04.年金・福祉・社会保障

2015年1月11日 (日)

平成27年度予算案大臣折衝事項について

 今日は平成27年度予算編成の大詰めとなる大臣折衝が行われました。これは、財務大臣と各省の大臣が直接会って折衝することにより、最後まで意見が合わなかった事項について合意を行うものです。介護報酬改定や障害福祉サービス報酬改定があり、また消費税3%の引き上げ(かつ残り2%の引き上げ延期)分の使途などを含みます。一部だけ切り取って評価される向きもあるため、終了後の厚労相会見で記者に配布された資料のほぼ全文(別紙1は本文に溶かしこみ、別紙2「所得水準の高い国保組合の国庫補助の見直し」は割愛)を掲載します。ご興味の方はどうぞご一読ください。

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大臣折衝事項


 平成27年度厚生労働省予算について、介護サービス料金改定(介護報酬改定)等、平成27年度の消費税増収分による社会保障の充実・安定化、医療保険制度改革の推進並びに生活困窮者支援および生活保護のため、以下の通り予算措置等を行うこと。

1.介護サービス料金改定(介護報酬改定)等

 平成27年度の介護サービス料金改定(介護報酬改定)は、介護保険料の上昇の抑制、介護サービスの利用者負担の軽減、介護職員の給料の引き上げ、介護事業者の安定的経営の確保、という4つの視点を踏まえて行う。平成27年度介護サービス料金(介護報酬)の改定率は全体で▲2.27%とするとともに、消費税増税分を活用して、次のとおり対応すること。

・月額+1.2万円相当の介護職員処遇改善加算を拡充するため、+1.65%を確保すること。
・中重度の要介護者や認知症高齢者に対して良好なサービスを提供する事業所や地域に密着した小規模な事業所に対する加算措置を拡充するため、+0.56%を確保すること。
・さらに、地域包括ケアシステムの構築に向けて、地域医療介護総合確保基金や認知症施策など地域支援事業の充実に十分な財源を確保すること。
 (別紙1より)
 ○地域医療介護総合確保基金による介護施設の整備等 公費700億円程度
 ○認知症施策の推進など地域支援事業の充実 公費200億円程度
・収支状況などを反映した適正化等 ▲4.48% (別紙1より)

 サービス毎の介護サービス料金(介護報酬)の設定においては、各サービスの収支状況、施設の規模、地域の状況等に応じ、メリハリをつけて配分を行う。
 また、介護職員処遇改善加算の拡充が確実に職員の処遇改善につながるよう、処遇改善加算の執行の厳格化を行う。
 なお、次回の介護サービス料金改定(介護報酬改定)に向けては、サービスごとの収支差その他の経営実態について、財務諸表の活用の在り方等を含め、より客観性・透明性の高い手法により網羅的に把握できるよう速やかに所要の改善措置を講じ、平成29年度に実施する「介護事業経営実態調査」において確実に反映させる。


(障害福祉サービス等料金改定(障害福祉サービス等報酬改定))
 平成27年度障害福祉サービス等料金(障害福祉サービス等報酬)の改定率は±0%とすること。
 サービス毎の障害福祉サービス等料金(障害福祉サービス等報酬)の設定においては、月額+1.2万円相当の福祉・介護職員処遇改善加算の拡充(+1.78%)を行うとともに、各サービスの収支状況や事業所の規模等に応じ、メリハリをつけて対応する。また、福祉・介護職員処遇改善加算の拡充が確実に職員の処遇改善につながるよう、処遇改善加算の執行の厳格化を行う。
 なお、次回の障害福祉サービス等料金改定(障害福祉サービス等報酬改定)に向けては、「障害福祉サービス等経営実態調査」の客対数を十分に確保するとともに、サービス毎の収支差その他経営実態について、より客観性・透明性の高い手法により、地域・規模別の状況も含め網羅的に把握できるよう速やかに所要の改善措置を講じ、平成29年度に実施する「障害福祉サービス等経営実態調査」において確実に反映させる。また、地方自治体の協力を得ること等を通じ、より具体的な現場の経営実態を把握する。そのうえで、次回の改定においては、これらにより把握された経営実態等を踏まえ、きめ細かい改定を適切に行う。

2.社会保障の充実・安定化

 来年度の消費税増収分(8.2兆円程度)は全て社会保障の充実・安定化に向ける。基礎年金国庫負担割合2分の1への引き上げの恒久化に3.02兆円を充てた上で、消費税増収分1.35兆円と社会保障改革プログラム法等に基づく重点化・効率化による財政効果を活用し、社会保障の充実1.36兆円と簡素な給付0.13兆円を措置すること。
 その中で、平成27年4月からの子ども・子育て支援新制度の円滑な施行に向けて予定していた「量的拡充」及び「質の改善」を全て実施するための十分な予算措置を行うこと。また、国民健康保険への財政支援の拡充を含む医療・介護サービス提供体制の改革の推進に必要な事項に重点的な予算措置を行うこと。
 低所得者に対する介護保険の1号保険料の軽減強化については、特に所得の低い者に対する措置の一部について平成27年度から実施すること。介護保険料軽減強化の残余の措置、低所得者への年金の福祉的給付及び年金受給資格期間の短縮については、消費税率10%引き上げ時(平成29年4月)に、後期高齢者の保険料軽減特例を原則的に本則に戻すこととあわせて、着実に実施すること。

(参考)平成27年度の社会保障の充実1.36兆円(公費ベース)の内容
・子ども・子育て支援の「量的拡充」及び「質の改善(0.7兆円ベースを全て実施)」(5,100億円程度)
・育児休業中の経済的支援の強化(60億円程度)
・地域医療介護総合確保基金(医療分900億円程度、介護分700億円程度)
・平成26年度診療報酬改定における消費税財源の活用分(400億円程度)
・介護報酬における介護職員の処遇改善・質の高いサービスに対する加算等(1,100億円程度)
・国民健康保険等の低所得者保険料軽減措置の拡充(600億円程度)
・国民健康保険への財政支援の拡充(1,900億円程度)
・被用者保険の拠出金に対する支援(100億円程度)
・高額療養費制度の見直し(250億円程度)
・介護保険の1号保険料の低所得者軽減強化(200億円程度)
・難病・小児慢性特定疾病への対応(2,000億円程度)
・年金制度の改善(20億円程度)

3.医療保険制度改革の推進に関する予算関連事項
 次期通常国会に提出予定の医療保険制度改革関連法案において国民健康保険の財政基盤安定化・財政運営責任の都道府県移行、医療費適正化計画の見直し、後期高齢者支援金の全面総報酬割の導入等の医療保険制度改革を着実に進めること。その関連において、予算に関連する以下の事項について、それぞれ記載の取扱いとすること。

(協会けんぽに対する国庫補助)
 国庫補助率の特例措置が平成26年度末で期限切れとなる協会けんぽについては、医療保険制度改革において、国庫補助率を当分の間16.4%と定め、その安定化を図ること。ただし、現下の経済情勢、財政状況等を踏まえ、準備金残高が法定準備金を超えて積み上がっていく場合に、新たな超過分の国庫補助相当額を翌年度減額する特例措置を講じること。

平成27年度:国庫補助は、法定準備金を超過する準備金の16.4%相当を減額
平成28年度以降:法定準備金を超過する準備金残高がある場合において、さらに準備金が積み上がるときは、さらに積み上がる新たな超過分の16.4%相当を翌年度の国庫補助から減額

(入院時食事療養費等の見直し)
 入院時の食事代(現行:1食260円)について、入院と在宅療養の負担の公平等を図る観点から、食材費相当額に加え、調理費相当額の負担を求めることとし、平成28年度から1食360円、平成30年度から1食460円に段階的に引き上げること。ただし、低所得者は引き上げを行わず、難病患者、小児慢性特定疾病患者は現在の負担額を据え置くこと。

(所得水準の高い国保組合の国庫補助の見直し)
 所得水準の高い国保組合の国庫補助について、負担能力に応じた負担とする観点から、平成28年度から5年かけて段階的に見直すこととし、所得水準に応じて13%から32%の補助率等とすること。

4.生活困窮者支援及び生活保護

 平成27年4月に施行される生活困窮者自立支援制度については、生活保護制度と一体的に運用する中で、複合的な課題を有する生活困窮者の自立支援に効果を上げていくことが必要である。また、自治体での準備が着実に進むよう引き続き万全を期すこととし、本制度を適切に実施するため、必要な財政措置を講じること(400億円程度(国費ベース))
 住宅扶助基準及び冬季加算については、社会保障審議会生活保護基準部会の検証結果を踏まえ、最低生活の維持に支障が生じないよう必要な配慮をしつつ、以下の見直しを行う。

・住宅扶助基準については、各地域によける家賃実態を反映し、最低居住面積水準を満たす民営借家を一定程度確保可能な水準としつつ、近年の家賃物価の動向等も踏まえて見直す(国費への影響額は平年度▲190億円程度)。
・冬季加算については、一般低所得世帯における冬季に増加する光熱費支出額の地区別の実態や、近年の光熱費物価の動向等を踏まえて見直す(国費への影響額は▲30億円程度)。

 また、医療扶助の適正化や就労支援の取り組みを着実に進め、その効果を事後的に適切に検証する。
 生活保護受給者の高止まりについては、高齢化の進展の影響が大きいものの、雇用環境が大幅に改善する中で経済的自立による保護脱却が若干好転しつつも十分に進んでいないことも要因となっている。
 こうした状況を踏まえ、高齢者や障害者世帯など生活保護受給者の様態に留意しつつ、最低限度の生活を保障し自立を助長するとの生活保護法の趣旨にかんがみ、次期生活扶助基準の検証(平成29年度)にあわせ、年齢、世帯類型、地域実態等を踏まえた保護のあり方や更なる自立促進のための施策等の制度全般について予断無く検討し、必要な見直しを行う。

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2014年9月 2日 (火)

死因究明PT(医療事故調査に関するガイドライン作成について)資料

 現在、厚生労働省において医療事故調査に関するガイドラインの検討が進んでいます。厚生労働省のページに資料や会議録等が掲載されていますが、この会議概要等を眺めていると様々な疑問が湧くところがあります。

(2014.9.22 付記:現在は研究班議事録等の資料は、公益社団法人全日本病院協会のWebサイトに移管されています。)


 9月2日(火)、僕が座長を務める自民党死因究明体制推進に関するPTにおいて、この件を取り上げ、ヒアリングを行いました。その際に僕から提出した資料を掲載しておきました。僕が厚生労働省に対して質問したい事項を列挙した形式となっています。

医療事故調査ガイドラン作成に関する質問点 (285.7K)

 議事はこの質問点に沿って行われたわけではありませんが、別途回答をいただくよう厚生労働省には要望しているところです。

 なお本PTは一般的な死因究明について取り上げるものであり、医療事故調査の在り方については本来は党厚生労働部会の下に適切な場を設けて議論されるべきところですが、現在まったく党内で取り上げられていない上、昨年に一度本件に関してヒアリングを行っている経緯もあり、また調査方法として解剖やAi等についても議論が行われるため、そうした観点からも参考として現状を聴取するべく開催したものです。もう少し議論が進んだ時点で然るべき機関において具体的な議論が行われることを期待したいと思います。

 またその際、医療社団法人いつき会ハートクリニックの佐藤一樹先生より橋本宛に提出された、「死亡診断書(死体検案書)記入マニュアル改訂などに関する意見書」も資料として席上配布し、厚生労働省に対しても手渡しました。

死亡診断書(死体検案書)記入マニュアル改訂などに関する意見書 (464.7K)

 本日は冒頭に僕が申し上げたとおりマスコミオープンで行っています。議論の内容についてはいずれ報道があるものと思いますので、そちらに譲ります。

 医療事故は繰り返すべきものでないのは当然です。再発防止策を検討するにあたっては、刑事・民事等による処罰的な方法には限界があり、安全工学的な対応を行う必要があるものと考えています。質問中にも触れているように、薬取り違えによる死亡事故が、それをおこなった医師が刑事的責任追及が毎回行われているにも関わらず繰り替えされていることに、処罰的な方法の限界があると思っています。そのようなことを踏まえた議論が行われるよう、引き続き留意してゆきたいと考えています。


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2013年8月25日 (日)

なぜ社会保障制度改革が必要なのか?

 8月6日に社会保障制度改革国民会議が内閣に報告書(本文概要)を提出しました。それを受けて21日に安倍内閣はその中身をいつまでに議論して法案を国会に提出するかを定めたプログラム法の骨子を閣議決定しました。

 その内容について新聞等では個々具体的な点(特に負担増になる項目)が目立って取り上げられるのですが、この改革の意図や方向性についてなかなかきちんと触れられません。ここで思うところを記しておきます。その上で、上記報告にお目通しをいただければ幸いです。

 この報告書では日本の社会保障制度を「70年代モデル」から「21世紀(2025年)日本モデル」へ変える、としています。70年代とは、右肩上がりの経済成長という環境と、お父さんは正規雇用・終身雇用、お母さんは専業主婦で子供を育て、おじいちゃんおばあちゃんは離れた地元で元気に農業、というモデルがモデルとして機能していた時代でした。その時代でできる社会保障制度として、皆医療保険・皆年金制度が設計され、遅れて介護保険制度が追加されたという経緯があります。その頃子育ては社会保障ではなく、共働きの(当時の感覚で「恵まれない」)家庭のための福祉として保育園があり、児童教育のための幼稚園は社会保障の範疇ですらありませんでした。

 その中で「働く世代で高齢の方々に楽をしてもらいたい」という思いで各種の制度ができてきました。そのココロには、ただの敬老精神だけでなく「先の大戦の時期に辛酸を舐めてこられた先輩方に報いなければならない」という当時の現役世代の気持ちが必ずあった筈です。日本の社会保障制度は実は戦後処理の一環でもあったのです。

 父・橋本龍太郎は長く厚生族としてこれらの制度設計や運営に携わってきた一人でした。その当時にできるベストのものを作るよう努力する姿を子供心に誇らしく見てきましたし、例えば「介護保険制度は、ご主人様を戦争で亡くされて一人で高齢を迎えられた方々に国を挙げて老後を気持ちよく過ごして頂きたいという気持ちがあったんだ」という言葉を本人からも聞いたことがあります。そしていろんなご関係の方々のご努力により日本は世界でも長寿の国であり乳児死亡率の低い国として今があるのです。ありがたいことと思わなければありません。

 しかしそれから40年以上が経過し、子供の頃から「高齢化社会がいずれ来る」と予言されていたことに直面することとなりました。なってみると、父と少し下の年代(いわゆる「団塊の世代」)の方々が高齢者と呼ばれる年代に一気にさしかかり、一方で自分たち現役世代は、「そういえば僕たちから以降、だんだん小学校のクラスが減っていったよね」という記憶がある程度に人数が減る自覚があり、そして同級生や下級生でも結婚してない人がまだ珍しくなくおられる状況を見れば「少子化」という言葉もリアルに感じる今日この頃です。この中で、制度創設時期と同じように「働く世代で高齢者を支える」制度は絶対に立ち行くはずがありません。

 実はすでに立ち至っていません。国・地方の債務残高が1, 000兆円を超える事態となっています。毎年の国の予算で膨張しているのは公共工事でも防衛費でもありません。毎年1兆円の自然増がある社会保障費に他なりません。要は「お爺ちゃんの医療や介護にかかる費用を、お父さんお母さんが稼ぎきれずに子供や孫に前借して払ってる」というのが今の社会保障の姿なのです。国債は日本国内の個人や民間の債権だからバランスしているという議論もありますが、子孫まで永く使えるインフラならともかく、今の世代の医療や介護の負担を子や孫に借りるのはやはり不健全な姿と言わざるを得ません。

 したがって「21世紀型日本モデル」とは、世代の枠を取り払い、若者世代に対する子育て支援も社会保障の対象とする一方、高齢の方でも稼ぎのある人や資産のある人にももう少し負担してもらおう、という方向性は一貫しているのです。「年齢にかかわらず、サポートを必要な人に対して、サポートができる人が負担する」ということを目指すものです。その基本的な考え方を、これまでの「敬老精神」ではなく世代を超えた「お互い様精神」に基づくものに変える、という言い方もできるでしょう。

 敬老精神であれば、施設に入ってもらって末永く安楽に暮らしていただくべき、ということになります。日本の社会保障はそういう風にできていました。しかし「お互い様」精神であれば、困った状態が改善したらできるだけ地域の元の生活に近いところに戻りできるだけ自立してね、ということになります。高齢者でも、もちろん重度の方が施設から追い出されるようなことになってはいけませんが、軽度の方はできるだけ在宅で自立をという方向を目指さざるを得ません。「自助・共助・公助」とはカッコいい言葉ですが、反面甘えの余地のない厳しい言葉でもあります。

 また同時に東京はじめ都市部への人口集中の中で高齢化・人口減少を迎えるため、地域ごとに直面する課題は大きく異なります。単に「都市部は若く豊かで地方は高齢化していて貧しい」ということではありません。医療・介護でもすでに地方部は高齢化がそれなりに進んでおり今後さらに加速するというわけではありませんが、今後都心の方が急速に高齢化が進行するため受け皿の見通しは深刻でする。子どもも都心では待機児童が課題となる一方、地方部では子どもが減って保育園・幼稚園の経営が困難になっています。「全国一律」を維持するためにはムダが必ず生じますし、そんな余裕はありません。だから地方に権限を移し都道府県なり市町村なりの単位で政策を考えるという分権の流れとなります。「地方の切り捨て」とか「地域間格差」という言われ方もしますが、「全国一律が当たり前」という考え方は少なくとも社会保障についてはもはや贅沢といわなければなりません。

 また国民会議報告書でも示唆されていますが、これからの社会保障はコミュニティや都市計画も含めて考えないといけないだろうと思っています。施設から地域へという動きを進める以上、「住居」「移動」がテーマの主要部分をだんだん占めるようになるからです。

 そして、せめて子や孫に負担させることはやめて、自分たちで稼げる範囲での社会保障としていかなければ、子供や孫が減っている以上絶対に立ちいかなくなるのです。「消費税が上がってもさらに負担が増えるのか、おかしいではないか」という素朴な感想を持たれる方がいますが、「今が不健全な姿なのだ」という認識は重ねて申し上げたいと思います。

 消費税の税率引き上げは、安倍総理の決断待ちです。もちろん「強い経済を取り戻す」ことは大事です。ですから熟考の末ご判断していただければよいと思います。しかし、こと社会保障のことを考える上では、もう待ったなしの状態です。振り返れば、小泉政権で年金制度改革を行った際、年金財政の安定のために国庫からの繰り入れを1/3から1/2に段階的に引き上げることを決めました。その際には誰もの頭に「財源は消費税しかないだろうなあ、、、」とありましたが決定は次の内閣に先送りされ、第一次安倍内閣の課題となりました。しかしそこで参議院選挙の敗戦とねじれ国会に直面することとなり、当時野党であった民主党も聞く耳を持たず頓挫したわけです。そして麻生内閣の際リーマンショックを受けて財政出動に舵を切りましたが、そのかわり所得税法税法附則第104条で消費税を始め税制改革の方向性が示されました。そして民主党政権になりましたが事情は変わらず、菅総理が口火を切り野田内閣で三党合意となり今に至るわけです。再び安倍総理にバトンが渡った今、適切な判断がされることを願うばかりです。そしてそれだけでも問題はさっぱり解決せず、上記の方向の改革を具体化していかなければなりません。個人的には、父親が作った制度を時代に合わせてリフォームするのが僕の仕事だと思っています。たとえ「負担増」とか「生活が苦しくなる」とか叩かれても。

 僕は、そんなに日本の将来を悲観していません。今と全く同じ水準の社会保障サービスや経済が維持できるかというと難しいとは思います。高齢者もさらに増え、そのうち僕もその仲間入りをします。その中で、楽をしたい、国に頼りたいと思えば欲にキリはありません。一方で、80歳でエベレスト山頂に立った三浦雄一郎さんも出現したのです。チャレンジをしようと思えば歳にキリはありません。そしてチャレンジしようとする人はみんなが喜んで支えます。そういう「チャレンジを背景とする支えあい」ができればいいなと僕は思いますし、国民一人ひとりの方がどちらを選ぶかという問題だと思っています。

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2013年1月18日 (金)

医薬品のネット販売を考える議員連盟

 今週は、20日から倉敷市議選の告示ということもあり、倉敷・早島の日が多かったです。17日には伊東市長はじめ倉敷市幹部の方々から倉敷市の課題について改めて教えていただきました。忙しい中ありがとうございました。

 その中、18日には事務局を務める「医薬品のネット販売に関する議員連盟」第二回総会があり、17日夜にサンライズ出雲で上京しました。ネットでの医薬品販売については11日の最高裁判決で国が敗訴したことを受け、対応を協議しました。結論としては、場合によっては議員立法も視野に入れスピーディに検討を進めよう、ということとなりました。

 一般の方からすると「ネットで市販薬が買えない方がおかしい」という感覚だと思いますし、最高裁判決が出たのですからこれは重たいもので、きちんとその判断は受け止めなければなりません。

 ただ、日本の薬事行政には残念ながら過去さまざまな薬害を起こしてしまった経験があります。一般市販薬といえども奇形児を生む災禍となったサリドマイドや下半身麻痺等の被害を出したスモン(和解をしたのは父・龍太郎が厚生大臣の時でした)といった例があります。近年にもスティーブンス・ジョンソン症候群といった市販薬が原因と疑われる例もあります。新薬開発時に副作用の実証データをとる機会が限られる医薬品というものの性質上、今後似たようなことが絶対に起きないという保証はありませんし、医薬品行政を司る立場として、そのような悲劇を極力防ぐ責任があることは決して忘れてはいけません(解説として「Wikipedia:薬害」はとても簡潔で分かりやすいです)。

 インターネット販売の是非以前の問題として、業として医薬品に携わる方にはその一端を担っているという意識は持っていていただきたいと願いますし、「自己責任」という言葉は麗しいですが、市販薬とは場合によっては直接自分の体に被害が出るものだということは必ず頭の隅に置いて利用していただきたいです。その上で、より便利で健康な社会になることを目指して汗をかいてゆきたいと思います。

 18日夜には倉敷に戻ります。よい週末をお過ごしください。
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追記)議連の会合の内容は下記をご覧ください。
医薬品ネット販売、議員立法も視野に検討-自民議連(医療介護CBニュース)

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2009年7月27日 (月)

支えあいの年金

 昨日はあいにくの雨天。中止になったお祭りもあり予定変更も少なくなかったが、それはそれで伺えないと思っていた会合に伺うことができたということもあった。その時の状況に応じてベストを尽くすのみ。

 ある会合で、年金の問題についてお話をした。同僚の代議士から聞いたエピソードだが、小学生たちに「将来、心配なことは不安なことは?」と尋ねたら「年金がもらえるか心配です」と答えたという。年金記録の問題はじめ、もちろん反省や改善は必要だ。しかしそもそも小学生までもが年金を頼りにしようとしているって、それはとてもおかしくないか?そんな日本に誰がした?

 年金制度も含め、日本の社会保障は「相互扶助」「支えあい」の思想でできている。おそらくは日本の伝統的地域コミュニティの「講」などに原型がある。だから保険料方式なのだ。僕はこれは捨ててはならない点だと思う。生活まで無条件で国が補償する制度は、必ず人を堕落させる。国が税金で賄うのは、あくまでも事情があって困っている方の支援にとどめるべきだ。政策を語る時には技術的な問題だけでなく、背景にある思想や哲学まで論じなければならないし、さもなくば先のような小学生がたくさんできるということになるだろう。目先の議論だけで損得を考えてはいけないのだ。

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2009年6月23日 (火)

骨太の方針、決着

 9時半から、「邑久光明園・長島愛生園の将来構想に関する岡山県選出国会議員懇談会」。超党派の懇談会であり、会長は平沼赳夫議員。長島・邑久には父龍太郎も思い入れのある場所であり、長島大橋ができた時は「瀬戸大橋よりもこっちの方がうれしい」と言った場所だ。萩原誠司議員の発言により、固有の歴史を後世に伝えるよう資料館の問題等に重点的に取り組むことが確認された。

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(写真:あいさつする平沼会長)

 午後から与党政策責任者会議。道州制特区法の関係で取り組んでいる「北海道観光振興特別措置法」入口の了承。党内手続きに移ることになる。まだ先は長いが、一歩前進。

 その後、医療関係の勉強会メンバーで笹川尭総務会長、細田博之幹事長を訪問。申し入れとともに「骨太の方針2009」の決着についてお話を伺う。夕方、有床診療所議連の申し入れのため官邸に河村官房長官を訪問。

 さてその「骨太の方針2009」であるが、総務会などでの議論の末、来年度予算の方向については以下のような文言となった。

 平成22年度予算は、持続的な経済成長と財政健全化の両立を図る上で重要な予算である。「基本方針2006」等を踏まえ、無駄の排除など歳出改革を継続しつつ、安心・安全を確保するために社会保障の必要な修復をするなど安心と活力の両立を目指して現下の経済社会情勢への必要な対応等を行う。

 結局「基本方針2006」の文字は残ったが、「社会保障の必要な修復」という記述が入り、医療や介護、年金等、綻びつつある社会保障を建て直すことに予算をつける意思は明示されたことになる。また与謝野大臣は「来年度予算では自然増分は削減しない」ことを明言された由。一定の成果と言えるだろう。次は概算要求等で具体的にどのような弾を込め、状況を改善に持っていけるか、だ。

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2009年6月19日 (金)

骨太の方針2009

 来年度予算編成の基礎となる「骨太の方針2009」について、概ね固まってきた模様。記述の通り、党政調全体会議等にていくつか僕から要望した点もあるので補足する。ただし僕が見ているのは決定された最終版ではないので念のため。

(21日追記。党総務会にて2200億円削減の件でペンディングになった模様。がんばれ津島雄二、尾辻秀久両議員)

○幼児教育、保育の総合化

 「幼児教育、保育の総合化を図る」という文言は「幼児教育、保育のサービスの充実・効率化・総合的な提供を推進する」とされた。
 内閣府の担当者に一つ一つ詰めて確認したところ、「総合的な提供」とは「認定こども園の増加、幼稚園における預かりサービスの拡充」のこと。また「効率化」とは、充実を前提としており、「定員の弾力化や、今回の補正予算で安心こども基金に加わった送迎センター(定員割れの保育所への送り迎えを行う)を想定」とのこと。
 「一元化」の問題で議論となったが、そういう意味ではないと明言された。誤解を招くことは回避されたのではないか。

○死因究明制度

 これについては結局「犯罪の見逃し防止及び公衆衛生の向上のため、法整備に向けた動きも踏まえつつ、死因究明制度に係る施策を着実に推進する。」となった。要望を汲んで議連の動きにも触れられており、二重丸の結果である。あとは法制化の準備を進めるのみ。選挙後になるだろうが。

○医師養成数

 これまであった偏在是正の記載とともに、「医師等人材確保対策を講じる」という記述がされた。「中期プログラム」では「医師等人材確保策」として医師養成数の増加と書いてあるので、そのように読めということだ。

○社会保障費2200億円削減

 これについては、残念ながら「基本方針2006」という文字自体は残ってしまった。完全に財政再建の旗を降ろすわけにはいかんということだろう。ただし正確には「『基本方針2006』等を踏まえ、歳出改革を継続しつつ、安心と活力の両立を目指して現下の経済社会情勢への必要な対応等を行う。」という記載となり、これまでの記載(「『基本方針2006』の方針を堅持し」等)からは相当緩い表現となっている。「経済情勢」だけでなく、「社会情勢」まで含まれたことも注目。また例外規定をわざわざ書きこんでおり、来年度予算ではそこを活かすことを示唆している。

 園田政調会長代理は既に来年度予算では2200億円削減は行わない、診療報酬は上げることを明言している。また別項の「当面の最優先課題」にて、「社会保障の『ほころび』の修復なしに政府への信頼回復はない」という認識が示されており、これは年金の問題や医療・介護の問題を示唆している。そういう意味では、これらの記述により来年度予算編成においてはこの分野に相当重点を置くものと期待できるだろう。

 ただ再来年以降については議論が持ち越しとなってしまった。引き続き注意が必要だ。財政再建の旗を降ろすわけにはいかないという苦労もわかるのだが、、、、。

 この件については、尾辻秀久・参院議員会長と園田博之・政調会長代理の間で怒鳴りあいに近いやりとりになり、最終的には保利耕輔・政調会長が「私が責任を持ちます」と引き取った経緯がある。自民党の中でも大きな争点になっているのだ。

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2009年6月 8日 (月)

障害者福祉の今

 8日は玉島の子供会の球技大会からスタート。リサイクルフェアの開会式に出席後、岡山へ。11時から岡山プラザホテルにて、自民党岡山県連合同会議。来るべき選挙の候補予定者として決意を語らせていただいた。その後倉敷に戻り、あいさつ回り。夜、酒津公園の池で「ホタルを見る会」観察会。関係者の方々のご苦労の成果で、二~三匹見ることができた。

 今日は朝街頭演説の後、市内のある知的障害者福祉施設へ。利用者や職員の方々からお話を伺う。その後早島にて座談会、午後あいさつ回り、夕方街頭演説、夜は事務所にてミニ集会。暑かったです。

 その福祉施設では、相当突っ込んだご意見をいただいた。以下に記す。

・自立支援法になって、職員の人件費に困るようになった。
・日割精算になり事務作業が極めて増えた。また加算主義のためチェック業務も減らない。 その分、利用者に向き合う時間が削られてしまう。
・「知的障害者」と一概にくくるのは無理。一人一人障害の出方は異なる。システマチックにできない。現場での裁量や工夫ができる柔軟性がほしい。
・人材がなかなか来ない。特に男性が少ない。景気が悪くなっても福祉には人が来ない。
・障害者福祉について学校教育の中で取り上げてほしい。今は教育実習で施設に来ても、完全にセレモニーになっている。
・特別支援学校の充実はよいことだが、地域から隔離されることにつながる面もある。
・不当な差別は根強い。障害者の施設やグループホーム建設は、地域から反対運動が起こることもある。
・「地域との共生」を謳うのはよいが、障害者を受け入れる側の地域に対する施策がない。
・若い人ほど障害者に対する無用の不安感が強い。マスコミの影響か。
・特別な学校に行くと、地域に友達ができない。
・地域の自立支援協議会は形式的になってしまっている。

 …などなど。

 実は最近、政治に関する議論の中で年金や医療・介護といった「社会保障」には注目が集まっているが、その分「社会福祉」が忘れられつつあるのではないかという感想を持つ出来事もあった。改めて、「政治は弱い立場の方々のためにある」という言葉をかみしめた一日だった。

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2008年11月27日 (木)

党厚生労働部会決議

今朝8時からの党厚労部会、社会保障制度調査会、雇用・生活調査会合同会議において、以下の決議が行われた。出席議員の意見も、特に現下の経済情勢の中で社会保障は最後の砦という趣旨の意見が多数。私も賛成である。

ただ、これまでも何度か同様の決議をして無視された経緯もある。今後どう実現していくか同僚とも協力し粘り強く取り組みたい。(なお、案文はその場で若干の修文があったため、最終版ではない。いずれ自民党webサイトに掲載されると思います)

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平成二十一年度予算編成に関する決議

 本年五月及び七月の当合同会議において、医療、福祉、年金、雇用等の社会保障について、国民の皆さまの制度に対する信頼を回復することが何よりも重要であること、これまで改革を進めてきた過程で新たに生じた課題に対し適切に対応していかなければならないこと等について決議した。この結果、予算シーリングにおいて、社会保障の自然増の削減に関し、新たな安定財源が確保された場合の額の圧縮もあり得るものとされたところである。

 また、金融経済情勢の悪化により暮らしの安心が脅かされている生活者に手厚い支援を行うことが求められている現在の状況にかんがみれば、平成二十一年度においては、国民に更なる負担の増大や給付の引き下げをもたらすような、社会保障の自然増の削減を行わず、国民の安心を確保するための諸施策について所要の予算の確保を図ることが不可欠である。

 さらには、先般まとめられた「生活対策」においては、持続可能な社会保障制度の構築に必要な安定的財源を確保するための消費税を含む税制抜本改革の道筋を年末までに策定するとされている。抜本的制度改革が行われる時に更に社会保障の削減を行うことは、到底理解を得られない。

 このため、平成二十一年度予算編成に際し、以下の事項の実現を強く求める。

一、いわゆる「二二○○億円」の削減を断固行わないこと

一、雇用保険の国庫負担割合については、雇用対策について政府が責任を担うべきであることから、その廃止・削減を行うべきではないこと

一、基礎年金国庫負担割合二分の一引き上げに要する経費全額を確保すること

一、「五つの安心プラン」を始め、医療ビジョンの実現、高齢者医療の見直し、少子化対策の拡充、新雇用戦略の実現、介護従事者等の人材確保、障害者の自立に向けた支援の充実、年金記録問題への対応に要する経費について重要課題推進枠を活用し、重点的な配分を行うこと

右、決議する。

 平成二十年十一月二十七日

   自由民主党政務調査会 
      厚生労働部会
      社会保障制度調査会
      雇用・生活調査会

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