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2009年3月27日 (金)

歯科医師養成の問題

 23日の聴講者さんから、歯科医師国家試験の問題についてコメントをいただいた。 先日もご多用のところお運びをいただき、また今回もコメントを賜り、ありがとうございます。改めて確認の上補足をさせていただきたい。また昨日のエントリでもこの件に関して誤った記載があったので、あわせて訂正する。

 そもそも歯科医の養成にあたる大学歯学部の定員は、昭和40年代半ばから急増していた。一時は年間3,000人を超えていたが、昭和59年に厚生省検討会の中間報告にて20%削減の提言があり概ね達成された。平成10年にさらに10%削減が提言されたが、今度は1.7%の削減に留まっている。平成20年度現在で、歯学部29校2,657人の定員となっている。

 結果として歯科医師数は右肩上がりに増え続け、結果として歯科医院がコンビニよりも多くなり、競争激化の結果歯科医の5人に1人が年収300万円以下、「これではワーキングプアだ」という声まで聞かれるようになっている。そこで平成18年8月に小坂憲次文部科学相と川崎次郎厚生労働相との間で、

 (1) 歯学部定員については、各大学に対してさらに一層の定員減を要請する。
 (2) 歯科医師国家試験の合格基準を引き上げる

の2点の確認書が交わされた(これを昨日のエントリで「昨年末」と書いたのは誤りです。申し訳ありませんでした)。歯科医師国家試験については、平成19年末に厚労省が歯科医師国家試験改善検討部会報告書をまとめ、平成20年度に歯科医師国家試験出題基準を改定。各大学に周知を行ったうえで平成22年実施の試験より新しい合格基準が運用される見込み。なお歯科医師国家試験は慣例的に4年に1度出題数や出題範囲も含め改善されており、平成22年もその年にあたる。

 以上が厚労省にも確認した経緯である。23日の会の手持ちメモを確認したら正しく記してあったが、もしかしたらその場で(1)と(2)を混同してしまい、国家試験の合格者数を減らすように決めたかのように申し上げてしまったかもしれず、そうであればお詫びの上、上記のとおり訂正させていただきたい。事実としては、上記(1)の通り「合格基準の引き上げ」である。申し訳ありませんでした。

 しかし「23日の聴講者」さんの書かれたことは重く受け止めなければならない。学生の人生も考慮すべきことは、歯科医養成にも法曹養成にも共通することだ。また司法試験合格者数に目標があることが健全と言えるのか、やはり疑問が残るのである。

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