第50回衆議院総選挙への支援のお礼とご報告、いくつかの感想
●結果のご報告
10月15日(火)公示、27日(日)投開票の日程で、第50回衆議院総選挙が施行されました。大変多くの方々からお励ましとご支援を賜り、橋本がくは75,400票を得票いたしましたが、小選挙区、比例中国ブロックいずれも落選となり、通算5期お預かりしていた衆議院の議員バッジを外すこととなりました。在職中および選挙期間中にお寄せいただいたご厚誼とご支援に篤く感謝申し上げます。またご期待にお応えできなかったことを、心からお詫び申し上げます。誠に申し訳ありませんでした。
落選の原因は、すべてひっくるめて私の力不足によるものと考えております。自民党に対する逆風は感じましたが、その中でも当選を果たした同僚はいるわけですから、落選の原因は自分に求めなければなりません。足りなかったことをしっかり反省し改善をしながら、日本を前進させるために、次の衆議院総選挙での再起を期して引き続き倉敷・早島で活動を続ける所存です。反省点や改善点については現在さまざまな方々のお話を伺いながら整理をしているところであり、次の選挙に向けて活かしていこうと考えています。
その上で、そうした反省点等とは別に、選挙期間中からその後を通じて感じたことを、いくつか記したいと思っています。
●政治資金の問題は厳格な対応が必要
選挙期間中に強く感じたのが、政治資金不記載の問題についての厳しいお声でした。いわゆる『裏金』問題は、他党ご支持の方はもとより、普段は自民党をご支持いただく方々、特に小規模事業者の方々をも強く失望させてしまっていたように感じました。「うちの売り上げを仮にその辺に放置して帳簿に書かないでいたら当然脱税扱いになるのに、政治家がぐにゃぐにゃ言って大したお咎めもないのは、全くおかしい」という受け止めは、誠にごもっともとしか言いようがありません。もちろん、税法と政治資金規正法は違うのですが、政治資金の扱いが一般の税の扱いと比較してルーズであること自体に疑問が持たれている以上、例えば「法律/ルールに則った対応をしている」という言葉自体が不信感を持たれることに繋がっていますし、その言葉が発せられるたびに「自民党は我々の感情を理解していない」という不満を募らせることに繋がっていたものと、強烈に実感しました。
選挙後、相手候補の演説を動画で拝見しましたが、少なくとも私の理解では「税金が裏金になって自民党の懐に入って儲けになっているので、物価高に対する国民の負担軽減策にお金を回せない。だから裏金政治を変えよう!」という、いくつかの事象と空想をツギハギした主張をされていました。しかし、こうした主張すらなんとなく説得力を持って聞こえてしまう空気に対して適切に対抗することができなかったことが、自民党と私の失敗であるともいえるでしょう。
選挙期間12日間を通じ、この問題についてお詫びを申し上げながら演説をしていましたが、必ずしもこのご不満を解消するに足る訴えができていなかったことを反省しています。最終日マイク納めにて、この点についてお詫びとともに「自民党の倫理観を叩き直します」という発言をしましたが、時すでに遅しでした。
振り返れば、1月の時点で個人的にはこの問題に関して党内の空気と世間の空気の落差に危機感を持ち、だからこそ岸田文雄総理に向かってバッジを外して責任を取るよう求めました。周囲は唖然としていましたが、あの時の私の直観と主張は正しかったと今でも思っています。むしろその後は執行部の対応を見守ってしまったことが、誤りであり甘えでした。結果として自らがバッジを外すことになりましたが、主権者たる国民の審判の結果として、厳粛に受け止めます。この問題については、いっそのこと政治資金収入も課税と同等の扱いにするなど、収入の扱いの厳密さに関する国民と政治の衡平という観点に立った解決を期待します(とはいえ完全に課税収入扱いにするのは、政治活動を一般営利活動と見做すことになるので如何なものかとも思いますが)。
(以下ご参考までに、いわゆる『裏金』の問題に関するその都度のブログを掲げます。併せてご覧ください。
・令和五年末のご挨拶 (2023.12.31)
・令和六年正月にあたり、政治資金の問題について (2024.1.18)
・政治資金問題のけじめと派閥の今後について (2024.2.2)
)
なお選挙戦後半に報道された、非公認の候補者への2000万円の振り込みの問題は、体感的には、最終盤の投票行動に影響はあったかもしれないとは思います。とはいえその前から空気は冷え込んでおり、もとの『裏金』問題の方が影響は強かったと思っています。強いて言えば、劣勢を挽回しようと努力していたところに止めを刺されたような感覚というのが近いかもしれません。
●柚木氏らの演説について
先ほど、相手候補であった柚木氏の主張について少し触れました。そもそも、他候補の主張を見る機会は選挙中は無いためあまり関心を持たずにいたのですが、ある方が以下のような動画を作成してYouTubeにアップされていましたので、今回確認をしてみました。
【証拠動画】枝野・柚木が暴走演説!対立候補(橋本岳)の裏金疑惑をでっちあげ、セレブ大名行列を行ったという虚偽情報を流布【KSLチャンネル】
この方は、これまで私と全く接点も無く、自発的にYouTubeやXにアップしていただいて私も初めて気が付きました。ただ、何人の方からこれはどうなのかという問い合わせをいただきましたので、Xにて以下の通りコメントをいたしました(Xの投稿)。
動画作成、ありがとうございます。柚木みちよし氏と枝野幸男氏の「金をかけたセレブ選挙」「大名行列」「倉敷の中小企業が買ったパーティ券が裏金になっているんですか」などの誤解を促すような演説内容に憤りを感じております。動画内での両氏からのご指摘についてコメントいたします。
選挙カーは、公職選挙法に準じて運用しており、地域の支援者の方々が【ボランティアで先導や後続】をして下さっております。お金をかけて長大な車列を運行しているかのような表現は、全く不当です。
また、橋本がくはそもそも政治資金の【不記載はなく】、あたかも地元中小企業の資金からいわゆる「裏金」を作っているような印象を与える表現は、誤解を誘導する極めて悪質な表現だと思います。
なお、柚木氏も年間で複数回、政治資金パーティーを開いておられますので、政治資金はしっかり集めておられるものと承知しています。「裏金を作りたくても作りようがない」という表現も、厳密には間違っていると感じます。
総じて、「金をかけたセレブ選挙」などと表現されるのは、私を支援してくださる全ての方々を侮辱するものとも思われ、極めて不本意です。
以上、「一体どーなっとんなら」との多くの問い合わせをいただきましたので、こちらでコメントさせて頂きました。長文失礼いたしました。
#橋本岳 #岡山4区
#枝野幸男 #柚木みちよし
@ksl_live
これまで、私は相手候補の方について演説で触れることはできるだけ避けておりましたし、取り上げる場合は議員としての敬意を払って触れておりました。今回ほぼ初めて、柚木氏らの選挙時の演説についてきちんと動画を拝見しましたが、私個人に関して誤解を導くような表現が散見されるのは誠に残念であります。たとえ「柚木さん、…という風に声をかけてくださる方がいたのですが」という誰かの発言を引用する形であっても、スポーツ新聞のように最後に「か?」とつけた疑問形であっても、聞いている方に事実と異なる理解を促す表現をされたのであれば、いずれにしても選挙の公正を害する行為とも考え得るものと思います。また、私の家族や、ご支援いただいている方々にも大変失礼なことです。
この演説のみならず、私に関する風説の類で、真相と異なる内容のものをしばしばあちこちで耳にします。これまで黙って耐えておりましたが、今後は適切に反論等を行うことも考えていかなければならないと考えます。
●その他いろいろ
今回の選挙では、LINEやX、Instagram、YouTube等のアカウントを刷新し、動画やイラストなども活用して過去の実績や応援動画、日々の運動動画などをアップしました。急な選挙であり準備時間が極めて限られていましたが、多くの方々のご協力により他候補にひけを取らないネット選挙運動ができたことは、良かったと思っています。支えていただいたチームの皆さまに深く感謝もうしあげます。特に長男くんの動画編集能力には、とても助けられました。やっぱり若い世代に頼らないといけないですね。
・橋本がく X
・橋本がく事務所Facebook
・橋本がくFacebook
・橋本がく LINE
・橋本がく日本前進チャンネル(YouTube)
・橋本がく 公式インスタ
・橋本がく私的インスタ
選挙期間中、政党やメディアが電話や出口での聞き取りなどで情勢調査を行います。このデータをもとに情勢記事等が書かれ、当確等の判断材料となるわけですが、データそのものは基本的には公開されるものではありません(ただし今回は、NNNが出口調査の結果を公表されており大変参考になります)。しかし、教えてくださる方がいたりして、耳に入ってきます。選挙期間前から期間中を通じて、どの調査でも概ね私と柚木候補で横一線かやや私の劣勢という数字でした。ただ、肝心かなめの自民党の調査で、期間中盤の調査結果が「10ポイント超の橋本リード」というあり得ない結果が出ていました。個人的には、そんな筈ないから何かの間違いと考えて忘れることにしましたが、仮にこの調査結果に基づいて岡山二区まで遊説に来た石破茂総理が岡山四区に来なかったのだとしたら、とんだ迷惑もいいところです。自民党の情勢調査の精度については、然るべく検証をしていただきたいと切に願います。
選挙の結果、ご存じの通り自民党・公明党の与党で215議席の獲得にとどまり過半数に届きませんでした。無所属の方を会派に加えたとしても多数にはなりません。他党の連立参加がなく、しかし首班指名で石破茂総理が指名され組閣されたと仮定すると、自民党・公明党だけでは衆議院では少数与党となります。これはどういうことかというと、(1)法律・予算は自民党・公明党だけでは成立させることができず、他党の協力が必要、(2)野党がまとまればいつでも内閣不信任案が可決できるため、常に総辞職か解散のリスクを含みながら政権運営を行う必要がある、(3)他方、参議院は依然与党が多数を占めているため、野党提案の議案は衆議院を通過する可能性はあるものの、参議院では否決されるため成立しない、といった状況が現出する国会の構成となります。そして、来年夏には参議院選挙があるため、仮に私が野党党首で本気で政権交代を狙うのであれば、来年夏のダブル選挙で一気に政権獲得を目指すシナリオを描く状況です。ですから、与党としてはそうならないように必要最小限の議案のみを提出し、丁寧に野党と交渉をしながら綱渡りの政権運営を行うこととなります。それでも話が進まなくなれば、総辞職か解散しか選択肢がなく、いずれにしても安定した国会運営は相当の困難をともなうものと思われます。ただその中でも、少なくとも政治資金規正法改正等の改革は行わなければなりませんし、能登半島地震・豪雨災害への支援や物価上昇への対策等課題は山積です。政権の粘り強い取り組みを期待しますし、また野党もこれまでのように自己主張一辺倒ではなく、国政に一定の責任を持つことを自覚されることを期待します。
●まとめ
重ねて記しますが、今回の私についての選挙結果の責任は、すべて私にあります。そのことは肝に銘じ、地元倉敷・早島の多くの皆さまやご支援いただく皆さまにお力をいただいてここまでやってくることができたことに感謝しつつ、この試練を乗り越えてより成長できるよう自分を磨き、臥薪嘗胆の努力を重ねて次の衆議院選挙での当選を目指す覚悟です。もとより楽なことではありませんが、何よりも皆さまのお役に立つことが私の務めであり、そのためには次の選挙における当選が必須です。課題山積みな日本を前進させます!
今後とも、橋本がくに対してご指導ご鞭撻を賜りますよう何卒宜しくお願い申し上げます。
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コメント
相手候補の演説動画を見ました。
あまりにも悔しい。事の発端は自民党であるため襟を正さなければなりませんが、嘘やデマで聴衆を誘導することは候補者として、いや政治家として許されるのか。悔しい
投稿: 川崎ひでと | 2024年11月 6日 (水) 21時14分