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2009年4月21日 (火)

飲酒後の当直という報道について

 大阪の病院で、副院長が飲酒後に当直勤務していたケースがあった、と報道された。もちろん、避けるべきことである。しかし議論の前提として、当直の頻度や回数が相応のものかどうかも留意すべきだ。下手をすると事実上禁酒しないと産科医はできないことになる。そもそも産科および産科医師は絶対的に足りないのだ。

 過度に報道や世論が高まりすぎた結果「じゃあ分娩の取り扱いをやめます」という病院や医師がさらに続出しないか、とても心配だ。困るのは妊婦やその家族、ひいては社会全体である。医療に関して比較的恵まれている倉敷ですら、特に産科は厳しい。

 非を鳴らすのは簡単だ。しかし「羹に懲りて膾を吹く」という事態を招きかねないことも理解し、問題解決にあたらなければならない。もちろん政治の責任は重大である。しかし敢えて議論を喚起したい。

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コメント

★☆★『医療に関して比較的恵まれている倉敷ですら、特に産科は厳しい。』という言葉に少々おどろきました。産科のお医者様の現状を、もっと、もっと、もっと知りたいと思いました(@_@;)★☆★☆★

投稿: 天然石ネックレス | 2009年4月21日 (火) 16時37分

確かにそうですね。個人の資質だけで解決できる問題なのか見極める必要がありますね。
ブログの内容とは外れるのですが、衆院選がはじまる前まででけっこうですのでマニフェスト的なもの(思考の方向性)を掲げていただけるとありがたいですね。やりたい政策について、消費税、憲法改正(9条だけでなく)、大きい政府か小さい政府か等々。この政策のためにはこの政策を犠牲にするといった意味で優先順位も知りたいと思います。
既に公表されていたらすいません。

投稿: dege | 2009年4月21日 (火) 19時59分

岳さんそれはないでしょう。産科医師が少ないから飲酒の当直もやむなしですか。他の職業で飲酒してもいいなんてありえません。(飲食店で働く人はいいのかな)まして人の命を預かる職業の人がお酒を飲むなんて言語道断だと思いますが。医者ともあろう方が飲酒の影響を考えない事自体ナンセンスとおもいます。お酒が飲めないから産科医師を希望しない人が増えるなんて岳さんバカにしちゃいけません。

投稿: みやわき | 2009年4月23日 (木) 20時05分

みやわきさん、みなさん、

 コメントありがとうございます。みやわきさんのおっしゃることは、至極もっともだと思います。

 僕が言いたいのは、ただの酒気帯び勤務だったらそれはただ批難すべき対象ですが、そこに「そうせざるを得ない何か」があるのではないか、我々はそれを知らないのではないか。無批判にマスコミの言うことを信じるのではなく、そういう謙虚な観点を持つべきだ、ということです。

 児島市民病院はスーパーマン的に産科を支えていた先生が辞められたので産科はなくなりました。三菱水島病院も閉院になりました。個人医院でも分娩取扱いは減っており、倉敷でもそのうちにお産難民が出るよ、ととある医師の方に以前言われました。

 一方で、私は以前ある児島での酒の席にて「うちの奥さんが妊娠して倉敷まで行かないといけないのはおかしい。早く児島市民病院の産科を何とかしろ」としつこくお叱りをいただいたことがあります。

 実は僕はちょっと絶望的な溝を感じています。しかしあきらめてはいかん。現場で踏ん張っている人もいる。そういうもろもろの体験と思いを踏まえ、このエントリを書いたものです。

投稿: 橋本岳 | 2009年4月23日 (木) 23時00分

義理の弟が産婦人科です。
医者も飲酒運転したくありません。だから、あの副院長も、宴会の後に、病院に泊まって、お産に立ち会ってしまったのだと思います(TV会見)。推測ですが、本当の当直はいますが、対応できない場合には、自宅待機している副院長が呼び出される体制になっていたのだと思います。
正式な当直で対応できない事態(お産が重なった。帝王切開になった。飛び込み出産が救急車できたなど)になったと思われます。元々から宴会や飲み会がある場合に出席する医師が正式の当直になることはありません。正式な当直医が対応していて、問題が少ないと思われるお産に立ち会ったものと思われます。
新年会、忘年会、その他地域の会合などでの、宴会はたくさんあります。副院長ですから、それらに出ざるを得ない。自然分娩ですと、24時間体制でのお産体制が必要です。ところが、現在の医師数は8時間体制くらいしかいません。一人の医者が、待機時間を含めると、24時間365日対応しないと、日本中のお産に対応できないのです。飲酒がだめだと、断酒するしかありません。
通常、副院長は、家から駆けつけるけれど、飲酒運転になるので、病院に泊まったといっていました。

正月休みも夏休みも地域を離れられません。子供や奥さんに文句を言われ、子供と奥さんだけでディズニーランドに行くことになります。家族崩壊ギリギリまで、仕事人間になっている人しか、産人科にはいません。当直翌日も通常勤務です。この状況を耐えられる世代は、そろそろ引退ですので、その後はどうなるのでしょう。
若い産科開業医は、この状況をみて、不妊治療はしますが、お産を取りません。厚生労働省は、産科医の数だけの統計を見ているので、状況を甘く見ています。現場の崩壊は始まっています。

この報道で、また、一人お産を扱う産婦人科医(この副院長)が減ります。

勤務中お酒を飲めないだけなら、産婦人科医は、減らないでしょう。
断酒しろといわれたら、他の科に転科する人も出るでしょう。
今回の副院長を非難するコメントがあふれたら、心が折れて、お産をやめる産科医も増えるでしょう。この副院長が飲酒した後もお産を取らなければならない状況を分かってもらえないから。

他の産科医院も同じ状況なので、患者を回すなんてことは出来ないのです。

投稿: 千葉GT | 2009年4月24日 (金) 10時58分

私の叔父は産科の医者でしたが、お酒が大好きでした。母とは、医者になってからは、遺骨になるまで会うことはありませんでした。
 叔父が医者になったのは、親の強い意向と、本人の大変な努力でした。田舎者でしたから「医者になれば、お金もちになれ、尊敬される」という世間の認知度から、両親が少ない収入の中から、大枚をはたいて仕送りし、本人は少ない仕送りの中から「自由自在」という参考書だけを繰り返し勉強して、中学・高校とラサールに合格しましたが、お金がないので私学に通えず、それでもあきらめずに、志をもって産科で有名な医学部に入学し、3人の子を育てつつ研修医としての期間を、年間千件以上のペースでメスを握った、という本人の手紙を読んだ記憶があります。
 酒を飲むことでしか、ストレスから解放されないのかも知れません。
 「激流中国」で見ていても、どんなに貧しくとも医療にはみんな後先考えず、お金をかけざるをえないのですから、救急や産科のような、お医者様には、是非手厚い国家的な支えをお願いします。

投稿: かめ | 2009年4月24日 (金) 17時55分

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