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2008年9月22日 (月)

マスコミ報道

世論はマスコミが作る。厳然として受け入れざるを得ない事実。

今回総裁選の推薦人となり、石破茂選対事務局次長としてニュースを
作りたい立場になって、改めて実感する今日この頃である。
もちろん、そういう私たちの下心に素直に反応しないのは、
むしろ健全なジャーナリズムというべきであろう。
だからといって、自分たちで世論を決めてよいかというと、
別の問題である。

例えば。9月21日21時配信の毎日新聞の記事より。

> 自民党総裁選は21日、12日間の選挙運動が終わった。
> 史上最多の5候補による「政策論争」を宣伝したが、
> 麻生太郎幹事長(68)への支持が雪崩を打つにつれて
> 互いの主張が接近し、経済財政政策をはじめとする争点はぼやけた。
> 首相の座を巡る競い合いよりは、5人そろって民主党への対抗意識が
> 目立ち、総裁選は、次期衆院選の選挙対策という実態があらわになった。

麻生太郎幹事長への支持は、当初から相当圧倒的であった。
マスコミ諸氏も知らぬはずがない。開始時点で全議員に聞いてるんだから。
であれば、

「支持が雪崩を打つにつれて、互いの主張が接近し」

というのは、知っていて書いた嘘と言わざるを得ない。
毎日同じメンバーで演説を繰り返していれば、他候補の長所を取り入れて
変化をさせていくのは、候補として当然の行動である。むしろそれが
「論戦」の意味なのではないか。結果として「互いの主張が接近し」と
なることもあるだろう。

一方で「論戦」と煽りながら、如何にも、「支持の多さに擦り寄った」と
いう印象を与えるような書き方は、あざとい。
はじめからまとまらない論戦など、ただのショーである。

「5人揃って民主党への対抗意識が目立ち、総裁選は、次期衆院選の
選挙対策という実態があらわになった」

どんなに長くても一年以内に衆院総選挙がある以上、民主党への
対抗意識があるのは当たり前である。民主党のリーダーを選ぶ選挙
ではなく、自民党のリーダーを選ぶ選挙なのだ。
一方で、大連立に対する見解の相違は各候補で明らかに存在した。
この記事では綺麗に無視されているのは、どういうことか。
もちろん総選挙が近ければ、「選挙対策」の側面があることは
否定しない。しかし他の側面を無視してよいわけではない。

> 世論へのすり寄りは、最終日の議論にも表れた。21日、NHKや
> 民放テレビで、麻生氏は後期高齢者医療制度について「これだけ国
> 民の反発が出て納得いただけないなら、非を改めるのに長く時間を
> かけない。抜本的に見直す必要がある。75歳という年齢制限などは
> つけない」と語った。
>
> 一緒に出演した石原伸晃元政調会長(51)も「抜本的に見直さな
> ければいけない」と同調し、与謝野馨経済財政担当相(70)も「行
> 政責任をどこが持つかに問題がある」と理解を示した。衆院選で野党
> の攻撃材料を一つでも減らしたい思惑が先行している。

世論の動向に沿うことを「すり寄り」などと言って批判的に扱うので
あれば、そもそも各新聞社の世論調査などやめるべきである。
一方で世論調査を行い「世論はこうだ!」という記事をつくる傍らで、
「世論へのすり寄り」という表現をするのは、わが身を貶める記事である。
不思議なことだ。

あれだけ、後期高齢者医療制度を批判しておきながら、「野党の攻撃材料
を一つでも減らしたい思惑が先行している」と書くのは厚顔。
もちろん思惑はある。しかし、一般の方々の声、そして各新聞社殿が作られた
「世論」への対応という側面はどこにいったのか。

> 「論戦不在」の象徴だったのが消費税率上げ問題。当初は与謝野馨
> 経済財政担当相の専売特許だったが、麻生氏も将来の「消費税率10%」
> に言及。石原伸晃元政調会長(51)と石破茂前防衛相(51)も条件
> 付きで税率引き上げを容認した。反対したのは経済成長を重視する
> 「上げ潮派」の小池百合子元防衛相(56)だけだった。

「当初は」とは、何時か。告示日翌日の政策発表会で、石破茂候補は
「消費税の引き上げから逃げない」と言明していた。論戦開始二日目が
「当初」でなくて、いつが当初なのか。自分たちで勝手に「当初」を設定し、
あたかも議論が後々で変化して「すり寄った」印象を与えるのは欺瞞。

> 総合経済対策の裏付けとなる08年度補正予算案の早期成立について
> も、麻生氏は繰り返し必要性を訴え、他の4氏も同じ立場で一致した。
> だが、与党は政策論議は置き去りで、補正成立前の解散・総選挙へ走
> り出している。麻生氏は主張通りなら、首相就任後、難しい判断を迫
> られる。

麻生候補の首相就任を前提として記事を書くのは腹が立つが、まあそれは
おいといて。総裁選で政策論議をしている中で「与党は政策論議は置き去りで」
とはいかなることか。総裁が決まっていない政党で、意味のある政策論議が
できるはずがない。する方がおかしい。首相はいつも「難しい判断」を
迫られる。リーダーなのだから当たり前である。それがどうした。

> インド洋での給油活動を延長する新テロ対策特別措置法の改正問題でも、
> 5氏は足並みをそろえ、延長反対の民主党を攻撃した。だが、麻生氏は
> 総裁選前まで、公明党に配慮し、延長に慎重だった。しかも、早期の
> 衆院選に踏み切れば、選挙結果次第で給油活動は終了する可能性もある。

公明党さんが、給油活動延長に反対しているとは初耳。ただし再議決を前提と
することに慎重というのが正確な表現か。よって、早期の衆院選に踏みきらなく
ても、給油活動は終了する可能性も当然ある。何か意味のあることを書いている
つもりだろうが、「しかも」以下は無意味である。

もう一点、何故「足並みを揃え」というのが批判的文脈で扱われなければ
ならないのか。ただ、新聞の図やテレビのフリップで縦横二軸のグラフで
並べられるような「論戦」を期待しているマスコミ諸氏にとって、
面白くないことだからといって非難されても、困る。

> 総裁選の政策論議は皮肉にも、自民党と麻生氏のジレンマを露呈した。

冒頭、「政策論議」が無く、あっても「すり寄り」でまとまったという
認識が示されていた筈だが、ジレンマが露呈したのなら、「政策論議」は
あったと言うべきなのではないのか。認識が首尾一貫していない。

要するにこの記事は、とにかく自民党を貶す目的で書かれている。
報道に見せかけた中傷である。
それ以上でもそれ以下でも、無い。

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