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2020年9月21日 (月)

デジタル庁への期待 -Whatの政治とHowの政治

 菅義偉内閣が16日に発足し、組閣が行われました。おそらくは7年以上におよぶ官房長官経験の中で選りすぐった大臣を任命したのではないかと思われる手堅い人事ですが、特にメディア的に注目を集めているのは、平井卓也IT担当大臣と、河野太郎行政改革担当大臣のように思われます。平井大臣はさっそくデジタル庁実現に向けて行動を開始していますし、河野大臣も縦割り110番を開設し、また夜中におよぶ大臣就任記者会見や、文部科学省の副大臣歓迎行事などに疑問を呈しておられます。

 振り返ってみると、菅総理自身が、大きなビジョンを掲げて日本を引っ張るというよりも、具体的かつ身近な目標を掲げて(携帯電話の料金を安くするとか、希望する自治体に納税できるようにするとか)着実に実現して成果を上げる仕事師タイプな方のように思われますし、厚生労働大臣の折に副大臣としてお支えした加藤勝信官房長官も、どちらかというと近いタイプかもしれません。そういう意味では、安倍政権時の再任の閣僚が多いですが、菅総理の色もきちんと出した内閣といえるでしょう。

 あるいは言い方を変えれば「何を実現するか(what)」よりも「どうやって実現するか(How)」をより強くテーマとした内閣といえるかもしれません。デジタル化にしても、縦割り行政根絶にしても、いずれも政策実現手段の問題にすぎません。しかし、安倍政権ではコロナ禍のもと「どうやって実現するか」の部分でかなり躓きました。3月頃に「全国民に布マスクを配布する」という政策を打ち出したことは悪くなかったかもしれないが、調達や配布に時間を要して6月になり時期を逸してしまった。持続化給付金は必要な政策だったが、その実現手段としての外注委託が問題とされた。全国民への10万円の給付についても、自治体により時期のバラつきが生じた。雇用調整助成金のオンライン申請は、プログラムミス等が発見され再開に時間を要した。全て、政策そのものではなく、実現手段に足を引っ張られてしまいました。実はこのHowの部分、別の言い方をすればロジスティクスやそれを支える情報インフラといった政策実現手段が、政策の成否にとってとても重要なのです。日本軍はロジスティクスと通信の軽視で敗北したとも言われます。残念ながら、国民性というものはなかなか変わらないのかもしれません。しかし変えなければなりません。

 平井卓也IT担当大臣とは、インターネット選挙運動解禁の公職選挙法改正の際に、ふくだ峰之元衆議院議員とともにチームとしてご一緒しました。この時には、自民党内および全会派による協議会内で立法に必要な議論を整理し最終的には国会で一本化して改正法案を成立させるという法制度構築的な活動と、同時に自民党ネットメディア局として参議院選挙におけるネットの活用について具体的にさまざまな対策を具体化する(アプリ「あべぴょん」開発もその一つですが、それだけではありません)活動を平行して行いました。政府においてデジタル化を議論する際には、この両面を同時に行う能力が必要となります。その際にありがたかったのは、いろいろ提案すると「それいいね、やろうよ!」と言ってくれるノリの良さです。「あべぴょん」というネーミングもそんな感じで決まったような気もしますが、これはとても大事なのです。大臣本人がコードを書く必要はありません。方向性を示し、コードを書けたり法律を書けたりする人をノビノビ仕事させてくだされば、物事は進んでいくのです。そういう意味で平井大臣の仕事ぶり、そしていずれ設置されるであろうデジタル庁に、大いに期待を寄せています。

 たとえば厚生労働の分野でも、まずはコロナ禍の中でいかに海外からの大勢の旅客の検疫および健康管理をスムーズかつ的確に行い東京オリンピック・パラリンピックの成功と感染制御を両立させるかという大課題があります。この克服のための情報インフラ整備は省庁横断的にかつ急ピッチで実現しなければなりません。またオンライン診療も拡大されマイナンバーカードによる保険資格確認ももう少しで実現するところまで来ましたが、一方で医師等の認証はデジタル化されていないという課題もあります。新型コロナウイルス感染症のワクチン接種も、やはり全国民を対象とする事業を急いで行うデジタル化必須の業務です。こうした諸懸案の克服に向け、引き続き私も力を尽くします。


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