「海賊版サイトに対する緊急対策」について
本日、知的財産戦略本部・犯罪対策閣僚会議において、「インターネット上の海賊版サイトに対する緊急対策」が決定されました。昨日のブログで「政府による著作権侵害サイトのブロッキング要請に反対します。」と記しましたが、結局、政府がISPにブロッキング要請をすることは控えられました。もちろん多くの団体・個人のご意見表明があったからであり、そのような動きをしていただいたこと、および政府や関係者の方々がそれらをきちんと受け止めていただいたことに、深く感謝申し上げます。
今回は、ブロッキングについては、短期的な緊急措置として、あくまでも民間事業者による自主的な取り組みという整理になりました。法的な側面については「特に悪質な海賊版サイトに関するブロッキングについての法的整理」として、緊急避難についての政府見解が示されています。とはいえ最終的にISPに責任を負わせる点はいささか不健全さを残すものという感はありますが、現状を考えると、やむを得ないことでしょうか…。
また今後の方針として「すみやかに法制度の整備へ向けて検討を行う」とされました。この検討にあたっては、著作権者や出版社等権利侵害を受けている側の方々は当然のこととして、ぜひ実務を担うISP等も含め、様々な立場の方々が参加・協力して、オープンな形で進められることを期待したいと思います。立法作業も正直なかなか困難なものと思われますが、海賊版サイトに対して何らかの対策が必要だという点に関してはコンセンサスなのですから、きっと良い知恵が出せることを信じます。また僕自身も、何らかの形で機会をいただければ、微力ながら協力の手間を惜しむものではありません。
なにはともあれ、今回の決定が、世の中が一歩でもよりよいものとなる機会となることを願っています。その実現に向け、さらに多くのご関係の方々の英知を賜りますように。
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