げる政党を選ぶ形の選挙制度になりました。それ以来の金科玉条であり理念としては崇高なことだと思います。しかし、この理念には三つの限界があります。一つ目は政党が政策を決め候補者はそれに束縛されるため、候補者は自由に政策を語る主体になれない(極端に言えば、政党の代弁者にしかなれない)こと、二つ目は、選挙時に掲げた政策が実行される担保が(次の選挙まで)なく、現実にマニフェストは破られるものの代名詞になってしまったこと、そして三つ目は必ずしも有権者は政策だけでは投票先を決めないこと、もしかしたら政策で投票先を決める人は実は少数かもしれないこと、です。

 僕が所属している公益社団法人倉敷青年会議所では、国政選挙や市長選挙のたびに候補者をお招きして政策討論会をほぼ必ず行います。候補者として壇上に立ったこともありますし、現場責任者として運営にあたったこともあります。討論に意味はあったと思いますし、聞いていただいた方には参考になったとも思います。同時に、運営者の時に一番苦労したのは、はっきり言って集客です。本当に関心がある方はお運びいただけますが、仮にホールを満員にしても全有権者の数と比較するとごくわずか。もちろん運営者としての反省も多々ありますが、こうした状況を候補者サイドから見ると、政策の議論に貴重な資源(特に時間)を割くことは合理的な行動では無いと判断されても仕方ありません。

 またこういう風潮を反映してか、例えばネット選挙運動解禁を積極的に推進した新経済連盟の三木谷会長は、今回政党ではなく候補者ベースで推薦候補を発表しました。その他にも「人物本位で」といった推薦例はちらほら見かけます。「政策で投票先を選ぶ」という理念だけでは、現実は語れなくなってきています。あるいはたとえば「子育て政策を重視する候補者を」といった選び方や訴え方は、政策を訴え政策を選んでいるようで「政策セット」を選んでいません。個々の政策は他の政策との関係や予算とのの中で考えなければ現実的な意味はありません。「子育て重視!」というだけではただのスローガンなのです。これは「政策」というものの捉え方の問題です。

 候補者の立場からしても、現行公選法上、選挙期間は有権者に対する「投票のお願い」が許される貴重な時間です。政策に関する意見表明や有権者との双方向のやり取りは、政治活動としていつでも可能です。その限られた選挙期間中に、当選を勝ち取るためにとにかく「一票のお願い」に死ぬほど注力するのは制度上合理的な行動です。同時にその期間中のみを切り取って「政策論争が無い」という評価もまたおかしいと思います。短い選挙期間で多岐にわたる政策に関する思いを語り、討論するのは困難です。そして仮に、有権者や他候補との政策討論を経て考えを変えたら「ぶれた」と非難をされます。ですから討論しているようで意見の言い合い以上になるわけがありません。

 なお、政党ベースの政策は、候補者同士の討論よりも、党首討論等の方がはるかに後々には意味があります。こうしたものもテレビやネットでも誰でも見られるようになりました。それもあわせて考えるべきでしょう。

 こうしたことを考えるときに、そもそもネット選挙運動の評価基準として「政策論争がない」といった要素を挙げることは、実はナンセンスなのではないかとも僕は思います。

■ネットで真に共有すべきは…

 今回、実に皮肉に感じた現象があります。東京選挙区における山本太郎候補の当選(および緑の党グリーンズジャパンの三宅洋平候補の善戦)と、鈴木寛候補の落選です。民主党公認候補だった鈴木寛前参議院議員は、ネット選挙解禁の公選法改正の民主党の担当者の一人であり、間違いなくネット選挙解禁の立役者の一人でした。その民主党がみんなの党と共同提出した公職選挙法改正案の対案の趣旨説明では、以下のような記述があります。

 私たちは、選挙の主役は、政党や候補者ではなく、一般有権者であると考えており、国民本位、主権者本位のインターネット選挙運動の解禁が必要であると考えております。そこで、本法律案では、電子メールを利用する方法も含めて、一般有権者、政党、候補者全ての者がインターネット選挙運動を行えるようにし、インターネット等を通じて皆が熟議する新しい政治文化をつくることを目指しております。

 「熟議する新しい政治文化」という理念は、法案審議中も民主党・みんなの党案提案者の口からも何度も語られました。おそらく、今回の選挙戦中、ネット選挙解禁の立役者として鈴木寛候補はそれを実践しようと努力したものと思います。しかしその前に立ちふさがったのが山本太郎候補でした。彼の演説やネット上での言動は、原発や放射能についての政策を語っているようで、実は恐怖心をはじめ感情に訴えるものが多く、「熟議」という言葉から最も遠いものと僕個人としては思っています。鈴木寛候補に対するネガキャンでもそのように感じました。また山本候補とコラボレーションした三宅候補の「選挙フェス」は、実に多くの若者の「共感」を得、ネット上で拡散され、そして落選したものの17万票という得票を得ました(歌手の歌を無料で聞かせるのは、過去の判例からすると買収罪に該当する恐れも高いのではないかとは思いますが…)。これも「熟議」とはほど遠い。しかし彼らがもっともツールとしてのネットを前向きかつ有効に活用したと思います。

 結果として鈴木寛候補は落選、山本太郎候補は当選。皮肉で痛ましい結果と感じざるを得ません。残念ながら「熟議」は「感情」に敗れ、ネット選挙運動解禁の立役者は舞台を去らざるを得なくなったのです。政党は異なりますが、鈴木寛先生には再起の日が来ることを願ってやみません。

■ネット政治こそが大事。

 要するに、ネット上でもリアルでも、選挙運動は実は「政策」を訴えるよりも「共感」を目指す方が合理的だということです。政策を訴えているようで、「実直に政策を訴えて偉いひとだな~」という共感を得ているのです。正直、「人間の行動は理屈よりも感情が優先されることが多い」というシビアな現実に立脚した人が、選挙は強いです。だから誰も聞いていなくても辻立ちをするのですし、「あべぴょん」は面白いから多数のダウンロードがあったのです。どうもマスコミはそこを敢えて見て見ぬふりのはなぜなのでしょうか。

 一方で、感情だけで政治が左右されるのは極めて危険なことです。誰かを悪者にし、それをやっつける政治が快哉を叫ばれる世の中に、僕は日本がなるべきだとは思いません。客観性や多様な視点を含む論理的な議論と納得に立脚した政策の実行こそが、望ましい政治の姿だと思います。そして、時間をかけたネットの双方向の議論は、選挙ではなく政策立案・実現プロセスにこそ生かされるべきだと僕は信じています。だからこそ「政治家はメディアだ」なのです。

 その意味で、「ネットを政治活動にどう使うか」こそが今後問われるべきだと思います。実は、今回の「ネット選挙運動解禁」の真の意義は、候補者、そして当選して議員になった人のネットリテラシーを確実に向上させたことかもしれません。以前、僕が当選一回の時に「ネットが使えない候補はどうするんだ!」と机をたたいて怒鳴りネット選挙運動解禁に断固反対していたある自民党議員が、今回の参院選でブログ、フェイスブック、ツイッター等を使いこなして当選されたという実に香ばしい事実がそれを物語っています。

 初のネット選挙運動解禁の選挙戦を戦い勝ち抜いてきた議員諸兄姉が、今後どのような政治活動をネット上で展開していくのかこそ、僕は注目すべきことだろうと思います。もちろん他人事じゃなくて、僕も積極的に取り組みますけども。

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