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2013年2月

2013年2月13日 (水)

ネット選挙の解禁に向けて

(例示のところを少し修正しました。メールアドレス等の記載が必要なので、それに準じて…)

 当選二回ということになり、単に党内の部会などに出席して発言するだけではなく、事務局長などの役をいただいて司会をしたり会議を取り回したりする立場になることが圧倒的に増えました。そうすると忙しさも倍増するのですが、これも皆さまのお力で当選させていただいたおかげと感謝しながら、議員会館や自民党本部を飛び歩いています。

 その中の一つのテーマ、インターネットを利用した選挙活動の解禁に向けた公職選挙法改正の動きが急速に動いています。これまで党内のPTでの数回の議論、および公明党との与党協議を受け、今朝8時からの選挙制度調査会・総務部会等の合同会議で与党案について了承をいただきました。会議の直前に司会を命ぜられドギマギしましたが、どうにか務めを果たしたかな?

 その流れで、15時からは同じテーマで11会派での協議会を開催。選挙の話ですからできるだけ多くの政党・会派の合意により改正したいという思いで、与党案についてご説明。これも司会をしました。今後いくつかの論点での議論を集中的に行うことになりますが、全会派とも夏の参院選挙での解禁に向けて前向きな姿勢を示して下さったので、今回こそ改正が実現するように、頑張ります!

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 ネットでの選挙運動はこれまで法律的には禁止されていました。今回はこれを基本的に誰に対しても解禁、ただし電子メールによる選挙運動は候補者または政党に限る、というのが与党案の主な趣旨です。他の党からは、電子メールによる選挙運動も誰でも行えるようにしようというご意向もあるのでそこが論点の一つです。ただいずれにしても、実は今回の改正は「候補者ではない第三者による文書図画による選挙運動をまずはネットで可能にする」という点で、実は極めて画期的な改正になります。おそらく。

 要するに、候補者や政党が、「私、織田信長(仮名、以下同じ)は必ず天下を獲ります!ぜひ皆様の一票を投じてください!」という訴えがWebサイトやFacebook、Twitterなどでできるようになるのみならず、選挙運動できる人(たとえば未成年者はダメです)であれば誰でも一定のルールの下で「織田信長さんにぜひ一票いれよう! @nagahide_n 」もしくは「日本名古屋党が進める天下布武政策に反対する明智光秀候補は、ぜひ落選させよう! saru@oda.com 」といった表現がWeb上などで許されるようになるということです。候補者だけが選挙を頑張るのではなく、意識ある人が幅広く主体的に選挙運動ができるようになるのです。

 ただ同時に、手が込んだ誹謗中傷も可能になります。例えば豊臣秀吉候補を応援する第三者のフリをして、「豊臣秀吉候補は鎖国政策を強力に推進します!必ず日本のためになります!ぜひ当選させよう! これが私、徳川家康の想いです。」と徳川氏のブログに書いているが、実は豊臣候補本人は開国主義者だったりする、といった巧妙かつ悪質な手口はすぐに考えられます。豊臣候補は問い合わせへの対応や弁解やらに追われ、開国派として築いてきた信用はかなり打撃を受けることになるでしょう。ネットでなければ、怪文書は明らかに怪文書ですが、Webサイトやましてや一回一回のTweetの内容の真偽というのは一見で見破るのは難しくなります。応援するフリをされたらなおさらです。

 このような場合、現行の公選法でも235条2項の虚偽事項公表罪になりますし、豊臣候補が気がつけばプロバイダ等に削除を要求し、プロバイダは同意照会に2日かければ削除することができるようになります。が、削除されるまでの間、そのブログを見て騙されたり混乱したりする人が出ないとは限りません。そのブログのURLを示して「ここに根拠がある!やっぱり彼は鎖国主義者だ!許せん!」とかツイートされたりFB的にシェアされたりして拡散されると、目も当てられないことになります。

 例えばTPPとか、外国人地方参政権とか、個々人によって見解がさまざまに分かれ得るセンシティブな政策でこれをやられると、広まった誤解を解くのは難しいですし、政策ではなくプライバシーに関わる情報で虚偽の情報を流されると取り返すのは至難の業です。仮に徳川氏が選挙後に検挙され刑罰を受けても選挙の結果が覆ることはありません。したがって罰則を付けたからよいという話でもないのです。実は。

 ですから、ネット選挙解禁は、選挙の候補者にこれまで以上のリスクを抱えさせることになるということは、ぜひネットユーザーの方にはご理解をいただきたいと思います。そして私たちも悪意に対しては正しい情報を示して対抗しますが、最終的には、ネットを利用するユーザー一人ひとりの情報リテラシーをより高めていただき、さまざまな情報が飛び交う中で虚偽と真実を見極めて正しい判断をするよう努めていただくことしか本質的な対抗策はありません。選挙に関し、ネット書いてあることを鵜呑みにしない、本人や事務所など確実な情報源に確認をする、というアクションを誰もが当たり前にするようになってほしいと願うばかりです。

 最終的に、選挙の候補者になる人は、有権者の皆さまを信じるしかありません。どんな投票の結果であれ、それに人生を賭けるしかない。そして残念ながら選挙には怪文書などはつきもので、悪意の人の存在も所与のものと考えざるを得ません。そんな中で僕らからするといろんな覚悟をしながら、でも有権者の皆さまの賢さを頼りにし信頼して話を進めているということは、ちょっと頭の隅に置いていただけると幸いです。

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2013年2月 9日 (土)

三本目の矢、準備中

 通常国会が開会し、総理の所信表明と各党代表質問、そして補正予算提出に伴う財務大臣の財政演説とそれに対する各党代表質問、そして現在衆院予算委員会が開会中です。テレビで中継されるので多くの方が注目する委員会です。

 ただ僕は応援に行く間もなくバタバタしています。各党からの質問も、安倍総理が提唱する「三本の矢」、すなわち金融緩和、経済対策、そして成長戦略を立て続けに展開すること、が質問の対象となっていました。しかし実は一本目の矢である金融緩和については既に日銀との政策協定により一定の方向が実現しています。二本目の矢の経済対策が補正予算としていま国会で審議されているわけで、う中身はほぼ固まっています。あとは速やかに成立させて実行に移すという状態。

 ですから自民党としての今これからホットなテーマは、三本目の矢である成長戦略をどう描くか、です。もちろんひと言で成長戦略といってもさまざまな内容があるわけですが、個人的には科学技術研究が一つのカギだと考えています。山中教授のiPS細胞の例を引くまでもなく、資源のない我が国は先端技術を武器にすることは大事。バイオ分野、エネルギー分野、海洋資源、情報通信、宇宙開発などなど、未来を探す取り組みへの投資は必要です(前政権の事業仕分けで最も被害を受けた分野でもありますが…)

 自民党日本経済再生本部にて研究開発関連の担当を受け、別に情報通信戦略調査会事務局長としても責任を負います。また成長戦略とはちょっと違いますが、インターネットを利用した選挙活動を解禁するための公職選挙法改正の自民党の実務者にもなり、これから各党との協議に出ることにもなりました。

 もちろん社会保障の充実や防災対策など、地に足の着いた政策分野もおろそかにはできません。ただ、希望や夢のある将来像を描くことも政治の仕事の一つ。倉敷・早島の皆さまにお預かりした議席であることを忘れず、与えられたお仕事に全力を尽くします。今週末の三連休は倉敷に戻りあいさつ回りや街頭演説などもやっています。どうぞよい週末をお過ごしください。

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