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2020年3月15日 (日)

ダイヤモンド・プリンセス号の対応を終えて

 まず、ダイヤモンド・プリンセス号に関し、7名の方が治療の甲斐なく亡くなり、多数の方々の感染が確認されています。亡くなられた方々に心からお悔やみを申し上げますとともに、今なお入院中の方々には、一日も早いご快癒をお祈り申し上げます。

 さて同船内で対応にあたり、3月1日朝に下船して14日間症状なく経過したため、宿泊施設での自己検疫を解き、週明けから物理的に職場復帰することとなりました。振り返ってみれば、2月10日に加藤勝信大臣から自見はなこ大臣政務官とともに現地対応を命じられ、翌11日から船内常駐でしたので、ほぼ世間に出ずに1か月以上の期間が経っています。その間、国内および海外でも新型コロナウイルス感染症は猛威を振るい、WHOがパンデミックを宣言するまでに至りました。一方、昨日安倍総理が記者会見で表明した通り、検査体制や医療体制の整備をはじめ各種対策が実行に移されています。気持ちを引き締め、引き続き対策にあたる所存です。

 今回の検疫では、DMATをはじめ多くの医療関係者の方々や感染症対策の専門家の方々にご協力を頂き、業務を終えることができました。またLINEやソフトバンクをはじめとする情報通信系の企業の皆さまにもお力を賜りました。その他ご協力いただいた数多くの皆さまに、心から感謝申し上げます。

 ダイヤモンド・プリンセス号の3,711名の乗客・乗員の皆さまにも、検疫へのご協力を感謝申し上げます。そもそも検疫とは、日本への感染症の上陸を極力防ぎ遅らせるという公衆衛生上の目的のために、感染症が発生してしまった船舶にたまたま乗船していただけの方々を強制的に足止めし、自由を束縛することに他なりません。短くても二週間、長ければ一ヶ月以上にわたり船内や宿泊施設あるいは医療機関での生活というご不便をおかけすることで、日本への新型コロナウイルスの上陸をコントロールしました。その間に、政府がさまざまな対策を実施するための時間が稼げたのです。重ねて御礼申し上げますとともに、皆さまの今後のご健勝をお祈り申し上げます。特に今回は、乗客の検疫を乗員の皆さまにも支えていただかざるを得ませんでしたが、ジェナロ・アルマ船長はじめすべての乗員の皆さまには、自らも感染の恐怖もあったであろう中で乗客へのサービスをやり遂げていただきました。その勇気とホスピタリティには、心から敬意と称賛の意を表します。検疫を終えられ各々の故郷や家に戻られた際には、温かく迎えられるよう願ってやみません。

 船内での対応については、検疫官や厚生労働省職員、DMATやDPATといった支援チームの方にも感染者を出してしまった反省も含め、今後政府において検証されることとなります。包み隠さず協力し、今後の教訓につなげたいと思っています。早速ですが、先日には米国の政府関係者やCDCの方々に対し、自見はなこ政務官とともにダイヤモンド・プリンセス号での経験に関して電話でご説明しました。サンフランシスコにおけるグランド・プリンセス号の検疫も、私たちの経験を活かし、より順調に行われることを願っています。

  感染症対策の難しいところは、ややもすると人間関係や国家間の交流や関係そのものを断絶してしまいかねないことではないかと感じています。しかしあくまでも封じるべきはウイルスであり、人ではありません。協力関係が損なわれることは、結果としてむしろ感染症を拡大させてしまうことにもつながり得ます。こまめな手洗いなど一人ひとりの取り組みを積み重ね、皆で力をあわせて新型コロナウイルスを封じる社会を目指し、稲津久副大臣、小島敏文・自見はな子両大臣政務官、そして厚生労働省の皆さんともども、加藤勝信厚生労働大臣を支えて全力で取り組みます。今後とも、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

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