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2013年10月 5日 (土)

自由民主党情報通信戦略調査会韓国視察所感

視察日程:2013年9月30日~10月3日
視察場所:韓国・ソウル特別市内各地
参加議員:川崎二郎衆議院議員、小坂憲次参議院議員、瀬戸隆一衆議院議員、小林史明衆議院議員、橋本岳衆議院議員

●9月30日(月)

 金浦空港到着後、安全行政部を訪問し朴次官らと懇談をし、主に行政情報共同利用センターについてお話を伺いました。この機関が、行政機関や金融機関・教育機関等から、各中央省庁や健康保険公団といった機関が保有している情報に対する照会の仲介サービスを行うことで、統合的な電子政府サービスの基盤となっているようです。

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(写真:韓国安全行政部朴次官らと懇談)

 例えば、役所や銀行などに何か手続きをするときに、住民票の写しとか別の役所発行の書類を添付することが求められ、そのためにあちこちに足を運ぶ必要がある場合があります。この機関とシステムがあれば、そんな手間をかける必要がなくなるということです。
日本でも先の通常国会でマイナンバー法が通ったことにより、ようやくそのための第一歩を踏み出したわけですが、システム構築はやっとこれから始まるわけですし、利用用途が限定的という課題があり、やはり参考にしなければなりません。

●10月1日(火)

 午前中はノウォン区役所を訪問、主にネットやスマホでの住民サービスなどについてヒアリング及び視察。昼からはイテウォン小学校を訪問して、タブレット等を使って調べ学習して発表する様子を拝見。その後、情報化振興院および地域情報開発院という二つの政府機関に伺いヒアリング。夜は日本企業の方々と懇談。いろんな意味でおなか一杯です。

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(写真:情報キオスクで住民票を取得する実演。ただし家でも可能なのでキオスクの利用も減った由)

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(写真:平日午前9時ごろで、この窓口の空き加減は凄いと思う)

 技術的に目新しいわけではないのに、何故こちらではこんなに「当たり前」になっているのだろうと思うことが多々あります。むしろ、なぜ日本の行政サービスでは、住民票やら証明書やら納付書やらを物理的に走り回って取得したり添付したり保存したりしないといけないのか逆に不思議に思ってしまいます。例えば銀行のATMの操作だけで税金が納付できたらとても便利なわけです。もちろんなりすましなどの事件もあり、セキュリティやプライバシー保護については共通の課題も抱えていることもわかりました。
 明日は病院および国会議事堂の視察をして、夜に日本に戻ります。なお今日のNHKニュースで視察の様子が取り上げられました。ばっちり僕も映ってますのでご覧ください。

●10月2日(水)

 午前中はアサン病院に視察。2000床の巨大病院ですが、支払いシステムや病床管理システム、服薬アラームや診療予約ができる患者さん用スマホアプリ、さらにはコンテンツ制作のためのスタジオまで!あるところを拝見。午後は韓国国会議事堂にて、本会議場の各議員席や正面にタッチパネルがあり資料などが見られたり、投票ができたりする施設を見学。

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(写真:病院の支払い端末。処方箋発行や駐車料金支払いまで可能。ベストを着たボランティアおばちゃんが操作をサポートしてくれます)

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(写真:韓国の国会議事堂本会議場にて、瀬戸隆一衆議院議員と。各議席にタッチ端末があります。)

 この日に限らず総じて、韓国ならではの事情(現在に至るまで一応戦時下のため、番号制度が以前から存在し、本人確認が絶えず求められること)があるために各種電子政府政策がスピーディに進んだんだなとも感じましたが、同時に日本でもあったら便利だよねとも痛感。せっかくマイナンバー制度が導入されるのであれば、便利に使われるものでなければ意味がありません。現状のままではほとんど使われずに終わってしまった住基カードの二の舞になるのではという危機感を覚えました。

※今回の視察にあたりご協力いただいた多くの皆さまに、深く感謝申し上げます。

以上

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