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2010年2月22日 (月)

長崎県知事選によせて:国民の政治への期待は正当なものか

 長崎県知事選挙で、自民党・公明党推薦の候補が当選した。一時の民主党の勢いが止まりつつあると捉えて良いだろう。新聞記事によると、内閣支持率がさらに低下をして3割台になったのこと。早速「与党の政治とカネの問題が響いた」といった解説が聞かれている。自民党の支部長として素直に受け取れば、喜ぶべきこと、励みにするべきことかもしれないのが、正直あまりそう思えないのは、何故だろうか。

 過去、総理大臣が交代するたびに支持率が上がり、いずれ徐々に落ちていくというパターンが何回繰り返されただろうか。小泉政権のみ、拉致問題での成果や郵政解散で支持率をあげることに成功したのが唯一の例外だ。その他の内閣では、交代時に支持率が上がり、あとは常に下がるのみというパターンが森内閣以降ここ10年以上定着している気がするのは気のせいか。そして、それが民主党政権になっても繰り返されるとするならば、特定政党や特定個人にその原因を帰すことはできず、構造的な問題と捉え直さなければなければならないこととなる。

 仮にそうだとすれば「政治家は、国民の期待に答えることはほとんど不可能である」という仮説が成り立つ。それは裏返せば、国民が政治家に過大な期待を寄せ過ぎているのではないか?ということだ。

 政治家は国民の声や期待をうけて国政をよりよい方向に導くのが責務である。期待への満足は、本来はその結果としてあるべきものであり、決して目標とするべきではない。しかしメディアの「蔓延」と表現すべき普及や、マーケティングの思想の普及と政治への誤った援用により、「期待を満足させるのが当然」という感覚に、国民がなっていないか。もちろん政治の努力や能力や倫理の不足を指摘するのは極めて容易い。政治家同士にあってもだ。糾弾されるべき人もいるのも間違いない。しかし多くの政治家は、未熟を指摘される点はあっても普通の真面目な人間である。政治家も、例え総理大臣であっても万能の神ではないことも自明の理。限界はあって当然だ。

 以前、「医療における『当たり前』感を駆逐するために」という作文を書いた。医療崩壊の原因の一端を、非医療者と間の認識のギャップに求めた文章だ。なんでも、最近JMMで流れた記事(JMM570Ex4)によると、デンマークでは骨折してからギプスをつけるまで2週間かかるしい。それでも「以前よりまし」といって納得しているとか。日本では即座にマスコミや患者たちに糾弾される話。要は、それくらい「主観的納得」というのは状況や事情や地域や個人によって激しくバラつきがあるということだ。それを押し並べて「支持率」という尺度で測ることが、どのような意味をもつものか、誰か考えて記事を書いているマスコミはあるのだろうか。個人的には、同じように、「政治における『当たり前』感」も駆逐したいと切に願っている。

 こんなことを書くと「私たちの切実な感情がわかっていない」「国民感情から離れている」といった指摘をうけるだろう。当然の指摘である。視点が違うのだから。或いは「岳もまだまだ若いナァ」と斜に構えた受け取り方をされるかたもおられるだろう。若いのだから仕方がない。

 いずれにしても、ならば敢えて問いたい。「国民感情に沿うのみことに汲々とし、日本の将来を誤りに導く政治をあなた方は期待するのですか?」と。そういう政治は世を滅ぼす。僕は世を滅ぼしたくないし、そんな政治家には死んでもなりたくない。だからここまで読んで下さった皆さんも、胸に手を当てて考えてほしい。「あなたが政治家に期待していることは、本当に世のため人のために正しいことですか?」と。

今日は東京。これから舛添カレッジ。自民党で最も旧来自民党に染まっていない方々と、フレッシュなエネルギーに触れに行きます。

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23.雑感」カテゴリの記事

コメント

支持率……何に対して支持するのか。
考えは人それぞれだと思いますが、私としては少なくとも政治家個人の資質を質しているつもりはありません。
ですから、この度の長崎知事選挙での民主党側の敗北は、首相の言う「政治とかね」が原因という単純な構図ではないと思います。もっと根深いと思うのです。国民は馬鹿ではありません。けっこう真面目に国政を見守っていますよ。政権交代して、ふつーの主婦だって政治を考えるようになりました。井戸端会議で政府の話がでるくらいです。のほほんと暮らしていた庶民ですら日本のあり方を考えるようになりました。先生方に劣らないほど、日本の将来を案じるようにもなりました。今の政権に任せておいて本当に大丈夫なのか。不安に思っています。
さて、長崎の知事選、「政治とかね」の問題は敗因の一つに過ぎないのではないでしょうか。おそらくは民主党の政策、あるいはやり方に対する不信感のあらわれではないかな? 多くの国民がそれに気がついてきているのではないでしょうか?
とはいえ、気がついても反民主党の受け皿がないと感じるのも事実です。自民党もまた同じ……本音はそんなところです。
ですから、どうか新しい自民党を見せてください。変わりました、というメッセージを発信してください。私達に安心できる未来を見せてください。それは政治家個人への糾弾や非難だけでは伝わらないと思うのです。やはり政策で勝負できる政党こそが本物だと思います。

投稿: ぱっぱらぱー | 2010年2月22日 (月) 20時55分

どうせ民主党推薦以外の候補者が県知事になっても長崎新幹線は露と消え、道路建設は中止という民主党政権下ではどの候補者が知事になっても有利不利はさほどないという計算があったか?中村さんの経験への期待、民主党候補の魅力不足と経験不足が影響?いろいろと中村さんの勝因はあります。

伊藤一長市長射殺後になった田上市長も同じように長崎市役所勤務で、現在着実に仕事をして高感度が高く、中村さんにも前金子知事の下で副知事をした経験、県庁一筋という経歴が影響しています。

長崎県民の適切な選択であったと思います。現在は福岡県民ですが長崎出身者としては長崎市長選以来、嬉しいニュースです。なんと言っても富岡 勉先生はじめ自民党議員が敗北して全て4選挙区で民主党が勝った県ですから。もちろん民主党への批判、諦めはかなり影響したと思います。

私は舛添さんが中心になって反小沢勢力を取込んで既成の党を脱却して新党を作って頂いた方がいい、それに期待しています。

投稿: Taichan | 2010年2月22日 (月) 21時28分

岳さんのこの記事、とても共感しました。私が今回の民主党政権に期待していることは二つです。一つは、「日米同盟」関係を見直して、少しでも日本自身の立場を打ち出すこと、もう一つは、これまでの縦割り三権分立的な日本の統治のあり方を見直して、少しでも立法府主導的な方向にもっていくこと。将来の日本のために、この道筋さえつけてくれればもって瞑すべしです。どちらも残念ながらいまの(これまでの)自民党には無理だと思いますので。

投稿: 公文俊平 | 2010年2月22日 (月) 22時48分

書き忘れました。民主党がポシャッたら、どうかあなた方が後を引き継いでください。

投稿: 公文俊平 | 2010年2月22日 (月) 22時53分

具体的に岳先生の疑問に答えるならば、厚生労働族としての側面も持つ橋本先生に、社会保障という巨額の財政負担となっている年金や生活保護といった「弱い立場のためにある」政策分野を思い切って大幅に削除して国家財政を建て直すことが長期的にみて「国家国民のためになる」ということが「正しい」と考え、期待するべきことだと考えます。
 しかし、そんな厳しい政策を、国民の感情やマスコミの反対、有識者の反対を押し切って、実行できるかといえば、できないのではないでしょうか?
 今、私が言った事は私や私の家族や身近な人への被害が出るなら、決して認めたくはありませんが、感情や身に降りかかる火の粉を避けずに国家国民のためには絶対やり遂げねばならないことならば、また、その立場にあるならば、それを避けて通らないのが本物の政治家であろうかと私は考えます。
 稲富修二は、「税制と社会保障」を専門にしていますし、若手の代表としてお年寄りの年金を守ることを訴える事で選挙に当選しましたし、大変な努力家でもありますし、弱い人を守る強い人という正しさも有しています。しかし、国家破綻が現実化して国家が崩壊する事によって国民の窮乏が生じるなら、本末転倒です。
 私は、この方の「年金を守る」「税制と社会保障」といった訴えの部分に非常に疑問を感じるのです。

 話は戻りますが、長崎県知事選挙での自民党の勝利、本当に良かったと私は思います。JAL破綻から、HTBへのHISの経営参加と福岡7社の共同出資、地元首長の大変な努力、そして「2010年2月21日」寅年、寅の月、寅の日という「トラ・トラ・トラ」の掛け声が国中に天高らかに響き渡りました。
 一連のの動きや流れに、私は次元の違う天の御尽力を強く感じましたが、お気づきの方はどのぐらいいるものでしょうか。
 
 
 

投稿: かめ | 2010年2月22日 (月) 22時55分

長崎県民は民主党がイカサマ党だということを理解したのでしょう。ゼネコン、マザコン、 日教組の塊だということもネsign03。自民党が優勢と思われる地域に民主党の大物議員が応援演説に駆け付けたにもかかわらず大敗です。国民はバカではありません。重に民主党候補者は目先の事を考え、浅はかなインセンティブ?をちらつかせて選挙運動しているように見受けられますが、国民は将来の事を考えて投票します。宇高フェリーを廃止に追いやったのは民主党のせい?だったにもかかわらず存続を求めて倉敷の民主党Y木議員は、よくもまあ、のうのうと前原大臣にお願いに(テレビにまで出て)行けたものだなとアキレました(-"-;)。あの男、そのうち倉敷市民の仕分対象となること間違いナイsign03 20代の若者が選挙に興味持ち始めていますよ。日本が こんなだから……。

投稿: 静御前 | 2010年2月23日 (火) 02時57分

長崎県知事選挙について。勝因は、無党派層の民主党離れに尽きる。
無党派層は変わり身が早い民主党に失望した感がある。
岳が気になる岡山県内の情勢はどうか!
津山市長選挙の結果が全てである。
改革を求めている。
とりわけ、自治労出身の宮地さんは連合岡山の支援を受けたことが大きい。

岡山4区では、まだ民主党離れは起きていません。
でも柚木議員の説明を聞くと、民主党に都合の良い事ばかり言う。
奴は口が達者で役者でもある。
鳩山、小沢擁護論だ。
そのうち、無党派層の柚木離れも起きるだろう。
自民党でも民主党でもない、みんなの党が人気を集めるだろう。

消費税論議について。
予算92兆円に対して税収37兆円では日本はやっていけない。
福祉関係の予算については消費税増税で対応しなくてはいけない時期にきているのではないか!
安心して暮らせる老後が労働者の願いである。

投稿: たましまん | 2010年2月23日 (火) 09時48分

そうですね、岳さんの考えかたと少し同じ部分もあります。岳さんの考えかたはバランスのとれた、心から国民を思う気持ちが伝わります。与野党の立場が度々変わったら治まりかけて良い方向に向かっていることも白紙に戻ってしまうこともあるでしょうね。そして日本国民が心から日本を想う心、愛国心を持つようになるためには、まず、こどものころからの教育がとても大事だと思いました。岳さん日本の為に頑張って下さいね 岳さんはスバラシイですよsign03静御前はそう思っています(^ー^)。

投稿: 静御前 | 2010年2月23日 (火) 10時56分

トラバしました。

「国民感情に沿うのみことに汲々とし、日本の将来を誤りに導く政治をあなた方は期待するのですか?」と。そういう政治は世を滅ぼす。僕は世を滅ぼしたくないし、そんな政治家には死んでもなりたくない。だからここまで読んで下さった皆さんも、胸に手を当てて考えてほしい。「あなたが政治家に期待していることは、本当に世のため人のために正しいことですか?」と。

素晴らしい姿勢・思考ですね。同意します。
しかし、どうやってその次元に国民意識を引き上げるのですか?マスコミでさえ、「長崎県」知事候補の「政策」比較をよりも、「小沢鳩山の政治と金」の影響に議論を集約する始末。マスコミが「政策」を議論しないのに、国民が議論しますかね?しませんよね。私もよくよく考えるのですが、国民が主体的に判断して投票するように意識変革していくための効果的な手法がなかなか発想できません。難しいですね。

それにしても、政治家がこのようなレベルの問いかけをしなければならない日本の現状・・・日本の民主主義の程度が知れます。私は日本国民として恥ずかしい。日本の民主主義というものは、単なる言葉なのですかね。大好きな日本の将来が心配で仕方ありません。

投稿: 244しっかりしなさい | 2010年2月23日 (火) 21時39分

>>岳さん
公僕って意味分かってないですね。
国民からの税金で食っているのにその国民を批判するとは・・・アマチュアですね。

政治家はお辞めなさい。

投稿: wisaojp | 2010年3月26日 (金) 11時23分

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