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2012年1月

2012年1月19日 (木)

水島の悲鳴

 今週はじめから、水島コンビナート企業の方々にご挨拶に伺っている。水島は、鉄鋼・自動車・石油・化学・造船・食品そして火力発電所と、国内外を相手にさまざまなビジネスをしている企業の集積があり、ここを回るだけで日本のみならず世界の情勢まで伺うことができる。

 が、今年ほど暗い顔の多い年はなかった気がする。「リーマンショックの時よりも悪い」という声まで聞こえる。原因は長期化して先の見えない円高であり、ユーロ圏の経済不安、そしてイラン情勢による石油調達への不安などなど、だ。リーマンショックの時はまあ我慢すればなんとかなるだろうという感じもあったが、今回はもうどうにもならないかも、とも言われた。ある社長さんいわく「これまで円高になってもなんとか歯を食いしばってコスト削って我慢したから、今度もなんとかなるじゃろと政治家の皆さんはタカをくくってるんじゃないか。消費税消費税と言っても、稼げなくなって給料が払えなくなったらそれどころじゃないんじゃけどな」と。

 あるいは、「水島港がバルク戦略港湾に指定されたと民主党の皆さんは喧伝するが、来年度予算にはまったく予算が計上されていない。やっぱり看板倒れじゃないか」と。看板倒れはマニフェスト以来民主党のお家芸と化しているが、ここでもやはりそうかと慨嘆せざるをえない。中国電力管内は比較的マシだが、やはり今年夏の電力供給についても不安はぬぐえない。もちろん中電も結局火力発電で支えているのだから、コストやCO2問題だってどうなるのだかさっぱりわからない。

 そして当然、大企業だけでの話ではない。水島の不振は、地場の協力企業からたとえば勤めの方が住むアパートの大家さんまで、そしてもちろん雇用そのものにも波及するのである。先が思いやられる。

 消費税増税しか目に入っていない今の政権に、果たしてどれだけこの危機的な声が聞こえているのだろうか。

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2012年1月13日 (金)

訃報に接するたびに。

 新年になり新年会やあいさつ回りで忙しくしている。またそんな中でも街頭演説も短時間でもするようにしているが、どちらでしていても手を振ってくださる方が多く、本当に熱い期待を感じる。今年こそ頑張らなければならない。ありがとうございます。

 野田改造内閣が発足した。といっても特筆すべきこともなし。政権にとって以前からの課題が一つ取り除かれたわけだが、それ以上ではない。かといって自民党も谷垣総裁が東南アジアを訪問したが、いまいちそれが成果として何か見えた感じもしない。

 最近、ご支援いただく方や身内の訃報が続いているような気がする。昨日も、祖父・父とお支えいただき、僕自身も幼い頃からかわいがっていただいたある方が他界された。心からご冥福をお祈り申し上げる。調子がお悪いことは知っていたのでびっくりすることではなかったが、やはり寂しいことである。特に今、浪人していることで多くの方にご心配をおかけしているし、その方々には何としてもバッジを再びお預かりし活躍することでお応えするしかないと思っている。しかし、その姿をお見せする機会もないまま訃報に接すると、そのたびに本当に申し訳ない思いでいっぱいになる。誠に残念、無念。

 そういう幾人かの方々には、せめていい結果を墓前に報告できるよう頑張るしかない。頑張ろう。

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2012年1月 2日 (月)

野田総理、使い捨ての恐れ。

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。旧年中のご愛顧に深く深く感謝し、今年こそ成果を出す一年となるよう、全力で活動します。僕が落選した時に、尊敬する先輩である河井克行代議士が下さったメッセージ「一人でも多く、一回でも多く、一分でも多く。」を常に頭において実践します。今年も宜しくお願い申し上げます。

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 さて、年末の夜警訪問や新年のご挨拶等で多くの方にお話をする機会をいただいた。「民主党もごちゃごちゃしとるし、選挙は早いかもしれんのぉ。春にはあるかも知れんで。今度は岳さん頑張れよ!」としばしばご激励をいただく。ご激励は本当にとても嬉しく感謝の一語に尽きる。しかし選挙についてはそう簡単ではなく、意外と先に伸びるかも知れないと思っている。

 根拠は、年末に見せた野田総理の粘り。というか、総理本人よりも、その背後に消費税増税は今しかできないという財務省の執念が浮かんで見える気がするからだ。そもそも、小泉政権で構造改革の名の下に社会保障にメスを入れ、安倍政権で参議院選挙に勝ったら消費税に取り組むシナリオだった。年金の国庫負担率の1/2への引き上げ実現には消費税増税が必要というのがもうその時点で見えていたからである。もう今からかれこれ5年くらい前の話である。ところが参院選が敗北に終わり、リーマンショック等もあってその後も結局自民党政権では消費税増税はできなかった。

 そして民主党政権が誕生した。政治主導と口では言うもののはっきりいってド素人の民主党政権は、官僚にはとても扱いやすかっただろう。あのマニフェストを掲げたにもかかわらず、鳩山内閣で財務相を務めた菅総理が総理になると消費税増税を口にし、その後継でありやはり菅内閣で財務相を務めた野田総理が総理になるに及んで、「集大成」とか「不退転の決意」とか言い出すことになった。リーマンショック対策と引き換えに麻生政権下で成立した平成21年度所得税法等改正案の附則第104条に、今回の野田政権における税制改正の一連の流れがすでに予言されている。その実現のための財務省の執念たるや見上げたものというしかない。それにしても民主党代表選における財務省の影響力ってどのくらいあるのかと疑ってしまいたくなる。仮に野田総理に何かあって後継を選ぶことになったら、次は安住財務相になるかもね(笑)。

 したがって、野田総理は何がどうなろうと今国会で消費税法案を提出し、議員定数削減や公務員給与カットなどとセットで成立させようとするだろう。もし民主党がこれ以上大きな分裂をせずにまとまることができれば、すでに二年半前の衆院選マニフェストで消費税増税を唱え、先の所得税法の附則を成立させた当事者だった自民党は、完全には反対を貫くことはできない。おそらく結局は解散総選挙と引き換えに賛成するしかないのではないか。その場合、解散は通常国会閉会を目処とすることになるだろうが、話がスムーズに合意に至るとはとても思えず、ごちゃごちゃしたら国会を大幅延長して秋口くらいになってもおかしくない。その選挙では、国民の支持が一度信じて裏切られた民主党に向かうとはおおよそ考えにくく、与党維持は困難であろう(ただし、だからといって自民党に支持が向くと思うほど楽観的ではない。自民党には、むしろ自分が消費税増税を主導し実現するのだという決意と、その上で日本をこうする!という新たな展開を望みたい。他人の土俵で決戦決戦と言ってる今のままじゃあ、ダメだろうなぁ)。

 一方、たとえば小沢一郎・元代表あたりが民主党を割って出て分裂したらどうなるか。たぶん、自民党が野田民主党を拾って連立を組み、消費税法案を成立させるんでしょうね。そうすると、選挙は任期満了になるだろう。その場合、小沢さんたちは橋下・維新の会や河村・減税日本など、また鈴木・真民主党や今回民主党を出た人たちと連携して新党結成か!?なんていう、マスコミ好みの大政局となるわけだ。つまらない現実主義者vsうわついた理想主義者というのは、いつの時代でも政界再編の対立軸なのかもしれない。

 と、まあ、そんな想像をしてしまう昨今。要するに何が言いたいかというと、今年の政局の背後には、消費税増税にかける財務省の執念が、必ず大きく影響するだろう、ということ。これまでどうにか凌いできたが、来年の予算編成では基礎年金の国庫負担分をついに交付国債で賄う状況となった。財務省としても「無い袖はもうどうあがいても振れない」というサインであり、年金制度をいよいよ瓦解させるか、消費税率を上げるかの選択を迫られているのだ。それだけに必死である。そしてどちらのシナリオでも、野田佳彦総理は消費税増税の立役者になることと引き換えに、「民主党を分裂させた代表」か「選挙で下野した総理」のいずれかの運命を辿るだろう。時代を問わず、巧兎死して走狗煮らる、なのだ。小泉総理は「政治家も使い捨てだ」と発言したが、総理も使い捨ての時代。本人がそれを望み貫くのであれば、以て瞑すべきかもしれない。

 さてそんな中なので、次回どんな構図で選挙になるかわからない厳しい覚悟で浪人生活を過ごさなければならない。いずれにしても、今日がよければ良いというのではなく「明日への選択」を、みなさんとの「信頼ときずな」に基づいて行う政治、厳しい状況の中で一部の人が不公正に利益を得ることを許さない、働いた汗が報われる公正・公平な社会の実現に向けて、一身を捧げて働きたいという自らの決意は変わらない。もちろん自民党内に対して言うべきことは言っていくが、コツコツと選挙区を歩き、街頭活動を行い、ポスターを張り、集会で思いを伝え、地道に地域に根付くのみである。

今年も頑張ります!
どうか皆様にとっても、今年が良い年でありますように。

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