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2025年7月22日 (火)

戦い済んで夜が明けて または、自民党に対する認知戦の体感的実相、そしてそろそろ目覚めませんか「保守」の皆さま

●はじめに

 参議院選挙が7月20日に行われ、翌21日に結果が出揃いました。岡山県では、応援していた小林孝一郎候補が深夜にはなりつつも当選を果たして個人的には胸をなでおろしましたが、全国的には自民党・公明党の獲得が47議席にとどまり、目標としていた50議席の確保に届かず過半数割れという厳しい結果となりました。この先の政権や自民党運営がどうなるのか気になるところですが、本稿の主題ではないので省きます。

 まずは、17日間の選挙戦、もちろんその前から選挙に向けた活動をずっと続けてこられたすべての候補者の皆さま、支援者の皆さま、その他さまざまな立場で選挙に関わられた皆さまに、心からの敬意とご慰労を申し上げます。選挙の結果には明暗がありますが、当選された方々には日本の舵取りのために建設的な議論を国会で行っていただけることを期待しますし、落選された方々には、厳しい選挙に挑戦された勇気を称え、この経験が今後の人生に生かされることを祈ります。

 さて今回の選挙戦では、SNSを使った外国からの介入について話題になりました。政府においても、青木一彦官房副長官が「我が国も影響工作の対象になっている」と述べたり、平将明デジタル大臣が「他国から介入される事例なども見て取れ、参院選でも一部そういう報告がある」と述べたりしたことが報道されました。

 こうした不当な海外からの選挙等への介入については、2022年2月に公益財団法人笹川平和財団が「“外国からのディスインフォメーションに備えを!~サイバー空間の情報操作の脅威~」という政策提言を公表しており、すでに公に警鐘が鳴らされていました。そして今回の選挙戦期間中の7月15日、(一社)情報法制研究所上席研究員の山本一郎氏が「参政党を支えたのはロシア製ボットによる反政府プロパガンダ」という文章をnoteにて公表し、この参議院選挙において具体的にロシア製ボット(ソフトウエア)が利用されてSNSで人工的に印象操作を行っており、結果として主に参政党にネットの支持が集まっていることを明らかにしました。また、自民党の和田政宗候補の支援に参加していた小坪慎也行橋市議会議員が自身のブログで記事「【選挙中の誹謗中傷対策の成功事例】防空指揮所(仮称)の開設。海外ボットの動きを人力で逆演算し、デマによる炎上を鎮火。手法はAIではなく、ボランティアが人力で直接。」を公表し、実際に特定候補の陣営としてどのようにボット対策を行っているかを明らかにしています。

 詳細はこれらの文章をご一読いただくことをお勧めしますが、ここではこれらの内容についてかいつまんでご紹介するとともに、個人的に感じる自民党内の影響についての解釈をここで記します。本来は、もちろん党内外、日本社会の各所に影響は及んでいると思いますが、まずは自民党内の話に限定します。

●「認知戦」とは

 認知戦とは、ひらたく言うと「偽情報により他人の思考を自分の思う通りにする」ことに近いことと理解しています。似たようなかつ害のない例でいえば、商業目的の広告などを見せることにより、多くの人がその商品を買うという行動に繋げることに近いです。ただしこれは広告内容に嘘偽りがない限り普通の商業行為であり何も問題はありません。また政治や選挙においても、「我が党は減税を行います!」と公約を掲げて支持を得て得票を増やそうとするのも、その一例です。もちろん選挙後に公約を果たせなければ嘘つき呼ばわりされることは覚悟しなければなりませんが、しかしそのこと自体は問題のあることではなく、むしろ言論の自由や政治活動の自由として保護されるべきことです。

 しかし、情報操作を目的として外国政府が真偽とりまぜた情報(ディスインフォメーション、偽情報)を流布し、選挙結果に干渉を図ったり社会の不安定化を図ろうとしたりするのであれば、これはわが国の主権の侵害であり防がれるべきものです。笹川平和財団のレポートではロシアや中国がこうした「認知領域での戦い」に積極的であるとされており、米国やドイツで実際に行われた例が挙げられています。

 たとえば、ドイツにおいて「事実無根の」少女暴行事件がロシア系メディアで執拗に報道され、SNSの関連アカウントを通じて拡散されたことにより、実際に各地でこの事件を批判し難民排斥を主張するデモや集会が数多く発生した例(2016年の「リサ事件」)などが述べられていました。なお筆者は先日似たようなXの日本語ポストを目撃しており、そのポストでは外国の入院中と思しき女子の写真とともに「こんなことが起こるから共生社会なんて無理!」といった趣旨のコメントが記されていたことはここで付記しておきます。

 こうしたサイバー空間を用いる外国からの情報操作に備えるための対策は、あまり日本では進んでおらず、偽情報対策を行う情報収集センターの設置や、公職選挙法、日本国憲法の改正手続きに関する法律、プロバイダ責任制限法の改正、選挙インフラの重要インフラへの指定、積極的サイバー防御実施体制の整備、政府とプラットフォーマー(XやFacebookなどSNSの運営事業者)による協同規制の取組と行動規範の策定、そしてメディアリテラシー教育環境の拡充などが、笹川平和財団のレポートでは提言されています。

●この参議院選挙において観測されたことがら

 山本一郎氏の文章では、この参議院選挙期間を前にロシアによる大規模な情報工作が日本のSNS空間で激化していることに警鐘を鳴らしています。

 具体的には

  • ロシア製ボットが、親露派大手アカウントが流す石破茂政権批判や偽情報、印象操作の投稿や動画をトレンド入りさせ、百万再生単位でバズらせている
  • アメリカでは摘発されているボットだが、日本ではプラットフォーム事業者も情報当局も対応できておらず野放しになっているため、ガセネタ流し放題になっている
  • 政府批判、石破茂、岩屋毅、公明党などへの攻撃が中心であり、利用できるものであれば参政党でも日本保守党でもれいわ新選組でも反ワクチンでも沖縄独立でも使えるものは何でも使う傾向がある(特定の政党だけ肩入れするものではない)
  • 結果的に大量の政権批判に加えて「日本人ファースト」など排外主義を煽る投稿が激増し、参政党などにネットの支持が集まっている

 といったことが観測されていることが記されており、偽情報発信限として利用されている具体的なXのアカウント名やサイト名も書いてあります。また生成AIと複数のスマートフォンを組み合わせた「クリック工場」のようなボットシステムの運用し、確認されているだけで、X上で約1,400以上、TikTokで約2,000以上、Instagram(Meta, Facebookリール)で役800以上のボットファーム(ロシア製ボット軍を動かす指令を出すサーバー)を稼働させているとのこと。この背景には、アクセスが増えて儲かるプラットフォーム側に対策を打つ経済的メリットがないこともあります。

 今回の参院選においては、10万人以上のフォロワーを持つ反政府系大手アカウントやインフルエンサーが少なくとも12件確認され、その拡散役として2,000から30,000程度のフォロワー数を持つアカウントが偽情報の拡散を担っています。これらの中身の半分以上が人の手によらないボットであり、プロパガンダはプログラムによって自動化され、生成AIによって日本語の壁を突破して、大量のガセネタをネット上に放流し、生活に不満を持つ日本国民にすべての責任は政府にあると怒らせ、攻撃される仕組みが構築されていることが記されています。

 この山本一郎氏の文章は、玉木雄一郎・国民民主党代表小野寺五典・自由民主党政務調査会長がXでリポストしてコメントを書いたことや、神谷宗弊・参政党代表も反応したことなどがきっかけとなってマスコミ報道されるところとなり、これを受けて青木一彦・官房副長官が記者会見で問われて返事をしたことが冒頭の記事となりました。したがって、日本政府としても直接内容についてコミットした訳ではないものの、少なくとも内容は承知しており否定もされていないものと受け止めています。

 また、この文章の公開翌日に、文章で名指しされたXアカウントが凍結されたことがこの文章の信ぴょう性を高めることとなりました。なおアカウント凍結は規約に基づいてプラットフォーム事業者が行ったことであり、自民党や政府が行ったとする理解は誤りです。とはいえ一昨日あたりからまたおかしなデマの流布が見られるようになりました。速やかに回復して活動を再開しているようです。

●海外ボットへの個別対応事例

 小坪慎也議員のブログ記事は、全国比例区に自民党公認で立候補した和田政宗候補のXアカウントがデマに基づく攻撃を受け、虚偽事項の公表として差し支えないコメントが横行していたところ、「防空指揮所(仮称)」という組織を設置して対応したところ正常化に成功した事例として記された記録です。このブログでは山本一郎氏の文章で挙げられたロシア製ボットについて「スプートニクブースト」と名付け、これに対抗する手段として組織立って人手で対応する手段が述べられています。

 この記事では、スプートニクブーストの挙動として、特定のワードに反応し、その投稿に「大きなインプレッション」(莫大なリポスト数やイイネ数、閲覧数など)を与えることと推測されています。日本の政情を不安定にし、政府を憎むように仕向けたり、社会全般にストレスを生じるような投稿にインプレッションを集中させたりすることで、それを最大の世論であるかのように「見せかける」効果を生み、実在の人々の怒りや悲しみを増幅させ、「人工的な分断と対立」を起こすことと述べられています。

 また、そのスプートニクブーストの影響を受けた者として、媒体の編集者、書き手(論客)が挙げられています。バズる記事を書こうと考えると、スプートニクブーストが反応するような、すなわち「真偽を問わず政府や特定の政治家を貶め、読者を怒らせるような記事」を書くと必ずバズるという学習をしてしまう。結果として、そういう種類の記事がより量産され、より多くの人が目にし、さらに怒りを掻き立てられ、行動に移ってしまう。実はこれこそが認知戦に負けた結果なのだと小坪議員は喝破しています。

 小坪議員はこれに対抗するのに「怒っている感情は本物」という認識を持った上で、応援コメントやイイネ、誹謗中傷やデマへの迎撃などをタイムリーかつ丁寧に行うことで、和田候補のアカウントの正常化を図ったことが記されています。

●スプートニクブーストの実感

 さてここまで3つのレポートや文章などの要約を記しましたが、それぞれに「認知戦」「ロシア」「スプートニクブースト」といったキーワードで繋がっていることはご理解いただけるものと思います。笹川平和財団レポートは「他国の事例と事前の警鐘」、山本一郎氏文章は「参院選前から観測された俯瞰的な実態」、そして小坪議員記事は「参院選の現場の視点からの見え方とその対応策」であり、ロシア製ボットによる認知戦の実態が複眼的にご覧いただけたものと思います。そして、おそらくは「あ、このネタそうかも」みたいな心当たりが皆さまにもあるのではないでしょうか?

 「岩屋外相は中国のスパイ」「こども家庭庁を潰したら数兆円予算ができてお金が配れる」「石破首相は公約を守らないと言った」「外国人の犯罪が増えている」etc...。外相が本当にスパイだったらそもそもそんな情報は逮捕されるまで出ないし、こども家庭庁予算は保育所運営費や児童手当などの給付が大半なのにやたらと個別の予算事業だけクローズアップして不要認定されているようだし、石破首相は党内議論を重要視する姿勢を示したにすぎないし、統計上外国人が重大な犯罪を起こしやすくなっているわけではないのです。実際は。しかしこれを読んでも、「でも岩屋さんはスパイだ!」と仰る方もおられると思います。客観的に申し上げれば、既に脳の認知機能がゆがめられ、いささか視野が狭くなっているのかも知れませんね。

 山本一郎氏文章では、日本語の壁のため「2022年ごろまでロシアや中国の対日世論工作がうまくいかなかった」と記してあり、裏を返せば一昨年くらいからスプートニクブーストは機能していたかもしれないと私は考えています。一昨年2023年は岸田政権下です。「増税メガネ」というレッテルに総理が悩まされ、ご長男の秘書官が総理官邸で家族の集まりをしたことが問題視されました。また秋以降は(これはロシアや中国がどうこうという話ではないと思いますが)派閥の政治資金収支報告書の不記載問題がクローズアップされました。年を跨いで2024年にも政治資金問題を引きずりつつ、岸田総理は任期満了で退任を表明、総裁選となり高市早苗議員と石破茂議員の決選投票となり石破総理が誕生、直ちに衆議院を解散して総選挙となり国民民主党が躍進。自公政権は衆議院少数与党となり、さらにこの夏の参議院選挙により自公政権は参議院でも少数となりました。その間に国民民主党のブームと多少の退潮があり、それに代わり参政党が注目を集め躍進する選挙結果となりました。

こうした経緯にどのくらいスプートニクブーストが影響したか、私には測定する術はありません。したがって、選挙の結果は正当なものとして受け止めるしかないものと考えています。ただ、今後も外国政府からの不当な介入を放置しておいてよいとは思いません。

●認知戦による認知のゆがみと私が考える一例

 参議院選挙で与党の苦戦が伝えられる中、Xなどで「国民の声(党員投票結果)を無視して議員で石破を総理にしたから自民党はダメ」「石破に投票した議員を落とせ」「高市総理だったら選挙結果は違ったのに」といった趣旨のポストを何回か拝見しました。また実際にそういう言葉を直接私の耳で聞いたこともありました。私にはこれはとても違和感を持つ発想でした。自民党総裁選は自民党の規定により公正に行われたものであり、疑いを挟む余地はありません。その上で厳しいことを言えば、高市候補が決選投票に進みつつも敗北したのは、高市候補にその原因を求めなければなりません。「負けに不思議の負けなし」なのであって、自分が応援する候補に投票しなかった議員が悪いという発想は、天に唾するものであることに発言者がなぜ気付いていないのか、私にはよくわかりません。少なくとも選挙で選ばれた議員が行っていい発想ではない。

 また2014年の自民党総裁選で、党員投票で165票を獲得した石破茂候補と、87票を獲得した安倍晋三候補が決選投票に進出し、安倍晋三候補が逆転して当選した結果について、党員投票の結果を優先すべきとする方々はどのように説明するのでしょうか。安倍さんは良くて石破さんはダメというのは、明らかにご都合主義も甚だしい。

 さらに失礼を承知でハッキリ言えば、決選投票前の高市候補のスピーチのあまりのグダグダさは、リーダーに相応しい資質を示したものとは私にはとても思えませんでした。これは思想とか政策の問題ではなく、資質を問うています。これが冷静に受け止められない人が支援者である限り、仮に今後総裁選が行われ高市議員が立候補されても、おそらく支援が他に広がることはないでしょう。

 仮に高市議員以外の候補を支援した議員を全員落選させたら、自民党は少数政党になりで結果として高市議員は与党の総裁になることはできません。党内の人が別の党内の人の落選運動のような言説を行うのは、正直、党外または海外からの認知戦的な介入を本気で疑う現象の一つです。まさに「分断を煽る」行為そのものですから。そもそも、ネットかリアルかを問わず、他人の前で公然とある人を批判するのは、その人に対する侮辱となり本来は避けるべきことです。もちろん自由な議論ができるのは自民党の良いところですが、場は適切に選ぶべきです。私は過去に面と向かって党幹部を批判したことが複数回ありますが、いずれも非公開の党内の会議においてです。党幹部を第三者やメディアの前で公然と批判して仮に世間ウケがあるように感じていたとしても、実際にはロシア製ボットやそれに感化された方々が多数のイイネをくれていただけで、より多くの世間さまは「自民党は組織がガタガタで信頼できない」と受け止めるのが実相でしょう。2009年の政権交代前の自民党にはそういうことがありました。再び見る日がくるのは誠に残念なことです。

 要するに、特にいわゆる「保守」と自称する方々は、センセーショナルに他責的な言説を述べ、それがバズることに慣れ過ぎているように私には思えて仕方がないのです。そしてその背景にスプートニクブーストがあったとすれば、少なくとも自民党関係者においては一番の被害者であり、そして結果として加害者となったのはこの方々ではないかと個人的には思います。実際のところ、山本一郎氏の文章が公開されXでアカウント凍結対応が行われた後、「以前より動画が視聴されなくなった」という話も耳にしました。それは、単に実力が露わになっただけで、以前が水増しされていたものかもしれないと個人的には思っています。

 今回の参議院選挙は自民党にとっても厳しい結果になりました。その結果を受けて「本来の自民党ではなかったからだ」という保守回帰的な声があることを承知しています。その方々には、今回の自民党の比例代表当選者と落選者の一覧を眺めていただきたい。いわゆる「保守系候補」と名指しされるような方々が、何名も残念ながら当選ラインを下回ってしまっています。しかし候補者である以上、候補者の得票が少なかったことの責任は、候補者で負うことが基本だと考えます。私が前回衆議院選挙で落選した責任は私にあります。同様に、自分たちの支援者が他党に逃げてしまい落選してしまったことの責任は、ご自分にもあるのではありませんか?本当に石破総理大臣が、誰がどう見てもダメでそのために支援者が逃げたのならば、すべての自民党議員が落選しなければなりません。しかしその中で当選した候補も地方区全国比例区あわせて39名もいるのです。自分たちに心地よいエコーチェンバーの中に浸かっていて、その外にある冷ややかな視線に気づいておられないだけではありませんか?

 しばしば、保守=岩盤支持層みたいな言われ方をされますが、本当に岩盤支持層とは、自民党が不人気で支持率が低下してしまってもなお自民党に投票してくださる方々を指すべきだと私は思います。すなわち津々浦々の郵便局、表現の自由を求める方々、建設業、農業、スポーツ界、医師、保育士、看護師、薬剤師、えーっと鈴木宗男先生の根強い支持者の方々、が今回候補を当選に導きました。もちろん、残念ながら落選されてしまった候補の方々を支援して下さった皆さまも大事にしなければならないのは当然のことです。しかし、本来の自民党とはどこにあるのか、もう一度この選挙結果をすこし客観的に眺め、誰かの批判をする前に、自分たちの支援者をより地道に増やす努力に力を割いてていただいてもよいのではないでしょうか。支持者のうちどこが岩盤でどこが浮動層なのか見極め、それぞれに対して適切に対策を講じること。それが大事だと、私自身も落選中の身として考えています。

 それでもなお「こんな選挙結果になるはずじゃなかった!」と思う方がおられるのであれば、スプートニクブーストの介入の影響を考慮し、自分たちの物の見え方が気づかないうちに水増しされたりゆがめられたりし、実は一定の行動に他者から誘導されたものになっていなかったかちょっと振り返っていただいてよいのではないか、とも思うのです。

 小坪議員が別のブログ記事にて、戦前のロシアスパイ事件「ゾルゲ事件」をとりあげています。題して「【露のスパイは愛国者の仮面を被る】ゾルゲ事件、政権内部に入り込んだコミンテルン~尾崎秀美(朝日記者)【日本を戦争に煽動】」です。本当に保守を標榜するなら歴史を鑑みなければなりません。貴重な教訓として、ぜひご覧ください。私は自民党の中にスパイがいるとはさすがに思いません。しかしロシア製ボットに無意識のうちに影響されてしまっている人はそれなりにいるかもしれないと思っているのです。

●夜明け

 今回の参院選挙ではXやInstagram、YouTubeなどで「#ゆる自民 (非公式 自由民主党応援アカウント)」(@yuru_jimin) という活動が有志により行われました。自民党の候補者に対して応援するだけではなく、デマ情報等に対して優しく丁寧にうち返し、AIを駆使して石破総裁や候補者をイジる動画(たとえば石破総理が激しくドラムを叩くAI動画とか、武見敬三候補がホームランを打つAI動画とか…)をアップして、自民党の公式広報ではできない、かつ批難やデマではない応援の仕方を試みておられました。また、小坪議員のブログでも、防空指揮所という名前は厳ついですが内容的には「怒りの感情は本物」と受け止めて、寄り添った対応をすることに務めたという記述があります。

 分断や怒りを誘発するボットには、もちろん根本的にはプラットフォーム事業者による対応やいずれは立法等による対応が必要ですが、現場では人手による丁寧な対応が一定の奏功があったものとも感じました。もちろん大変な手間ではあったでしょうが、そういう意味で、まだ希望はあるものと思っています。

 まずは自民党を構成する方々が、自分たちこそが認知戦の対象となり一定の影響を受けていたことを自覚すること。他にも大事なことがありますが、まずはそれこそが自由民主党再生への道だと個人的には思います。そこに期待しているからこそこの文章のタイトルが「夜明け」なのです。どうぞ一人でも多くの方に思いが伝わりますように。

Photo_20250722204601
(図:「他国からの認知戦の影響を受けたり、それを防いだりした参議院選挙が終わり、夜明けが訪れるというイメージの画像を、アニメタッチで描いてもらえませんか?」とChatGPTに頼んで書いてもらったイラスト。いくつも脳が浮いていて気色悪いけど、まあいいか)

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23.雑感」カテゴリの記事

コメント

ちなみに参議院選を想定したもので3年くらい前の資料ですが

もし他の国の機関などが偽情報を使って政治に干渉してくる場合どういう意図をもってどういう内容のことをやってくると思いますか?
ChatGPT

他国の機関が偽情報を使って政治に干渉してくる場合、その目的や意図、そして使用される内容は多岐にわたります。一般的に、そのような干渉の主な目的は以下のように分類されます:
分断を深める

社会内の既存の亀裂や対立を利用して、分断を深めることで、社会の結束を弱めることが一つの目的です。
人種、宗教、政治的立場、社会経済的地位など、さまざまな要因を利用して社会内のグループ間で対立を煽ります。

不信を植え付ける

政府機関、選挙プロセス、メディア、または他の公的機関への不信を植え付けることで、民主主義的制度への信頼を低下させます。
これには、選挙の不正や政府の不正行為、政治的汚職などの虚偽の主張を含めることがあります。

特定の政策や議題を推進

特定の政策や議題に対する支持または反対を煽ることで、公的な意見や政策決定プロセスに影響を与えます。
環境問題、移民政策、国防政策など、特定の国の利益に沿った政策を推進するために情報操作を行うことがあります。

特定の候補者や政党を支持または非難

選挙において、特定の候補者や政党を支持または非難することで、選挙結果に影響を与えます。
この目的で使用される内容には、候補者のスキャンダル、過去の失言、政策上の失敗などが含まれることがあります。

混乱を引き起こす

社会の不安定化を目指し、混乱や恐怖を引き起こす情報を拡散します。
自然災害、テロ攻撃、健康危機など、不安や恐怖を煽るような情報が使用されることがあります。

使用される偽情報の内容:

偽のニュース記事や報告: 実際には存在しない出来事や、大幅に歪曲された情報を含むニュース記事。
ディープフェイクや合成メディア: 高度なAI技術を使用して作成された、実在しない映像や音声。
誤解を招く統計やデータ: 誤った文脈で提示されたり、操作された統計やデータ。
プロパガンダや陰謀論: 政治的なメッセージを伝えるためにデザインされた内容や、根拠のない陰謀論。

干渉する側の意図によっては、これらの手法を組み合わせて使用することで、特定の目的を達成しようとすることがあります。したがって、このような活動に対抗するには、情報の出典を慎重に検討し、複数の信頼できるソースから情報を得ることが重要です。

こういうことも言われています
これ、陰謀論だろうと思っていたけど今の参議院選見ると、うん、言えている

投稿: 万世橋秋葉 | 2025年7月23日 (水) 01時27分

ここ最近私の思っていた事をやっと代弁して頂いた様な思いです。

正直、安倍政権時代の石破総理の背中打ちはとても不快でしたし、御自身の過去の言動がそのままブーメランになっている現実もあるかと思います。でもハッキリ言える事は、安倍さんの担った重責、苦悩を共有している同志は、菅元、岸田前、石破総理であり、衆、参共に「安倍の威を借る」あの方達ではないと言う事です。

因みに沖縄県民として、奥間亮氏に1票投じました。公約に離島対策を掲げていました。石破総理と親和性が高かったのにと思うと残念でなりません。

投稿: えむ | 2025年7月23日 (水) 04時22分

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