本日、臨時国会が招集され、野田総理が所信表明演説を行った。今日も倉敷市内をあいさつ回り中だったので(暑かったですね~!)リアルタイムでは見られなかったが、あとでWebで全文を読んだ。東日本大震災や先日の台風災害などで犠牲となり奮闘した方々を称え、エキセントリック菅総理が残した遺産キーワード「脱原発」はあっさり骨抜き。当然急ぐ必要のある原発事故対応および震災復興に力を注ぐ姿勢を示し、三党合意にも配慮し、日米同盟は基軸という路線を強調し、増税は匂わすものの極端な表現はなし。キーワードは誠心誠意。
とても、自民党の総理大臣の所信表明演説のような感じがする。むしろ本人の言葉に反し、「金魚がドジョウになろうと」野田総理は努力しているのではないか。
野田総理は、実直・地味・真面目をアピールし、これまでの民主党に対するイメージからの転換を図った。どこの広告代理店がサポートしているのか問いあわせてみたいほどに、ここまでそのイメージ戦略は成功しているといってよい。しかし、周囲の民主党の他の方々が、どこまでこの地味さに耐えられるかが見ものである。既に辞任した鉢呂前経産相以外にも、小宮山厚労相のたばこ税に関する発言や、一川防衛相の素人発言(そんな人に防衛大臣してほしくないんだけど…)など、ひらひらした金魚のシッポはあちこちに見え隠れしている。
この臨時国会の期間は4日間という。自民党はじめ野党は反対したが、起立採決により与党の賛成多数で決められた。4日間は、総理の所信表明とそれに対する代表質問を衆院・参院で行うだけの時間しかなく、予算委員会他の委員会審議はできない。これは与党による審議拒否と言ってよい。また自民党・公明党に震災対応等について協議を呼び掛けつつ国会を閉じてしまうのは、オープンな議論をせずに国民不在の場で手を握ろうとするものだ。それで国民に対して「誠心誠意」と言えるのか。民主党・平野国対委員長が自任する不完全内閣を、とにかく隠そうとしているのだろう。「放射能つけちゃうぞ」事件を受け、民主党輿石幹事長は報道各社に事情聴取までしたそうだ。オープンになったら都合が悪いことがたくさんあるのだろう。きっと。
さてドジョウに化けようとする金魚、どこまでできることやら。