麻生総理の発言について
麻生太郎総理による地方の医師不足に関する発言に関し、正直、怒りが収まらぬ。
地方の医師不足の原因を、「医師の社会的常識の欠落」に求めるのであれば、さらに医師は地方から去って行くこととなるであろう。他罰主義が何の問題解決になろうか。多少漢字に強くなくても、居酒屋のメニューに疎くても、そんなことは全く問題ではないが、こと政策的問題に関することでポイントを掴まずかえって悪化させるような認識をしているのであれば、フォローのしようもない。強く抗議したい。
これまで党の厚労部会、医療委員会、救急医療PTなどさまざまな場所で機会あるごとに、志ある同僚と力を合わせて医療の実情を党内に知ってもらうように議論し努力してきた(例えばこちらをご参照)。しかし二階経済産業大臣の発言に引き続きトップからこのような発言があったことで、いささかの絶望感すら覚える。それでも努力は続けるけれども。
あわせて、厚生労働省がこの問題について総理に対してキチンとした説明をしていなかったのではないかという疑念も持たざるを得ない。だからこんな言葉が書かれるのだ。
「なんなら厚労省は解体したっていい。こんな不祥事まみれで、医療行政の舵取りを失敗し続けている組織が存続し続けていることこそ、奇跡なんですから」―『イノセント・ゲリラの祝祭』海堂尊
さて、どうしてくれようか。
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コメント
あの発言はないですよね…
それでなくても今改革をと考えてるのに…
党内でも反発あるとおもいます…そのことを上層部に伝えれないのですか?
そうすることでよくなることを期待します…
mixiニュースにもありますので岳さんのブログぺたらしていただきます…
投稿: はる | 2008年11月20日 (木) 06時23分
麻生総理の発言には怒りを越えて呆れて諦め感があります。PTA総会で保護者に向けて発言にも憤っています。日頃から思っているから口に出るのでしょうね。人の本音は必ず出ますね。表面的に取り繕っていても。人の心の痛みや葛藤や苦悩が理解出来ない人には政治家になって欲しくない。国民のための政治ができるはずがないのだから。岳くんは人の心に目を向けた政策を提言し実現する政治をやり続けてください。麻生総理発言に怒りを表した貴殿に期待します。
投稿: 江崎英子 | 2008年11月20日 (木) 09時29分
非常に頼もしいお言葉です。
ともすれば「身内の庇い合い」と言われがちな世界で(医療界でも同じですが)、こういう発言をしていただけるのは尊敬に値します。
ちょっとでも早く政治家の方も含め、国民みんなに医療崩壊の実情が伝わるように願っています。
投稿: まーしー | 2008年11月20日 (木) 11時00分
まったく同感です。岳先生のような国会議員がいらして幾分安心しましたが。
応援してますので、がんばってください!
投稿: みも | 2008年11月20日 (木) 13時10分
麻生さんの医師への発言、PTAへの発言の記事を新聞で読み、ビックリしてインターネットで検索してみました。
新聞屋の誇張であろうとの願いをこめて、検索しました。
が、絶句しました。あれだけの多数で決められた麻生さんですよね。次の選挙では大敗しそうですね。日本はどうなってしまうんでしょう。麻生政権が誕生してしまったことが悔やまれてなりません。
投稿: ら | 2008年11月20日 (木) 14時33分
日本の医療と患者の未来のために、日々精進している外科医です。
橋本先生、ありがとうございます。心より感謝申し上げます。
投稿: 工藤 篤 | 2008年11月20日 (木) 16時25分
地方の救命センターで勤務医をしてます。
橋本議員は医療問題に興味をもっておられるようで大変うれしく思います。
今回の発言を聞いて私は全く驚きません。現時点で日本の政治を牛耳っている人間の認識はこの程度なんだということを再確認しただけです。
ところで現場の医師の感覚では、医療は崩壊しつつあるのではなく、すでに崩壊してしまっています。もはやこんな首相が小手先で対策を打ったところでどうにもなりませんよ。
投稿: 勤務医 | 2008年11月20日 (木) 19時25分
ご多忙の中、また時間を割いてまでして頂いての勇気あるご発言、まことに端的適切で感激いたしました。現場の者たちは勇気づけられる事と思います。有り難うございました。
先生の医療と国民生活を守るお働き、応援申し上げます。
投稿: 赤松俊浩 | 2008年11月20日 (木) 22時16分