骨太の方針2009
来年度予算編成の基礎となる「骨太の方針2009」について、概ね固まってきた模様。記述の通り、党政調全体会議等にていくつか僕から要望した点もあるので補足する。ただし僕が見ているのは決定された最終版ではないので念のため。
(21日追記。党総務会にて2200億円削減の件でペンディングになった模様。がんばれ津島雄二、尾辻秀久両議員)
○幼児教育、保育の総合化
「幼児教育、保育の総合化を図る」という文言は「幼児教育、保育のサービスの充実・効率化・総合的な提供を推進する」とされた。
内閣府の担当者に一つ一つ詰めて確認したところ、「総合的な提供」とは「認定こども園の増加、幼稚園における預かりサービスの拡充」のこと。また「効率化」とは、充実を前提としており、「定員の弾力化や、今回の補正予算で安心こども基金に加わった送迎センター(定員割れの保育所への送り迎えを行う)を想定」とのこと。
「一元化」の問題で議論となったが、そういう意味ではないと明言された。誤解を招くことは回避されたのではないか。
○死因究明制度
これについては結局「犯罪の見逃し防止及び公衆衛生の向上のため、法整備に向けた動きも踏まえつつ、死因究明制度に係る施策を着実に推進する。」となった。要望を汲んで議連の動きにも触れられており、二重丸の結果である。あとは法制化の準備を進めるのみ。選挙後になるだろうが。
○医師養成数
これまであった偏在是正の記載とともに、「医師等人材確保対策を講じる」という記述がされた。「中期プログラム」では「医師等人材確保策」として医師養成数の増加と書いてあるので、そのように読めということだ。
○社会保障費2200億円削減
これについては、残念ながら「基本方針2006」という文字自体は残ってしまった。完全に財政再建の旗を降ろすわけにはいかんということだろう。ただし正確には「『基本方針2006』等を踏まえ、歳出改革を継続しつつ、安心と活力の両立を目指して現下の経済社会情勢への必要な対応等を行う。」という記載となり、これまでの記載(「『基本方針2006』の方針を堅持し」等)からは相当緩い表現となっている。「経済情勢」だけでなく、「社会情勢」まで含まれたことも注目。また例外規定をわざわざ書きこんでおり、来年度予算ではそこを活かすことを示唆している。
園田政調会長代理は既に来年度予算では2200億円削減は行わない、診療報酬は上げることを明言している。また別項の「当面の最優先課題」にて、「社会保障の『ほころび』の修復なしに政府への信頼回復はない」という認識が示されており、これは年金の問題や医療・介護の問題を示唆している。そういう意味では、これらの記述により来年度予算編成においてはこの分野に相当重点を置くものと期待できるだろう。
ただ再来年以降については議論が持ち越しとなってしまった。引き続き注意が必要だ。財政再建の旗を降ろすわけにはいかないという苦労もわかるのだが、、、、。
この件については、尾辻秀久・参院議員会長と園田博之・政調会長代理の間で怒鳴りあいに近いやりとりになり、最終的には保利耕輔・政調会長が「私が責任を持ちます」と引き取った経緯がある。自民党の中でも大きな争点になっているのだ。
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コメント
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投稿: よっちゃん王子 | 2009年6月20日 (土) 16時29分