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2023年7月 9日 (日)

安倍晋三元総理の一周忌にあたり ― The Show Must Go On

 昨日令和5年7月8日、安倍晋三元首相の遭難から一周年となりました。残念ながら参加できませんでしたが、芝の増上寺では一周忌の法要が行われたようです。改めて故人のご冥福を、深くお祈り申し上げます。

 この出来事は、もちろん日本にとっても、私自身にとってもインパクトのある出来事でした。ただ当時の気持ちは当ブログに「安倍晋三首相をしのぶ」(22.7.14)として記していますし、一年経ったからといって特に付け足すこともありません。また安倍総理により親しくされていた方々が多数いる中で、「故安倍晋三元総理の遺志を引き継いで頑張ります」などと私が表明するのも僭越であろうとも思います。そこで、この衝撃的な日を振り返り、強く感じたことを記したいと思います。

 この日は参議院選挙の終盤でした。前日7日には安倍晋三元総理は岡山県に来られ、晩には岡山市民会館にて小野田紀美候補の応援演説をされました。当日8日は、小野田紀美候補の選挙カーは倉敷市の児島を出発し、福田、連島を経由して玉島を通り、夕方に金光に抜ける日程でした。小野田候補の選挙カーが岡山県第四選挙区を走行している間は、それぞれの地区の県議会議員の先生にご先導をいただきながら、私も同乗して街宣チームの運行責任者としての役割を務めます。この日も朝8時の出発から小野田候補が助手席、私が助手席の後ろの席に乗車して、沿道の方や集まってくださった方々に懸命にご支援を訴えていました。

 車中、メッセンジャーで同僚から「奈良県で安倍総理遭難」の一報を受け、Webで確認するとまさしくそのような報道が流れており、連呼を続けているウグイス嬢を除く皆が沈黙に包まれました。特に、前日に安倍元総理から直接力強い激励を受けた小野田候補の衝撃たるや、いかばかりだったかと思います。私自身も、どこか他所の国のニュースかのような、信じられない感覚でしたが、何度報道を見返しても日本の奈良県での出来事で、銃撃を受けて倒れたのは、昨日岡山にいた安倍晋三元総理その人でした。

 しかし車は走っています。茫然自失している暇はありません。他陣営は活動を中止したという話も聞こえてきました。もしかすると、小野田紀美は最も喪に服すべき候補者の一人だったかもしれません。しかし、そこでふと頭に浮かんだのが、クイーンの名曲”The Show Must Go On”でした。フレディ・マーキュリーが既に健康を害していた最晩年の曲です。政治や選挙をショー扱いするのは不謹慎のそしりを逃れないかもしれませんが、しかしまさに私たちは自分の人生を賭けて選挙運動をして皆さんにご覧いただいているのであり、私たちの同僚としての安倍晋三元総理は、多くの観衆の前で演説中に結果として命まで賭けてしまったのです。

 昨日小野田候補を激励した安倍元総理は、小野田が運動を止めて自分に喪に服すことを望むのか、それとも奮起して当選を目指してより一層励むことを望むのか。選挙には人一倍思い入れのあった安倍晋三元総理を想えば、私には、後者しか道はないと思いました。ショーは、続けなければなりません。たとえ暴力による妨害があっても、恩人が命を落とすことがあっても。それによって、有権者の方々が、選択肢としての候補者を見る機会を失わせてはなりません。民主主義が暴力に屈したことになってしまいますから。そうした思いで、私の持ち場を選挙カーが走っている間は、活動を続行させました。最終的には、夕方に金光に選挙カーが到着した時点で、党本部の指示もあり党岡山県連の判断で活動中止となりました。運動している間、小野田は辛かっただろうと思います。少し厳しいことも言いました。しかし候補者としてやり抜いた彼女は立派でした。

“The show must go on The show must go on, yeah Inside my heart is breaking My makeup may be flaking But my smile, still, stays on”

おそらく、本当にこのような感じだったことでしょう。

 安倍晋三元総理の一周忌にあたり、SNSではさまざまなコメントがありました。不在を嘆く声も多く、この一年間で日本の政治は悪化の一途をたどっている、といった趣旨のご意見もありました。その方にはきっとそう見えているのでしょう。それでも、有権者にご信任をいただいた誰かが日本の政治を続け、前に進めなければなりません。内心で、どんな思いを持っていても。

 この機会に、私も現にその一翼を担う者として、さらに前に進むことを誓います。

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