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2014年7月

2014年7月10日 (木)

橋本岳事務所では、スタッフの子連れ出勤を試行しています。

 現在、橋本岳事務所では、議員会館事務所においてスタッフの子連れ出勤を試行的に認めています。これは、議員会館内や当該スタッフ自宅付近の保育所等が満員のため入れなかったこと等の事情を考慮し、スタッフ希望を受けの相談の上、橋本岳が認めているものです。ご来訪の方や近隣事務所の方々にはご迷惑をおかけしておりますが、ご理解いただきますようお願い申し上げます。

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 なおこの試行にあたり「公私混同ではないか」「保育園に入れるべき」といったご意見が一部にあることも承知しています。しかし、上記の事情に加え、(1)議員会館事務所は個別に仕切られており、泣き声などのご迷惑を他事務所にかけることは少ない、(2)子どもにとって安全な環境である、(3)事務作業が多く、子どもを見ながらでもできる作業が多いといった条件が整っており、当事務所で一人を引き受けることで別の方が一人保育園にお子さんを預けることができるという意義もあるとも考え、今回の試行に踏み切ることとしました。働いているとはいえお子さんの側にお母さんが常に居られることは双方にとってより深い安心に繋がることと思います。また安倍政権としても「すべての女性が輝く社会をつくる」ことは大きな政策の柱の一つであり、その流れに沿ったものとも考えています。

 幸いにして今年2月の試行開始以来、近隣事務所の方々や来訪するお客様にも暖かく見守っていただきながら順調にお子さんも成長しており、誠にありがたいことと深く感謝申し上げます。わざわざお子さんの顔を見ることを楽しみに事務所を訪ねて下さる議員の先生もおられます。今後お子さんの成長に伴いいつまで試行を続けるか、どう環境を整えるかなど考えるべき点はありますが、しばらく続けたいと考えています。

 何卒ご理解賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。今は、すやすやお昼寝中です。

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2014年7月 1日 (火)

安全保障法制の整備に関する閣議決定について

 おそらく今日、安全保障法制についての閣議決定が行われるようなプロセスとなっています。Facebookを見ていてもすでに様々な感想があり読ませていただいています。その中で、いくつか僕からもお伝えしたいことをQ&A式に記しておきます。なお、公開されるのは閣議決定後になりますので、内容面は公開後まずご一読をお願いしたいです。決定後、官邸のWebサイトに掲載されると思いますので。閣議決定に至った背景などもシェアしていただきたいし、自分の考えもご説明しなければならないと思うからです。
なお、橋本の理解によるものであり、文責は私個人にあります。ご参考にしていただければ幸いです。

Q1) 今日、何が決まるのですか?

A1) 「今後、政府がこういう方針で法制度の整備(法律・政省令の新設または改正)を行います」という方針を政府が決めます。主な内容は、PKOの際の駆けつけ警護を可能にする法整備をすることや、我が国の存立に関わる等の条件のもと、他国に対する武力行使に対して日本が必要最小限の実力行使をすることを可能にする法整備をすること、等です。詳細は、閣議決定の文章をご一読ください。閣議決定後、総理官邸のWebサイト等でご覧いただけるようになると思います。A4版6ページの日本語の文章です。

Q2)それで何が変わるのですか?

A2)今後の政府の法整備の方針が変わります。ただし自衛隊や海上保安庁等の行動は、自衛隊法など個別の法律の改正等がなければ変わりません。したがってすぐ何かが実態的に変わるものではありません。

Q3) 今後政府はどうするの?

A3)今回の閣議決定に沿って、個別の法律案を作成し、国会に提出します。あとは国会での議論です。仮に成立し施行されれば、自衛隊などはその法律に従った行動をするようになります。まだ法案化には具体的に様々な議論を経る必要がありますので、秋の臨時国会で全部の法律が出揃うというのは、僕の個人的感覚としては難しいのではないかと思います。

Q4)こんな大事なことを閣議決定で済ますの?

A4)いいえ。今後法律を制定するプロセスがあり、国会審議も当然行われます。そして少なくとも衆議院・参議院の任期が来たり解散があれば選挙も行われます。

Q5)閣議決定で憲法解釈を変えるのは、密室での決定ではないか?

A5)自民党・公明党内の議論、両党の議論を踏まえています。閣議決定案件としては、極めて慎重なプロセスです。なお、閣議決定は与党内の関係議員にお知らせがある程度、または部会で一回議論する程度が通例です。

Q6) 閣議決定で憲法解釈を変えるのは、法的安定性を削ぐのではないか?

A6)そうなりうるという懸念があることは理解します。安定していることは大事ですしそうしなければなりません。しかし、国際情勢の変化に対応することも大事です。またこれまで 解釈を決めていた内閣法制局にどういう正統性があるのかも併せてお考えいただくべきだと思います。

Q7)一内閣の議論で決めてしまうのは拙速ではないか?

A7)少なくとも私が当選した約9年前以降、自民党内では安全保障法制について、石破茂幹事長らを中心に盛んに議論が行われていました。わが党のマニフェストにも常に記載があり、何度もの選挙を経て今日に至っています。決して一朝一夕の議論ではありません。また法律的にも、20年前のPKO法以来の議論と実績の積み重ねを踏まえてのものです。

Q8)閣議決定前に、国会で議論しないのはおかしいのではないか?

A8)決定する前に政府として国会において方針を述べることは当然できません。国会は個人としての感想を言う場ではありませんから。政府に入っていない議員が自分の意見を言うのは自由ですし、既に行われています。なお閣議決定を受け、衆院・参院の予算委員会の閉会中審査が開催されることになると思います。

Q9)憲法9条を解釈で変えるのはおかしいのでは!

A9)まず、閣議決定で憲法改正はできません。下記の9条の文言そのものは変わりません。

  第九条  日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。   2  前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 ただ、こちらが戦争を放棄していても、こちらが武力攻撃を受けた際に何ができるのか、できないのかは、憲法に記述がありません。そこは判例や解釈で補ってきました。過去吉田茂総理は「自衛権は持っていない」という趣旨の答弁をしていますが、朝鮮戦争等の状況により、自衛権は自然の権利として持っているという立場に変更したという経緯もあります。憲法解釈は過去一貫していたわけではありません。

Q10)憲法解釈の変更は邪道だ!憲法改正をすべきではないか?

A10)そういうお考えもあり得ますし、そもそも自民党は綱領に「自主憲法制定」を掲げる政党です。なぜこういう議論があるかというと、憲法9条に自衛権についての記載がないことに原因があります。記載がないことについて解釈をしなければならないのです。一方で憲法改正には国会の 2/3以上の発議、国民投票の1/2の承認というハードルの高い手続きがあります。国際情勢の変化に合わせて、条文の範囲内で解釈を見直すことに問題はないと思います。なお、このご主張を頂いた方は、当然憲法の改正そのものはすべきとお考えなんですよね?

Q11)アメリカの言いなりかあ。この国終わってるよね?

A12) 日本国憲法前文の「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」という文言の意味を僕は常に噛み締めています。お考えください。

Q13) 中国や韓国が反発をするのではないか?

A13)韓国はわかりませんが、5月に訪中した際に中国政府の方とお話した際は、安保法制懇の報告書提出に関し「基本的には国内議論だと認識している。ただし方向性については注視している」という意外に冷静な反応でした。なお憲法9条がない他の国には、集団的自衛権と個別的自衛権を区別して議論するような必要がなく、我が国の事情による特殊な議論だということもご留意いただきたいと思います。

Q14)新宿で焼身自殺があったが、何とも思わないのか?

A14)痛ましいことと感じています。ただ、いかなる理由であっても自殺はすべきではないと思います。他の国のことは言及を控えますが、日本では抗議の手段は自殺以外にもたくさんあります。どうぞ他の手段を選んでいただきたい。

(追記。この方は自殺未遂に留まりご存命との指摘がありました。記述を訂正し、お詫び申し上げます。申し訳ありませんでした。)

Q15)で、橋本はどう思っているのか?

A15)これまで「内閣法制局の答弁」で思考停止していたことを動かしだすものだと思っています。政治家は「最悪の事態を想定し対策を考えておく」ことは仕事の一つだと思っているので、その観点では、今回安全保障上の新たな選択肢を用意しておくことは必要だったと考えます。僕も初当選以来、イラク人道復興支援やテロ対策の補給支援、海賊対処等に関する衆議院の特別委員会に所属し、政府の活動や自民党のみならず各党の先生方のご議論を受けてそのように思っています。
 もちろん、その選択肢を選ばないようにするために最大の努力をしなければならないことは、政治家としてまったく当然の大前提ですし、そのことは今回の閣議決定があろうがなかろうが考えを変えるものではありません。この選択肢を選ぶことは、政治の敗北だと思います。
 ただ、南シナ海やクリミア半島で、つい最近起こった事態でもあるのです。この対策を思考停止しているわけにはいきません。


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