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2018年12月29日 (土)

平成30年末のご挨拶

 年末恒例の消防団夜警もはじまり、平成30年(2018年)ももうすぐ暮れようとしています。今年も一年様々な皆さまにご指導をいただき、なんとか過ごすことができました。心から感謝申し上げます。


●西日本豪雨災害関係

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 ただ残念なことに、この年末は「無事に」とか「健やかに」といった言葉は、到底遣うことができません。やはり平成30年7月西日本豪雨災害の経験は、そうした言葉遣いを許さないものでした。発災後の振り返りについては、「平成30年西日本豪雨災害の初期対応に関する備忘録(倉敷市から見えたことを中心に)」に譲りますし、また臨時国会では衆議院予算委員会にて質疑に立つ機会もいただきました(議事録)。その後も、全国レベルでは「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」の閣議決定(資料 )、また高梁川水系においても、第6回高梁川水系大規模氾濫時の減災対策協議会の開催(12月27日、新聞記事 )など、今回の災害を教訓とし二度と繰り返さないための取り組みも行われています(なおこの協議会には今回から新成羽川ダムなどの利水ダムを管理している中国電力も参加していることも、大きなポイントです)。また真備町でも復興の歩みはまだ先は長い状況ですが、その中でも(公社)倉敷青年会議所が花火を打ち上げるイベントが行われる(動画記事 )など、被災された方々を励まそうとする活動もあります。こうしたことは、年が改まってもなお続ける必要があります。

●一任をとるということ

 今年は秋の自民党総裁選後の人事まで、厚生労働部会長を務めていました。「厚生労働部会長を振り返って」に詳細は譲りますが、働き方改革関連法案、受動喫煙対策の健康増進法改正案といった、自民党内でも議論が割れるようなテーマについて、議論を丁寧に重ね最終的にコンセンサスをいただくことができたことは、良かったと思っています。

 厚生労働部会長退任後、関連の社会保障制度調査会や障害児者問題調査会、雇用問題調査会のみならず、沖縄振興調査会、選挙制度調査会、情報通信戦略調査会、司法制度調査会、外交調査会、治安・テロ対策調査会、そして性的指向・性自認に関する特命委員会、外国人労働者等特別委員会、データヘルス特別委員会、社会的事業推進特別委員会、IT戦略特別委員会、死因究明体制推進に関するプロジェクトチーム、終末期医療に関する検討プロジェクトチーム、女性活躍推進本部、サイバーセキュリティ対策本部といった会議体に関わる機会をいただきました。部会長といった責任ある役職から外れた分、幅広い分野に関わることができるようになったのは、それはそれでうれしいことです。

 今年の臨時国会では、外国人労働者を受け入れるための入管法改正案が議論されました。実はこの改正案の国会審議に先立ち、7月から外国人労働者等特別委員会の下で、在留外国人に係る医療ワーキンググループにおいて座長を務め、議論を重ねていました。そして入管法改正案成立後、宿題として残された基本方針、分野別方針、政省令、そして外国人材の受入れ・共生のための対応方針策について議論する合同会議の事務局長を仰せつかり、木村義雄座長、笹川博義、自見はな子両事務局次長ともども議論のとりまとめに当たりました。各部会にもご協力をいただき丁寧に議論を行い、また多くの意見を法務省はじめ政府にも汲み取っていただいた結果、無事に座長一任を取り付けることができました。最終的に年内に閣議決定されることとなり、胸をなでおろした次第です。

 党内議論において一任をいただくということは、決して軽いことではありませんし、簡単なことでもありません。様々な視点からの意見を積み重ねた末、それらがすべて折り合う点をきちんと示すことができなければ、一任を取り付けるべきではありませんし、与えるべきでもありません。また一任を受けた方も、自分の考え方に白紙委任を受けたと考えるべきではなく、ちゃんとその場で出た様々な意見をすべて汲み取る努力をすることに対して、一任を受けたと考えるべきだと僕は思います。それは、例えば「国民目線」といった美しい大義名分に名を借りた独善や独裁になることを防ぐ知恵なのです。あくまでも自民党内の話ですが、その自民党が現在政権をお預かりしているわけですから、これは国のガバナンスに関わる大事な問題です。

 そういう意味で今年は、「働き方改革」、「受動喫煙対策」、そして「外国人労働者受け入れ」という党内議論がとても活発だった大きな政策テーマにおいて、党内コンセンサスを形成することに関わり、後で異論が出るようなこともなく無事に役目を果たすことができた年でした。個人的にはこれを大きな喜びとするものです。

●来年に向けて

 今年の漢字は「災」と発表されたのは、豪雨災害のみならず台風や地震も多発した今年としては致し方のないことでした。願わくは「災い転じて福となす」ような新年が来ますように、と思うばかりです。

 ご覧の皆さまに対し、重ねて今年一年のご厚誼に感謝申し上げるとともに、来年のさらなるご発展を心からお祈り申し上げます。どうぞよい年をお迎えください。

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