“35歳”を救え!
今日は終日、倉敷市内で街宣と挨拶回り。街宣していると声援してくださる方も少なくない。感謝である。
帰宅してからNHKスペシャルを妻と見た。今日のタイトルは『“35歳”を救え―明日の日本 未来からの提言』というもので、取材に当たったNHKの記者さんに教えていただいた。まさに私も妻も35歳。興味深く拝見。以下に内容をかいつまんで紹介する。
昔は35歳と言えば、既に結婚して1人か2人は子供がおり、そろそろマイホームを持つ人もいるような一人前の社会人年代というイメージだった。しかし終身雇用は過去の話となり、倒産や解雇も珍しくない昨今である。結果として今の35歳は、以前と比較して低所得化が進み(年収600万円台が最も多かったのが、今は年収400万円台が最も多い)、35歳時点での出生率も10年前の35歳は1.2程度だったものが0.86まで下がってしまっている。結婚や子育てしたくても経済的にできず、結果少子化に歯止めがかからない。将来にも不安を抱えている。自分の身の回りを見てみてもうなずける話だ。
今後とるべき対策として、「積極的雇用政策」と「生活支援」の二点を挙げていた。就労支援や技能教育など「人」に投資をすることで正社員化を進めること。イギリスの就労支援民間団体が取材されており、また積極的雇用政策に予算を割くことで、将来の経済成長の増加や年金給付の削減減少、消費税率増分の減少が可能という試算が示された。また住宅や子育てに支援して負担を軽減し、安心して子育てに取り組めるようにすること。ここでは岡山県西粟倉村の例が紹介されていた。多様な働き方を許容する企業も紹介され、若者世代へのさらなる支援を訴えて番組は閉じられていた。
以前から僕は「団塊ジュニア世代が子育てしたくなるようにしなければ、少子化に歯止めがかからない」と訴えている。この世代が将来の鍵を握ることを、この番組はわかりやすく指摘しており、個人的にも大変勉強になった。モノへの投資から人への投資へ振り替えてゆくべきという主張も、基本的にそのとおりだと思う。一方で、番組内でも指摘されていたがコスト負担の問題や、マクロで見た場合に国際競争力をどう維持するのかといった点に、まだ課題は残る。西粟倉村で実現したことが日本全体ですぐできるかというと、そう簡単ではないだろう。
とはいえ、就職氷河期を乗り越え、入社しても過去のバブル期の栄光の様子を話で聞くだけという、あまり報われずに黙々と一生懸命努力してきた自分たちの世代が脚光をあびることは、素晴らしいし大事なことだ。機会があれば再放送やNHKオンデマンドなどで、ぜひご覧いただきたい。
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コメント
★☆★橋本岳さんが教えてくださらなかったら、『35歳の皆様』の現状を知ることができませんでした。今回のテレビ番組を、ぜひ見たいと思いました。★☆★☆★
投稿: 天然石ネックレス | 2009年5月 7日 (木) 11時08分