「財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律案」に対する賛成討論
(平成24年11月15日 衆議院本会議)
自由民主党の齋藤健です。
私は、自由民主党・無所属の会を代表して、賛成の立場で討論を行います。
本法案は、平成24年度予算の財源のうち全体の4割、38.3兆円の赤字国債発行を法的に担保し、予算執行を財源の面で裏づけるものです。
我が党は、平成24年度予算に反対いたしました。本来であれば、予算と一体のものである「公債発行特例法案」には賛成できないことは言うまでもありません。しかし、今回、我が党が賛成するに至りましたのは、我が党がかねてから主張してきた平成24年度予算の膨張した歳出を見直し減額補正を行うこと、及び予算案と「公債発行特例法案」の一体処理の必要性を与党・民主党が認めて、本法案を修正することで合意したからであります。
昨年8月にも自公民の3党合意により平成23年度の「公債発行特例法案」の成立の道筋をつけましたが、その際も民主党は今回と同じように歳出見直しの約束をしましたが、高校無償化の政策効果の検証を怠るなど、平成24年度予算においても約束は守られず、水ぶくれ予算となりました。挙句の果ては、我々との真摯な政策協議を避け続け、「公債発行特例法案」成立の遅延を招きました。どうして民主党の皆さんは、こうも約束を守れないのでしょうか?
ところで、国の「歳出」である予算案と、「歳入」を確保するための本法案は同じタイミングで成立させるのが、いままでの慣例でありました。
そのため、自公政権では当初予算案と「公債発行特例法案」を、同時に成立させるように最大限の努力をして参りました。
ところが、民主党政権においては、そのような真摯で責任感ある態度が全く見られません。昨年に続き今年度も、憲法上規定された衆議院の優越規定を使って予算のみを通す一方で、政府・民主党は、「公債発行特例法案」は野党が反対しているから通りませんというばかりで、与野党が一致して賛成できるような「知恵」を示した上で、成立を図ろうとする働きかけや努力をしてきませんでした。
政府・民主党は、本年3月末の時点で、「公債発行特例法案」を参議院に送ったら、否決される可能性があるから、予算案と分離して処理するという判断をしたと聞いています。それなのに、この夏の通常国会の会期末に、成立まで何の展望もないまま、この法案を強引に参議院に送付した挙句、廃案にしてしまったのはなぜでしょうか?意味がわかりません。
野田総理は、衆参両院で与野党の賛同を得られるような環境整備に努めていきたいと3月時点で述べておられました。それから既に8ヶ月が経過いたしました。今回自民、公明、民主3党政調会長会談において、ようやく本法案を修正することで合意しました。しかし、余りにも遅すぎませんか。政府・民主党は、なぜ、予算の執行を抑制して地方自治体等に迷惑をかける前に、今回のような案を我々に提示しなかったのでしょうか。政権を担う者の責任感と能力があまりにもなさすぎる。
政権与党として恥ずべき醜態だと私は思います。
ところで、今、議場に席を占めている民主党議員の皆さんは、「無駄をなくせば、16.8兆円が捻出できる。」そうすれば、消費税を上げずとも、月額2万6000円の子ども手当ての支給、高速道路無料化、農業者戸別所得補償、高校無償化の「バラマキ4K政策」の実施は可能だと言って当選してきたのではありませんか。違いますか。その責任をどう感じていますか?
結果は、本年度においてはその4分の1以下の約3.9兆円しか捻出できていません。
結局、民主党が政権を取ってから編成した予算は、3年連続で「税収より借金が多い」という無残な姿となりました。
これに対し、我が党は、現実を直視した上で、政権与党時代から、消費税率の引上げはやむをえないと訴えてきました。
これに反対し続けた当時の野党・民主党は、政権交代後も菅前総理が財務大臣時代の予算委員会で、(消費税率の引き上げについては)「逆立ちしても鼻血も出ないというほど完全に無駄をなくしたと言えるところまで」検討しないと言っていました。
ところが、突然方針転換をされ、先の総選挙でマニフェストについて「書いてあることは命がけで実行する、書いてないことはやらないんです、それがルールです」とまで断言した野田総理が、「書いてない」消費税率引上げを「命がけで実行する」ことになったのです。
これは、明らかに、国民に対する裏切りではありませんか。あの夏の日の演説はいったい何だったのでしょうか?
それでも我が党は、一体改革関連法案は、国家国民のために苦しくとも通すべきと判断し、加えて、野田総理自身がマニフェストで国民を裏切ったことを重く考え、「法案が成立した暁には、近いうちに国民に信を問う」と約束したため、自公民3党合意がなされ、この歴史的な法案は成立しました。暁どころか、3ヶ月余りが経過いたしました。総理は明日、この約束を人として実行しなければなりません。
近いうちに返すからという言葉を信じてお金を貸したのに、いつまでたっても返してくれない、そういう状況になったら誰でも、いったいいつ返してくれるのか、そう聞くのは当たり前ではないでしょうか。そして、いつ返すのかはっきりしてくれと申し上げたら、今度は、これをやったら返してやると、新しい条件をつけてくる。これが正直者のやることでしょうか?学校の先生がどう言ったか知りませんが、一つだけ確かなことは、そういう方に、二度とお金を貸す人はいない。
それでもなお、我が党は、総理が突然追加的に出された新条件に誠実に対応することといたしましたが、信頼関係は崩壊しております。野党の協力を得なければ物事が進まない、ねじれ国会の下では、このことは致命的であります。
もはや、野田政権には、明日衆議院を解散する以外に、我が国の国政を前進させる道はなくなりました。
民主党政権のこの3年2ヶ月の間、日本の外交は、どうなりましたか。
日米関係はどうなりましたか。インド洋での給油・給水活動から撤退し、普天間で迷走し、アメリカ大統領にトラスト・ミーと悪ふざけし、元首相がイランを訪問する。
日中関係はどうなりましたか。
日韓関係はどうなりましたか。いずれも戦後最悪ではないですか。
日露関係はどうなりましたか。日本の領土はどうなっていますか。
経済はどうなりましたか。アンチビジネス対策のオンパレードで企業がなだれをうって海外に出ていってしまっていませんか。
震災復興は進んでいますか。増税までして確保した復興予算はちゃんと使われていますか。自分で作った予算を自分で仕分けするなんていう茶番を税金を使ってまで、まさかやらないでしょうね。
不適任な大臣は一体何人出ましたか。
あきれ果てて離党した仲間は、一体何人いますか。これも自民党政権の負の遺産ですか。
マニフェストはどうなりましたか。ガソリンは下がりましたか。年金通帳は配られましたか。高速道路は無料になりましたか。これも自民党政権の負の遺産ですか。
今、マニフェストを準備されているそうですが、そんなものを受け取る有権者はおりません。
もはや、これ以上、言葉のやり取りは必要ない。あとは剣を交えるのみ。終わります。
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コメント
消去法の達人たちは、’ああでもなければ、こうでもない’ と力説する。
無哲学・能天気であるから、自分は ‘どうであるか’ を述べることはできない。
過不足のない世界観がない。空想になる。
哲学的な団結ができない仲良しクラブだから、日和見である。
つかみどころがなく、離合集散が激しい。
日本語には時制がないから、現実と非現実の区別ができない。だから、有意義な議論というものができない。
理想を述べると「そんなことを言ってもだめだぞ。現実は、そうなっていない」と返される。
それで、自己の理想に向かって生涯努力する態度が保てない。
未来時制の文章なくしては、脳裏に未来社会を構築することも困難である。
代議士といえども、議論のための代理人となることは難しい。
http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
http://3379tera.blog.ocn.ne.jp/blog/
投稿: noga | 2012年11月16日 (金) 20時27分