混沌と希望と。
北朝鮮の金正日総書記が亡くなった。振り返ってみれば、今年はビンラディンも殺されたし、カダフィ大佐も悲惨な末路を遂げた。今年は「悪の枢軸」と呼ばれた指導者の退場が続いた。拉致やテロで不意に自由や命を奪われたとても多数の人たちのことを思えば、それはテロに対する戦いの輝かしい成果かもしれない。とはいえ、それですぐ世界が平和になるかといえば、そうとも限らない。むしろ混沌の時期を迎える。イラクでは米軍が撤退した直後にいきなり副首相に逮捕状が出た。宗派対立の幕開けである。
ちなみに報道によると、金正日氏は、初ゴルフで11のホールインワンを達成したスーパーゴルファーだったそうだ。大会に出ればタイガーウッズが真っ青になっていたことだろう。北朝鮮からの情報なんて所詮そんな戯画的なもので、今更「本当に列車内で死んだのか?」とか「実は暗殺では?」とか言ってもムダである。多分「死んだ」ことは事実だろうが、それ以上のことは真相は不明としかいいようがない。
またそんな中で、安全保障を司る山岡国家公安委員長と一川防衛大臣が参議院から問責を受けたまま放置という我が国の状況も極めてマヌケな話で、野田総理が街頭演説に出かけたとか山岡国家公安委員長が地元に帰ってたとかいうオマケつき。マジメにコメントする気にもならず、ため息しか出ない。まあそもそも、公務員給与削減もできず満額ボーナス支給しておきながら消費税増税に不退転の決意を示すドジョウ総理の言葉なんて、いまや北朝鮮に関する報道なみの信頼性しかない。小沢勉強会発足の報もあり、民主党の中も混沌のようだ。まあ、ニュースにもならないわが党もどうかと思うが。
先日、岡山政経塾の記念シンポジウムでNEWS ZEROの村尾信尚氏の講演を聴く機会があった。「アラブの春」やアメリカの貧困デモの話をとりあげ、これからは「社会の公正さ・公平さ」がより切実に求められるだろうとのことだった。普段からその言葉を使っている身としてはちょっとうれしかったのだけど、喜んでばかりもいられない。12月に入ってほぼ毎晩忘年会でいろんな方のお話を聞くが、その中で何度も耳にしたのが、生活保護制度への不満だ。主張そのものはともかくとして、「自分は頑張って働いてシンドイ思いしてるのに、、、」という気持ちは痛いほどわかる。日本でも、昨年よりも確実に鬱積したものが溜まっているのを感じる。橋下大阪市長に対する期待の高さもその表れだろう。
でも。希望はある。東日本大震災でのボランティアや義援金活動や、なでしこジャパンの偉業だ。たとえ個々には小さくとも目立たずとも、周りを気遣い協力しながら自分の仕事をきちんと積み重ねれば、みんながびっくりするような結果が出せる。「はやぶさ」の帰還なんかもそうかもしれないし、最近倉敷・早島でもあちこちで見かける家々の素敵な電飾なんかもその芽生えかもしれない。混沌の世界情勢の中でも、同じようなことが言えるのではないか。願わくは、今の混沌が、未来のチームワークに繋がるものでありますように。そして政治がその役に立つものでありますように。その力の一部に自分もなれますように。とりあえず今できることを一つひとつ丁寧にコツコツがんばろう。
インフルエンザなどでの学級閉鎖などもあるようだ。体調管理には十分お気をつけくださいませ。
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コメント
とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
投稿: 本人希望 | 2011年12月28日 (水) 12時50分