23.雑感

2019年1月11日 (金)

毎月勤労統計調査の件について

(19.1.18付記)
 この件に関し、公表資料や報道等も含めて、個人的に時系列の年表に整理してみました。ご参考まで。

毎日勤労統計に関する年表

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 厚生労働省が、「毎月勤労統計調査において全数調査するとしていたところを一部抽出調査で行っていたことについて」という、読んで字のごとくの内容のプレスリリースを発表しました。「許せない」、「あり得ない」「憤りを感じる」「早急な再発防止を」といった定型的なコメントは他の方もおっしゃるでしょうから、それ以外の僕の目から見た感想や疑問を記しておきます。報道とプレスリリース以外の情報源はありませんので、一部推測も混じえて記述していることは、どうぞご容赦ください。

1.全数調査と一部抽出調査

 この調査は、5人以上常勤労働者を雇用する事業所の雇用、給与及び労働時間を調査するものです。それを毎月調査するので、調査の手間(厚労省や都道府県等の実施者も、回答者も)は相当なものと思われます。そのため、500人未満の事業所については対象事業所を厚生労働省がサンプリング(抽出)して実施していました。母集団の数が多い場合、適正な手法によってサンプリングをして調査し、それをもとに値を推計することには何の問題もありませんし、調査コストを適正化するためにも大事なことです。

 一方、500人以上の事業所は全数調査することとなっていました。これは、おそらく地方部の県にとって、常用雇用500人以上の事業所数がそもそもあまり多くないため、業種別等の適正な抽出が不可能なことが理由だったのではないかと想像されます。

 ところがプレスリリースによれば、平成16年以降、東京都に対しては、500人以上の事業所についても厚生労働省でサンプリングをした事業所に対して調査をしていたということです。平成30年であれば、1,464事業所が全数のところ、491事業所をサンプリングしていたとのこと。この理由は、おそらくは「数が多くて手間が大変だったから」ではなかろうかと思います。傍証として、平成30年6月に、神奈川県、愛知県、大阪府に対して(すなわち大都市圏で、大規模事業所が多数立地すると思われる府県)もサンプリングによる調査とする旨の連絡をしていたことからも、そのように推測されます(このことは別の問題をはらんでいますが、後に触れます)。

 一般論として、統計調査において、調査コストの適正化の観点はとても大事です。本来、母集団の全数を調査することが最も正確な数字を知ることになるわけですが、当然そこにかかるコストもおそろしく膨大なものになります。適切なサンプリングを行うこと等により、調査コストの適正さと推計値の正確さをできるだけ両立させることに、社会調査法や統計学の意味があるのです。ですから繰り返しになりますが、抽出調査とすることそのものが問題だとは一概には言えません(ただし、同じ母集団のサンプリングの仕方を地理的区分により異なる方法で行うことに、一抹のモヤモヤ感はあります。ただ、地理的分布に大きな偏りがあれば、やむを得ないのかもしれません)。

2.復元しなかったことについて

 本当の問題は、500人以上の事業所についても実際には「一部抽出調査」なのに、「全数調査」という看板を降ろさなかった、ということにあります。

 そしてそのことは、東京都分だけ抽出調査にもかかわらず、他道府県の全数調査分のデータとそのまま合体させ、統計的な数字を計算するという操作をしていたという結果となります(「異なる抽出率の復元をしなかった」というのはそういう意味と思われます)。そりゃそうだ。建前上全数調査のはずなのに復元なんかする方がおかしいですから。

 しかしこれは、少なくとも調査担当者は、不適正な操作だと絶対に気づかなければなりません。抽出調査の結果データと全数調査の結果データを、そうと知りつつそのまま合体させて平均値を求めたりする操作をしていた人が、必ず誰かいる筈ですから。

 例えばA県で100件中30件のサンプリング調査をした結果データと、B県で30件中30件の全数調査をした結果データを、そのまま合体させて60件のデータとして扱って平均値を算出するような操作をしていたということです。当然B県の傾向に引きずられるようなバイアスがかかった結果が出るのは自明なのです。

 これはもう、看板を書き換えるための行政的ないし政治的コストが大変だったのでサボった、バレなきゃよかろう、まあ数字のズレも1%もなくて誤差の範囲だし、これまで毎月こういう操作してきたし、いまさら間違っていましたと言い出せないよね、という発想だったとしか考えようがありません。少なくとも、ここ十数年の代々の厚生労働省の調査実施担当者(およびもしかしたら東京都の実施担当者)はこのことを知っていた筈ですが、誰も内部告発したりもしなかった。あるいはしようとした人もいたかもしれないけど、上司にとめられたようなこともあったかもしれません(ただの想像ですが)。いずれにしても、このあたりの「数字に対する認識の甘さ」加減は、裁量労働制等に関する労働実態調査の件や各省庁の障害者雇用率の件にかいま見えた、数字への無頓着さや思考停止ぶりと共通するものを感じざるを得ません。

 結局、昨年12月に統計委員会委員長から指摘されてやっと公表することとなり、また雇用保険や労災保険の給付額計算の根拠となっていたことから、塵も積もれば山となり、延べ数千万人に対し、合計数百億円規模の追加給付をしなければならない大惨事となったわけです。

 国民が本来受けるべき給付額よりも少なくしか給付を受けられなかったわけですから、この責任は極めて重大です。またGDP等他の推計値への影響も少なからずあるでしょう。

3.繰り返される厚生労働省の体質

 上記の通り、平成16年以降不適正な操作をしていたことは、現場担当者はおそらく知っていた筈です。ここで気になるのがリリースの中の次の一行です。

「(注)なお、平成30年1月以降の調査分の集計については、復元されています。」

 そう、平成30年1月以降は、数字がバイアスがかかっていることに気が咎めたか、全数調査の看板をかけたまま、数字はコッソリ直しているのです。そして6月には、上記の通り、神奈川県、愛知県、大阪府に対しても抽出調査を行う予定という連絡までしている。看板を直すことはなく、でももう抽出調査でいいや!もっと拡大しよう!と開き直ったような、或いは中途半端な対応を一度は決めた模様です。これは、現場担当者の一存ではないかもしれません。

 この件については、「一部の職員は総務省から指摘を受ける前に認識」していたが、「組織全体では共有していませんでした」とされています。要は、おそらく大臣や官房までは報告してはいなかったけど、現場以上どこかまでは認識を共有していたということです。どうしてこの時に、大臣まで上げられなかったのか。違う対応が出来なかったのか?僕は本当に、このことを悔しく、残念に思います。

 正直、厚生労働省と付き合っていると、さまざまな信じがたいトラブルの噴出に、結構な頻度で直面します。そして、僕はそのたびに何度も、「悪い情報ほど迅速にトップまで上げて共有してほしい」と言ってきました。大臣政務官の時に遭遇した年金機構の情報漏洩事案の時も、副大臣退任後に明るみに出た付加給付の支給漏れ事案の時も、再発防止策の提言なり、衆議院厚生労働委員会の質疑なりの場で、そのことを強く伝えてきました。このことは、厚生労働省にとっては、そもそもは薬害エイズ事件で多数の被害者を出した反省点でもあります。

 そしてまた今回も、歴史は繰り返され、おそらく現場レベルで糊塗しようとしていたずらに時間が経過し、他省から指摘を受けて公表するという恥をさらす事態となりました。このことが、個人的には最も残念なことです。

 また、敢えて野党的なうがった見方をすれば、昨年1月に直したということは、遅くとも一昨年後半にはどうしようか考えていた訳ですが、そういえばその頃には解散総選挙してたよねとか、働き方改革関連法案の骨格が固まり国会でも議論が始まってたよねとか、タイミング的なことも考えていたのかもしれないとも思えてしまいます。ため息しか出ません。

 厚生労働省には、この時の対応について、真摯に反省してほしいと切に願いますし、また統計調査というものが政策形成の礎となっている意味の重さを改めて認識し、必要な人員予算の確保を含め、しっかり対応されることを望みます。昨年の労働実態調査に対してのPT提言に続き、二年連続二回目の同旨の要望なのですが。。。

 そしてこの際、厚生労働省のみならず政府全体として、正直に過ちを正し、膿を出し切ってほしいと切に願います。

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2018年12月29日 (土)

平成30年末のご挨拶

 年末恒例の消防団夜警もはじまり、平成30年(2018年)ももうすぐ暮れようとしています。今年も一年様々な皆さまにご指導をいただき、なんとか過ごすことができました。心から感謝申し上げます。


●西日本豪雨災害関係

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 ただ残念なことに、この年末は「無事に」とか「健やかに」といった言葉は、到底遣うことができません。やはり平成30年7月西日本豪雨災害の経験は、そうした言葉遣いを許さないものでした。発災後の振り返りについては、「平成30年西日本豪雨災害の初期対応に関する備忘録(倉敷市から見えたことを中心に)」に譲りますし、また臨時国会では衆議院予算委員会にて質疑に立つ機会もいただきました(議事録)。その後も、全国レベルでは「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」の閣議決定(資料 )、また高梁川水系においても、第6回高梁川水系大規模氾濫時の減災対策協議会の開催(12月27日、新聞記事 )など、今回の災害を教訓とし二度と繰り返さないための取り組みも行われています(なおこの協議会には今回から新成羽川ダムなどの利水ダムを管理している中国電力も参加していることも、大きなポイントです)。また真備町でも復興の歩みはまだ先は長い状況ですが、その中でも(公社)倉敷青年会議所が花火を打ち上げるイベントが行われる(動画記事 )など、被災された方々を励まそうとする活動もあります。こうしたことは、年が改まってもなお続ける必要があります。

●一任をとるということ

 今年は秋の自民党総裁選後の人事まで、厚生労働部会長を務めていました。「厚生労働部会長を振り返って」に詳細は譲りますが、働き方改革関連法案、受動喫煙対策の健康増進法改正案といった、自民党内でも議論が割れるようなテーマについて、議論を丁寧に重ね最終的にコンセンサスをいただくことができたことは、良かったと思っています。

 厚生労働部会長退任後、関連の社会保障制度調査会や障害児者問題調査会、雇用問題調査会のみならず、沖縄振興調査会、選挙制度調査会、情報通信戦略調査会、司法制度調査会、外交調査会、治安・テロ対策調査会、そして性的指向・性自認に関する特命委員会、外国人労働者等特別委員会、データヘルス特別委員会、社会的事業推進特別委員会、IT戦略特別委員会、死因究明体制推進に関するプロジェクトチーム、終末期医療に関する検討プロジェクトチーム、女性活躍推進本部、サイバーセキュリティ対策本部といった会議体に関わる機会をいただきました。部会長といった責任ある役職から外れた分、幅広い分野に関わることができるようになったのは、それはそれでうれしいことです。

 今年の臨時国会では、外国人労働者を受け入れるための入管法改正案が議論されました。実はこの改正案の国会審議に先立ち、7月から外国人労働者等特別委員会の下で、在留外国人に係る医療ワーキンググループにおいて座長を務め、議論を重ねていました。そして入管法改正案成立後、宿題として残された基本方針、分野別方針、政省令、そして外国人材の受入れ・共生のための対応方針策について議論する合同会議の事務局長を仰せつかり、木村義雄座長、笹川博義、自見はな子両事務局次長ともども議論のとりまとめに当たりました。各部会にもご協力をいただき丁寧に議論を行い、また多くの意見を法務省はじめ政府にも汲み取っていただいた結果、無事に座長一任を取り付けることができました。最終的に年内に閣議決定されることとなり、胸をなでおろした次第です。

 党内議論において一任をいただくということは、決して軽いことではありませんし、簡単なことでもありません。様々な視点からの意見を積み重ねた末、それらがすべて折り合う点をきちんと示すことができなければ、一任を取り付けるべきではありませんし、与えるべきでもありません。また一任を受けた方も、自分の考え方に白紙委任を受けたと考えるべきではなく、ちゃんとその場で出た様々な意見をすべて汲み取る努力をすることに対して、一任を受けたと考えるべきだと僕は思います。それは、例えば「国民目線」といった美しい大義名分に名を借りた独善や独裁になることを防ぐ知恵なのです。あくまでも自民党内の話ですが、その自民党が現在政権をお預かりしているわけですから、これは国のガバナンスに関わる大事な問題です。

 そういう意味で今年は、「働き方改革」、「受動喫煙対策」、そして「外国人労働者受け入れ」という党内議論がとても活発だった大きな政策テーマにおいて、党内コンセンサスを形成することに関わり、後で異論が出るようなこともなく無事に役目を果たすことができた年でした。個人的にはこれを大きな喜びとするものです。

●来年に向けて

 今年の漢字は「災」と発表されたのは、豪雨災害のみならず台風や地震も多発した今年としては致し方のないことでした。願わくは「災い転じて福となす」ような新年が来ますように、と思うばかりです。

 ご覧の皆さまに対し、重ねて今年一年のご厚誼に感謝申し上げるとともに、来年のさらなるご発展を心からお祈り申し上げます。どうぞよい年をお迎えください。

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2018年1月 1日 (月)

平成30年の新春ごあいさつ

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 新年、あけましておめでとうございます。皆さまにおかれましては、つつがなく新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。また旧年中は橋本がくに対し多大なるご厚誼を賜りましたこと、心から感謝申し上げます。

 さて今年平成30年(2018年)は、戌年です。聞くところによると、戌年は変革・革新の年と言われているのだとか。昨年の衆議院選挙では野党が分裂して「保守」や「リベラル」を名乗る政党がいくつかできましたが、革新を名乗る政党はトンと見当たらなくなりました。そうなのであれば、自民党こそが、55年体制下のイデオロギー的な意味ではなく、文字通りの一般的な意味における、「革新」「改革」を行う政党でなければならないのかもしれません。

 また個人的にも、新たなことに積極果敢にチャレンジする一年でありたいと願っています。皆さまにとりましても、平成30年が発展の年になりますようご祈念申し上げますとともに、橋本がくに対し、本年も一層のご指導ご鞭撻のほど、賜りますようお願い申し上げます。

(写真は、倉商東交差点における新年初街頭演説です。)

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2017年12月31日 (日)

平成29年末のごあいさつ

平成29年(2017年)も暮れようとしています。今年も多くの皆さまとのご縁に恵まれ、健やかに終えることができます。心から感謝申し上げます。

後半の厚生労働部会長としての活動の中で思ったことを少し記します(今年の前半は、「厚生労働副大臣退任にあたり」に記したことと重複しますので割愛します)。

臨時国会で「働き方改革」の法案を仕上げるのが今年後半最大の仕事、と思っていました。しかし、突然の解散総選挙によって来年度通常国会に先送りになってしまいました。政治ですから、そういうこともあります。これは来年の大きな宿題です。

ただ、総選挙時の公約により、消費税税率引上げ増収分の使途変更を行うことになりました。もちろん「人づくり革命」、すなわち幼児保育・教育の無償化や待機児童解消の前倒し、高等教育の無償化等々の必要性は理解しますし、選挙の公約ですから実現はしなければなりません。一方で、財政再建のため2020年にプライマリーバランスの黒字化をする目標は先送りになりました。ということは、将来世代へのツケ回しは今なお続いているということです。消費税増収分の使途変更は、国債発行削減をより少なくする、ということは国債発行の増発に繋がるわけですから、すなわち「未来の世代の負担をより増やす選択」でしかありません。

「高齢者偏重の社会保障を全世代型に変える」という言い方もされます。実は税・社会保障の一体改革の際の、社会保障制度改革国民会議報告書の中で、子ども・子育て新制度を社会保障の一環として消費税財源の使途に位置付ける際に、既に「全世代型の社会保障」という表現を使っていますので、何をいまさら言うのかという思いもあります。ただ、話はそれだけではなくて、これまでは「高齢者に偏った社会保障を、未来の世代の負担で実現してきた」という状態だったものが「高齢者から子育て世代まで全世代の社会保障が、未来の世代により多い負担を科すことで実現される」ということに変わっただけということを指摘せざるを得ません。まあ、教育は投資ですから、未来世代に負担をかけてもそれを上回って余りある教育効果を挙げるような結果に繋がればよいのですから、ご関係の皆さまには、そうしていただけることを切に期待しています。

ただこうした政策決定が、急な解散総選挙のため必ずしも十分な議論なく自民党の公約として掲げられたことは、個人的には実に遺憾なことだと思っています。だから、自民党の人生100年本部での第一回会合冒頭において、抗議を行いました。そしてこの話は、来年のおそらく骨太の方針とともに決定されるであろう、新たな財政再建目標再設定の議論に持ち越されます。厚生労働部会長としての立場上、今の社会保障の水準を下げるような議論にあまり与したくもありませんが、後世の負担について目を瞑るわけにもいかず、おそらく辛い議論を余儀なくされることでしょう。それでもやり抜かなければなりません。そうした勉強や議論をする場を党内どこかに設けられるといいなと思っています。


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なお、今記したような内容は書籍「シルバー民主主義の政治経済学 世代間対立克服への戦略」(島澤諭、日本経済新聞出版社)に触発されたものです。この書籍は財政論を含む社会保障制度の近年の在り方と、10月の総選挙までを含む政治・政策プロセスの変遷とを重ねあわせて論じており、客観的かつ簡潔明瞭に現状の日本が抱えている課題が記されています。ぜひ特に若手の政治家には読んでいただきたいと思い、自民党青年局役員・顧問の先生方には勝手に配らせていただきました(ちなみに僕の自腹で書籍代は支出しています。政治資金ではありません。為念)。ご興味の方は、ぜひご覧いただければ幸いです。こうした議論を積み重ね、課題を乗り越えていくことが、これから私たち自民党がなすべきことです。

とりあえず来年予算編成においては、診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス報酬のトリプル改定を、まあ多くの方々がほっとして頂けるくらいの改定率で乗り切れたものと考えています。また障害報酬サービス報酬改定の食事提供体制加算について、自民党厚生労働部会として継続の申し入れを行い、今回は継続となりました。生活保護水準については、低所得者との比較による改定がありご批判もありますが、生活保護制度が憲法上に記される「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保障するためのものであり、たとえば「余裕のある生活」の権利保障をするものでない以上、生活保護を受給されていない方々の生活と比較して水準を設定することはやむをえないものと考えます。その上で、子どもの大学進学の支援や、生活困窮者自立支援等をさらに進めていきます。

来年の通常国会では、働き方改革の法案審議や受動喫煙対策、医師不足対策等の重要法案が目白押しです。そうしたものにも全力を尽くして取り組んでまいります。

今年は倉敷市が三市合併50周年を迎え、昨年12月に町制施行120周年を迎えた早島町ともども、節目の年を迎えました。「一本の綿花から始まる倉敷物語~和と洋が織りなす繊維のまち~」の日本遺産への登録や、水島港における倉敷みなと大橋の竣工など、多くの方々のお力のおかげで地元倉敷・早島が発展していることはとても嬉しく、多少お役に立てていればありがたいことだと思っています。一方で、障害者就労支援事業所の廃業により多数の方が解雇される不測の事態もあり、障害者福祉と雇用安定行政の連携による対応などにも力を注ぐことになりました。

今年は突然の解散総選挙があり、秋のお祭りや稲の収穫とも重なり、多くの皆さまにご迷惑をおかけすることになりました。しかしながら、地道に「人づくり革命」や「生産性革命」の必要性について訴え、同時に上記のことについても議論をしますとお話をし、93,172票の得票をいただき、4回目の当選を選挙区で果たさせていただきました。選挙を経ることで、多くの皆さまに支えていただいて仕事ができるんだということを再確認できます。心からの感謝を申し上げますとともに、来年もその思いを持って引き続きご期待にお応えできるよう全力を尽くします。

個人的には正月に人生初の入院をするようなこともありましたが、どうにか健康で過ごすことができました。多くの方々との出会いとサポートに恵まれたことに感謝を申し上げるとともに、自らの力不足のために多くの方々を失望させてしまったかもしれず、お詫びしなければならないとも思います。ただそう簡単にものを忘れることもできません。すべてを背負いながら前を向いて進むのみです。

重ねて、ご覧の皆さまに対し、今年一年のご厚誼への感謝と、来年のさらなるご発展をお祈り申し上げます。どうぞよい年をお迎えくださいませ。


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2017年10月23日 (月)

4期目当選のお礼

 昨日の選挙では、投票率がわずかに下がった中で、93,172票というここ3回では最も多い得票を頂きました。ご支援いただいた皆さまに、これまでにないお力を頂いたことを、改めて深く感謝申し上げます。誠にありがとうございました。

 一方で、期間中に口に出した目標の達成には至らず、次回への宿題も残しました。まだまだ自分が力不足ということ。初心に立ち返り、謙虚に職務に臨みます。今後とも、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

 今朝は事務所近くの交差点での街頭演説から、衆議院議員4期目の活動をスタートしました。

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2017年10月21日 (土)

衆議院総選挙のマイクを納めて。

 さきほど、12日間の遊説を終えてマイク納めを橋本岳事務所にて行いました。急の、しかもお祭りや稲刈りなどの行事が多い時期にも関わらず、多くの皆さまのお力をお借りして、事故なく活動することができました。また演説会へのご来場のみならず、遊説の際の道に出てのご支援なども、悪天候続きにも関わらず誠に多くの皆さまに賜りました。とても言い尽くせません。心から、深く感謝申し上げます。

 衆議院総選挙は常に政権選択の選挙であり、自民党公認・公明党推薦にて立候補した身としては、政権の継続をお願いする戦いでした。もちろん安倍政権が100点満点だなどとは思いません。反省すべき点は山のようにあるでしょう。しかし、少子化、長寿社会の到来、労働力人口の減少、そして総人口の減少といった日本が直面する課題に対して真正面から向き合い、地方創生、一億総活躍、働き方改革といった政策パッケージをまとめ、実行に移してきました。そのことに真剣に取り組んでいたことは、胸を張って申し上げることができます。そして、消費税2%の引き上げをお許しいただいた上で、「人づくり革命」「生産性革命」といった新たな政策に取り組む旗頭として【橋本がく】を国会に送って仕事させて頂きたい、と訴え続けました。

 また、今回の解散に伴う野党再編に関し、もともと民進党の議員や候補予定者であった方々が集団で、民進党公認ではなく別の党で立候補する(つもりで移れなかったり辞めたりいろいろありましたが…)という挙に出られたことについて、僕なりに思うことも、途中から申し上げました。「新たな受け皿をつくります」と僕の選挙区に貼ってある他党のポスターには書いてあります。しかしそもそも民進党こそが、反自公の思いを持つ国民の受け皿を目指していた筈ではなかったのでしょうか。それが受け皿になり切れなかったことについての反省もないままに、突然に安易に民進党を捨てて別の受け皿を作る行動に出るのは、それまで民進党に期待して支援していた方々に対して本当に身勝手で極めて失礼なことです。公開討論会において「なぜ民進党をやめちゃったのですか?」とそのポスターを貼っている方に直接質問してみましたが、「苦渋の決断でした」などと理由ではないことを仰るのみで、納得できる回答はありませんでした。自分たちの支援者を、きちんと説明できる理由もなく見捨てられる人は、国家国民も平気で見捨てるかもしれません。そのような方は政治家であるべきではありませんし、そういう方々が集まった政党を、僕は信用することはできません。

 ですので、今回は「橋本がくを、他候補の比例復活を許さない得票を頂いて当選させていただきたい」とお願いしました。5回目の選挙で初めてそうした訴えをしました。もちろんこれまで通りの得票でかなう願いではありません。全力を尽くして、一人でも多くの方に思いを伝える活動をしてきました。

 選挙運動ができる時間はあと2時間です。どうぞ明日の投票日には、岡山県第四選挙区の皆さまには、【橋本がく】とご投票頂けますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

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2016年5月 4日 (水)

自民党性的指向・性自認に関する特命委員会「議論のとりまとめ」等について

 先日4月27日、自民党政務調査会性的指向・性自認に関する特命委員会として、「性的指向・性自認の多様なあり方を受容する社会を目指すためのわが党の基本的な考え方」等を決定し、公表しました。なお「議論のとりまとめ」の末尾に記されている法案ですが、現在条文化の作業中であり、連休が明けて改めて党内手続きを経、公表されることとなる見通しです。ただし内容としては、国として性的指向・性自認の理解増進を目指すべきことを目的とした理念法に近いものになります。

 このことについて、さっそくネット等で様々なリアクションを頂いています。いかなる内容のご意見であれ、まずはご注目を頂きお目通しくださったことに深く感謝申し上げます。その上で、特命委員会事務局長として本件に深く関わった者の個人的な見解として、いくつか補足したいと思います。

◆え、あの自民党が?本気?信じられない!!という件

 自民党には、2012年の解散総選挙にあたりレインボープライド愛媛が行った政策アンケートにて、「人権問題として同性愛者や性同一性障害者らの性的少数者について取り組んでいくことをどう思われますか?」という設問に、堂々と「人権問題として取り組まなくてよい」という回答を寄せていたという事実があります。また、国会、地方議会を問わず、問題発言として非難されるような発言が注目されてしまう自民党議員もしばしば見られます。日本における政党の中では、性的指向・性自認の多様性とそれにまつわる諸課題について、自民党は正直関心が薄く、消極的な取り組み方しかしてこなかった政党であったと思います。そのことを否定するつもりは全くありません。

 党内では2013年4月から、馳浩座長、牧島かれん事務局長、ふくだ峰之代議士、橋本といった面々で勉強会や当事者の方々と交流会を行う動きがありました。この時にいろんな方々のお話を伺えたことは個人的にはとても勉強になりましたが、自民党内では非公式の有志の勉強会という位置づけに留まっていました。

 しかし、今年に入ってから稲田朋美政調会長からこの特命委員会を作り検討するようご指示がありました。自民党の政策責任者が指示を出したことはとても重く、ただちに古屋圭司代議士が委員長に任命され、組織として対応することになりました。そして約3か月の突貫工事ではありますが、稲田政調会長にも折々にご出席を頂きながら、古屋委員長のリーダーシップのもとメンバーの方々に熱心なご議論を賜り、今回のとりまとめ等ができたわけです。今回の成果物は今後の自民党の正式な政策方針となるものであり、これに従って今後具体化の作業に取り掛かることとなります。

 単に恰好をつけただけのアリバイ作りでは?と疑う向きもあるようですが、今後これらに記した通りに自民党や政府が動いていないようであれば、それこそ非難の対象となることは当然のことです。また、政府への要望(案)については、各省庁と事前に調整の上作成しています。手続き上、政府への申し入れの実行は連休明けになりますが、概ね実現可能であることは確認済みです。私たちとしても、申し入れ後のフォローアップまで行うことは当然に必要なことだと思っていますし、政府が動いていなければさらにネジを巻くこととなります。

 なお今回の議論にあたり、特命委員会でのヒアリングや議論に加え、LGBT法連合会が公表している「性的指向および性自認を理由とするわたしたちが社会で直面する困難のリスト(第2版)」を相当参考にさせて頂きました。この場で記し、深く感謝申し上げます。誠にありがとうございました。

 また、さはさりながら、特命委員会にてとりまとめたばかりで、国会議員・地方議会議員をはじめとする自民党全体への周知はまだこれからです。古屋委員長から「わかりやすいQ&Aを作成しよう」と言われており、今後取り組まなければなりません。国政・地方政治を問わず、自民党内にこの問題に対する深い理解が広まれば、相当物事が動きやすくなるのではないかと思います。


◆カムアウトする必要のない社会ってどういう意味?の件

 ここは、補足の必要な点ではないかと思います。実は自民党における検討の際に最も意識にあったのは、自分の性的指向や性自認について「他の人と違うかもしれない」と自覚しながら、「こんなことを口にしたら周囲から非難されるかもしれない」と深く葛藤している方や、また実際に口にして、あるいは意図せず暴露されてしまい非難されたり、いじめの対象になってしまったりする方たちのことでした。「私は同性愛者です!」と既にオープンにして活動している方は、もちろん深い葛藤はあったと思いますが、たくさんあるハードルの一つは乗り越えているとは言えるでしょう。実は「人知れず一人で悩んでいる方」こそが、最も深刻な状態にあるのではないか、という共通認識がありました。

 現状を振り返ってみると、この委員会の最初の役員会にて、セクシャルマイノリティの方が7%程度存在するという調査結果を知って「え、そんなにいるの?ホント??」ととても驚く議員がいた程度に、存在は知っているけど「自分の身の回りのことと思っていない、すなわち自分の身の回りにいないものと思いこんでいる」方が少なからずおられるのが現状です(統計的に言えば、例えば衆議院議員定数475人中、仮に5%として20人以上いておかしくないのですが…)。そしてそのことが、不当な差別や心無いいじめの大きな原因なのではないでしょうか。人にとって、自分の存在が周囲や社会から無視されていると感じることほど辛いことは、ありません。時として自殺にまで繋がってしまう理由はその点にあるものと思います。

 だとすれば本質的な解決策は、性的指向や性自認の多様なあり方についての社会的な認知を後押しすることであり、形式的に差別やいじめを禁止することではない筈です。例えば最低「自分の身の回りで、約20~30人に1人くらいは、性的指向や性自認が典型的ではない人が当たり前に必ず存在する」という一事だけでも周知徹底が図られれば、もう少し平たく言えば例えば「自分の身の回りにもゲイの人やレズビアンの人や性同一性に悩んでいる人も普通にいるよね」という社会的認識が広がれば、そうなれば当事者の方も自分の存在を悪のように悩み、またそのことを思い切って口にするかどうか深刻に悩む必要がなくなるのではないかと考えます。それが目指す「カムアウトする必要のない社会」だと僕は理解しています。もちろん容易な目標だとは思いませんが、理想は高く掲げていたいものです。例え大風呂敷と言われようとも。

 なお、その実現にあたり、もちろんカムアウトする人(というか自分の性的指向や性自認について周囲に語る人)がおられることは大事なことです。このことは、4月27日にBSフジ「プライムニュース」に出演した時にも発言しました。僕が言いたいことは、カムアウトと気張る必要なく、必要な時に口にでき、それが受容される社会であることが望ましいことということです。また少なくとも「理解増進」という目標の実現には、カムアウトした当事者の方々のご協力が絶対に必要です。カムアウトする人を減らしたいのではないかという見方もあるようですが、目標と整合しませんし、そもそもそのようなことは全く考えていません。

 ちなみに、僕がこの問題に触れるきっかけになったのは、あるコミュニティにおいて参加者の方がご自分の性的指向についてカムアウトする場にいた(メーリングリストだったのでメールを読んだのですが)ことです。その際のご本人が記された心境や周囲の方の暖かい受け止め方など、とても印象に残っています。外見上普通に見える人が、実は他の人には理解してもらい難い、存在も認めてもらえない、隠さなければならない(と思いこんでしまう)ような悩みを抱えているというのは、それは辛いことだろうと察しますし、思い切って口にするハードルの高さというのは時として絶望的にも思えるものです。飛んでみたら意外に簡単にクリアできる場合もあるのでしょうが、リアクションによっては本当に絶望の淵に叩き込まれる場合もある。ただその際の問題は、結果として絶望の淵に叩き込んでしまった相手の人も、単に必要な知識がない、誤解に基づく態度でしかなかったのかもしれないことです。それは純粋な悲劇としか言いようがありません。やっぱり社会全体のハードルを下げることが、まず大事だと確信しています。

◆差別禁止に後ろ向きではないか?の件

 実際にさまざまな現場で、いじめや差別のようなことがあるのは現実だと認識しています。採用や解雇における不当な取り扱いや、教育現場でのいじめや職場のハラスメント対策は、既存の枠組みを活用することで相応の効果が期待できるものと思います。これらのことは「政府への要望(案)」に盛り込んでいます。従って「差別禁止に後ろ向き」という批判は必ずしも当たりません。

 また当然ながら、前述のように性的指向や性自認に関して認識を広げる努力を重ねた上で、なお意識的、ないし悪意により差別されたりいじめられたりする例が多数存在するようであれば、改めて方策を講じる必要があるかもしれません。

 ただ現時点では、そもそも認識不足が問題なのですし、かつそれが故に何が「差別にあたる」のかも一般に共通認識ができているとは認め難いのではないでしょうか。性的指向や性自認に関する認識がまだ一般的に十分でない状況下で、差別禁止の名目で新たな規制や体制・制度を設けることは、運用によってどのような状況が生じるのか予測がつきにくく、場合によっては結果として事業者や一般の方の生活や言動に対する不当な行政介入の口実を作ることに繋がる可能性まで考えられます。特命委員会ではそこまで議論した上で、まずは理解増進を目指そうという方針となっています。

◆同性婚およびパートナーシップ制度等に関する件

 まず同性婚についてですが、憲法24条は「婚姻は、両性の合意に基づいて成立し」と書いてあります。両性というのは単一の性ではなく、すなわち男性と女性と解するのが自然だと思います。もちろん、異なる解釈(例えば、親その他の介入を排除して本人たちのみの合意で決めるべきことを規定した条文であり「両者」と解すべき、といった解釈)をとられる方がいることは承知していますが、しかし両性と書いてあるものは両性と解するのが順当でしょう。また、書いていないが禁じられてもいないというご意見もあるようですが、それを言い出せば何でもありの憲法になってしまいます。憲法の他の条文の解釈とも整合的に議論をすべきことでしょう。

 また民法的にも(これはこれで議論がありますが)再婚禁止期間の規定があること等に見られるように、現時点では婚姻と「両者間で子をなすこと」はセットで考えられていることも、あわせて念頭に置かなければならないでしょう。恐らくはこのことを理由に、夫婦関係にはさまざまな義務と権利が認められてきたという歴史的経緯は踏まえておく必要はあると思います。そういう目で見ると、仮に同性婚を検討する場合、男性同士の組み合わせの場合にはその間に実子ができる可能性はありませんが、女性同士の組み合わせの場合、最近は人工授精等の手段により実子が生まれ得ることも頭におかなければなりません。男性同士の場合と女性同士の場合を、一概に同性婚として同列に扱ってよいのか、議論が必要かもしれません。

 同性婚ではないパートナーシップ制度については、それが婚姻に類するものという前提なのであれば、憲法上の抜け穴を作るような話とも解されることであり、本来は憲法改正を求めるのが筋であろうと思います。ただし、婚姻と養子以外に、血縁関係のない人を家族にする新しい制度をつくるべしという趣旨であれば、同性愛当事者の方々のみならずその他の方々のご意向も踏まえ検討の余地はあるかもしれません。そうしたさまざまな議論があり収束の道筋も見えない中ですから、まずはパートナーシップ制度についても国民的な理解と議論が前提であろうと整理をしたところです。

 なお一部メディア等の報道を見ていると「LGBT問題=同性婚」というように感じてしまう時があります。しかし同性婚ないしパートナーシップ制度は、直接的には周囲に対してカムアウトしている人にしか恩恵がありません。同性婚を認めれば当事者の方々の要望が満たされるのかといえば、全くそんなことはないでしょう。ですから自民党内の議論では、むしろ周囲に言えずに苦しんでいる人や、言わないで自分の生活を過ごしている人にも光を当てるべきではないかという議論が行われ、そのためまずは現行制度内でできることを、しかし網羅的に推進しようというアプローチをしているのは先述の通りです。

 また民間同士の契約に基づく関係、すなわち雇用関係等は、法令に違反しない限り自由であるべきです。企業の中で、同性カップルを婚姻関係と同様に扱う事例がありますが、これは企業の裁量の範囲内でしょうし、特命委員会の問題意識からすれば歓迎すべきことだと考えます。「政府への要望(案)」でも、政府においてそうした事例の収集や情報提供を行うべきことを記しています。

 あと、一部に「同性婚を認めると少子化が進む」という言説が見られますが、橋本個人としてはこれは客観的根拠がなく不適切な議論だと考えています。そもそも同性婚を認めていない現状でも少子化に歯止めがかかっていないために地方創生とか一億総活躍とか取り組んでいるわけですから、まあそれとこれは関係ないでしょ、と思います。ここは党内で議論してQ&A等で整理したいと考えています。


◆その他

 歴史的経緯で挙げている例が不適切とか、その他にも論点はあろうと思います(これは不勉強ということもあるとは思いますが、あまりあからさまに性行為等の在り方について公式的文書で触れることは控えたかったのです…。そりゃまあ男色とか衆道とか寵童とかいう言葉もありますし、いわゆる腐女子ややおい文化にまで筆を伸ばせばさらに現実に迫る例示になったかも知れませんが、自民党としてはそこまで議論できていませんので…)。

 他にも苦労したのが言葉づかい。当事者の方々について、メディア的には「LGBT」や「性的マイノリティ」という言葉が一般的です。ただLGBTは限定列挙的表現であり、含まれない人がいるという指摘がついて回ります。実際WikipediaのLGBTの項では最長LGBTTQQAIAAPという略語まで紹介されています。また「マイノリティ」「少数者」は、実数としては事実なのかもしれませんが、どうしても優劣に受け取られかねない、あるいは対立的に受け取られかねないきらいがあり、個人的には使いたくない言葉でした。その末に「性的指向・性自認に関する当事者」といった若干こなれていない言葉を使う結果となりました。また、特定の性的指向・性自認を「正しい」とするような表現を避けるべく、「性的指向・性自認の多様性/多様なあり方」という表現をフル活用しています。さらにある団体からは、性的指向の問題と性自認の問題は別だから並べないでほしいというご要望も伺ったりしまして、なかなか難しいなあと未だに頭をひねっています。これも自民党としての現時点での提案だとお考えいただければ幸いです。なお「議論のとりまとめ」にて「性的指向・性自認の多様性の意味するもの」としていくつかの認識を整理させて頂いたことを始め、議論の足掛かりを自民党内に作れたことは実は最大の進歩だと思っています。

 いずれにしても、限られた期間ではありますが、多くの議員の熱心なご議論やアドバイス、ご理解・ご協力を頂いて成果を発表するに至りました。お力を頂いた特命委員会役員はじめ議員各位、またご協力いただいた団体・個人・企業の方々に深く感謝申し上げます。各省庁や衆議院法制局、自民党政調事務局の担当各位も慣れないテーマの仕事でもしっかり頑張ってくれました。個人的にも「あの」自民党の中でここまでの議論ができたことは、ささやかに感慨深いものがあります。ただ、まだ絵に描いた餅にすぎませんから、実現に向けて引き続き前進させなければなりません。

 今後についてですが、この問題は与野党対立的になるテーマにはしたくないと個人的には思っています。まずは連休前に、連立与党である公明党さんにはご説明に伺いましたが、他党や超党派議連にも必要があれば、あるいは機会を頂ければご説明に参上したいと考えています。引き続きご指導・ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

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2014年12月15日 (月)

今回の選挙の結果について

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 このたびの選挙では、寒い中の突然の解散という状況にも関わらず、多くの皆さまのお支えを頂き、三度目の衆議院の議席をお預かりすることができました。誠にありがとうございました。

 今回の選挙では、主に「アベノミクスをはじめとする安倍政権の政策の継続をお許しいただきたい」とお話ししました。開始してまだ二年間ですから道半ばであり、実感がないとか格差が広がったといった批判も、当たっている面もあると考えます。しかし、ここで路線を改めるのではなく、景気対策など必要な手当てを行いながら、成果がでるまでやり抜く力をお与えいただきたいとお訴えをしました。また地方創生や切れ目のない安全保障法制の整備、社会保障制度改革なども道半ばです。これらの継続をお訴えし、一定のご理解をいただいたものと考えています。再び岡山県第四選挙区からの当選者として国会に送っていただいたからには、申し上げたことの実現に全力を尽くす所存です。

 また、全国では自民党・公明党の与党で前回と同数で全体の2/3を上回る議席をお預かりし、安倍政権についてもご信認をいただいたものと考えます。ただ、つぶさに状況を眺めると、沖縄で小選挙区四議席を失った結果、純粋比例で九州ブロックに立候補されていた経験豊かな前職の先生方を落選させてしまったことなど、前回の勢いとは微妙に空気が変わっているところもあります。私自身も二年間の活動の結果として、ほぼ同一の票数(厳密にいうと34票の増)に留まっています。政策の効果が実感されていればそうはならないものと思われます。また投票率そのものも低い値に留まりました。こうした点は、謙虚に受け止めなければならないと思います。

 一方で、「巨大与党が憲法9条を変えてしまう!戦争をする国になってしまう!」等の主張も他の方からあったようですが、憲法の改正には衆議院で与党が2/3を確保していても、参議院は1/2をやや超えた議席しかないため発議もできない状況は続きますし、仮に発議できたとして、さらに国民投票で過半数の賛成が必要なわけで、衆議院でいくら議席を得ていても、国民の理解がない憲法改正はそもそも不可能です。そのような、誤った、かついたずらに不安感を煽る机上の空論に惑わされる方も、一定程度に留まったということも可能でしょう。野党再編という議論もあるようですが、比例区でそれぞれの政党に投票した有権者にどう説明するのでしょうか。その説明は筋の通ったものなのでしょうか。今後の展開に注目しています。

 また選挙戦を戦っていて感じたのは「自民300議席の勢い!」といった報道の怖さでした。握手を求めると、「もう大丈夫じゃ!」とお励まし頂くことが何回もありました。もちろんお励ましですからありがたいことですが、一方で「いや、あなたの一票が大事なんです!」と言っても聞いてもらえない空気がありました。途中から、自分の相手は対立候補ではなく、この「大丈夫!」という空気だと感じました。投票率の低さについては様々な要因が絡み合っているとは思いますが、選挙期間中の圧勝予測報道が、有権者を白けさせ、出足を鈍らせた面もあると思います。

 今回は、衆議院選挙でインターネット選挙運動が解禁となった初の選挙となりました。急の解散だったのでかなり慌てていろいろなコンテンツを準備しましたが、例えば選挙運動のustream生中継ではのべ2,479の合計視聴者数(2014.12.15晩現在)でした。例えば倉敷市民会館の大ホールギュウギュウ詰めの人が多かれ少なかれ接してくれたと思えば、それなりの効果はあったのかと思います。Facebookでの日々のやり取りやコメントにも励まされましたし、初日にネックウオーマーを着けていて(寒がりなんです…)、「必死さが感じられない」といったご指摘を頂いて、翌日以後外したようなこともありました。多面的かつリアルタイムに近い形で選挙期間中の候補者を見て頂く機会ができたと思いますし、またさまざまな視点からの反応を知ることができました。もちろんまだ研究の余地はありますが、さまざまなトライが楽しかったです。睡眠時間は削りましたが…。

 いずれにしても、寒い中での選挙ですが、多くの皆さまのおかげさまで充実した選挙戦を戦うことができました。そしてとても貴重な結果を賜りました。ご関係を頂いた皆さまに、心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。もちろん反省点や改善すべき点多々もあります。また選挙は多くの地元の方々のご意見を伺ういい機会であり、とても勉強になりました。議員としてはこれからが仕事です。お与えいただいた期待にお応えできるよう、今後とも努力精進します。


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2014年11月18日 (火)

安倍総理の会見を見て

 厚労大臣政務官室にて、安倍総理の会見のテレビ中継を見ました。ちょうど2年前「まずはデフレ脱却を!」「日本の強い経済を取り戻す!」と訴え続けて選挙を戦ったことを改めて思い出しました。総理の決意にあふれた言葉を聞くにつけ、今回の消費税10%延期の決断も、その延長線上にあるのだと強く感銘を受けました。
 また同時に何度も「国民の皆さまのご理解とご協力をいただいて」とお話しになりました。僕も記者さんから「自民党も多数の議席があるのになぜ選挙する必要があるのか」と聞かれましたので、「多数の議席があれば何をやってもよいと総理は思っていないということでしょう。2年前の多数で任期途中であっても、三党合意の変更という当時のマニフェストの変更を行う以上、改めてきちんと国民の皆さまの現時点でのご意志を伺うべく、民主主義としての手続を踏むべきとお考えになったのだと思います」とお答えしました。
 いずれにしても、21日に衆議院議員のバッジを外し、一人の候補予定者となることが確定しました(一応、大臣政務官ではありますが)。国民の皆さまには、年末の慌しい中にお手間をおかけすることとなりますが、この二年間のご支援への感謝を胸に、謙虚に、かつ全力で戦いに臨む覚悟です。

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2014年9月 4日 (木)

厚生労働大臣政務官就任にあたり

 今朝ほど塩崎恭久厚生労働大臣よりご連絡をいただき、厚生労働大臣政務官の内示をいただきました。正式には本日15時の臨時閣議で決定される見通しです。

 厚生労働省は、医療・福祉・介護・労働・雇用・援護といった身近な問題を所管し、多岐にわたる社会保障制度改革や子ども子育て支援新制度、雇用の安定など長期的視野に立った制度改正から、デング熱など感染症対策や危険ドラッグ対策といった日々新たに起こる事象への対応、そして先の通常国会でミスを連発した反省に立った省内業務の適正化まで、数多くの課題を抱えています。これまでも自民党にて、厚生労働部会副部会長、難病対策PT事務局長等として政策形成に携わってきました。厚労省に対して批判的な発言をしたことも少なからずありましたが、今後は塩崎大臣の下、行政の一員として汗をかくこととなります。

 とはいえ、大臣政務官とは英語で「parliamentary vice-minister」、意訳すると「議会からの大臣補佐」といった感じの立場ですから、まず国民の皆さまから選んでいただいた衆議院議員の身分として行政に入るということを大事にして、公務に励みたいと思っています。もちろん、政治主導などと上から目線を押しつける気もありません。さまざまな立場から議論を重ね、できるだけ多くの方々が納得できる結論を出し、一致して実現するというスタンスで臨みたいと思っています。

 厚生行政には、祖父・橋本龍伍、父・橋本龍太郎ともに深く関わっていたことを考えると、なお身の引き締まる思いがします。国会に送っていただいた地元倉敷・早島の皆さまへの感謝を胸に刻み、励んで参りますので、引き続きご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。

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