三日目・隊長のお言葉
ボランティア三日目も無事終了。事故もなく終われて本当によかった。担当した側溝は、手を入れたところはすっかり底が見えるようになった。そうなってみると見違えるように綺麗な澄んだ水が流れていることに気づく。ちょっとだけ充実感。とはいえまだまだ少し下流に行くともう泥で溢れそうになっている。その溝一本だけでも通すにはまだ数日はかかるだろう。
毎朝、ボランティアが集合するとHさんという隊長がボランティアの心得について講話をする。「安全靴という名前の靴」「3つの『わ』」「3つの『あ』」「ABC」などの話をする(3日聞いたらだいたい覚えた(笑))。曰く「いいか、被災地はゼロじゃないんだ!マイナスなんだっ!それをゼロまで近づけるのが我々ボランティアの役目なんだ!」と。そして続けて「本当はそれは政治の仕事なんだ!しかし政治は動いてないっ!動いていても全く見えないっ!新聞には復旧復興とかバカなことが書いてあるが、まだ全然手も入っていないっ。だからボランティアがやらなきゃいけないんだ!」と。
考えさせられる話である。「菅政権がダメだから」と言ってしまうのは簡単だが、正直それだけでもないかもしれないとも感じる。
ただともかく、現場では原因なんてどうでもいいのだ。手が入らなければ誰かがやらなければならない。側溝の泥かきなんてユンボがあれば実は数時間で済む作業かもしれないが、無いのだから数週間かかって大汗かいて大勢の人の手でしなければならない。それでも動かないよりは前に進む。ずっとマシ。
一つだけ言えること。少し前、東京で現職の議員の方々とお目にかかったが、とても疲れた顔をしていた。遠野のボランティアの方々の表情にはみな充実感を感じた。例え体は筋肉痛だらけで汗まみれで汚泥臭くても。
誤解して欲しくないのだが、単純に「政治は汚くてボランティアが美しい」とか言いたいのではない。それぞれの役目があり、得失利害がある。両方の経験者としてそう思う。
ただとりあえず僕は、今ボランティアの立場にいられたことにとても感謝したいのだ。本当に貴重な幸せな体験をさせてもらった。ボランティアで一緒に働いた方々も、遠野の方々も本当にいい人ばかりだった。仲間が一杯できた。岩手行きを許してくれた僕の周りの方々や拠点などを用意してくれた倉敷市や社協の方々、先陣の方々にも感謝。その体験を国会に持って行き活かしたいと願う。これが今回の活動の感想だ。
ちなみに写真は釜石市立箱崎小学校から眺めた周囲。全国から寄せられた鯉のぼりがはためくが、周囲の津波跡地はまだまだ手付かずだ。
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コメント
背広組と制服組じゃありませんが、市井の末端の国民は、被災地じゃなくても毎日が自己復興との戦いをしていますよ。
防衛省は背広組も制服組も珍しく一緒に闘いましたし、現場の自衛官の方々の献身的な働きは本当に素晴らしかった。
免罪符のように「取敢えず行ってみました」という議員の絵日記ブログは笑える位に溢れているのですが、小学生の「朝顔観察日記」でしか無いので、立法府の議員に足るだけの仕事を出来る議員が残念ながら居ません。
野党ならまだしも、対策を何一つ用意しないで危機感だけを煽るのが「私が議員で生き残る唯一の道」とばかりに、煽るだけ煽って政局にしている、内紛与党の民主党には・・・もうウンザリです。
地味でも、当たり前な常識の中で生きられる日本を、岳さんには取り戻して描いていただきたいものです。
投稿: 龍義 | 2011年7月 2日 (土) 23時01分
管直人はアメリカの大統領に9月の上旬に呼ばれることが決まってから国会の70日間延長という日程を組んだとか・・。そして以下の記事です。
首相、10月訪中検討 側近に指示 「居座り」画策
産経新聞 7月3日(日)7時55分配信
拡大写真
菅直人首相(写真:産経新聞)
菅直人首相が10月に中国訪問を検討していることが2日分かった。首相周辺が明らかにした。首相はすでに退陣表明しており、延長した通常国会の会期末は8月末だが、今秋以降の続投にも強い意欲を示しているとみられる。ただ、外交を理由とする新たな「居座り」画策は野党だけでなく、民主党内からも強い反発を招くのは必至で、政局は一層混乱しそうだ。
【フォト】居座る菅首相に焦る小沢氏 残り時間はわずか…
首相が検討しているのは、清朝崩壊のきっかけとなった辛亥革命の「武昌蜂起」から100年にあたる10月10日前後の北京訪問。中国ではこの時期に国を挙げた記念行事が予定されている。
首相は記念行事に出席したい意向で、実現すれば就任後初めての訪中となる。10月10日は首相の65歳の誕生日でもある。
首相は6月2日に退陣の意向を表明し、同月27日の記者会見では、平成23年度第2次補正予算案と再生エネルギー特別措置法案、特例公債法案の3つの成立が「(退陣の)一つのめどになる」と述べた。
だがこの際も、具体的な退陣時期は示さず、訪中への意欲を失わなかったとみられ、最近、側近に対して「10月10日の辛亥革命100周年の記念行事にあわせて訪中したい」との意向を改めて伝え、中国側との調整を指示した。
首相の辛亥革命への思い入れは強く、今年1月の施政方針演説では「中国の近代化の出発点となった辛亥革命から今年で100年になる」とあえて言及。さらに「来年の日中国交正常化40周年を控え、改めて両国の長い交流の歴史を振り返り、幅広い分野での協力によって戦略的互恵関係を充実させることが重要だ」と述べて、沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件で悪化した日中関係の改善に強い意欲を示していた。
また2月16日の衆院予算委員会でも「いろいろな催し物を日本政府としても応援し、(来年の)日中国交回復40周年の大きな節目の年につなげていきたい。機会があれば、ぜひ私自身も行きたい」と10月訪中への強い意欲を見せた。
日中両国は毎年首脳の相互訪問を実施しており、今年は日本の首相が訪中する年。5月に東京で行われた日中首脳会談で温家宝首相は菅首相の年内の訪中を招請。菅首相は「本年の都合の良い時期に中国を訪問したい」と応じていた。
投稿: かめ | 2011年7月 3日 (日) 11時28分
先月、箱崎に『希望の鯉』(鯉のぼり)を泳がせに行ってきました松本です。ここにアップして下さりありがとうございます。
三人で箱崎へと鯉のぼりを届けに行きました。私は和歌山から。後の2人は町田市玉川商店会の青年部の若者です。
全国から315匹の『希望の鯉』が届けられました。
彼らは、今回が二度目の箱崎でした。一度目行った時に西山さんの息子さんと鯉のぼりの話になり、実現しました!!
これからも私達は箱崎を応援し続けます!!復興する箱崎を見届けるまで!!
微力ですが、がんばります。
今は、箱崎の方と話を詰めながら、「箱T」復興Tシャツ作成中です!
この『希望の鯉』を泳がせている時の様子を You Tubeでアップしました。
NHK WORLD で放映されたものです。
もし、宜しければ見ていただきたいです。
http://www.youtube.com/watch?v=yQgp-Y7yH4k
玉川商店会の今月の夏祭り29.30日では 彼らの働きかけで釜石市の物産展の出展が決まりました!!
そして、この箱崎の事を切っ掛けに、彼らの商店会での集まる義援金は釜石市へと寄付されることにも決まっているようです!!
船が無いので漁ができません!!
氷が無いので取っても魚が腐ります!!
しかし、現地の人達は誰が悪いとかそんな事、決して言いません。
突然のコメント失礼いたします。
松本
投稿: 松本 | 2011年7月11日 (月) 12時26分