24.東日本大震災

2011年7月 6日 (水)

責任感のある人が辞任し、無い人が残った。

 松本龍・復興担当相が補職9日目にして辞任した。実は、松本さんとは議員在職中、一緒に中国に出張したことがある。口数少なく大人しい感じの方で、確かにとっつきにくさはあったが、むしろ民主党の口先の調子のよい人たちにうんざりしていた頃で、そんなに悪い印象は持っていなかった。復興相就任時にサングラスかけて「チームドラゴン」とか言い出した時点で、おや?ハジケちゃった?と思ったのだが、まさかこんな結果になるとは思いもよらなかった。

 村井・宮城県知事や達増・岩手県知事に対する発言は、決して適切とは言えない。どう考えても「上から目線」で被災地の方の神経を間違いなく逆立てるものだった。コミュニケーションとしては致命的にヘタだ。大臣としては辞任に値するものだったかもしれない。ただ、不適切な言動を自覚した後、後々への国会審議などへの影響を考えて一夜にして辞任の決断をしたのは、むしろ責任感のある潔い行動と評価すべきではないか。

 不信任案否決後、「辞任は6月中」と発言したことが報道では「問題発言」扱いになっていたが、これはとても常識的な発言であり、むしろ現状の方が非常識なのだ。「自民党も民主党も嫌い」発言だって、実は少なからぬ国民は同意されるのではなかろうか。まぁ与野党の協力を得なければならない大臣という立場からすると、戦略的な発言とは到底言えないのだが…。

 個人的には、村井知事や達増知事の要望にどう応えるつもりだったのか、松本さんに聞いてみたかった。言葉遣いなんかよりも、よほどその方が真に重大なことではないか?個人的には、松本さんの辞任は虚しさしか感じない。それで瓦礫が片付くわけでもない

 そして、責任感の無い人が、今日も総理として予算委員会で答弁をしている。いまや民主党内でも批判が当たり前のように出るようになったが、彼らも6月の不信任案に反対した先見性の無さを恥じるべきであろうし、彼を代表に選んだ責任は誰がどう感じているのだろうか。

 昨日、無事に倉敷に戻った。やはり駄目政党に政権を任していてもロクなことにならない。先の選挙でよく言われた「一度やらせてみりゃあええが」というその結果はすでに自明である。気合いを入れて、地元の活動を頑張ろう!

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<お知らせ>
下記、CSの朝日ニュースター番組 『海堂ラボ』の橋本岳が出演した回の放映日程です。
スカパー!またはケーブルテレビ等でご覧いただけます。

海堂ラボ#19 OAスケジュール
●放送日時
7月7日(木)夜 10:00~10:55

●再放送
7月8日(金)
深夜 2:00~2:55

7月9日(土)
午後 3:00~3:55

7月10日(日)
夜 7:00~7:55

7月11日(月)
午後 2:00~2:55
深夜 4:00~4:55

7月14日(木)
午後 5:00~5:55
夜 10:00~10:55

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2011年7月 4日 (月)

100日以上経った津波被災地の今。

 今朝、倉敷から遠野に到着した第10班のボランティアの方々に引き継ぎを行ったのち、遠野市内で岩手県第三選挙区で前回衆院選で立候補し現在次を目指して現在雌伏中の橋本ひでのりさんと合流。ここからは災害ボランティアとしてではなく、政治家としての活動だ。橋本さん自身も大船渡市の事務所やお母様のご実家を津波で流されながら、被災地の支援に走り回られている。ご案内いただきながら、岩手県遠野市から釜石市~大船渡市~陸前高田市~宮城県気仙沼市と沿岸部の津波被災地を視察させていただいた。途中、仮設住宅や避難所となった体育館にも寄らせていただき、お話を伺いながらの長旅だ。

 正直言って、驚いた。岩手に来た初日、陸前高田市の瓦礫撤去に進捗があったことに喜んだが、お詫びして訂正する。進捗してないわけではない。しかし、道路を通す以外はほぼ手がついていない地域があまりにも広すぎることに驚愕した。確かに、陸前高田市の中心部は本当に片付いていた。しかしその周辺部はまだ手つかず部分も残る。大船渡市や気仙沼市に至っては、まだまだ手つかずのような地区も中心部にある。被災直後ならともかく、被災からあと一週間で四カ月、100日以上が経過してなおこの状態というのは、「酷い」の一語に尽きる。率直に怒りを感じた。そのネックは、岩手県では瓦礫撤去を地元業者のみに発注すると決めたから、との由。全国の力を集中するようになっていないのだ。何故かって?岩手県は小沢一郎・民主党元代表のお膝元。達増拓也・岩手県知事もバリバリの小沢系。そこから先は書かない。まあそんなことはどうでもよい。とにかく、片付けすら進んでいないことに唖然としたのだ。迷惑を被るのは一般の住民だ。

 また、すでにしびれを切らして一階が被災した家屋を修理する動きもちらほら見かけた。これもハッキリ言って政治の無策の結果だ。そもそも津波に襲われたところは再び住居にするべきではない。範囲を決めて土地を国が買い上げるなりして、安全な場所への移転を進めるべきだ。また、阪神大震災と異なりそもそも過疎化・高齢化が進みつつある地域が少なくないのだから、きちんとこの際選択と集中を進めて都市をゼロから造り直す必要がある。例えば三陸沿岸の漁業を営む街は軒並みほぼ全て壊滅的な被害を受けたわけだが、それを全て「復旧」するのは事実上絵空事である。その間の高齢化の進展を忘れているからだ。また仕事を求めて転出した人口が戻ってくる保証もない。仮に建物を立て直しても、街は決して元には戻らないのだ。

 例えば気仙沼なら気仙沼に漁業者を集めて一定の人口集積をつくるとかしなければ、地域に活気は戻らない。しかしそうした具体的なビジョンの無く「復旧・復興」と調子のよい言葉をふりまき仕事したフリをしている菅直人・民主党政権に、津波被災者は怒っている。

 一回や二回、どこかの被災地を訪問して、今回の震災すべてを把握した気になってはならない。ましてや、テレビなどメディアの報道だけでわかった気になるなんて、論外。テレビがバラエティ番組やドラマを流すからといって、また、高田松原の一本松のような「ちょっといい話」をニュースで流すからといって、被災地が復興したわけでは全くない。なんとなく希望を被災地以外の地域に与えるメディアコントロールのような気すらする。そういえば、「他地域だったら暴動が起こったかもしれないくらいヒドイ」という話も聞いたが、「報道されないけど実際には起こった」という話も耳にした。

 そして菅直人が仕事してるなんて絶対にウソだ。再生エネルギー推進やエコタウンなんて、日本の将来のためには悪いことじゃないかもしれないが、今はそんな美しい将来のことよりも泥臭い現実の瓦礫や土砂の片付け、そして原発事故の終息に向け陣頭指揮にまず全力を尽くすべきだ。「一定のメド」なんて、あんな進捗でいつまで経っても来るわけがないじゃないか。四の五の言う前に即刻!脳死状態の政治トップを取り替えるべきだ。今日はつくづくそう感じた。満腔の怒りを以て、政権の怠惰を告発する。

 倉敷にて「自民党も、民主党の足を引っ張っていないで、手伝え」としばしば言われた。そうかなと感じた時期もあったが、今は全くそうは思わない。被災者の一人である橋本ひでのりさんの言葉を記す。曰く、「公債特例法なんて、絶対賛成しちゃダメです。バラマキなんてする余裕があったらもっと他にすることがたくさんあります。民主党を助けても、被災者は全然助かりませんよ」と。

 以下の写真は、被災直後の写真ではない。100日以上を経た「現在」である。胸の中で合掌しながら、剋目してご覧いただきたい。

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(写真:釜石市内中心部。くどいけど被災直後の写真ではない。)

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(写真:停電しているわけではない。「信号を修理する予算がない」のだそうだ。為政者の怠惰でなくてなんなのだ?釜石市内。)

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(写真:大船渡市の中心部だった地区の現在。)

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(写真:大船渡市中心部を高台から見下ろす。奥の方の津波被災地が荒れたままなのが一目瞭然)

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(写真:気仙沼市にて。地震、津波の後に火災に遭ったため、一層凄惨な状況)

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(写真:船が陸地に残されたまま。気仙沼市にて)

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2011年7月 2日 (土)

三日目・隊長のお言葉

三日目・隊長のお言葉
 ボランティア三日目も無事終了。事故もなく終われて本当によかった。担当した側溝は、手を入れたところはすっかり底が見えるようになった。そうなってみると見違えるように綺麗な澄んだ水が流れていることに気づく。ちょっとだけ充実感。とはいえまだまだ少し下流に行くともう泥で溢れそうになっている。その溝一本だけでも通すにはまだ数日はかかるだろう。
 毎朝、ボランティアが集合するとHさんという隊長がボランティアの心得について講話をする。「安全靴という名前の靴」「3つの『わ』」「3つの『あ』」「ABC」などの話をする(3日聞いたらだいたい覚えた(笑))。曰く「いいか、被災地はゼロじゃないんだ!マイナスなんだっ!それをゼロまで近づけるのが我々ボランティアの役目なんだ!」と。そして続けて「本当はそれは政治の仕事なんだ!しかし政治は動いてないっ!動いていても全く見えないっ!新聞には復旧復興とかバカなことが書いてあるが、まだ全然手も入っていないっ。だからボランティアがやらなきゃいけないんだ!」と。
 考えさせられる話である。「菅政権がダメだから」と言ってしまうのは簡単だが、正直それだけでもないかもしれないとも感じる。
 ただともかく、現場では原因なんてどうでもいいのだ。手が入らなければ誰かがやらなければならない。側溝の泥かきなんてユンボがあれば実は数時間で済む作業かもしれないが、無いのだから数週間かかって大汗かいて大勢の人の手でしなければならない。それでも動かないよりは前に進む。ずっとマシ。
 一つだけ言えること。少し前、東京で現職の議員の方々とお目にかかったが、とても疲れた顔をしていた。遠野のボランティアの方々の表情にはみな充実感を感じた。例え体は筋肉痛だらけで汗まみれで汚泥臭くても。
 誤解して欲しくないのだが、単純に「政治は汚くてボランティアが美しい」とか言いたいのではない。それぞれの役目があり、得失利害がある。両方の経験者としてそう思う。
 ただとりあえず僕は、今ボランティアの立場にいられたことにとても感謝したいのだ。本当に貴重な幸せな体験をさせてもらった。ボランティアで一緒に働いた方々も、遠野の方々も本当にいい人ばかりだった。仲間が一杯できた。岩手行きを許してくれた僕の周りの方々や拠点などを用意してくれた倉敷市や社協の方々、先陣の方々にも感謝。その体験を国会に持って行き活かしたいと願う。これが今回の活動の感想だ。
 ちなみに写真は釜石市立箱崎小学校から眺めた周囲。全国から寄せられた鯉のぼりがはためくが、周囲の津波跡地はまだまだ手付かずだ。

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2011年7月 1日 (金)

穴場発見!

穴場発見!
 今日も5時起床。慣れた現場の方が能率が上がるそうなので、昨日同様釜石市箱崎町の現場で側溝浚い。底が見えるようにはなったが先は長い。明日も頑張ろう。
 昨日より涼しかったとはいえ、帰ったら汗だく、泥だく。既に筋肉痛もある。そこで教えてもらった穴場のお風呂に行くことに。ゴミ風呂と呼ばれていたのでどんなところかと思ったら、清掃センターの余熱を利用した市営の入浴施設だった。表には「よねつの湯」と書いてある。なかなか粋である。受付でボランティアですと申告すると150円で入浴できとてもお得。快適に入浴してさっぱりした。湯船では地元の高齢の方が津波来襲時の話をしていた。それだけ生々しい記憶なのだろう。
 正式名称は「清養園クリーンセンター」。難は倉敷市拠点から6Kmほど離れていること。とはいえ穴場なので、今後倉敷市ボランティアで行かれる皆さんのために紹介する。

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2011年6月30日 (木)

災害ボランティア一日目

災害ボランティア一日目
 朝5時起床。でも昨晩9時半には寝たので目覚めスッキリ。6時40分に拠点を出発して遠野ボランティアセンターに。行先は、倉敷隊のTさんも班長を務める釜石市箱崎地区を選択。集合したボランティアみんなでラジオ体操して、隊長の講話を拝聴。マイクロバスで出発。一時間ほどで現地へ。
 道中の釜石市役所近辺の商店街も一階部分が破壊され津波の爪痕が酷い。目的地の箱崎地区は、大被害の出た大槌町の向こう岸だが、ほぼ二ヶ月前の陸前高田市を彷彿とさせるくらい手が入っていない。学校の3階の窓に軽乗用車が刺さっている。瓦礫片付けも進み具合にムラがあるようだ。昨日書いたことを少し訂正したくなった。一ヶ所で判断してはならない。そこで側溝掘りの作業に精を出す。
 溝に入り、スコップで堆積した泥を上げ、猫車で運び、捨てる。倉敷より涼しいとはいえ30度はある中、長袖長ズボンにゴーグル・マスク・手袋着用の作業は暑い。2リットルのペットボトルの水を用意したが最後にには飲み干した。溝掃除は倉敷でも行うが、泥の中に、岩やアスファルトの塊(大物で2Kgくらい)や瓦・タイルの破片、ガラスの破片、果ては茶碗やファックス機まで混じっているのは津波被災地ならではで、より挙げる労力を増す。注意も必要。休み休みの作業だが、終了時にはくたくただ。14時半には現地出発、遠野に戻って解散、拠点に帰った。写真はその時のくたびれた顔。
 1日で、17人がかりて、ある家の裏を片付け、道の側溝約15mを通した。それだけと言えば、たったそれだけ。これが現実だ。永田町でいう「復興」なんていつの日か??でも、それでもやらなきゃ始まらないし、終わらない。現場は黙々と体を動かすのみだし、そこにいられる幸せに感謝する。

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2011年6月29日 (水)

子どもたちの声がこんなに嬉しいものだとは

結局29日午前9時過ぎ、遠野市にある倉敷市ボランティア拠点に無事到着した。夜を徹して走ってきてくたくただったが、涼やかな風の心地良さにちょっと息を吹き返す。近所の方に伺うと、「いやあ、今日は暑いですよ」とか言われるのだが、まあ感覚の違いというものだろう。快く受け入れていただき本当にありがたい。

 一度拠点に荷物を降ろしてから遠野市ボランティアセンターや県合同庁舎などに伺い、ボランティア登録の手続きや帰り方についての打ち合わせなどを行った。その後は時間があるので、以前訪問した陸前高田市を再訪することにした。

 陸前高田は、遠野から車でだいたい一時間ほど。前回訪問から二カ月が経過しているが、重機があちこちで動いており、がれき整理が進んだ様子が一目瞭然。また、プレハブだけど新装開店のお店があって花輪が飾ってあったりもする。そして何よりも嬉しかったのが、前回訪問時にはシーンと静まりかえり誰もいなかった高田小学校に、子どもたちの活気ある声が戻っていたこと!小学校が騒がしいのはどこでも当たり前のことで普段気にとめたこともなかったが、その声がこんなに希望を感じるものだとは思わなかった。ちょっと涙が出そうになった。もちろん、前に見たままの光景も少なくなく、街が復活するのは相当時間がかかるだろう。でも現場は少しずつでも確実に前に進んでいる。がんばろう東北、がんばろう日本!

 明日からは、宮古市、大槌町、陸前高田市などのうちどこかでボランティア活動(行く先は当日決まる)。今日は早めに寝て明日に備えることにしよう。

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(写真:遠野市松崎町にある、倉敷市ボランティア拠点。屋根の下、畳の上で寝泊まりできるだけありがたい)


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(写真:拠点の近所の遠野郷八幡宮に、無事を願って参拝)

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岩手県に着いた

岩手県に着いた
岩手県に着いた
東北道から分岐した釜石自動車道の東和インターに無事到着。北陸は雨だったけどこちらは気持ちよく晴れた!昨日の岡山より涼しくて風が心地よい。一休みして遠野市に向かう。

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2011年6月28日 (火)

被災地に行ってきます!

 ということで、今日から被災地にボランティアしに行ってきます。

 予定としては、夕方車で倉敷を出発して、山陽道・北陸道・磐越道・東北道経由で明日には岩手県遠野市にある倉敷市ボランティア拠点到着。30日、1日、2日と、現地のボランティアセンターで登録して活動を行い、3日に倉敷市からのバス便到着をお迎えしてから帰路につく予定。またせっかくなので、現地の自民党岩手第三選挙区支部長の橋本ひでのりさん(親戚ではないですが、親近感わきますね^^;)を激励してくるつもり。ご自宅も事務所も流された中、浪人中でも頑張って活動されているのだ。倉敷戻りは7月の4日または5日の予定。メンバーは僕と、事務所スタッフ矢吹、高坂の三名。

 岩手の橋本さんとお話したが、まだまだ物資も届かないとか片付けも行き届かないとか、そういう地域もあるようだ。しっかり現地の方々のお助けになるように頑張りたい。昨日、剣道の稽古後にうちの長男坊が体調崩して病院に行ったが(点滴して休んだら大事ありませんでした)、熱中症対策も考えた方がよいのかな…。まあ岡山と岩手は気温が違うかもしれないが。倉敷・早島は今日もう真夏の日差し。皆さんも十分な水分補給を。

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 (写真:被災地で、なぜか「大高学区パトロール隊」の帽子をかぶって作業している人がいたら、たぶん僕です。声かけてください。写真につけているバッジも、缶バッジで作りました。現地の方々に、西日本の心意気を伝えてきたいと思ってます)

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2011年6月17日 (金)

自民党はみんなで津波被災地の片づけに行こう!

 近況をいくつか。

※※

 6月末から7月頭にかけて、東日本大震災被災地のボランティアに行くことにした。GWも済んでしばらく経ち、夏休み前の今はボランティアの数もあまり多くないという。幸い比較的時間が自由にできる立場なので、また事務所スタッフと一週間ほどの期間で被災地に行く予定だ。

 今回は、岩手県遠野市の倉敷市ボランティア拠点を利用して、被災地の片づけ等で身体を動かしてくるつもりだ。復興に少しでも役に立てばよいことだし、ひいてはがれき撤去を目途のひとつにしている菅直人総理の退陣を促進することにも繋がるので、一挙両得であろう(笑)。この際、自民党は国会でお互いにペテン師と呼んだり呼ばれたりする人たちと付き合って混迷続き(by 石破茂ブログ)な時間を空費するよりも、みんなで被災地の片づけに行っては如何だろうか(もちろん冗談です。国会議員は国会でしっかり仕事してください)。

※※

 最近は各地でミニ集会を重ねている。今の国政の話をしても、とてもとても不毛なので、GW前の被災地訪問の報告や、倉敷市津波ハザードマップなどの紹介によりそれぞれの地区の防災意識向上に努めている。昨日は「水島の未来を考える会」総会後の記念講演にお招きいただき、同様のお話をさせていただいた。広い意味での水島地区(連島・水島・福田)はもともと水害に弱く、東南海・南海地震が発生した場合、津波にも洗われる可能性がある。玉島も相当奥まで(長尾小学校や富田小学校近くまで)来るし、児島沿岸部、そして茶屋町周辺まで実は児島湖から津波が届く。政治・行政でなすべきことはあるが、それでも最終的に身を守るのは個人・家族と地域コミュニティだ。とても熱心に耳を傾けて頂けた。街頭演説も6月から再開した。

※※

 先日の「海堂ラボ」収録について、海堂尊先生のブログにて触れられていた(7ページ目)。そんなに元気だったかな?交わした約束も公開されてしまったので、がんばって実現に向けて努力します(笑)。

※※

 映画『岳』を見て以来、登山に行きたくて仕方がない。マンガは単行本を全部読んだし、今日は本屋でつい『山と渓谷』を買ってしまった。何年先になっても、いつか登るぞ!穂高へ!!

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2011年6月 7日 (火)

大連立への警鐘

 不信任案否決後、震災復興の美名のもと大連立の議論がまたぞろ復活してきた。大連立については、以前、二つのエントリをここに記してきたが、いずれも現時点でも当てはまる議論だと思っているので、再びお示ししておく。

面白うてやがて哀しき大連立(4月3日)
いま、政治に願うこと。(4月14日)

 気持ち悪いのが、新聞などのマスコミが「議論が活発化」とか煽っていること。また、「○○党は否定的」「野党間で温度差」といった表現で、大連立に否定的なことをネガティブに印象づけようとしていることだ。今日の新聞の見出しを皆さんご確認いただきたい。これって、明らかに誘導してるよね。

 大連立が起これば、そりゃ見てる分には表面上ものごとがスムーズに進むように見えて快いかもしれない。国会でヤジを飛ばし合うようなことも減るかもしれない。

 しかし、実際はテンデンバラバラなマニフェストを掲げた政党同士がまとまろうとするわけで、内部的には絶えず議論や調整、オーバーに表現すれば権力闘争が起こる。「野党は放置」ということができなくなるため、与党として大勢の人数と政党が絡み合って意思決定をしなきゃいけなくなり、むしろ一つ一つの意思決定にかかるオーバーヘッドは大きくなる。そして、そうした議論や闘争が、国会などの公開された場ではなく、夜の会食の場にて行われることが頻発し、意思決定がブラックボックス化される。昔「料亭政治」という言葉があったが、その復活だ。料亭は減っているしお金もかかるのでホテルの会議室とかかもしれないが。

 総理大臣が、エイヤっと決めれば迅速に進むようになる?しかしそれは連立化においては不可能だ。政党間の連立は、政策協議によって合意に達する。総理はそれに反することはできなくなるし、反したら内閣不信任案が一発で可決され、解散が困難な現状では総辞職するしかなくなる。国会の力は強くなるが、表面上国会はスムーズに見え、意思決定プロセスは水面下に潜る。これが大連立下の政治プロセス。密室の談合で日本の将来が決まったら、皆さんは納得するのですか。

 ものすごく具体的にたとえ話をすると、仙谷さんと森さんで夜話し合って消費税率上げが決まるとかそういう話。ホントにそれでいいの?いや、あくまでもたとえ話で、名前も仮名です(笑)

 国会でヤジを飛ばしたり、採決で造反が出たり出なかったり、たまに強行採決でドタバタするのは、密室政治に比べれば実はとても健全なことだと僕は思う。誰が何をやっているのか一目瞭然だからだ。松木さんのようなドラマが垣間見えたりもする。「まつりごと」は「祭りごと」だという側面は厳然として存在する。個々の議員の立場を離れた政策議論によって理性的に政策が決まる、なんてのは人間社会である以上フィクションだ。そしてそのドタバタを「混乱」として否定的に捉えるのは誤りである。政治の歴史は、意思決定の透明化の方向に進んできた。結果として見苦しいものが見えてしまうことも少なくないが、それは進歩・発展の結果であり、かつ全ての議員が切実に自分の意思を追求した結果でもあり(公開下であれば、サボってたらバレるから)、僕は国民が甘受すべきことだと思う。

 既存大マスコミは、ブラックボックスを取材して面白おかしく書けばスクープになる。すべて公開下で行われると、みんなが同じものを見るのでニュースが作りにくい。だからブラックボックス化を求めているのではないか。だってインターネットメディアとかって、そこまで追いかけないもんね。専業の記者を抱える大マスコミしかできないのだ。官僚もその方がうれしいかもね。こっそりといろんな仕掛けをできるから。その大マスコミの扇動に乗るのは、日本を誤った方向にも導きかねない。今だからこそ、敢えて警鐘を鳴らす。

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