厚生労働委員長 高鳥修一君解任決議案 反対討論
平成30年5月24日、衆議院本会議において、野党が提出した厚生労働委員長高鳥修一君解任決議案が議題とされ、その反対討論に立ちました。その原稿をここに掲載しておきます。なお動画は衆議院インターネット中継等でご覧いただけます。
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厚生労働委員長 高鳥修一君解任決議案 反対討論
(平成三十年五月二十四日 衆議院本会議)
自由民主党の橋本岳です。
私は、自由民主党および公明党を代表し、ただいま議題となりました厚生労働委員長高鳥修一君解任決議案に、断固反対する立場から、討論を行います。
この通常国会は「働き方改革国会」であります。安倍政権は、二年前に一億総活躍プランにおいて「働き方改革」の実行を力強く宣言をし、労使双方のトップを含めた「働き方改革実現会議」における議論などを積み重ねてきました。この国会では、いよいよその中核となる関連法案を審議し結論を得ることが、各界から強く期待をされております。またその他にも国民生活にかかわる多数の法案が提出されており、それらについてもすみやかに審議を進めることは、国民の負託を受けた、我々立法府の重大な使命であります。
一方、残念ながら、裁量労働制に関する不適切なデータの比較や、その基となった調査のずさんなデータ処理、東京労働局長の記者会見における不適切な発言、さらには日本年金機構における不適切な業務委託やそれに起因する正しい額の年金支給の遅延など、厚生労働省に関連することだけでも様々な問題が政府において発生し、ないしは発覚をした国会でもありました。与党である私たち自由民主党としても、誠に遺憾なことであります。
さて厚生労働委員長高鳥修一君は、人格は高潔にして冷静沈着、障害者福祉の向上に情熱を傾け、空手、合気道、居合など武道をたしなみ、日本文化を愛する快男子であります。委員長としては、この難しい国会において、就任冒頭の発言の通り、「公正かつ円満な委員会運営」に全力を尽くしてこられました。諸課題については、野党の要求の通りに、昨日の総理入り質疑をはじめ、集中審議や補充質疑、参考人質疑や視察も行いました。資料要求についても、他委員会では類を見ない長時間におよぶ理事会や理事懇談会を開いて与野党の協議の機会を設け、政府に提出させるよう求めました。さらに質疑中に疑義が生じた際、与党理事が質疑続行を求めていても、毎回速記を止め理事同士の協議を丁寧に促すなど、むしろ与党側から不満が出かねないほど野党の皆さんにも配慮し、円満な委員会運営に懸命に努めておられました。
その上で、なお与野党の合意点を見出すことができない場合や、あるいは、維新の会以外の野党の皆さんがゴールデンウィークを挟んで長期間欠席をされたため合意のしようもない場合に、やむを得ず委員長の判断で委員会の運営を進めたこともありました。しかしこれは厚生労働委員長としての職責を真摯に果たしただけのことなのであります。自分たちが欠席した結果について、その責任を委員長に転嫁するかの如きこの決議案は、決して国民の理解を得られるものではありません。
この決議案を提出された野党の皆さまに申し上げたい。今国会において、野党共同の議員立法として「生活保護法等の一部を改正する法律案」が提出されました。さる四月二十日の委員会において、我が党の国光あやの議員がこの法案に対して通告通りに質疑しようとしたところ、委員会開始時点では答弁席におられた、提出者の一人である立憲民主党のある議員が途中で退席し、質問ができないという事態がありました。既に維新の会を除く野党の方々は全員欠席されていた中で、答弁のために一人で出席されたこの議員の勇気と責任感について、私は率直に評価をいたします。しかし誰かが指示をして、党利党略のために退席させたと受け止めざるを得ません。法案を提出し賛同を呼びかけておきながら、提出者が答弁を放棄していなくなるなど、前代未聞であります。断固抗議をし、猛省を促します。
野党の皆さん、皆さんは、国会の権威をいったいどれだけ軽く考えておられるのですか?皆さんは安倍内閣を厳しく批判されますが、この内閣には委員会の途中に答弁を放棄していなくなる閣僚など一人もいません。むしろ、出席どころか答弁まで放棄する今の無責任な野党には、高鳥委員長の解任決議案を提出する資格など、まったくないと断じざるを得ないのであります。
以上の理由から、的外れで、身勝手で、不当としかいいようのない、高鳥修一厚生労働委員長の解任決議案には断固反対であると再度申し上げ、心ある議員各位には、こぞって青票を投じていただくよう訴え、私の反対討論といたします。
(以上)
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