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2024年3月 2日 (土)

予算委員長小野寺五典君解任決議案 反対討論

 令和6年3月1日、衆議院本会議において、令和6年度予算案審議に関連して立憲民主党が提出した予算委員長小野寺五典君解任決議案が議題とされ、与党を代表して反対討論に立ちました。その内容をここで記しておきます。動画は衆議院インターネット中継にてご覧いただけます。

 ちなみに、決議案の趣旨弁明において提出者山井和則議員は、しきりと「80時間がルール」と主張していましたが、あくまでも慣例的な目安であって明文ルールではありません。過去10年以内でも何回も審議時間80時間未満で予算案を採決した例はあります。また討論中触れたように野党の質疑時間は昨年と並んでおり、与党の質疑時間が昨年より少ないので76時間になっているのが実際です。ですから山井筆頭は、実質的には与党の審議時間が少ないことを与党に抗議するという、筋の通らない理由による趣旨説明を3時間にわたりされていたことになります。新記録達成おめでとうございます。

 なお野党提出の決議案等の反対討論に立つのは人生二度目で、前回は6年前の厚生労働委員長高鳥修一君解任決議案への反対討論でした。


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 自由民主党・無所属の会の橋本岳であります。

 私は、自由民主党ならびに公明党を代表し、ただいま議題となりました、予算委員長小野寺五典君解任決議案に対しまして、断固反対の立場から、てきぱき討論を行います。

 まず冒頭、本年元日に発生した令和6年能登半島地震によって亡くなられた全ての方々のご冥福を、心からお祈り申し上げます。また、被害に見舞われ、今なお厳しい生活を送っておられる被災者の方々に、改めてお見舞いを申し上げます。

 さて、我が国経済は、昨年30年ぶりとなった高水準の賃上げの実現や、企業の意欲的な投資計画の策定など前向きな動きが見られています。さる2月23日には、日経平均株価が34年ぶりに最高値を更新しました。こうした中、足元の物価高に対応しつつ、構造的な賃上げや、民需主導の持続的な成長を実現することが重要です。また少子化対策や安全保障体制の充実など、令和6年度予算案は、時代の変化に応じた先送りできない課題に挑戦し、その成果を掴み取るために必要不可欠な予算であります。

 そして何より、この予算案には、能登半島地震で被災された方々の命を守り、生活・生業の再建をはじめ被災地の復旧・復興に対応するための財政措置が講じられております。諸施策が切れ目なく一刻も早く実行できるようこれを早期に成立させることが、被災地から強く求められており、我々国会議員が国民から負託された責務であると考えます。

 一方、我々自民党の派閥パーティに関する政治資金不記載の、いわゆる“裏金”の問題で、昨年来、国民に対して政治への不信を招いてしまったことは、誠に申し訳ないことであり、自民党の一員として、私からも深くお詫びを申し上げます。国民の信頼なくして政治の安定はありません。私の父・橋本龍太郎は、行革担当大臣として公務員人事制度の改革に取り組むにあたり、「信賞必罰」という言葉を説きました。今後、自民党が国民の信頼回復に取り組むにあたり、改めてこの言葉を自らのこととして臨むべきであると、この場を借りて申し上げます。

 さてこのような中、今国会は異例の幕開けとなりました。通例では、政府四演説は国会の召集日に行い、その後各党からの代表質問という流れとなります。しかしながら今国会は四演説前に、予算委員会において「政治資金問題等」をテーマとする集中審議を行いました。この国民の期待に応え、この委員会の開会を決められたのは、まさに小野寺委員長であります。

 小野寺委員長は、昨年10月の予算委員会で、公正かつ円満な委員会運営を図る旨、述べられました。その言葉通り、令和6年度予算の委員会審査においても、各会派の意見や主張に耳を傾け、まさに公正かつ円満な委員会運営に真摯にご努力されました。野党からの資料要求や集中審議の開催についても、その実現に向けて誠心誠意尽力されました。公聴会の開催日程についても、やはり異例の対応をされました。さらに申し上げれば、本案提出者でもある山井和則野党筆頭理事のご要望とご協力により、理事会において緑茶のご提供があり、その結果とても和やかな理事会運営が行われたことには感謝を申し上げますが、これを受け入れ決定したのも小野寺委員長であります。

 さきほど審議時間が足りないというご主張がございましたけれども、本日本来は計7時間の審議を経て、計76時間の総質疑時間となり、国会召集前と後の予算委員会集中審議を加えると、81時間30分となる予定であります。そもそも、昨日の公聴会後、あるいは分科会後、与党は審議の提案をいたしましたが、それを断られたのは、山井筆頭、あなたではありませんか。野党の審議時間だけを見ても、現時点では56時間を積み上げており、解任決議案が出されずに委員会が開催されていれば、62時間となり例年と変わらない審議時間となった筈ではありませんか。これこそ小野寺委員長が如何に公平に委員会運営に取り組まれていたかの証左ではないか、このように思います。

 なによりも、審査中委員長席を一度も外すことなく、常に議論に耳を傾け公平に運営に当たられた誠実なその姿を、野党の皆さまも、ずっとご覧になってきた筈ではありませんか。その小野寺委員長になぜ解任決議案が出されるのか、私には全く理解ができません。

 昨日、残念ながら与野党の協議が整わない中、小野寺委員長は、予算成立に向けて委員長の職権により委員会の開会を決定されました。これは、自らも13年前の東日本大震災の被災者として辛い体験をされたことも踏まえ、能登半島地震の被災者の方々の声をはじめとする国民の期待に応じ、我が国喫緊の課題に対応するための予算案を預かる予算委員長として、その職責に忠実であっただけに過ぎません。にもかかわらず提出された本決議案は、単なる国民不在の日程闘争と理解する他なく、むしろ国民に一部野党のだらしなさを印象付けるのみに終わるものであります。我々は断じてこのような決議案を容認することはできません。

 以上、小野寺五典委員長への、根拠のない、不当な解任決議案には断固反対であることを重ねて表明し、議場の皆さまには、こぞって青票を投じていただくようお願い申し上げ、私の反対討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。

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