02.東京活動

2021年6月16日 (水)

第204回通常国会期間を振り返って

●はじめに

 1月18日に召集された第204回通常国会は、国会法に定められた150日間という会期により6月16日に閉会されました。令和3年は年明けすぐに2回目の緊急事態宣言が発出されており、ほぼ新型コロナウイルス感染症の蔓延やその中でのワクチン接種の取組み、そして東京オリンピック・パラリンピックの準備と並行した国会となりました。当然ながら、与野党間では閉会中審査についての議論も行われており、結論が出ればそれに従いますが、とりあえず一区切りには違いありません。

 この中で、橋本がくは、衆議院においては予算委員会理事、厚生労働委員会理事、政治倫理の確立および公職選挙法に関する特別委員会委員を務め、自民党においては「こども・若者」輝く未来創造本部事務局長、社会保障制度調査会医療委員長、創薬力の向上に関するPT座長、難病対策に関するPT座長、厚生労働部会死因究明PT座長、新型コロナウイルス感染症対策本部情報戦略・システムPT座長、性的指向・性自認に関する特命委員会事務局長等を務め、また自民党総務および岡山県支部連合会会長を務めるなど、とても慌ただしく過ごしました。

 これまで、おおむね毎年秋の人事の時期に合わせて振り返りブログを書くのが常となっていましたが、今回は国会閉会のタイミングで振り返りを記します。なお、過去の振り返り記事はこちらをご覧ください。振り返りを始めて7年も経ったのかといささか感慨深いものがあります。

<振り返りシリーズバックナンバー>
厚生労働大臣政務官退任にあたり(2015.10.8)
外交部会長を振り返って(2016.8.2)
厚生労働副大臣退任にあたり(2017.8.7)
厚生労働部会長を振り返って(2018.10.3)
この一年を振り返って(2019.9.7)
厚生労働副大臣退任にあたり(二年ぶり二回目)(2020.9.15)

 なお、昨年秋以降年末までについてはブログ「令和二年末のご挨拶」 に記していますので、この記事では令和三年正月以降、ほぼ第204回通常国会の会期中のことについて記します。

●理事のお仕事

 これまでも、厚生労働大臣政務官退任以降は、副大臣在任中を除き、衆議院の厚生労働委員会の理事を務めていました。加えて昨年秋から予算委員会の理事も兼任することとなりました。質疑や採決の場である委員会の運営について与野党各会派を代表して協議するのが理事会であり、理事はそのメンバーということになります。審議日程の調整、資料の確認、参考人の確認、その他質疑中に理事会協議事項とされた事項に関する協議などを役割分担して行うのが仕事となります。

 予算委員会では、金田勝利委員長、後藤茂之与党筆頭理事の下、四席の理事を務めました。資料チェックの担当となりましたので、通常国会開会後令和二年度第三次補正予算および令和三年度本予算の審議が行われた1月下旬~2月下旬の約一か月間は、月曜日から金曜日まで毎朝、7時50分ごろには細田健一理事、藤原崇理事らと衆議院内控室に集まり、その日の質疑者が準備する資料やパネルについて、誤りの有無や形式が整っているか等の確認を行いました。たまにチェックに引っかかる資料があるので、その際は理事会において指摘し、訂正や差し替えまたは削除を依頼することとなります。また予算委員会においては、

・1月26日:令和2年度第3次補正予算総括質疑[議事録]
・2月4日:令和3年度本予算質疑[議事録]
・2月16日:令和3年度本予算参考人質疑[議事録]
・5月10日:集中審議[議事録]

 の4回にわたり質疑に立ち、手指衛生等基本的な感染対策の徹底、病床のひっ迫やワクチン確保や接種推進の方策等、折々の新型コロナウイルス感染症対策について菅義偉総理をはじめ政府を質し、また専門家のご意見を伺いました。また2月25日、26日に行われた分科会質疑では、第五分科会(厚生労働省所管)の主査を務め、3月1日の委員会にて主査としての報告[議事録]を行いました。

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写真上:予算委員会での質問 写真下:分科会主査を務める

 厚生労働委員会においては、当初はとかしきなおみ委員長および菅原一秀与党筆頭理事の下、次席の理事を務めました。こちらでは委員長の代理を折々に務めることが主な役割であり、また4月23日には、健保法改正案の対総理質疑[議事録(未掲載)]を行いました。ところが同日朝突然に菅原筆頭が理事を辞任されることとなり、急遽、与党筆頭理事を務めることとなりました。与党筆頭理事は、それぞれの委員会で公明党も含めた与党の代表として、野党の代表である野党筆頭理事と折衝し合意点を見つけて委員会を運営し、法案審議を進めて結論を得るという重責を担うこととなります。そのため委員長や閣僚の経験者が就くことが通例で、どちらも経験せずいきなり筆頭理事に指名されたのは正直かなり驚きました。

 筆頭理事のお仕事は、なかなか大変でした。委員会日程ひとつとってみても、委員会に付託された法案の審議状況に加え、開会日が重なる参議院本会議のセット具合や参議院厚生労働委員会の進捗、場合によっては他委員会の状況などを日々確認・勘案し、長妻昭野党筆頭理事からのご要望を伺いかつ自民党国会対策委員会の方針も踏まえながら、一回一回の委員会のセットを決めていくこととなります。一般的に多数会派が仕切るといわれる地方議会と異なり、国会はできるだけ全党のコンセンサスにより運営を行っていますので、連絡調整を正直ヘトヘトになるほど重ねることとなります。カウンターパートとなる長妻昭筆頭は、ご要望は全くブレない厳しい方ですが、幸いに円滑にコミュニケーションを重ねることができました。その結果、健保法改正案のみは充実した審議を重ねつつ採決について野党にご同意をいただけずやむを得ず与党が動議を提出して採決に踏み切らざるを得ませんでしたが、それ以外の審議については全てコンセンサスによる運営となり、今国会における政府提出法案4本(医療法等改正案、健康保険法等改正案、B型肝炎特措法改正案、育児介護休業法改正案)を丁寧な審議の上で通過させることができました。また一般質疑や参考人質疑も含めて合計120時間を超える充実したとても審議を行い(おそらく衆議院の全委員会中トップ)、コロナ禍やワクチン接種が国政の重要テーマとなる中において健康や医療、雇用等を所管する委員会としての使命は、十二分に果たしたものと考えます。

 また今国会では、衆議院厚生労働委員会から4本の議員立法(ILO105号条約関係法整備法案、特定アスベスト被害労働者等給付金法案、中小事業主労災共済法案、医療的ケア児支援法案)を成立させることができました。議員立法は基本的には全党の賛成により委員長提案とするものですが、場合によっては事前に提出して質疑を行う場合や、委員会に動議を提出して議案にする場合などもあります。それぞれの法案への各党の賛否や質疑希望の有無により適切な方法を決め、提出者や各党理事と連携してそれぞれの議事を組み立てました。また中小事業者労災共済法案は、動議提出者の役も担っていたため、他党の部会に説明に行ったり、委員会決議を調整したり、衆参の厚生労働委員会で答弁にも立ちました。国会終盤の3週間ほどは、委員会運営だけで目の回るような時を過ごし、委員会が無事に開会するとやっとホッとする日々でした。質疑中に揉めることもあるので気は抜けませんが。

 日本の国会は委員会中心主義といわれます。与党筆頭理事として、ピンチヒッターとはいえその運営の一端を担う立場となり、目立つことはないですが勉強になる日々を5月6月と過ごすことができました。何かあるとまず相談に乗っていただいた頼れる存在・石川真一キャップ始め衆議院委員部のみなさま、一時グレかけた際に温かく慰留してくれた自民党国対の担当三代寛朗さん、クワガタ大好き野村知司・厚生労働省大臣官房総務課長、委員長席後ろの壁際から常に心配そうに委員会を眺める姿がやたら印象的な清野晃平・厚生労働省国会連絡室長はじめ厚生労働省のみなさまなどのお支えあって、委員会はスムーズに運営されます。また国光あやの委員および津村啓介委員の質疑におけるご指摘があり、できるだけ早く委員会をセットするようには努めましたが、きっと厚生労働省本省でも膨大な数の答弁書作成に毎回多数の方々に夜遅くまで働いていただいていたことでしょう。本当に頭が下がる思いです。とかしきなおみ委員長、長妻昭野党筆頭理事をはじめ厚生労働委員会理事・委員の皆さま、自民党国対の担当田畑裕明副委員長、委員会に出席し答弁に立たれる田村憲久厚労相はじめ政務三役各位および厚労省はじめ各省幹部の皆さま、さらには尾身茂地域医療機能推進機構理事長や脇田隆字感染症研究所長にも、長時間の審議と頻回の質疑にご協力いただきました。深く感謝申し上げます。日本の民主主義は、こうした方々のご努力によって支えられていることは、ぜひお伝えしたいことです。

●政策面での取り組み -コロナ/医薬品/こども/性的指向・性自認―

 今国会の会期中、自民党における政策面での活動は、主に新型コロナ対策や医薬品創薬力向上、そしてこども庁の関係および性的指向・性自認の多様性に関する法案審議がメインとなりました。

 新型コロナ対策については、主にコロナワクチン接種後のフォローアップについて、情報・システム戦略PTとして1月28日に提言を行ったり[提言書PDF]、政府とともに検討したりしました。ただ、既存システムとの兼ね合いや時間・人材・法制度の面でそれなりに困難に直面しつつ、取り組んでいるというのが正直なところです。また、ワクチン接種については、その確保および供給について、倉敷市伊東市長や早島町中川町長とも連絡を取りながら確認にあたり、また先述の予算委員会での質疑でも取り上げて河野太郎大臣から答弁をいただきました。接種体制はそれぞれの自治体での対応となりますが、倉敷市でも健康福祉プラザおよび川崎学園、早島町でもゆるびの舎にて集団接種が開始され、スピードアップが図られています。詳しくは倉敷市Webサイト早島町Webサイトをそれぞれご覧ください。

 また、コロナ対策に関し、ワクチン開発や医薬品の承認プロセス等が注目を集めています。しかし医薬品開発等は一朝一夕にできるものではなく、そもそもの研究開発から製品化、そして承認や薬価設定のプロセス等を一貫したエコシステムとして捉える必要があり、また医薬品について安全保障の観点も必要と思われるところ、そもそもこれまでの医薬品行政にはそのような視点に欠けていました。そこでさまざまな関係者の方々にヒアリングを行い、提言をとりまとめました。詳細はブログ「医薬品産業エコシステムと医薬安全保障の確立 ~医薬品産業ビジョンへの提言~」をご覧ください。この提言内容は、今後政府が決定する成長戦略等に反映される見通しであり、今後の行政に活かされるものと考えています。

 報道にて「こども庁の創設」という見出しで取り上げられる機会がありましたが、このテーマを取り扱っているのが自民党「こども・若者」輝く未来創造本部です。もともとは、山田太郎・自見はなこ両参議院議員が事務局として運営している「Children Firstの子ども行政のあり方勉強会」が菅義偉総理に提言を行い、それを踏まえ総理直轄の検討組織をつくるよう総理から指示があって本部が設置された経緯があり、その事務局長を橋本が担うこととなりました。議論の末6月にまとめた提言等はブログ「自民党:「こどもまんなか」改革の実現に向けた緊急決議」をご覧ください。なお、組織論については報道や霞が関の動きはやたら賑やかでしたが、今回踏み込むことは控えています。順番として、まずそもそもの基本的な考え方の整理をすることが必要と考えたからです。イメージとしては、今回の決議は絵を描くための「こどもまんなか」という方向を向いた真っ白なキャンパスを用意し構想イメージを膨らませたということであり、そこに今後具体的なデッサンをし、色を塗って絵を描いていくステップを踏むのだろうと個人的には思っています。これも骨太の方針等に記載される見通しであり、政府においても検討がスタートします。

 性的指向・性自認の多様性に関する問題に関し、その理解増進法案について平成28年から足掛け5年にわたり取り組んできました。東京オリンピック・パラリンピックの機会を前に、政府も野党の皆さまもご協力いただいて成立を目指す機運が高まりましたが、誠に申し訳ないことに力不足のため自民党内の了承を得ることができませんでした。経緯はブログ「自民党における性的指向・性自認の多様性に関する議論の経緯と法案の内容について」に記した通りです。反省点もありますので、機会をいただければ引き続きチャレンジを続ける所存です。ただ、平成28年当初から組織決定を経た方針を持ち、内容についてQ&Aを練り上げ、政府への申し入れとそのフォローアップも行い、そうした数年にわたる積み重ねの上での提案をしている身としては、いささか消耗感や徒労感を覚えざるを得ない結論では、あります。もちろん、当事者の方々が今なお直面している状況を考えれば、そんなこと言っていられません。がんばります。

●地元や身の回りのことなど

 今年に入ってから、東京都においては2回、岡山県においても1回、新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言の対象地域となりました。その間は、県境をまたいだ移動は控えるべきとされており、岡山への往復を極力控えました。そのため正月明けと、緊急事態宣言が解除された数週間の週末のみしかほぼ倉敷・早島に戻ることができず、ご支援いただく皆さまには、すっかりご無沙汰となってしまったことを、心からお詫び申し上げます。そのかわり、YouTube「ga9チャン」を始めました。まだコンテンツはあまり多くないですが、今後も地道に続けていきたいと考えています。

 平成25年から3期6年間にわたり自由民主党岡山県支部連合会の会長を務めていましたが、長期にわたったことからこの度退任することとし、6月13日からは石井正弘参議院議員に会長職をお譲りしました。長年にわたりご支援を頂いた皆様に篤く感謝申し上げますとともに、引き続き石井県連会長をお支えして党勢の拡大に力を尽くします。また、4月28日に自民党本部より党員拡大の表彰(27位)をいただきました。日ごろからご協力いただいている自民党員の皆様のおかげであり、篤く御礼申しあげます。

 東京で過ごさざるを得なかった分、現在議員宿舎で一緒に暮らしている3人の子どもたち(と、一人暮らししている長男も時々)と時間を過ごすことができたのは、貴重な経験でした。昨年からひとり親家庭ですが、おかげさまで長女は安定して勤めを続け、長男は自分の選んだ道を志し、次女も目標に向けて取り組み続けています。今年中学校に進学した次男は学級委員になったそうで、東京の学校に馴染めるかすこし心配していた親を後目に本人なりにのびのび過ごしているようです。また、おかげさまで母も元気に過ごしています。誠にありがたいことです。

●私たちが選んだことと、選ばなかったことと。

 昨年11月から12月にかけて行われた予防接種法改正案の審議の際、委員会質疑においてはワクチンの安全性について議論が重ねられ懸念が示されていました。その結果、「接種するかしないかは国民自らの意思に委ねられるものであることを周知すること」、「新型コロナウイルスワクチンを接種していない者に対して、差別、いじめ、職場や学校等における不利益取扱い等は決して許されるものではないことを広報等により周知徹底するなど必要な対応を行うこと」(以上衆議院における付帯決議)、「国内外の治験結果等を踏まえ、慎重に行うこと」(参議院における付帯決議)といった決議が国会両院厚生労働委員会で行われました[資料]。なお付帯決議は、基本的には与野党ともに賛成して行われるものですので、野党がとか与党がとかいうべきものではありません。ともに賛成したのです。

 その結果、メーカーには国内でもワクチンの治験を行うことが求められ、治験の結論が出るには一定の時間がかかりますので日本での承認がアメリカ等と比較して遅くなりました。メーカーとしては世界中から引き合いがありますから、公平性を担保するためには承認順に順序をつけて出荷するしかありません。そのため、日本でのワクチン接種開始はアメリカ等に比較して遅くなりました(なお例えばイスラエルは早期に接種が開始されましたが、承認はアメリカの承認を踏まえ同じタイミングで行ったと聞いています)。

 また衆議院厚生労働委員会では、認知症の高齢の方など本人の意志表明が困難な方については家族同意などで接種を進めるべきではないかという議論がありましたが、ワクチン接種は身体侵襲を伴う行為でありかつ「国民自らの意志に委ねられるもの」と縛られたことが足かせとなり政府としては前向きな答弁はできませんでした。政府が接種しない自由を保障する以上、仮に意思表明がそもそも困難であっても、本人の意志によらない強制が不可能であるのは当然の論理的帰結です(仮に本人の意志によらない強制が必要とされるならば、意志表明の可不可を問わず、無差別に強制しなければなりません。そうでなければ意思表明が不可能な方に対する不当な差別になります)。

 私たちは、ワクチンに対して安全性を懸念して慎重な対応をする道を選んだのです。その結果として、早い国と比較して接種の開始が遅れたり、ワクチンパスポート的なものなどいくつかの対策が難しくなったりしていますが、それも含めて選んだ道です。「慎重」と「迅速」、あるいは「任意」と「強制」が両立できるほど、世の中は都合よくできていません。またこの決定が科学的に正しかったかどうかは、後日検証されるべきですし、議員バッジを付けている身としてその責任も負わなければなりません。今は緊急事態だから、平時と同じような意思決定をしていてはいけないという議論もたまに聞きますが、緊急事態だから法律を超えて何をしても許されるのであれば、それは法治国家ではありません。平時から次の緊急時を想定して備えておくことが必要なのです。治に居て乱を忘れず、です。

 とはいえ、現場における多くの方々のご努力により、着実に接種が進んでいます。誠にありがたいことです。ワクチン接種が進めば、着実に新型コロナウイルス感染症の蔓延は抑えられることになるものと考えます。ただ、まだその効果が目に見えるようになるには今少し時間はかかるものと思います。ですので、以前のブログと同じことを改めて記します。

 マメに手をよく洗ってお過ごしください。外出時はマスクを着用してください。人とお話するときもマスクを着用し、また換気にも十分ご留意ください。大人数や長時間、しかも普段会わない方々との会食や宴会は、出席または開催について十二分にご検討ください。体調にはご注意いただき、もし何か気づいたら微熱など些細なことでも念のため活動は控え、身近な医療機関への電話をご検討ください。医療機関や介護施設など様々な現場に立っておられる方、心ならずも感染してしまった方々に、ひととき思いをお寄せください。心からのお願いです。

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2019年9月12日 (木)

令和元年台風第15号による被害状況等について(厚生労働省による)

9月12日午前10時過ぎに厚生労働省より聞き取りした、おおむね11日深夜~12日朝の時点での情報です。

【水道について】
・千葉県、東京都(新島村、大島町)、静岡県(伊東市)の3都県10事業者で22,031戸が断水中(最大約12万9000戸が断水するも約10万戸が解消済み)。
・断水中の地域には応急給水を実施中。なお停電中のマンション等で、水道事業者が給水を再開しても、建物内のポンプの停止により断水が継続する場合がある。
・かずさ水道広域連合企業団(木更津市、君津市、富津市、袖ケ浦市)11,0360戸、および南房総市6,000戸は、13日までに断水解消予定。
・多古町1,800戸、鴨川市876戸、市原市226戸、大喜多町220戸、三芳水道企業団(館山市、南房総市)169戸は復電次第、順次給水再開予定。
・東京都新島村950戸、大島町450戸、静岡県伊東市20戸は、12日に断水解消予定。

【医療機関について】
・停電中の病院は25か所。必要に応じてエネ庁経由で電源車の支援を行う。断水中の病院13か所についても確認の上給水車等の支援を実施。
・停電エリアの在宅療養患者について、在宅支援診療所等を通じて国が安否確認を実施。連絡をとれていない24か所について、直接NHO、JCHO職員を派遣して確認中。
・在宅酸素療法患者について、保守点検事業者を通じた患者の安否確認を実施中。千葉県、神奈川県、茨城県3県計約9,480人中約9,040人については安全が確認済み。大手1社の患者について確認ができておらず、直接医政局職員を当該社を訪問させて確認中。
・透析医療機関について、停電エリア87施設のうち9施設が受け入れ困難な状況。周辺施設での受け入れ等により対応。

【社会福祉施設等について】
・千葉県内の高齢者施設について確認を行い、電源、水の確保を実施。連絡がつかない施設12か所について、千葉労働局から職員派遣により調査中。
・障害者施設、児童施設、救護施設についてはすべて連絡がつき、必要な施設については経産省、防衛省に情報提供して電源車、給水車等の支援を依頼。

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2019年9月 7日 (土)

この一年間を振り返って

●はじめに

 ここしばらく毎年人事前の時期には、一年間のまとめをブログに書き続けています。これまでに書いたものは下記の通りです。

厚生労働大臣政務官退任にあたり(2015.10.8)
外交部会長を振り返って (2016.8.2)
厚生労働副大臣退任にあたり(2017.8.7)
厚生労働部会長を振り返って(2018.10.3)

 今年は責任者的な役職はありませんが、その分政策面において座長や事務局などを担うことが多く、多方面にわたる仕事に取り組むことができました。昨年中のことについては「平成30年末のご挨拶」)に記していますが、今年に入ってからのことについて、順不同となりますがここで整理しておきます。

●団体総局次長として

 党の役職表に出てくる役職としては、組織運動本部団体総局次長を務めました。この役職は、井上信二団体総局長の下、各種団体(例えば日本医師会とか日本経済団体連合会とかです)と自民党との窓口役となるものであり、政策のヒアリングや懇談会などに出席してご要望を伺い各部会等に伝えるのが主な役目となります。具体的な成果をあげるような種類の仕事ではありませんが、さまざまな団体の方々と意見交換する機会に恵まれ、勉強になりました。

●旧優生保護法救済法の成立

 昨年からずっと気にかけていた案件が、旧優生保護法救済法案でした。旧優生保護法は平成8年に母体保護法に改正され関連条文そのものは削除されましたが、旧優生保護法下で障害等を理由に本人の意によらず不妊手術を強制されていた方々に対して何らの補償もなく、昨年に訴訟が提起され注目を集めました。もともとこの法律は議員立法であり国会が主体的に対応することが必要であったため、議員間でも機運が高まり超党派議員連盟および与党WTが結成され、僕もメンバーの一員として議論に参加しました。昨年中に大筋は固まっていましたが、今年に入って一時金の金額や内容、文言(委員長発言を含む)等がまとまり、4月24日に法律が成立しました。また同日、内閣総理大臣談話および厚生労働大臣談話が発表され「政府としても、旧優生保護法を執行していた立場から、真摯に反省し、心から深くお詫び申し上げます。」という趣旨が表明されました。ご関係の方々からは、なお満足のいかない点などが表明されていることは受け止めます。ただ、これまで全く顧慮されていなかった問題に対し、与野党を超えて多くの方々の調整やエネルギーが費やされており、その中で裁判での判決を待たずに党派を超えて国会として主体的に結論を導くことができたことは本当によかったですし、優生思想の払拭のためにも画期的かつ歴史的なことと考えます。

 なお、本法律は既に施行されており、旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた方等に一時金が支給されますが、手続きが必要です。もし心当たりの方がおられましたら、厚生労働省の「旧優生保護法による優生手術等を受けた方へ」ページ等をご参照ください。

 その後、ハンセン病家族訴訟に関し国敗訴の判決が出、安倍総理の決断により国は控訴せず救済法をつくる方針が示されました。現在、原告団らと厚生労働省が協議を行っていますが、いずれ議員立法が行われるものと思います。こちらに関しても議員懇談会のメンバーとして救済実現に汗をかきたいと思っています。

●死因究明推進基本法の成立

 議員立法ではもうひとつ、死因究明推進基本法も先の通常国会で成立しました。「死因究明推進基本法が成立しました!」に記しましたので詳細は譲りますが、10年越しの懸案に一区切りをつけることができました。先の参議院選挙で惜しまれつつ勇退された石井みどり前参議院議員の粘り強い調整力と、各会派の皆さまのご協力の賜物であり、改めて感謝申し上げます。ただ、死因究明に関する恒久法ができたとはいえ、具体的な施策を講じるのはこれからです。引き続き「死因不明社会」の汚名を改善するために努力します。

●生涯現役社会の推進に向けた提言

 さて、自民党においては、雇用問題調査会(松野博一調査会長)において事務局長および生涯現役社会推進プロジェクトチームの座長を務めました。このPTでは人生100年時代における雇用面での改革を検討するため、企業や経団連・連合からヒアリングなどを行い、議員間の活発な討議も踏まえて提言を整理しました。この提言の内容は、すでに政府に受け止められ骨太の方針などに反映されており、今後の法改正に生かされます。「生涯現役社会の推進に向けた提言」をご覧ください。

●性的指向・性同一性(性自認)に関するQ&Aの更新

 また、性的指向・性自認に関する特命委員会(古屋圭司委員長)事務局長として、「性的指向・性同一性(性自認)に関するQ&A(令和元年版)」の更新、および付録資料「『性的指向・性自認の多様なあり方を受容する社会を目指すための政府への要望』(平成28年5月)に対する政府の対応状況」の整理を行いました。本特命員会としては「性的指向・性自認に関する理解の増進に関する法律案」の国会提出を目指していましたが、政府および党内の調整に手間取ってしまい、残念ながら最終的に断念せざるを得ませんでした。

 しかし自民党は与党ですから、政府に対して要望を行い、既存の法律における施策を改善して実行に移すことは可能です。すでに平成28年に33項目に上る要望を行っています。また、理解増進をするための内容についてもたたき台をQ&Aの形で示していました。そこで、それぞれ現時点で最新のものに更新し、公表しました。ご参考にしていただければ、幸いです。

●大規模災害からのより迅速・円滑な応急・復旧対策に関する提言

 昨年は、自分も対応にあたった平成30年豪雨災害や北海道胆振東部地震、大阪北部地震や度重なる台風などの災害被害が相次ぎました。このことを踏まえ、災害対策特別委員会(今村雅弘委員長)の下、諸課題対応に関する小委員会(中山泰秀小委員長)を設置し、ヒアリングや議論を重ねて6月に提言をまとめました。「大規模災害からのより迅速・円滑な応急・復旧対策に関する提言」に掲載していますので、ぜひご覧ください。今年も佐賀県や岡山県新見市など、台風や局所的な集中豪雨などによる被害が相次いでいます。提言を迅速に実施に移すことを、政府に期待します。

●そのほか

 総務部会地方議員の課題に関するプロジェクトチーム(坂本哲志座長)では、事務局長として議事整理を行いました。近日中に論点整理を総務部会に報告する運びとなります。

 沖縄振興調査会(小渕優子会長)では、三度にわたり沖縄県に出張し、子どもや若年母親の居場所づくり事業をはじめ様々な施策の状況を学びました。沖縄の問題は、沖縄県の方だけでなく日本全体の問題と捉えるべきだと考えます。

 国会においては、衆議院厚生労働委員会の理事と、衆議院政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会の理事を務め委員会の円滑な運営にあたりました。特に厚生労働委員会では、冨岡勉委員長を補佐して代理をしばしば務めた他、質疑も1月に毎月勤労統計問題に関する質疑、3月に「医師による異状死体の届出の徹底について(通知)」に関する質疑、5月に児童虐待防止のための児童福祉法改正案に関する質疑と、3回にわたり行いました。今年の通常国会では、与野党筆頭の緊密な連携のもときわめて平穏な委員会運営が行われました。

 8月には日中次世代交流委員会(議員連盟)の第7次訪中団に副団長として参加し、中国の北京および福建省を訪問しました。詳細は「日中次世代交流委員会第七次訪中団レポート」をご覧ください。

 金融庁の報告書をきっかけに、公的年金に関して様々な議論が起こりました。それに関し、BSテレビへの出演や月刊誌『文藝春秋』における対談記事掲載など、メディアにも取り上げていただきました。思うところは「金融庁報告書を巡るあれこれ、または政治家はもっと「福祉」を積極的に語ろう」に記した通りです。

 6月に、自民党岡山県支部連合会会長の3期目を務めることとなりました。幸いなことに4月の岡山県議会議員選挙はじめ統一地方選挙、7月の参議院選挙岡山県選挙区などにおいてありがたい結果を頂戴し、ほっとしています。各候補をご支援いただいた皆様に、改めて厚く御礼申し上げます。

●さいごに

 これまで振り返ってきた通り、おかげさまで今年も充実した成果を残すことができた一年でした。ご指導、ご支援いただいた多くの皆様、そして国会に送っていただいた倉敷市・早島町の皆さまのおかげと、深く感謝申し上げます。実は今年8月末で、自らの力不足により落選してからちょうど10年になります。その時の心境や状況から考えれば、今はありがたいとしか言いようがありません。もちろん困難もありますが、何はともあれ元気で過ごしていることがなによりです。今後とも引き続きご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

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2018年10月 3日 (水)

厚生労働部会長を振り返って

 9月に自民党総裁選があり、10月2日に第四次安倍改造内閣が発足しました。昨年8月より党政務調査会厚生労働部会長を拝命していましたが、党の役職は新総裁選出とともに解任されますので、一年強の任期となりました。例によって、厚生労働部会長の任期中の仕事を振り返ってみたいと思います。

(過去の「振り返り」シリーズはこちら;
厚生労働大臣政務官退任にあたり 
外交部会長を振り返って
厚生労働副大臣退任にあたり

◆厚生労働部会長の日常

 外交部会長の振り返りにも記しましたが、自民党政務調査会の中でほぼ省庁ごとに部会が置かれています(例外的に、所管範囲が広範な内閣府に関しては内閣第一、第二部会が分担し、農林水産省関係は農林部会と水産部会に分かれています)。厚生労働部会は、厚生労働省が所管する政策分野全般を担当しますので、医療、介護、福祉(障害者福祉や生活保護・生活困窮者自立支援、児童養護などを含む)、保育・子育て支援、労働、雇用、年金、戦没者の慰霊顕彰とご遺族の援護等、幅広い分野を担うこととなります。それだけ業界団体や関係者も多く、調整も一苦労です。

 また外交部会長の時は、政府提出の条約等で党内議論が揉めることはほぼありませんでしたが、今回は主戦場です。特に働き方改革関連法案や健康増進法案については、党内議論が極めて活発であり、また食品衛生法改正案や医療法改正案等もそれぞれに調整を要するもので、法案審査が毎回決戦の場のような緊張感を強いられました。そしてしばしば一回では通らず、何回かにわたりましたし、部会を通っても政調審議会、総務会など、気を抜くことはできません。

 その上で、折々の課題(予算編成、税制改正、そして不祥事や社会的な事件、災害等)への対応や、衆議院における厚生労働委員会理事としての務めなどが入り、相当気を遣うこととなりました。ただ自分としては、多くの方々のご指導やお支えのおかげで、悔いなく全力で取り組めたと思っています。

 部会長就任から昨年中の出来事は、「平成29年末のごあいさつ」に記しましたので、ここでは主に今年に入ってからのことについて述べていきたいと思います。

◆働き方改革関連法案

 個人的に厚生労働部会長として最も力と時間を注いだのは、働き方改革関連法案の党内審議だと思います。国会でも高度プロフェッショナル制度や裁量労働制等に関してさまざまな議論がありましたが、実は自民党内でも別の観点から激しい議論がありました。しかしこの法案については、安倍政権としても今国会の目玉法案であり、丁寧な議論を心がけようと考え、その結果9回の法案審議を重ねることになりました。1回の会議にいつも2時間くらいかけて挙手がある限り会議を続けました。特に中小企業への悪影響を心配する声が強かったので、厚生労働省のみならず中小企業庁にも対策を強化するよう調整し、また岸田政務調査会長にもずっとお付き合いをいただき、総務会も2回目でようやく了承を得た時は、どっと肩の荷が下りた思いでした。

 しかしもちろん国会での審議も困難を極め、ゴールデンウィーク中に委員会が開かれ空回しになったり、高鳥修一厚生労働委員長解任決議案の反対討論をしたり、最終的には野党のみなさんが抗議する中での委員会採決となり、「ヤメロー!」と怒鳴られ続けながら長大な附帯決議の読み上げをするといった一幕もありつつ、最終的には参議院でも可決されなんとか成立させることができました。厚生労働副大臣時代から取り組んでいた仕事をひとつ形にすることができて、安堵した次第です。

 ただ「法律ができてよかった」ではなく、これからの政省令の決定や施行により、長時間労働の削減や同一労働同一賃金、多様な人材の就労支援など、目指した方向性が実現されるかどうかが本来問われるべきことですから、引き続きフォローは必要であろうと思います。特に、医師の働き方改革については、未だ検討途上であり来年までに方向性を出す必要があります。引き続き何らかの形でコミットしていきたいと思っています。

 また、法案のうち裁量労働制に関する部分については、不適正な調査データ等の問題により法案から削除することとなりました。このことについては、国会でも大問題となりましたが、与党としても看過することはできず、別途「労働分野における調査手法に関するPT提言」をとりまとめ、厚生労働省に対し戒めとしてもらえるよう提出しました。思うところをしっかり汲み取っていただけると幸いです。

(10月4日追記)
 働き方改革については、上記の通り厚労副大臣・厚労部会長とずっと携わりましたし、また企画型裁量労働制適用範囲拡大や高度プロフェッショナル制度創設等に関する労働基準法改正案まで含めれば、厚生労働大臣政務官の折から足掛け4年にわたり多かれ少なかれタッチしていたなあと改めてしみじみ思い返しています。その間の僕主観のMVPを挙げるとすると、労働基準局労働条件政策課の中嶋彰浩調査官、および政策統括官(総合政策)付の村山誠参事官(労働政策担当)のお二人になろうかと思います。もちろんもっと多くの皆さまも含めた地道な仕事の集積により、働き方改革関連法案はまとめられ、国会を通すことができました。改めて関係された皆さまに感謝と拍手を送りたいと思います。


◆受動喫煙対策のための健康増進法改正案

 副大臣時代からの懸案宿題その2が、受動喫煙対策のための健康増進法改正案でした。こちらは、塩崎厚労相時代の案では結局自民党の部会に諮ることができずに持ち越しになっていたところ、加藤厚労相に交代し、新アイディアを盛り込んだ新しい案を厚生労働省がヒネりだしてきました。昨年末、新案の説明にきた担当の局長さんや課長さんたちを前に、5分間ほどじっくり黙って眺め、その上で「わかりました。これでやりましょう」と言いました。多分その5分間は、局長さんたちには針の筵だったのではないかと思います。つい先日まで一緒に塩崎案を担いで頑張っていた人に、別の案を呑み込めというのですから…。

 とはいえ最終的に、その案で概ね党内の調整が整い、部会も2時間以上かかりましたが一回でご了承をいただき、最終的には附帯決議つきで国会も通すことができたので、これもひと安心でした。

この問題については、様々な立場から様々なご意見をたくさんいただきましたが、とにもかくにも東京オリンピック・パラリンピックに向けて(残念ながらラグビーのワールドカップには間に合いませんが…)一歩でも二歩でも前に進めたのは良かったです。昨年のとかしき部会長時代の激しい議論の積み重ねがあって、今回の結論が導き出せました。ご関係いただいたすべての皆さまに感謝申し上げます。

◆法案審査などあれこれ

 今国会では、上記二本以外にも、生活困窮者自立支援法等改正案、医療法改正案、食品衛生法改正案、水道法改正案などが政府から提出され、成立しました。先に党内審査が済んでいた水道法改正案以外の党内審議も行いました。どれも気を抜くことができず、医療法改正案や食品衛生法改正案は法案審査を二回することになりました。

 特に医療法改正案の二回目の部会前日深夜に、沖縄出張から戻ってきたある議員さんに無理を言ってお時間をいただいて全日空ホテルロビーで合流し、担当の局長さん課長さんとギリギリの調整にあたったのは良い思い出です(笑)。自民党内の議論はあまり報道されることはありませんが、ひとつひとつ議論をまとめて合意形成を図るのはなかなか時間と根気と知恵が要求される仕事です。しかし、これをやり遂げるからこそ国会審議に耐えうる法案になるのだと考えます。「政府・与党一体となって」という表現がありますが、丁寧なプロセスこそがそれを保障しているのです。

 と思って努力しているのに、唐突に公約が上から降ってきたりするから、総(以下自粛…知りたい方はこのあたりをご覧いただきご想像ください)

◆社会保障の将来をめぐるあれこれ

 …さて、昨年の総選挙を経て、消費税の使途を変更し教育無償化等に充てることとなりました。このことは、政策が充実するものではもちろんあるものの、一方で財政的には支出予定額の単なる純増であり財政再建の後退であることもまた事実です。

 今年四月の診療報酬・介護報酬・障害サービス報酬の改定は昨年末の予算編成時に決着させまたが、今後の財政再建に向けて6月の「骨太の方針」での中期的な目標設定が議論となりました。最終的には落ち着くべきところに落ち着いた感はありますが、社会保障の効率化努力も毎年求められます。社会保障の維持に必要な予算確保とのバランスを含め、絶えずチェックが必要です。

 また「税と社会保障の一体改革」の行程表のうち、消費税率引き上げ以外の項目はおおむね実施済みとなりました。その先の社会保障をどういう枠組みで考えるか検討が必要な時期です。今回の内閣改造において茂木敏充大臣に「全世代型社会保障改革担当」がついているのはその布石だと思われますが、党側でも受け止めが必要でしょう。既に人生百年時代本部がその任を負っているいるものと思いますが、本番はこれから。要注目ポイントです。

 さらに、来年10月に消費税率引き上げが予定されていますが、それに伴う医療にかかる消費税問題(診療報酬による補填不足問題を含む)、薬価改定の時期問題などが、前述の医師の働き方改革対策等と合わせ、年末の予算編成までの間に決めなければならない足元の課題もなかなか難物です。ということで、後任の方にはぜひ頑張っていただきたいなと思っています。

◆厚生労働省分割論

 8月に入り、日経新聞に突如掲載された厚生労働省分割論。僕はブログ等で反対論をぶちました。結果、行革本部の提言からは分割という言葉こそ削られましたが、まだ話はくすぶっているような気もします。橋本行革のアフターフォローそのものに反対はしませんが、どうか「大きすぎる」とか「非効率」とかいう印象論(職員1人あたりの法案数や答弁数や予算額は他省と比較して多いので、むしろ厚労省は最も効率が良い役所であるともいえます)ではなく、今後の政策の在り方を見据えた骨太な議論が展開されることを期待します。

◆その他さまざま

 個人的に今年最もインパクトの大きかった出来事は、西日本豪雨災害の被災でした。地元議員の一人としてさまざまな活動を行いましたが、印象等はこちらに記しましたのでご覧いただきたいと思います。

 なお衆倫選特理事を務めていたため、参議院選挙制度改革法案の賛成討論を行いました。あわせて全国の皆さまに災害支援への謝意を表す機会としました。

 また児童虐待の事件が大きく報道されクローズアップされた年でもありました。党でも議論され、政府の緊急対策等に繋がっています。事件の発生は防がねばならず、引き離し等の介入を躊躇してはならないのですが、ただ個人的には、支援によって虐待等が防がれていて事件にならない例も(報道等されませんが)多いであろう中、現場はそのバランスに苦慮されているのではないかなと思います。継続的に考えていきたい課題です。またこれに関連して、夏にはイギリス・イタリアに衆議院派遣視察団の一員として出張し、各地の児童養護や精神保健福祉の現状を確認する貴重な機会をいただきました。高鳥委員長はじめ、ご関係の皆さまに深く御礼申し上げます。

 旧優生保護法の問題についても、与党PTメンバーとして携わってきました。何らかの救済が必要ということについては、与野党ともに概ねコンセンサスができています。しかし裁判の判決が出る前に国の政策について救済をした前例がなく、手探り状態での検討となっています。しかし、だからこそ、司法に責任を判断される前に、立法府の意思を示し動く意味があるのだと思います。引き続き関われるかはわかりませんが、そうであればいいなと思っています。

 就任から一年が経過し、そろそろ店じまいだなあと思っていたころに飛び込んできたニュースが、中央省庁での障害者法定雇用率の水増し問題でした。現時点で未だ調査中ですから、部会長として関わる機会は最初の報告を受けるだけにとどまりましたが、各省庁にはきちんとした反省と改善を求めます。一部報道によると「説明があいまいでわかりにくかった」といった理由が述べられているようですが、それであなたたちは税金をまけてくれるのか!ふざけるな!と怒鳴りたくなる言い分であり、国民が納得する理由には到底なりません。これを機会に、障害やいろんな事情がある方も、気持ちよく一緒に働ける職場環境を率先して一から作り直すくらいの気持ちでやり直して頂きたいと願います。

 部会長職にあったため他の党の役職はほぼ辞退していましたが、ひとつだけお引き受けしていたのが、性的指向・性自認に関する特命委員会(古屋圭司委員長)の事務局長でした。今年前半は地道にヒアリングや勉強会を重ねましたが、臨時国会には理解増進法の国会提出および成立を目指すことになるものと思います。党所属議員が雑誌に発表した文章等が原因ではからずも注目を集めるテーマとなりましたが、個人的には、やはりまだまだ地道な理解増進活動が必要な分野なのだなあという感想をより強めるものでした。また、死因究明の推進に関する議員立法の提出も足踏みしてしまいました。これも今後リスタートさせたいと思っています。

 全く厚生労働部会長職とは関係ないのですが、インターネットのブロッキング問題も関心を寄せています。著作権侵害の海賊版サイト対策の手段として語られていますが、憲法第21条3項に保障されている「通信の秘密」に触れるものである以上、単に「海賊版サイトが問題だから」という理由で許されるべきものではありません。ブロッキングは、最悪のケースでは、政治的な表現の自由を封じる手段になり得る(そして実際にそのように使われている国も存在する)、という認識をもって、極めて注意深く取り扱われなければなりません。ただ著作権の問題なのではなく、民主主義の根幹に関わるテーマなのです。

◆謝辞

 厚生労働副大臣という政府の立場から、続いて厚生労働部会長という党の立場に移り、働き方改革や受動喫煙対策等の難題を引き続いて担当できたことは誠に幸せなことでした。特に「税と社会保障一体改革」の総仕上げ、一億総活躍と働き方改革、そして人生100年時代など、厚生労働行政が日本社会の大きな方向性のかじ取りをしなければならない時期に、その一角を担う機会をいただけたことは、政治家として極めて貴重な経験だったと思います

 それらを含め、多くの政策を前進させることができたのは、諸先輩方のご指導や、多くの同僚議員諸兄姉の真摯な議論の賜物でした。特に岸田文雄政務調査会長、田村憲久政調会長代理、後藤茂之政調副会長には、ラインの上司としてさまざまにアドバイスをいただきました。心から感謝申し上げます。白須賀貴樹、鬼木誠、石井みどり各部会長代理、そして副部会長の皆さんには、それぞれに部会に参加して議論を盛り上げていただきました。この部会での経験をステップしにして、さらに活躍していただけることを願っています。

 また政調事務局の福島さん、小山さん、山中さんには、担当として諸事万端ご準備いただき、円滑に部会を進めるサポートをいただきました。厚生労働省では、国会連絡室の田中義高調整官(当時、現室長)、その後任の和田幸典調整官には、各局から殺到するレクの仕切りなどをしっかり果たしていただきました。ありがとうございました。

 各メディア担当記者の皆さんにも、長大な部会後のさらに長大なブリーフィングやあれこれとした雑談にお付き合いいただき、また折々にお取り上げいただき、ありがとうございました。また気軽に部屋にお立ち寄りくださいね!お顔が見えなくなると寂しいので(笑)

 最後になりましたが、こうした仕事ができるのも、国会に送り出していただいている地元、倉敷市・早島町の皆さまのおかげです。お隣の選挙区の加藤勝信厚生労働大臣と両輪となって厚生労働政策を進めることができたのは、個人的にはとても嬉しいことでした。心から御礼申し上げます。そして今後とも、ご指導ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

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2015年10月 8日 (木)

厚生労働大臣政務官退任にあたり

 10月7日、第三次安倍改造内閣が発足しました。岡山の先輩・加藤勝信代議士の一億総活躍大臣としての入閣など、政権の安定性とともに経済・社会対策を前面に押し出す姿勢を示した改造だったと思います。慣例により閣僚人事に伴い副大臣・政務官も人事異動が行われます。橋本がくも、昨年9月4日付で医療・介護・福祉担当の厚生労働大臣政務官に着任しましたが、おそらく今回で退任する見通しです(追記:10月9日に後任が閣議決定されたので、無事退任となりました)。

 この一年間を振り返ってみると、厚生労働省の幅広い仕事に関わらせて頂きとても勉強になりました。また私からもあれこれ注文をつけた部分もあるので、何がしかのよい影響を厚生労働行政に残すことができたら嬉しいなと思っています。私が主に関わってきた仕事について、いくつか振り返りをしてみたいと思います。

◆医療事故調査制度

 10月1日、医療事故調査制度が施行されました。これは昨年6月に成立した医療介護総合確保法において制度化されましたが、もとをたどれば十数年にわたる厳しい議論があり、政権交代前には別の方式で法案化一歩手前まで行ったものの棚上げされ、民主党政権下で再出発して自民党政権もその方針を引き継ぎ今回制度化に至ったものです。

 政務官着任時には法律は成立していましたが、制度の詳細を決める省令等の内容を検討する必要がありました。昨年11月4日から今年の2月25日にかけて6回にわたり「医療事故調査制度の施行に係る検討会」が開催されました。第1回冒頭のご挨拶で「一度起きてしまった不幸な事態について、きちんと調査をして教訓を学ぶということで、同じような誤りを二度と起こさないようにする。そのことを通じて医療事故を1件でも減らし、国民が安心して医療を受けていただけるようにすることがこの制度の目指すところです。そこにぜひ狙いを定めて御議論をいただければありがたい。」と申しました。激論がありましたが、最終的にはそのような趣旨に則ったまとめを検討会の皆さまにまとめて頂きました。

 また、複雑な経緯をたどったこともあり今回の制度のねらいをより正しくご理解いただけるよう、Q&Aを作成して公開しています。ご参考にしていただければ幸いです。

 長年の議論の着地点に参画することができたことに感謝するとともに、今回の制度が目指すものが今後実現してゆくことを願ってやみません。

◆厚生労働省まち・ひと・しごと創生サポートプラン

 ちょうど昨年、私が厚生労働省に着任した内閣改造で、石破茂・地方創生相が誕生しました。地方創生は日本の将来にとって極めて重要な意味を持つ政策だと考えていますが、なんとなく厚生労働省内では他人事感が漂っていました。しかし、国民のくらしや仕事に直結する所管分野を持つ厚生労働省がそれではダメで、むしろ地方創生を牽引するのは厚労省だ!というくらいの気概が必要だ!と考え、省内で若手検討チームを立ち上げ、厚生労働省としてもビジョンを定めることにしました。

 その結果今年3月にまとめたものが「厚生労働省まち・ひと・しごと創生サポートプラン ~頑張る地方を応援します~」です。各自治体や地域のみなさんに参考にしていただきたいと思いますし、このプランの中で課題となった「人口減少下での福祉サービスはどうあるべきか」という命題は、後述する「新たな時代に対応した福祉の提供ビジョン」に引き継がれることとなりました。

◆新たな時代に対応した福祉の提供ビジョン

 厚生労働省は高齢者・障害者・児童・生活困窮者など、さまざまな必要を持つ方々に対して公的に提供される福祉を所管しています。それぞれの分野ごとに課題を抱えつつも着実に充実させてきたものと思いますが、一方で縦割りの弊害も日々感じていました。特に、昨年9月に千葉県銚子市で発生したシングルマザーが無理心中を図ろうとして中学生のお嬢さんを手にかけた事件に関し今年6月に懲役7年の地裁判決が出された報道を見た時には、本当に愕然としました。これまで発展してきた各福祉分野の専門性を生かしつつ、もっと包括的に支援を必要とする人や世帯にアウトリーチし、寄り添える仕組みを考えるべきではないかと思いました。また「まち・ひと・しごと創生サポートプラン」の関係で石川県の社会福祉法人佛子園の各施設を見学させていただき、さまざまなサービスや機能を一体的に提供している姿に感銘をうけたことも引き金になりました。「まち・ひと・しごと創生サポートプラン」からの課題も引き継いでの検討が必要でした。

 そこで6月末に、鈴木社会・援護局長、三浦老健局長、安藤雇用均等・児童家庭局長、今別府政策統括官(社会保障担当)、藤井障害保健福祉部長(肩書はいずれも当時)による省内横断プロジェクトチーム及び幹事会を結成していただき、議論を重ねて9月にまとめていただいたのが「新たな時代に対応した福祉の提供ビジョン」です。

 既にこのビジョンに基づいて概算要求も行っていますし、今後各論の具体化を、行程表を作成して進めるよう指示を行いました。引き続き見守ってゆきたいと思っています。

◆医療等分野における番号制度の活用等に関する研究会・クラウド時代の医療ICTの在り方に関する懇談会

 医療や介護等の分野で、ICTを活用して施設間や保険者等の情報連携を行うことにより検査や投薬の重複を排除し、より効果的な治療を行うような仕組みの実証実験が各地域で行われています。これを全国的に進めるためには個人を認識するための番号制度がカギとなります。厚生労働省ではかねてから医療等分野における番号制度の活用に関する研究会を行っており、昨年12月に「中間まとめ」を発表しました。かねてから医療等分野のICT化は関心を持っており、また私の大学院時代の指導教官であった金子郁容・慶大教授が座長を務めて頂いていたこともあり、出席させていただいていました。プライバシーへの配慮や情報漏えい等への対策を前提としつつ、よりよい医療や介護の提供のために避けて通れないテーマです。

 その後、総務省の長谷川岳大臣政務官よりクラウドやモバイルなどを前提とした勉強会をしようとお声掛けいただき、両省で「クラウド時代の医療ICTのあり方に関する懇談会」を開催しました。こちらでもさまざまな議論がありましたが、私からは診療報酬上の評価を検討すべきではないかといった意見を申し上げました。

 医療等ICT化は、塩崎厚労大臣がリーダーシップをとってまとめられた「保健医療2035」でも取り上げられていることもあり、今後は塩崎大臣のもとでより積極的に進められるものと思います。

◆難病等の対策

 昨年の6月に難病医療法等が成立しました。この法案の作成にあたっては、自民党難病対策PT事務局長として携わっていましたし、当選一回生の頃から関わっていましたので感無量でした。よって9月に着任してからは、法律に基づく医療費支援の施行に向けた病気の指定や、法律に定められた「基本的な方針」を定めることが厚労省の主な仕事となりました。今年9月15日に「難病の患者に対する医療等の総合的な推進を図るための基本的な方針」が告示され、医療支援のみならず就労支援等を含む生活全般に対し支援を行う方針が決まりました。今後この方針に沿って具体的な施策が充実することが期待されます。

 また、指定難病に含まれなかった疾病の方々からもさまざまなお話を伺いました。ひとつひとつ担当と話をしながらできる対策を講じますし、前述の「新たな時代に対応した福祉の提供ビジョン」はそういった方々も意識してはいますが、まだ宿題も残っています。繊維筋痛症の患者会の方からお預かりした「体験セット」がまだ政務官室に置いてありますが、そのまま次の厚労大臣政務官に引き継いで頂くつもりです。

◆日本年金機構不正アクセスによる情報流出事案

 今年の6月1日に塩崎厚労相が発表した標記事案には、多くの皆さまにご心配とご迷惑をおかけしたことをまずお詫び申し上げます。犯人による執拗な攻撃の結果とはいえ、約100万人の方々の年金番号や氏名等の情報を外部に漏えいしました。この責任をとり塩崎大臣以下、私も含めて政務三役(大臣、副大臣、大臣政務官)は全員給与自主返納を行うとともに、村木厚子次官(当時)および水島藤一郎日本年金機構理事長以下、多数の職員が処分を受けました。

 本件の対応には相当時間を割くこととなりました。実は年金局は僕の担当ではありません。そのため事案を知らされたのは大臣が記者会見して発表する一時間前という有様でした。しかしなにせ厚生労働省にはサイバーセキュリティはおろかICTの専門家がCIO補佐官以外はほとんどおらず(そこも問題点の一つなのですが)、私も決して専門家とは言えませんが、後述のように衆議院厚労委員会対応を行わなければならなかったためかなり口を挟ませていただきました。

 特に厚生労働省が9月18日に発表した「情報セキュリティ強化等に向けた組織・業務改革―日本年金機構への不正アクセスによる情報流出事案を踏まえて―」をまとめる上では、塩崎大臣より命を受け作業に参加しました。再発防止のためにはまず自らを反省し総括する必要がありますが、この部分はかなり厳しく筆を加えました。特に、問題発生時に表面化する厚生労働省の「悪い報告が上にあがらない」体質は、早急に是正しなければなりません。9月30 日にワシントンD.C.に出張し、アメリカの状況をヒアリングしてきました。同地でも政府機関からの大量情報流出があったため、サイバーセキュリティへの危機感の高さを肌で感じてきました。今後の再発防止策の実現にあたり、こうした経験が次に繋がることを期待しています。

◆国会対応など

 衆議院厚生労働委員会では、厚生労働省代表として理事会の陪席を務めました(ちなみに参議院厚生労働委員会は官房長が陪席)。昨年の臨時国会および今年の通常国会は、労働者派遣法改正案、戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法案、国民健康保険法改正案、医療法改正案など、重要な議案が目白押しで、その上に日本年金機構不正アクセスによる情報流出事案やいわゆる「10.1ペーパー」問題も重なり、両院厚生労働委員会の皆さまには長時間にわたり極めて真摯にご審議を賜りました。結果、今年の通常国会では、衆議院では会議回数および審議時間で厚生労働委員会がトップ(40回、148時間)という記録を達成しました。委員会のセット等を議論する理事会や理事懇談会も、委員会前後に開かれることが通例のようになっており、他委員会よりも委員長や理事の皆さまのご負担も大きかったと思います。私が理事会で発言する回数もかなり多かったのは遺憾ですが(陪席が発言する機会は、多くが政府答弁の補足説明や謝罪等なので…)、たくさん勉強させていただきました。感謝申し上げます。また答弁に立つ機会も多くいただきました。

 また、当選1~2回の自民党の若手議員の皆さまに声をかけて、厚労行政勉強会を行っていました。最終的に18回を重ね、厚生労働省が所管する各分野についてディスカッションする機会を持ちましたが、将来的にこの中から日本の厚生労働行政を背負って立つ方が現れることを期待しています。

◆その他

 エボラ出血熱疑いの患者さんやMARS疑いの患者さんの発生があった場合には、毎回大臣以下私にも連絡が入っていました。今年の夏のデング熱も含め、結局国内において患者の発生がなかったのは幸いなことですが、引き続き緊張感を持って対応しなければなりません。

 東日本大震災復興支援から、広島県の土砂災害、御嶽山の噴火、茨城県等の水害に至るまで、災害対応もありました。緊急医療派遣チーム(DMAT)の派遣や上水道の確保、避難者のケア等、厚生労働省の役目も重いものがあることを改めて確認しました。

 また戦後70周年の節目の年に、援護行政を担当することができたのも光栄なことだったと思います。収集したご遺骨のDNAデータベース化や、日本武道館で8月15日に行われる全国戦没者追悼式に若い方に参加して頂いたり、献花の順番についてご遺族を先にするよう変更させて頂いたりしたことも、細かいことですが後世に残るといいなと思います。

    ―◇―  ―◇―  ―◇―  ―◇―  ―◇― 

 以上、振り返ってみれば、いろんなことに手を出すうちに、あっという間に一年が経ってしまった気がします。もちろん塩崎恭久大臣はじめ永岡桂子、山本香苗両副大臣、高階恵美子大臣政務官のご理解とご指導あってできたことですし、村木厚子前事務次官、原勝則前厚生労働審議官(橋本龍太郎厚生大臣と直接重なっている最後の現役の方でした)以下厚労省幹部および職員の皆さまにご苦労を沢山おかけして、ご協力を頂いてなしえたことです。厚く感謝申し上げます。特に「まち・ひと・しごと創生サポートプラン」や「新たな時代に対応した福祉の提供ビジョン」などでは、若手の方々が中心になって(もちろん幹部もそれをしっかり支援して)仕事をまとめていただき、霞が関の次代に希望が持てることを確信しました。…というのは同じような世代か僕の方が年下なのでちょっとエラそうで、言い方を変えれば気軽にいろいろムリを言って聞いていただいた方々ということで、森真弘(政策統括官付社会保障担当参事官室政策企画官(当時))、熊木正人(社会・援護局地域福祉課生活困窮者自立支援室長(当時))、三浦明(大臣官房総務課企画官(当時))の各氏のお名前を代表としてあげ、その他多くの方々とともに深甚なる感謝(と若干のお詫び)の意を表します。また最後に、政務官室の水村主任秘書官、遠坂秘書官、斎藤さん、運転手の村松さんにはとても暖かくサポート頂きました。おかげさまで快適に大臣政務官生活を過ごすことができました。ありがとうございました。

 なんとなく引退の辞のようになってきましたが、別に政治家を引退するわけではありません。まだ今後どうなるかわかりませんが、引き続き新たな立場で、国民の「ひと、くらし、みらいのために」仕事する厚生労働行政に関わってゆきたいと思います。

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2015年1月11日 (日)

平成27年度予算案大臣折衝事項について

 今日は平成27年度予算編成の大詰めとなる大臣折衝が行われました。これは、財務大臣と各省の大臣が直接会って折衝することにより、最後まで意見が合わなかった事項について合意を行うものです。介護報酬改定や障害福祉サービス報酬改定があり、また消費税3%の引き上げ(かつ残り2%の引き上げ延期)分の使途などを含みます。一部だけ切り取って評価される向きもあるため、終了後の厚労相会見で記者に配布された資料のほぼ全文(別紙1は本文に溶かしこみ、別紙2「所得水準の高い国保組合の国庫補助の見直し」は割愛)を掲載します。ご興味の方はどうぞご一読ください。

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大臣折衝事項


 平成27年度厚生労働省予算について、介護サービス料金改定(介護報酬改定)等、平成27年度の消費税増収分による社会保障の充実・安定化、医療保険制度改革の推進並びに生活困窮者支援および生活保護のため、以下の通り予算措置等を行うこと。

1.介護サービス料金改定(介護報酬改定)等

 平成27年度の介護サービス料金改定(介護報酬改定)は、介護保険料の上昇の抑制、介護サービスの利用者負担の軽減、介護職員の給料の引き上げ、介護事業者の安定的経営の確保、という4つの視点を踏まえて行う。平成27年度介護サービス料金(介護報酬)の改定率は全体で▲2.27%とするとともに、消費税増税分を活用して、次のとおり対応すること。

・月額+1.2万円相当の介護職員処遇改善加算を拡充するため、+1.65%を確保すること。
・中重度の要介護者や認知症高齢者に対して良好なサービスを提供する事業所や地域に密着した小規模な事業所に対する加算措置を拡充するため、+0.56%を確保すること。
・さらに、地域包括ケアシステムの構築に向けて、地域医療介護総合確保基金や認知症施策など地域支援事業の充実に十分な財源を確保すること。
 (別紙1より)
 ○地域医療介護総合確保基金による介護施設の整備等 公費700億円程度
 ○認知症施策の推進など地域支援事業の充実 公費200億円程度
・収支状況などを反映した適正化等 ▲4.48% (別紙1より)

 サービス毎の介護サービス料金(介護報酬)の設定においては、各サービスの収支状況、施設の規模、地域の状況等に応じ、メリハリをつけて配分を行う。
 また、介護職員処遇改善加算の拡充が確実に職員の処遇改善につながるよう、処遇改善加算の執行の厳格化を行う。
 なお、次回の介護サービス料金改定(介護報酬改定)に向けては、サービスごとの収支差その他の経営実態について、財務諸表の活用の在り方等を含め、より客観性・透明性の高い手法により網羅的に把握できるよう速やかに所要の改善措置を講じ、平成29年度に実施する「介護事業経営実態調査」において確実に反映させる。


(障害福祉サービス等料金改定(障害福祉サービス等報酬改定))
 平成27年度障害福祉サービス等料金(障害福祉サービス等報酬)の改定率は±0%とすること。
 サービス毎の障害福祉サービス等料金(障害福祉サービス等報酬)の設定においては、月額+1.2万円相当の福祉・介護職員処遇改善加算の拡充(+1.78%)を行うとともに、各サービスの収支状況や事業所の規模等に応じ、メリハリをつけて対応する。また、福祉・介護職員処遇改善加算の拡充が確実に職員の処遇改善につながるよう、処遇改善加算の執行の厳格化を行う。
 なお、次回の障害福祉サービス等料金改定(障害福祉サービス等報酬改定)に向けては、「障害福祉サービス等経営実態調査」の客対数を十分に確保するとともに、サービス毎の収支差その他経営実態について、より客観性・透明性の高い手法により、地域・規模別の状況も含め網羅的に把握できるよう速やかに所要の改善措置を講じ、平成29年度に実施する「障害福祉サービス等経営実態調査」において確実に反映させる。また、地方自治体の協力を得ること等を通じ、より具体的な現場の経営実態を把握する。そのうえで、次回の改定においては、これらにより把握された経営実態等を踏まえ、きめ細かい改定を適切に行う。

2.社会保障の充実・安定化

 来年度の消費税増収分(8.2兆円程度)は全て社会保障の充実・安定化に向ける。基礎年金国庫負担割合2分の1への引き上げの恒久化に3.02兆円を充てた上で、消費税増収分1.35兆円と社会保障改革プログラム法等に基づく重点化・効率化による財政効果を活用し、社会保障の充実1.36兆円と簡素な給付0.13兆円を措置すること。
 その中で、平成27年4月からの子ども・子育て支援新制度の円滑な施行に向けて予定していた「量的拡充」及び「質の改善」を全て実施するための十分な予算措置を行うこと。また、国民健康保険への財政支援の拡充を含む医療・介護サービス提供体制の改革の推進に必要な事項に重点的な予算措置を行うこと。
 低所得者に対する介護保険の1号保険料の軽減強化については、特に所得の低い者に対する措置の一部について平成27年度から実施すること。介護保険料軽減強化の残余の措置、低所得者への年金の福祉的給付及び年金受給資格期間の短縮については、消費税率10%引き上げ時(平成29年4月)に、後期高齢者の保険料軽減特例を原則的に本則に戻すこととあわせて、着実に実施すること。

(参考)平成27年度の社会保障の充実1.36兆円(公費ベース)の内容
・子ども・子育て支援の「量的拡充」及び「質の改善(0.7兆円ベースを全て実施)」(5,100億円程度)
・育児休業中の経済的支援の強化(60億円程度)
・地域医療介護総合確保基金(医療分900億円程度、介護分700億円程度)
・平成26年度診療報酬改定における消費税財源の活用分(400億円程度)
・介護報酬における介護職員の処遇改善・質の高いサービスに対する加算等(1,100億円程度)
・国民健康保険等の低所得者保険料軽減措置の拡充(600億円程度)
・国民健康保険への財政支援の拡充(1,900億円程度)
・被用者保険の拠出金に対する支援(100億円程度)
・高額療養費制度の見直し(250億円程度)
・介護保険の1号保険料の低所得者軽減強化(200億円程度)
・難病・小児慢性特定疾病への対応(2,000億円程度)
・年金制度の改善(20億円程度)

3.医療保険制度改革の推進に関する予算関連事項
 次期通常国会に提出予定の医療保険制度改革関連法案において国民健康保険の財政基盤安定化・財政運営責任の都道府県移行、医療費適正化計画の見直し、後期高齢者支援金の全面総報酬割の導入等の医療保険制度改革を着実に進めること。その関連において、予算に関連する以下の事項について、それぞれ記載の取扱いとすること。

(協会けんぽに対する国庫補助)
 国庫補助率の特例措置が平成26年度末で期限切れとなる協会けんぽについては、医療保険制度改革において、国庫補助率を当分の間16.4%と定め、その安定化を図ること。ただし、現下の経済情勢、財政状況等を踏まえ、準備金残高が法定準備金を超えて積み上がっていく場合に、新たな超過分の国庫補助相当額を翌年度減額する特例措置を講じること。

平成27年度:国庫補助は、法定準備金を超過する準備金の16.4%相当を減額
平成28年度以降:法定準備金を超過する準備金残高がある場合において、さらに準備金が積み上がるときは、さらに積み上がる新たな超過分の16.4%相当を翌年度の国庫補助から減額

(入院時食事療養費等の見直し)
 入院時の食事代(現行:1食260円)について、入院と在宅療養の負担の公平等を図る観点から、食材費相当額に加え、調理費相当額の負担を求めることとし、平成28年度から1食360円、平成30年度から1食460円に段階的に引き上げること。ただし、低所得者は引き上げを行わず、難病患者、小児慢性特定疾病患者は現在の負担額を据え置くこと。

(所得水準の高い国保組合の国庫補助の見直し)
 所得水準の高い国保組合の国庫補助について、負担能力に応じた負担とする観点から、平成28年度から5年かけて段階的に見直すこととし、所得水準に応じて13%から32%の補助率等とすること。

4.生活困窮者支援及び生活保護

 平成27年4月に施行される生活困窮者自立支援制度については、生活保護制度と一体的に運用する中で、複合的な課題を有する生活困窮者の自立支援に効果を上げていくことが必要である。また、自治体での準備が着実に進むよう引き続き万全を期すこととし、本制度を適切に実施するため、必要な財政措置を講じること(400億円程度(国費ベース))
 住宅扶助基準及び冬季加算については、社会保障審議会生活保護基準部会の検証結果を踏まえ、最低生活の維持に支障が生じないよう必要な配慮をしつつ、以下の見直しを行う。

・住宅扶助基準については、各地域によける家賃実態を反映し、最低居住面積水準を満たす民営借家を一定程度確保可能な水準としつつ、近年の家賃物価の動向等も踏まえて見直す(国費への影響額は平年度▲190億円程度)。
・冬季加算については、一般低所得世帯における冬季に増加する光熱費支出額の地区別の実態や、近年の光熱費物価の動向等を踏まえて見直す(国費への影響額は▲30億円程度)。

 また、医療扶助の適正化や就労支援の取り組みを着実に進め、その効果を事後的に適切に検証する。
 生活保護受給者の高止まりについては、高齢化の進展の影響が大きいものの、雇用環境が大幅に改善する中で経済的自立による保護脱却が若干好転しつつも十分に進んでいないことも要因となっている。
 こうした状況を踏まえ、高齢者や障害者世帯など生活保護受給者の様態に留意しつつ、最低限度の生活を保障し自立を助長するとの生活保護法の趣旨にかんがみ、次期生活扶助基準の検証(平成29年度)にあわせ、年齢、世帯類型、地域実態等を踏まえた保護のあり方や更なる自立促進のための施策等の制度全般について予断無く検討し、必要な見直しを行う。

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2013年7月 2日 (火)

通常国会閉会を迎えて(後編-橋本がく活動報告)

 第183回通常国会の会期中、さまざまなテーマに積極的に取り組みました。3年4ヶ月のブランクを一気に埋めるくらいの勢いで、国会に送っていただいた皆さまへの感謝の気持ちを込めて働いたつもりです。下記に先の国会における橋本がくの活動の一端をテーマごとに掲載いたします。もちろんここに書いていない分野での発言や、個別のご相談ごと・ご陳情ごとへの対応等もこれ以外に多数行っています。

【ネット選挙運動解禁】

 ネット選挙運動解禁にあたり、自民党ネット選挙運動PTの事務局長として、部会、政調審議会、総務会等に出席して党内調整にあたり、インターネット選挙運動等に関する各党協議会の事務局を務め、法案提出後は国会質疑でも答弁者を務めました。結果として各党のご理解をいただいて修正の上、全会一致で成立させました。

 改正法成立後は、福田峰之衆議院議員とともに自民党本部や都道府県連などのネット選挙運動研修にて講師役を務めました。また党ネットメディア局次長として、スマホアプリ開発やTruthTeamなど参院選における自民党ネット戦略にも関与しました。

●橋本作成資料
・スライドショー「約5分でわかるネット選挙運動解禁の公職選挙法改正概要
・PDF「ネット選挙解禁の公職選挙法改正について

●改正公職選挙法(インターネット選挙運動解禁)ガイドライン
・PDF「第一版ガイドライン」(総務省)
・書籍「インターネット選挙運動ガイドライン」 (ぎょうせい)

●電子書籍「あなたもできる!!インターネット選挙運動」
・自民党ニュースリリース「Amazon-Kindle「あなたもできる!!インターネット選挙運動」発売 法案提出者が語る初の電子書籍
あなたもできる!!インターネット選挙運動 [Kindle版](アマゾン)

●参院選向けネット戦略
・自民党ニュースリリース「自民党公式スマートフォンアプリの提供を開始
自民党のスマートフォンアプリ
・自民党ニュースリリース「自民党「Truth Team(T2)」がキックオフ! ネット上の国民の声を活かし、新しい政治のカタチを

【一般用医薬品のインターネット販売】

 医薬品のネット販売に関する議連の事務局長として、安倍政権の成長戦略として位置付けられた医薬品ネット販売ルールの策定に対し、利便性と安全性とのバランスの面から議論しました。「議論のとりまとめ」を発表し申し入れを行った他、党内の会議において積極的に発言しました。結果として一般用医薬品のインターネット販売は全面解禁となりましたが、引き続き一般用医薬品における誤用法や副作用による被害の発生を防ぐよう、ルールの制定等に積極的に発言します。

議員立法の法制化に向けたこれまでの議論のとりまとめ

【ICT政策】

 党情報通信戦略調査会の事務局長として6月に第一次提言を取りまとめ、日本の雇用や所得に資するICT戦略の実施を行うよう、菅官房長官に提言を行いました。

・自民党の政策 「情報通信戦略調査会第一次提言
・Interop2013 Tokyoプレゼン資料「安倍政権のICT政策

【死因究明制度】

 異常死死因究明議連の事務局長および自民党死因究明PT座長として議論の進展に尽くし、自民党の総合政策集「J-ファイル2013」に死因究明体制推進に関する項目を追加しました。また内閣府検討会の中間報告にあたり、古屋圭司内閣府担当大臣および亀岡偉民内閣府大臣政務官に申し入れを行い、党の立場を明らかにしました。12月の推進計画策定に向け議論をリードしていきます。

J-ファイル2013 総合政策集(#243 死因究明体制の推進)
死因究明等推進計画に関する申し入れ

【難病対策・アレルギー対策】

 党難病PTの事務局長として有識者や患者団体などから三回にわたりヒアリングを実施。秋以降に想定される
法制化に向けて議論を行いました。また閣議決定された科学技術イノベーション戦略において、オーファンドラッグの開発推進について政府に記載させました。
 また、党厚生労働部会副部会長として、議員立法としてアレルギー対策基本法を公明党と共同で提出しました。

・橋本がくWebサイト 「橋本がくが「アレルギー対策基本法案」を衆議院に提出しました

【歯科技工士関連】

 歯科技工士に関する諸問題について、議連の設立発起人となって議連を立ち上げ、幹事長として議論を行いました。

【科学技術政策】

 DFD研究会の事務局長として、強力な科学技術の司令塔の実現について菅義偉内閣官房長官に申し入れを行いました。また、新たなロケットの開発について、政府主導で行うよう議論を行いました。
 また党日本経済再生本部研究開発グループの副査として日本版NIHの創設等の提言を行いました。

【司法制度改革】

 法曹養成に関する議連の事務局長として、法曹養成の質の担保のための議論を行い、党司法制度調査会に対して提言を行いました。

【国会運営】

 衆議院総務委員会理事、および衆議院海賊・テロ特別委員会理事として円滑な委員会運営に力を尽くしました。特に総務委員会では野党各党の協力のもと、政府提出法案の100%成立を達成しました。

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2013年6月26日 (水)

通常国会閉会を迎えて(前編)

 第183回通常国会が本日閉会しました。僕としても国政への復帰をさせていただいて初めての本格的な国会ということで、あっという間に150日が過ぎた気がします。そこで少し振り返ってみたいと思います。まず前編は自民党・安倍政権全体について。

 3年4か月の野党時代を経て自民党政権に戻していただいたわけですが、個人的にはご期待にそれなりに応えることができたのではないかと思います。アベノミクスという言葉が流行り言葉になり、金融緩和、経済対策、そして成長戦略のいわゆる三本の矢の政策が、前の自民党政権時代からしばらく続いていた経済的閉塞感を打破し円高・株安状況を一変させたのは見事というべきでしょう。声高に副作用を言い立てる向きもあるし、悪いシナリオに進まないよう注意を欠かすことはできませんが、ただ副作用のみを心配して何もできず悪い状況のみずるずる引きずる状況こそが「閉塞感」であり、まさにそれが打破されたこと、そして多くの有権者の方に、自分たちの一票で政治を変えれば、経済や社会も一変するのだという希望を持っていただくことができたことは、近来の内閣にはない成果ではないでしょうか。また、成長戦略はまだ決定されただけで絵に描いた餅にすぎません。実行してはじめて効果に繋がります。現時点の株式市場の乱高下等をもって「アベノミクスは失敗」とかいう批判もありますが、実行してないものの効果を批判されても仕方がありません。本番はこれからなのです。

 また外交面では、きちんと節度を持って主張すべきは主張しつつ、かといって過度に刺激的な言動をするわけでもなく、ほどよく過ぎています。そして中国・韓国と微妙な緊張感がある中で、あえて安倍総理はロシアや東南アジアの国々、また麻生副総理はインドなど近隣の国々を訪問し、友好を深めのは戦略的な外交というべきでしょう。また憲法改正についても、意欲は示しつつ無理押しもせず議論が熟するのを待つという現実的対応でした。これは安倍総理や自民党にある種の偏見を持って見ていた方にとっても、意外だったのではないでしょうか。

 国会運営も、ねじれ国会にしては比較的平穏にかつ前向きに進んだと言えます。自分も関わったネット選挙運動改正の公選法改正案は最終的には全会一致にできましたし、0増5減法案の衆院再議決ですら日本維新の会は賛成に回ったことで「与党のみ」にはなりませんでした。強行採決もゼロです。これも衆院選大勝後の安倍政権の国会運営としては意外だったかもしれません。なお法案成立率とは近年類を見ない高さとなりました。これには政権の丁寧な国会対応に加え、野党各党の是々非々の対応とご協力もあったことは申し添えます。

 ただ国会最終盤の参議院にて、本来優先議案である議長不信任決議案を放置した上で予算委員会を委員長職権で開会し、その手続きの不備ゆえに予算委員会を欠席した安倍総理に対して問責決議案を可決したのは、誠に残念と感じざるを得ません。電力供給に関する改革の大きな一歩であった電気事業法改正案や、生活困窮者支援法案など重要法案がいくつかその巻き添えにあって廃案となってしまいました。衆議院で民主党など野党の意見を汲み修正して送った法案を、選挙前のパフォーマンスのために廃案にしてしまうような参議院には疑問符を付けざるを得ません。やはり、今回の参議院選挙の大きな争点として「ねじれ国会の解消」が必要ということは声を大にして訴えなければならないと思いました。日本の将来のために、全力で取り組みます!

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2013年4月26日 (金)

ネット選挙解禁!次の課題は正しい普及啓発

 ネット選挙解禁の公職選挙法改正案は先週成立しましたが、その解釈などを書いた「ガイドライン」をまとめる作業などが続いています。今朝も各党協議会が開かれ、ガイドラインについて議論されました。今日の議論にて各党の合意をいただけましたので、必要な修正を加え、近日中に公開できるものと思います。

 今回の改正点に加え、そもそも公職選挙法そのものが決してわかりやすい法律ではないため、疑問を持ち出すとキリがないところがあります。さらに、今回の改正そのものも一般のネットユーザーの方にもご理解をいただくべき点はいくつかあるため、混乱なくネット選挙が行われるためいかにして正しく周知啓発するかが大事なことです。私も個人的にメモを作成しましたので、総務省のページとあわせてご興味の方にはご参考にしていただければ幸いです。

[資料]

ネット選挙解禁の公職選挙法改正について(橋本がく個人の参考メモ。改正概要や経緯、影響の私見など)
インターネット選挙運動の解禁に関する情報(総務省Webサイト。あらましや資料、ガイドラインも掲載)

 法案提出者の責任として、これからも今回の公選法改正の内容等をできるだけ正しく伝えるよう努力しなければならないと思っています。既に勉強会の講師などもしていますし、お声掛けいただければスケジュールが許す限り出張講師もするつもりです。今日は小泉進次郎局長の自民党青年局昼食会にて講師役を務めました。

130426

 安倍政権発足から4ヶ月が経ちましたが、比較的スムーズに国会も動いています。また有り難いことに支持率も高いままキープされており、株価も上がり、円も下がりと順調です。もちろん成長戦略やTPPなど楽観視できない問題もあり慎重を要します。その中で、安倍首相が就任最初の記者会見で打ち出した「参院選挙でのネット選挙運動解禁」の実現の一端を担わせていただいたのは、素晴らしい経験をさせていただいたと思っています。これからもご支援いただく皆さまへの感謝を思いを胸にがんばります!良いゴールデンウィークをお過ごしください。

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2013年4月18日 (木)

ミスター事務局長のある一日。

 なんだか色々慌ただしく過ごしています。気がついたら事務局長とかの役をいくつもお預かりしたので(プロフィール参照)、あれこれ大変。当選一回の折は設定された会議に出席して意見を言うだけでした。ところ当選二回となり、事務局を引き受けることになると、会議の設定から連絡から資料のチェックやら事前打ち合わせやらマスコミ記者さん対応とかを一手に引き受けることになり、それがやたらと重なっているからです。

 浪人中を考えれば、仕事ができるだけ有り難いこと。国会に送っていただいたご支援くださったみなさまへの恩返しは、一生懸命働くこと。そう思って日々頑張って過ごしています。ありがたいことです。

 そんなミスター事務局長(自称)のある日(4月17日)の行動をご紹介します。決して国会議員は東京でのんびりしてるわけじゃないということをお汲み取りいただければ幸いです。また、国会答弁など注目される舞台裏はこういう風になっているのだということも少し感じていただけるのではないでしょうか。

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 朝、8時からの部会に出なければ…と思いつつ起きたら8時が過ぎていたorz。疲れが溜まってるなあと自覚しながら、身支度をして徒歩で議員会館に向かう。

 9時くらいに議員会館着。メール確認などをしていると、逢沢一郎衆議院議員の事務所からあいさつ回りに行くので同行を、というご連絡を頂いた。10時からの情報通信戦略調査会の下打ち合わせに行けなくなったので、事務局次長の瀬戸隆一衆議院議員に電話してお詫びとお任せする旨をつたえる。

 10時すぎ逢沢一郎・選挙制度調査会長と、参議院国対委員長室で待ち合わせ、脇雅史参議院国対委員長にご挨拶したのち、参院倫選特の山崎力理事、轟木委員長の議員会館事務所を訪問、ご挨拶。山崎理事のカメラのレンズコレクションを拝見。こういう事前のご挨拶が物事をスムーズに運ぶのには大切なのです。

 事務所に戻り11時過ぎから、翌日の死因究明推進体制に関するPTの打ち合わせに厚労省医政局が来る。PTと議連の関係などについて説明。終了後、PTの講師を依頼した海堂尊先生や政調事務局にメールを送り、翌日の配布資料等について連絡する。

 歩いて党本部に向かい、12時から自民党本部でDFD研究会で司会。科学技術研究開発では、完全に日本は中国に追い抜かれてしまった。その様子をヒアリングし、研究会として司令塔機能等の強化について申し入れを官邸などに行うことになった。

 13時過ぎに終了後、立ち話で自民党の政調事務局と翌日の参院倫選特の審議での修正案の趣旨弁明者の調整を依頼される。福田峰之衆議院議員に依頼することにして、電話でOKをとり折り返し電話で連絡。

 歩いて事務所に戻りながら、翌日10時開会の参院倫選特の質疑前の答弁者勉強会の時間設定について、平井たくや衆議院議員および公明党・遠山清彦衆議院議員と電話で調整。8時半にスタートすることにして遅れて出席することになった。

13時半から議員会館の事務所にて、衆議院法制局および総務省と、ネット選挙のガイドラインに関する打ち合わせ。前日の協議会で出た意見に対して赤入れしたものを全項目チェック。いくつか追加修正を依頼し、参院倫選特の理事の方々への配布を依頼。

 記者さんと話ながら歩いて党本部に戻り、15時から情報通信戦略調査会で司会。党首討論と時間が重なってしまったので出席議員が少なかったのはいささか残念だが、東京都三鷹市と千葉県柏市のICTを使ったまちづくりの事例を伺い刺激になった。

 16時過ぎ、そのまま党本部の別の部屋で行われている道州制推進本部役員会に出席。全国町村会の方々と意見交換会。地道にお話ししていくことで、すこし表情が和らげていただいたように感じた。会合中も翌日の倫選特関係の電話が何本か入り、中座せざるを得なかったのは残念。

 意見交換は17時過ぎに終了。そのまま上野賢一郎衆議院議員の車に同乗させてもらい一緒に総理官邸へ。17時半ごろから、安倍晋三総理と道州制推進本部役員で状況報告。安倍総理は第一次安倍内閣の折から道州制は前向きであった。丁寧に進めるようにとのご指示をいただく。

 一度議員会館の自室に戻り、自民党本部に再び歩く。18時半ごろから、勉強会にてネット解禁の公選法改正について簡単にプレゼン。質疑もなかなかやまず、19時過ぎに。

 その後、福岡資麿厚生労働部会長ら厚生労働部会関係の議員による慰労会。そういえばアレルギー対策基本法も提出者になる予定だし、難病対策PTの事務局も先日引き受けたところ。お仕事頼まれたら「はい喜んで」なのだけど、それにしても多いよなあ。いや、浪人生活を支えていただいた地元の支援者の皆さまのことを考えれば、お仕事できるのは有り難いことなのだ!感謝せねば。

 したたか酔って宿舎に帰って23時ごろ落ちるように就寝。風呂にお湯を張っていたが、入らずに下着のまま寝ていたことに翌朝気が付いたのでした…。

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