舛添政治カレッジ(第一回):舛添要一報告

2009年12月14日

1.本カレッジの目的
(1)政権交代の嵐の中で敗退した優秀な候補者の次期総選挙での勝利こそ政権奪還の道
(2)そのために必要な政策勉強、選挙準備を精力的に行うべき
(3)情報発信能力を高めるべき
(4)自民党新生のための中核となる

2.自民党の歴史的使命は終わった
(1)1955年の保守合同:左右社会党統一・共産化への危機に対する対応、1989年ベルリンの壁崩壊
(2)「自由」と「平等」は対立概念:接着剤は権力
(3)自民党的統治システム(田中角栄が完成)が時代遅れに:族議員(政官業の癒着)、部会制度、個人後援会組織、派閥(カネとポストの配分単位、総裁選)
(4)小選挙区制対応の不備:候補者選定、新人教育、部会制度
(5)なれあい国会:law makerとしての認識不足、業界や役人の代弁
(6)メディア(特にテレビ)対応の不備:反与党のメディアに完敗

3.今後の改革の方向
(1)「新自由民主党」が必要・新しい理念の確立:(A)資本主義制度を円滑に機能させる、(B)民主主義を堅持する、(C)社会の安定を堅持する
(2)民主党との差別化:(A)→(B)→(C)の自民党、(C)→(B)→(A)の民主党
(3)国民を代表できる党システム:族議員の廃止、部会制度の見直し、無党派層の取り込み、派閥機能は消滅(大臣、副大臣、政務官人事を派閥人事ではなく能力で行うべき)
(4)小選挙区制への対応→選挙制度改革へ:党主導体制の確立、候補者公募、パラシュートの勧め、徹底した新人教育(とくに演説能力)、専門能力よりも総合的能力を重視、将来的には小選挙区要素よりも比例代表要素の重視へ転換(比例代表を相対的に増やす、定数3の中選挙区制など)
(5)国会改革:国権の最高機関・立法の役割重視、似非政治家主導(官僚の答弁禁止などの民主党の方針)を排して真の政治家主導に、参議院全国比例代表制の見直し
(6)メディア対応の改革:基本は情報公開・透明性の確保、テレビ対応能力の養成、インターネット・ブログなどの活用

4.鳩山内閣・小沢民主党批判
(1)政治とカネ:法律違反は問題、「子ども手当」との政治的整合性
(2)マニフェスト(公約)違反の連続:典型例は長妻厚生労働大臣(年金記録、年金通帳、歳入庁など)
(3)似非政治主導の誤り:天皇の政治利用(中国の習副主席との会見、日本国憲法第1条「天皇は、日本国の省庁であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。」)、国の安全保障よりも連立重視(普天間)、結局は官僚(特に財務省)支配に(事業仕分け)、国会改革(笑うのは官僚、憲法解釈まで政権党が独占するのか・・・いつか来た道につながらないか)
(4)経済成長戦略の欠如:GDPで中国に抜かれる
(5)財政破綻:経済成長によって富を増やし、それを社会保障財源に