外交部会長への就任にあたり
このたび橋本がくは自由民主党政務調査会の外交部会長を拝命しました。
部会長とは自民党の政務調査会に概ね省庁ごとに13設けられている会の責任者であり、外交部会長はその名の通り外交政策全般を所掌します。
これまで総務部会長代理、厚生労働大臣政務官という役職をお預かりしており、外交というイメージは薄いかもしれません。しかし平成17年から衆議院テロ対策・イラク人道支援特別委員会に所属し、第二次安倍政権時にはその後を継いだ衆議院海賊・テロ特別委員会の理事を務めました。世界の平和維持や人道支援のために日本が海外において貢献してきた活動に関し、国会において見守ってきたというささやかな自負はあります。
現在、安倍政権は積極的平和主義を唱え、安倍総理自ら各国を訪問しアベノミクスや安全保障面での理解や協力を得るいわゆる「地球儀を俯瞰する外交」を強力に展開しています。
日米安保を基軸とした東アジア地域の安定の維持、TPPや各国とのEPA/FTAなどの経済連携、そして「人間の安全保障」と呼ばれる世界の貧困対策、感染症対策、災害救援など多方面にわたる国際協力など、世界の中で日本の果たすべき役割は極めて大きいものがあります。
また近隣の国々との領土や歴史認識をめぐる諸課題にも、十分留意をしなければなりません。
日本国憲法前文に以下の一節があります。憲法そのものにはいろいろ議論はありますが、この一節については日本の外交かくあらねばならぬという理想を示しており尊重すべきものと個人的には考えています。
われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。
もちろん現実はなかなか理想通りにはいきません。
日本年金機構に対するサイバー攻撃事案では、目に見えない分野では平和どころか実際に熾烈な攻撃を受けている現実に改めて直面しました。ユネスコ記憶遺産の問題など私たちの想いが世界に通じていない面もあると認識せざるを得ない状況もあります。それぞれ適切な対応が必要です。
しかしなお「世界の平和に貢献する日本外交こそ日本の国益に資する」という理想の旗は掲げ続けながら、職務に臨みたいと考えています。引き続きご指導ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
<写真:5月に訪問したニュージーランドにて、ジョン・キー首相と>
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