『61人が語る 政治家 橋本龍太郎』
時の経つのは早いもので、今夏で父龍太郎の七回忌となる。そのタイミングで、父の仕事を知る皆様のご厚意により、このたび『61人が書き残す 政治家 橋本龍太郎』が文芸春秋企画出版部より上梓された。まずはこの書籍の刊行にご尽力いただいた皆様に篤く御礼申し上げたい。
スモン病訴訟和解、国鉄分割民営化、湾岸戦争戦費拠出、日米自動車交渉、そして普天間基地返還交渉や日露クラスノヤルスク合意、中央省庁再編、京都会議といった日本や世界の枠組みに関わる大仕事から、対馬丸事件、身体障害者補助犬法、ネパールの小児病院支援、寄生虫対策、そして邑久長島大橋といった個別ながら切実な課題までを網羅しており、ミッキー・カンター通商代表やエリツィン大統領との迫真のやりとりなど政策プロセスの舞台裏まで見られる内容だ。あまり父の仕事に触れる機会がなかった、そして同じ仕事をするようになって一年足らずで父を失うことになった僕にとっても知らない話が満載であり、大変興味深くあっという間に読了できた。これだけ父の仕事を書きながら、選挙区内地域に触れることが全く無いというのも、他の政治家の本ではありえないのではなかろうか。父らしいとも思うし、その父を国会に送り続けてきた旧岡山県第二選挙区の有権者の皆さまの見識を示すものでもあろう。政治家という木が、仕事という果実を豊かに実らすためには、選挙区という畑が大事なのだ。だから父を支援していただいた皆さまに、深く感謝をしなければならない。
そして、もちろん時代背景もあっただろうが、このころの政治が「信頼」と「ロマン」にあふれていたことを、とてもうらやましく感じざるを得ない。「子ども一人26,000円/月の現金給付」とか「最低保証年金7万円」とかいう昨今の「政策」(と呼ぶ価値もない気もするスローガン)の、どこにロマンや夢や希望があるのだろう!そしてそのスローガンの現状を見れば、信頼もへったくれも最早ありはしないし、もちろんそれを裏打ちする努力も見えはしない。今日の内閣改造にしても、森本防衛相ご本人は間違いなく専門家なのだが、民間から専門家を入閣させざるを得なかったことに対し、民主党の議員各位は己が不勉強を恥じるべきではなかろうか。そして五か月前「最強の布陣」と語った野田総理はその言葉をどう振り返るのか!
昔は良かったと嘆いてもはじまらない。及ばずながら、勉強家で一生懸命な父の背中を垣間見て育った自負はある。ぜひとも日本の政治を今一度立て直し、ロマンと信頼をとり戻したい!と誓いを新たにした。皆さまにもご一読をお勧めしたい。
※倉敷の橋本がく事務所でもご購入いただけます(1,995円)。ご興味の方はお問いあわせください(086-422-8410)。
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