自民党全議員・選挙区支部長懇談会の内容
昨日朝行われた自民党全議員・選挙区支部長懇談会の主な議論内容についてざっくりご報告する。説明も質疑応答の答弁もまとめているのでご承知おきいただきたい。今回の議論は特に社会保障部分に集中した。肝心の税の方の議論もすべきだったようにも思われる。また解散戦略や党内手続き等についての質疑もあったが、報道等に譲り割愛する。
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<社会保障制度改革推進法案骨子の自民党的ポイント>
※三党合意の全文や推進法案骨子そのものはこちらをご覧ください。
●「所得税法改正案附則第104条の規定の趣旨を踏まえ」と明記。
→消費税増税が小泉内閣下で決められた基礎年金国庫負担割合の引き上げ等に充てるために行うこと、消費税の増税において社会保障財源に充てることや景気等の状況を踏まえるということ。
●「税金や社会保障納付する者の立場に立って、負担の増大を抑制しつつ」云々と明記。
→給付面ばかりではなく負担も考慮するべきこと。
●「年金、医療及び介護においては、社会保険制度を基本とし」と明記。
→民主党マニフェストにある税方式による年金制度を否定。
●「今後の高齢者医療制度については、状況等を踏まえ、必要に応じて、社会保障制度改革国民会議において議論し、結論を得る」と明記。
→改革の必要性から議論するということ。
●社会保障制度改革国民会議について「閣議決定された社会保障・税の一体改革大綱その他の既往の方針のみにかかわらず幅広い観点に立って」と明記。
→民主党マニフェストに沿って閣議決定された内容を、社会保障国民会議で変更できる旨を明記。
●生活保護制度の見直しについて、自民党の主張により記載。
<補足説明>
・毎年1兆円ずつ自然増する社会保障費用のため、社会保障費そのもののカットも行いつつ、同時に公共事業はもちろん地方交付税、防衛予算すらもカットし続けている。それが今の日本の状況を招いた。もう全ての部分で限界が来ている。
・2006年の年金制度改革により、国庫負担割合の1/2の引き上げを行った。その後、ねじれ国会となりその財源の議論ができずにいる(当時の民主党が大反対しましたからね…)。これもどうにかしないといけない。そのために麻生内閣の折に所得税法附則をつけたのは自民党である。
・一年間の時限付きである社会保障国民会議の結論がでなければ増税できない。また所得税法附則に「景気回復過程の状況、国際経済の状況等を見極め」とされており、これを踏まえ増税実施の決定においては景気にも配慮される。
・前回の消費税上げの際は、個人消費は減っていない(駆け込み需要とその反動はあった)。その際の税額の落ち込みの理由は設備投資と公共投資の落ち込みであり、その主な原因はBIS規制の導入等による貸し渋り貸しはがしの発生によるもの。「消費税増税により個人消費が落ち込み税収が減った」という議論は誤り。またその際は消費税増税だけでなく、所得税減税の打ち切りや医療保険料の引き上げ等も同時に行われた。国民負担増は消費税上げのみによるものではない。
・民主党の唱える年金制度を実現しようとすると消費税は30%にもなる。不可能。彼らもわかってて言っている。
・社会保障国民会議の議論をしていることによって、解散総選挙ができないということはない。
<谷垣総裁補足>
・「決められない政治」を打破するために合意に至った。
・ただし民主党マニフェストによるバラ撒きを撤回させる、という線は守った。譲歩して出血大サービスをしたわけではない。
・民主党はどこに頭があるかわからない政党。大連立などできるわけがない。
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