多剤耐性細菌の院内感染で、なぜ警察が動く?
最近、「○○病院にて、多剤耐性細菌の院内感染で○人が死亡。警察が任意聴取へ」といった新聞記事がいくつか出ている。院内感染というのは、病院の中で細菌などに感染して敗血症などの症状を起こすこと。基本的には消毒の徹底などを通じて予防手段がとられる。だから仮に、消毒等について標準的に行われるべき作業が行われていなかったために院内感染が大発生したりしたとすれば、それは業務上過失致死傷の対象として警察の捜査対象となるべきかもしれない。
ただ気になるのは「多剤耐性細菌で」という部分だ。抗菌剤が効かない細菌なので、感染してしまったらもはや医師にも打つ手がない。それで死者が出たとして、ただちに警察の捜査の対象となるべきなのだろうか?もちろん、拡大防止のための調査や対策はきわめて重要。ただそれは警察の仕事ではない。
究極的には、細菌の感染は自然現象であり人為的な防御手段には限界がある気がする。また、菌も日々進化するのでそれに対抗する手段があるとも限らない。にも関わらず医師個人や病院が業務上過失致死に問われたのでは、医療側もたまったものではない。どうも、福島県立大野病院事件的発想・行動が形を変えて表れているような気がしてならないのだが。
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コメント
あまり好きな言葉ではありませんが、トリアージという言葉があります。
総合病院にかかる為には個人病院の紹介状がなければ診察を受けられない・・・というのもある意味「平時のトリアージ」なんでしょうが、それでも総合病院はいつも満員御礼で指定時間から1~2時間待つのもザラにあります。緩やかなトリアージを掛けても殺人的なスケジュールをこなさざるを得ない医療現場は、従事者の誠実な善意に依ってかろうじて成り立つ「毎日が自転車操業的な」非常に脆弱で過酷な綱渡りです。
帝京大付属病院の院内感染対策者が2名(医師・看護師各1名)であったことが「危機感に欠けている少なさだ!」盛んに非難されますが、私は正直言うと同情してしまいます。
何人もの専門医を常駐させられる余裕を持つ病院が日本にどれだけあるのか?全てに100点満点を求めるには余りにも善意に頼り過ぎている医療現場に酷です。
厚生省の医療技官が腕を見せなくてはいけない、その存在理由を万民に納得させる千載一遇の機会の筈なのですが・・・!
岳さんがおっしゃる通り、警察に根本的な解決が出来る問題ではなく、寧ろデスクワークと出世以外に興味を持たない人員をも総動員しても医療技官が全国を回るべきなんだと私は思います。(本当の医療技官ならばとっくに巡回してる筈ですがね!)
投稿: 龍義 | 2010年9月 9日 (木) 02時11分
★☆★院内感染は、悪意ある人災だと私は思っています。だれかが何かの目的を達するためにチョコッと付けた、ごく小さな規模の細菌があっという間に増殖した。とこんな風に考えています。。。まあ、これはSF映画が大好きな私の個人的意見ですが。。。(*^-^)(^-^*)★☆★☆★
投稿: ☆天然石ネックレス☆ | 2010年9月 9日 (木) 05時08分
細菌の感染が人的ミスによるものでなくても 警察介入によることで 細菌拡大の抑止力に繋げることが出来るのであれば、問題ないと思いますがねぇ…。警察介入は 有り難いことのようにも思えますが…??。私は、ど素人で なぁ~~~んにもわかりませぬが…。
投稿: アンチ細菌感染。 | 2010年9月14日 (火) 01時54分
「釈迦の本心に迫る!」
~小沢一郎への最後通牒~
鈴木宗男元議員の収監が9月7日に決定しました。
ほぼ同時に発刊されたのが幸福実現党の「小沢一郎の本心に迫る」・・・10月の検察審議会における小沢評定が間近に迫るなか、鈴木の収監をみた小沢派のこりない面々は、頭領の行く末と重ね合わせたにちがいない。
幸福実現党より、なぜこの本が出されたか、理解できない信者がたくさんいたに違いないが、
書籍の内容は、小沢は「仏様に降伏する」「憲法改正が私の本心」という、幸福の科学の主張にすりよった内容だった。
実際、小沢は総理大臣にならなければ、検察の追及から逃げられないかもしれず、地獄行きは死んでからの話でもなかった。負けても党を割る意外、生き残る道はない。
従容として刑務所への道を歩くか、党を割って書籍の中の小沢の守護霊なる者の主張通りの行動をとるか、二つにひとつ。
この退路を断つ選択のさせ方こそ、「釈迦の本心」である!!
民主党代表戦のタイミングで違法な行動をとってしまった中国側の船は、まさか自分達が動かされたとは思わないに違いない。
人は天の手のひらで動いていること。気づかなければ、愚か、愚か、愚か。
投稿: かめ | 2010年9月14日 (火) 21時31分